「トンプソンさんですか。」
『そうだよ。』
「私はあなたの30年来のファンです。」
『わー、ほんとに。そりゃーうれしい。』
■何とRTことリチャード・トンプソンと固く握手を交わしたのだ。話そうとしても言葉に詰まりただただ小踊りをしていた私。RTは更に貝沢氏に近づき自ら手をさしのべ握手をしてくれた。
■「今夜のギグ(ショウと言ったのかも。)は見に来てくれるのかい。」とにっこり。「イエース、(もちろん楽しみにしてますよ。→これは心の中で。)」と答えるのがせい一杯だった。たった10秒くらいの出会い、最高の気分、夢見心地の二人・・・。
■それは2月21日の夕方渋谷クアトロ前の路上でのできごとだった。固くて柔らかい、冷たいようで温かい大きな手。ライヴへの期待が、モリモリと胸の中で盛り上がる。
■8時からのライヴに6時から並び(オールスタンディングなので。)見事最前列確保。
The man with a guitar !
Mr.Richard Thompson ! ! !
というMC(これは私の心の中のMCです。)と共にいつものギターを抱え、これまたいつもの黒ずくめの衣装で現れたRT。
■いうことなし。何と言うかっこ良さ。2時間たっぷり休憩なしのライヴ。待っていた時の足腰の痛みなんてどこかに飛んでいってしまったぜい。
■MCは早口のロンドン訛り。わからないことだらけだったけど、泉のように次から次へと繰り出される歌とギターでもう飛びっぱなしだったよ。歌・ギター・人柄、どれをとっても言うことなし。今までのライヴの中で最高だ、と私(関口)は断言する。ライヴのレヴューは貝沢氏の秀逸なレポートがあるのでそちらを参照されたし。
■個人的に一番嬉しかったことを書く。
最後の最後、アンコールの7曲目、ああ何と何と、我が最愛のRT曲
" Galway To Graceland " を演ってくれたのだ。" Wall of Death
"(これも大好きな曲だ。)が終わると後ろの方から「グレースランド!」(カタカナで。)とリクエストがとんだ。これはオフィシャル・アルバムには入っていない曲、公式ブートやコンピレーション・アルバム
" Watching The Dark "
(これはRTを知らない人にも、ベテランにも二食三食抜いても聴いてもらいたい超必聴のアルバムだ。)にのみ収録されている。私も初めて聴いたのは、イアン・マシューズ(RTのフェアポートでの盟友。ついでながら私のベスト・フェイバリットアーティスト。)のアルバムで、だ。
■このわりとレアな曲をリクエストしてくれた日本人(感謝!)がいたことに感激、そしてこれに応えてくれたRTに総毛立つほど感動したのだった。わーっ、これやってくれるんだってね。
エルヴィスを慕い胸にElvis,I Love You
と入れ墨を入れる。家族をすてアイルランドからエルヴィスの眠るメンフィス(グレイスランド)へ飛び、キングの墓のそばに居続ける。終いには手錠をかけられ引きずり出される悲しい中年女の物語。
■もう夢中で一緒に歌い目頭を熱くする中年男の姿がそこにあった。ありがとうRT
! !
こういう物語でエルヴィスへのオマージュを表現できるRT、あなたはエライ。
■最後にミーハーな文章になっちまったぜ。お許しあれ。
とまれRTを聞かずして英国ロックを語ることなかれ。乞う、バンドでの来日!
! できればRT+Danny T.+Dave Mattacks+Pete Zorn+Teddy T. ! !
何食抜いても行くぞ。
■RTにほれなおした中年男(関口)によるお粗末なレポートでした。チャンチャン。
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