エレキ奇譚その4

           掟破りの改造

                           エレキ親父


  ご無沙汰しております。
 ネタ切れと申しますか、筆枯れ(指枯れ?)とでも申しましょうか、長期間にわたり
投稿できなく申し訳ございませんでした。(恐縮! 発汗)
 さて、私事ではありますが、「エレキ奇譚その三」でも触れました改造ギターにつきま
して、やっと完成いたしましたので、ご紹介させてください。
 ギターの名称は
「照れキャスター・親父カスタム」です。今後は、このギターがエレキ
親父のメイン・ギター(インスト物以外の時)となるのでしょうね。

 [写真1:「照れキャスター・親父カスタム」を手に
  はしゃぐエレキ親父]
 1. 製作の動機
 チャンキー貝沢氏の「徳武モデル・テレキャス」を見て
、すぐ自分もテレキャスが欲しくなり衝動的に購入を決意
しました。しかし、市販のテレキャスには満足出来ず、か
ねてより自分なりに抱いていたのテレキャス像を具現化し
たく、今回の改造となりました。
 「エレキ奇譚その三」で「地味な自慰的改造」を賛美し
ておきながら、今回は見た目ですぐに分かるようなハデな
改造をしてしまい、大変恥ずかしいかぎりです。純正マニ
アの方から見ますと、まさに「掟破りの改造」といえる
でしょう。
 [写真2:全体像]
 2. 仕様
(1) ネック
 素材ギターのネックそのままの、メープル1ピースネッ
クU・シェイブで指板のアールもきつすぎず、フレットは
細身で低いので弾きやすい。
(フェンダー・マークが欲しくてオリジナルはやめて、出
 来合いギターの改造とした。)
 [写真3:ネック]

(2) ボディ
 テレキャスの欠点としては、ボディの縁が角ばっており
肋骨に当って痛いのと、右肘も角に当たって痛い点が上げ
られます。その点ストラトはコンター・ボディで弾き手に
優しい構造になっております。そこで今回テレキャスにス
トラトと同じコンター加工を施しました。
 ボディ質量が減ったうえ、ライトウエイト・アッシュ材
とあいまって非常に軽いギターとなりました。質量減が音
質に及ぼす影響(音が軽く、芯が若干細くなったり、中低
域の成分が減少したりする傾向)については、今回は目を
つぶりました。
 超軽量のこのギターは体にやさしい「高齢者対応ギター
」といえます。これと反対のものは、同じテレキャス型で
は「フィリッツ・ブラザース」があります。それから、レ
スポールも体に酷でしょう。しかし、どちらも重さに比例
して、音が非常に良いのです。
 (ウウム………悩みは尽きないですね)
 [写真4、5:ボディのコンター]

(3) ブリッジ
 これもまたテレキャスの欠点である、3分割ブリッジに
代えてブラス製の6分割ブリッジを採用しました。これで
ハイポジションのフレット音痴は解消されます。
 見た目もキラキラの真鍮色です。
 [写真6:ブリッジ]

(4) ピックアップ
 素材としたギター(フェンダー・JPTL5280
TX)に付いていたテキサス・スペシャルPUを流用しま
した。たいそうなネーミングですが、要はコイル巻数を増
やして出力アップを図ったようなものでしょうか? しかし
、今やテレキャスには最低限の装備として定着しており、
私も安易にそうした時流に乗ってしまいました。
 (それにしても、今回テレキャス用のレースセンサーを
  取り付けたかったのですが、すで に発売中止になって
  おり、どこにもないのです。ウウウ……どなたか不要
  なお手持ち品がありましたら御一報下さい。)

(5) コントロール・パネル
 普通、テレキャスのコントロール・パネルはフロント側
よりPU切替SW、VOLUMEコントロール、TONEコントロールの順で、
ボリューム奏法が非常にやりにくい配置となっております
。これもテレキャスの改造ではポピュラーな「パネルの
180度反転」を行い,VOLUMEコントロールとTONEコントロールの位置
を入替えました。これによりVOLUMEコントロールが近くなり
ボリューム奏法が容易になりました。また、TONEコントロールも
近くなって、コードを「ジョリーン」と鳴らしてからグリ
グリ回して「ジョワジョワジョワ…」という音を出すワウ
効果奏法もやりやすくなり、たまんないです!
 (ククク…涙)
  
[写真7:コントロール・パネル]

(6) PU切替SW回路他
 PU・SW回路は一般的なもので、フロント側よりフロ
ント・フロント+リア・リアの3回路としました。4回路
および5回路の切替SWも検討しましたが、面倒なのが苦
手な性格を考慮し,あえて単純な3回路としました。また、
SWノブは52年タイプの丸型に代えて 操作性の良い62年
タイプ(トップ・ハット型)を採用しました。
 [写真8:PU切替SW]

(6) ボディ色
 素材のギターは3プライ(低価格製品……涙)なので、半
透明な52年タイプのオリジナル色にしますと3プライがモロ
見えになり、いま一つカッコ悪いために、あえて不透明なビ
ンテージ・ホワイトを採用してしまいました。ピック・ガー
ドをホワイトに換えてボディ色を赤か青のメタリックにする
案もありましたが、迷った挙げ句にビンテージ・ホワイトの
ラッカー塗装仕様に決定しました。黒のピック・ガード(ベ
ークの1プライ)との組合わせは、地味ですが結構いけてま
す。(ウウム。美しい)

3. 素材のギター
 フェンダーJPのTL52-80TXギター

4. サウンド
 素材のギターは「パキパキ」した軽い感じの「いかにもテレキャス!」って感じですが、その感じはボデー
のコンター加工後もあまり損なわれておらず、ひとまず安心しました。
 フロントPUは、中低域成分のまわりにややエッジがかかり、52年リイシューの「ぼんやりした甘さ」
はまったく出ません。(とくに低音弦側は、フロントPU+リアPUの音との区分けがつかないぐらい甘さが
無い!ちょっと不満です。)
 リアPU+フロントPUは高音弦側は「チョリーン!」とした、いい感じになってます。しかし、低音弦側
はちょっと丸すぎて、「コンコンした感じ」が出ないのであります。(これも不満!)
 リアPUは、パキパキした感じの歯切れの良い音です。(しかし、ネバリはほとんど無い!)
 まあ全体的には、さわやか系の癖のない感じで、たとえるなら雲一つ無く晴れ上がった「青空サウンド!」
とでも言いましょうか。ともかく、素材ギターの価格からすれば、一応満足するしかないでしょうね。
 (………ウム)

5. 製作費
 素材のギター たいへん安い。
 改造費用 えらくかかった。(ギターの価格よりも高い。ウーム)

6. 製作者 元請:アポロン(下請:外注会社の某氏?)


  第1弾「エレキ奇譚」
 
第2弾 フェンダー・シングルコイルPU・フェチ
  第3弾 自慰的改造のススメ
 
第5弾 日本の2大インスト巨匠