ロスタイムに御用心 第6話
  
W 杯 日 本 代 表 決 定 !!
 
〜 ゴールデン・エイジの飛翔

GK:1川口能活、12楢崎正剛*、23曽ヶ端準*

DF:2秋田豊、3松田直樹、4森岡隆三*、6服部年宏、16中田浩二*、17宮本恒靖*

MF:稲本潤一*、7中田英寿*、8森島寛晃、14三都主アレサンドロ、15福西崇史

  18小野伸二*、19小笠原満男*、20明神智和*、21戸田和幸*、22市川大祐*

FW:西澤明訓、10中山雅史、11鈴木隆行、13柳沢敦*

 5月17日ついにW杯に臨む日本代表23人が発表されました。号外も出ましたね。見出しは「ゴン入った!俊輔落ちた!」が多かったみたいで、たしかに中山・秋田にはビックリしましたが、中村の落選とともに納得できる人選ではあります。中村ファンとしては残念なんですが、中田ヒデと小野がいるチームに同じパッサーの中村は居場所を失ったということでしょうか。ヨーロッパのリーグでボランチを経験しよりスケールアップした中田と小野。中村もこの辺でもう一つ二つ武器を開発して次のドイツW杯には堂々の中心選手となって出場をはたしてもらいたいな。


 さて上のメンバー・リストですが、黄色字が25歳以下で*マークは'99年 U-20ワールド・ユース(20歳以下のW杯)準優勝メンバーと '00年シドニー・オリンピック(U-22)の代表選手達。25歳以下が16人、平均年齢25.2歳です。これってキチンと比較していないけど今大会出場国中では、かなり若いチームと言えるのではないかな。
 この '99年と '00年の大会の監督がフル代表の監督も兼任していたフィリップ・トルシエだった。おそらくトルシエはこの頃から、彼等若い逸材を中心とした代表チームでW杯に臨もうと考えていたんだろう。'00年以降彼等をフル代表のメンバーとして招集し経験を積ませ、徐々に中心選手として抜擢してきた。トルシエ流競争原理を導入しつつ。

 小野、稲本、小笠原、中田(浩)、今回は落選の高原、本山、酒井、南、彼等は'79年生まれの同期で高校生年代から全国区の知名度を誇った選手達だった。日本サッカー史上これだけの逸材が揃った年代は初めて。まさにゴールデン・エイジ!。彼等が準優勝したワールド・ユース、前回と前々回大会のベスト8進出も快挙と言われそのメンバーが '95年の中田ヒデ、森岡、松田、(チーム立ち上げ時にはFWに鈴木と西沢もいた)'97年には宮本、戸田、明神、柳沢そして中村がいた。そう言えばあのアトランタの奇跡、'96年オリンピックでブラジルを敗ったゲームのピッチには川口、松田、服部、ヒデの姿があった。
 若い頃より世界の舞台で戦い、常に世界を見据えてプレイしている彼等若き日本代表に愛着を感じてきたし大いに期待している。特にオランダで大活躍、ヨーロッパ・タイトルであるUEFAカップまで獲得した小野の成長は日本にとって凄いプラス要因だ。中田・小野という二枚看板の誕生はチーム全体をスケールアップしたように思う。稲本にしてもアーセナルという英国プレミア・リーグ2冠に輝く名門チームの一員として、出場機会には恵まれなかったけど常に世界の超一流プレイヤーと一緒にトレーニングし間近に接することで、得た物は大きかったように思う。ヒデは言うに及ばず、凄みが増したようだ。
 僕は思うのだ、才能がありまた人気まであったゴールデン・エイジ達とヒデ達世代。トルシエは彼等の真のポテンシャルを引き出しているのだろうか。僕には彼等のゲームが窮屈そうに思えることがある。選手の生殺与奪権を握る指揮官トルシエと従順な優等生達。トルシエのもと、日本代表は強くなったのか?

 さてそこでトルシエだ。僕はトルシエがキライだ。あのコパ・アメリカの惨敗で敗因をすべて選手に押しつけたような指揮官を信用できないからだ。その後も不信感を持ち続けている。攻撃に関しては無策だと思う。つまり " イッテコイ! " なのだ。あるいは中田任せと言おうか、オプションが無いのだ。市川とアレックスが招集されたのが今年に入ってからで、もちろん彼等はサイドのスペシャリスト。それまでトルシエは複数ポジションをこなせる選手を育成しスペシャリストを好まなかったと思う。例えば守備的なプレイヤーの明神・服部をサイドのプレイヤーとして使うとか。今頃になって攻撃オプションを増やそうなんて遅すぎると思うけど。とにかく大会直前にいたるまでラボ(実験室)と称してMF・FWを取っ替え引っ替え試して来た。中田以外は。いまでも日本の攻撃のカタチってのが見えないのはこのせいだ。けっきょく中田と小野の才能にオンブしようってことだろうか。
 トルシエ・ジャパンの一番のウリはフラット・スリー。高リスク・ハイリターンのシステムといえるもので、彼はこのトレーニングに余念が無かった。3人のDFポジションだけは固定化されて来た。'00年以降は中田浩二、森岡、松田で固定化され、森岡がケガで欠場の時は宮本が任され、サイドに中沢、服部がバックアップとして出場した程度。(上村の場合もあったな)去年今年とほぼ中田、森岡(宮本)、松田で固定化され、バックアッパーの出番はほとんど無かった。この前のヨーロッパ遠征で中沢が起用され、ようやくバックアッパーも臨戦態勢かと思っていたら、なんとその中沢は代表落選。秋田はヘッドが強いしマン・ツゥ・マンに強い熟練ディフェンダーだけどフラット・スリーに関しては中沢でしょうが?今頃になって何故?中山、秋田だってもっと早く呼べばいいのに。
 5月に入ってのヨーロッパ遠征で露呈したとおりフラット・スリーはヨーロッパの強豪には通用しなかった!?ように見える。その結果が秋田の招集?

 でもね、僕は希望を持っている。決勝トーナメント進出できるってことに。トルシエなんて忘れよう、" トルシエ優等生 " なんて返上しよう!戦うのは代表23人なんだから。
 ゴールデン・エイジ達に期待しよう!若き日本代表に期待しようじゃないか!彼等の夢は、ただW杯に出場するだけじゃなくて、活躍し結果を出し世界的なプレイヤーになることのはず。世界への門は自らが開ける、そんな高いモチベーションで戦って欲しい。
                              (2002.5.20)
 

  第1話 ファンタジスタのリベンジ
  
第2話 EURO2000 激しいイントロ・・・1次リーグ篇
  
第3話 EURO2000 怒濤のトーナメント・・・決勝トーナメント篇
  
第4話 EURO2000 そして官能のクライマックス・・・ファイナル篇
  
第5話 2002WORLD CUP 勝ち上がり予想 

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