エレキ奇譚その三)

     (自慰的改造のススメ)

                              エレキ親父


 自慰的改造は,客観的にみて「特に必要もない!」ということが重要なポイントです。

しかも、本来堂々と世間に公表するほどのものではなく、本人のみぞ知る密やかな楽しみな
のです。それは、見た目にもわかるように改造を施したギターをもって、「どうだい。これ
、いいだろう?」と仲間や他人に明るく言い放つ改造とは対極をなすものです。

  他人から見れば、なんの役にも立たない改造をせっせと行うことが、本人にとっては至
福の時なのであります。そして,その改造ギターをさりげなく人に見せて,どうにか改造を
発見してもらい、「これいったい、どーなってんの?」と聞かれた時を想像して、一人悦に
入るという実に暗い趣味なのです。(あきらかに異常な世界です。)

しかし、そうした密やかな趣味を「発表してしまってどうする」という、ご意見は露出僻
のある小生には当てはまらないので、あしからず。


1. ピグノーズ編

(1) どうしてもヘッドホフォンを使いたい。〜ということで裏
側にヘッドフォン端子(抵抗をシリウスに接続)を増設しました
。クリアーサウンドは結構いけますが,それにしても「下手」に
聞こえるのは腕のせいか?

(2) 外部スピーカーを使いたい。〜ハイハイ!これも標準ジャ
ックを増設しました。ここに模擬スピーカー(ただの大容量の8
Ω抵抗)をつないで,ライン・アウトからミキサー等に通し「デ
レイ+リバーブ」をかけ,アンプのボリュームを上げて弾くとか
なり自己陶酔出来るでしょう。

(3) アンプが滑りやすい。どうにかして!〜と言う訳で,アン
プの下部にゴムを4個付けました。(今度は引っ張るとパタン!
と倒れる。・・・・・・・・・)
 [写真1、2、3、4参照]

 2. ストラト編
  [写真5,6参照]

(1)Pu回路
ストラト最大の武器であるフェイズアウト・サウンドを3段切替
SWで出したい。またトリプル・ミックスのサウンドを出したい
。さらにテレキャスみたいなフロント+リアのサウンドが出した
い。〜すべての願いをかなえましょう。しかし,物事には犠牲が
必要です。この場合センターPuです。通常3段や5段SWでは,
センターPu単独のポジションがありますが,この改造を実施し
た場合,センターPuはミックス専用となり単独は出来なくなり
ます。もちろん,ミニSWやポットSWを使用すれば上記の犠牲
は救えますが,「見た目はノーマル」というのが自慰的改造の基
本理念ですので,あえて採用しません。(キッパリ!)

 改造方法

a.切替SWのセンターポジション部端子からセンターPu用の
トーンへ接続されているリードを切放す。さらに,センターPu
用のトーン・コントロールからC回路へ接続されるリードも切放
す。

これで,トーンコントロールは空になりました。

b.切替SW回路を[フロント]・[フロント+リア]・[リア
]の3回路用に変更する。切替SWのセンターポジション部端子
からセンターPu用の±リードを切離し,前項で空いたトーン用
のセンターポジション部端子にフロント,リア各端子よりバイパ
スをかければよい。この時フロント用トーンへのリードは切放し
ておくこと。(後で使います。)
c.前項で切離したセンターPuの±リードをセンターPu用の
ボリューム(旧トーンコント ロール)に直列接続する。この時,
フルボリュームにした時に抵抗が「0」になるように,トーンで
使用していた場 所の反対側端子を使用すること。また,Puリー
ドの極性に注意すること。                 
d.センターPu用のボリュームの出力端子からのリードを切替
SWのCom部(プラグ 側)に接続し,切替SWがどのポジショ
ンにあってもセンター Pu用のボリュームを上げると,フロント
PuまたはリアPuにミックス出来るようにする。

使用方法
(旧センターTONEコントロールを10で抵抗最大、1で抵抗最低と
して接続した場合)
a.センターPu用のボリューム下げ時(旧センターTONEコント
   ロール10のとき)〜 3段切替SWのポジションがフロント
  (フロントPu),センター(フロント+リアPu),リア
                      (リアPu)となる。

 

 b.センターPu用のボリューム上げ時(旧センターTONE
   コントロール1のとき)〜3段切替SWのポジションが
   フロント(フロント+センターPu),センター(フロ
   ント+センター+リアPu),リア(センタ ー+リアPu
   )となる。

 c.センターPuの出力はボリュームにて、無段階に調整可能
   な為、フェイズアウト・サウンドの色合いは無限といえま
    す。(ヘケケ!)

(2)トーン回路

前述の改造にて,ノーマル(フロントとセンターは独立したトー
ンコントロール有りで,リアが無し)の回路が変更になりトーン
無しになっているため,トーンが使えるようにしましょう。つい
でに,全Puにトーンがかかるように改造してしまいましょう。

 改造方法

a.切替SWのフロントポジション部端子から切離してあった,
フロントPu用のトーンリードを切替SWのCom部(プラグ側
)に接続する。これで,すべてのPuにトーンがかかり ます。

 使用方法

a.普通にトーンコントロールとして使用する。
b.コードを「ジャラーン」と弾いた時にグリグリ回して,ワウ
効果を出す。この場合,リアPuを使用すると効果が絶大です。
はじめからクライベイビー使えばよいのでは?といった素朴な疑
問もありますが,「ギ ター1本,アンプにダイレクト入力がカッ
コいいのだ。」と思い込んでる意固地な方にの み適用される奏法
です。

(3) Pu切替SW

これは,装備されている切替SWが「バネ付きSWではない場合
」にバネ付きSW(CRL製がよい)に交換するといった他愛の
ない改造です。しかし,その目的はSWの切替音にリバー ブ(S
Wの切替時にバネにより「カシャーンッ」という若干のリバーブ
効果が発生する。)をかけたいという,非常に
フェチ的なものです。これは,まったく音楽とはかけ離れた次元
のもので,健全な方々にお勧めする価値の無
い改造です。しかし,私は全部のストラトとテレキャスにこの改
造を施してあるのです。そして,「カシャーンッ」という音を聞
き満足するのであります。(病気はかなり重症でしょうか?)
  [写真7参照]
3. テレキャス編

(1) Pu回路

これは、暇にまかせて「52‘リイシュー」を元に外見上の改造
無しにて、5段切替SW、コンデンサー、ポットSW等を酷使して
「9種の黄金の回路図」を作成しましたが、手書きのためスキャ
ナの無い小生は、PC図面にするのも面倒なため搭載できません。
興味のある方は、手書きの汚い図面ですが、ご希望あればFAX
いたします。(価格は1部300円です…冗談です。ただ!ただ
です。)
  [写真8参照]

(2) 掟破りの改造

これは,もっか製作中の「照れキャスター・親父カスタム」のことです。次回に特集したいと思います。
 でわ。


  第1弾「エレキ奇譚」
 
第2弾 フェンダー・シングルコイルPU・フェチ
  第4弾 掟破りの改造(照れキャスター・親父カスタム)
 
第5弾 日本の2大インスト巨匠