音盤 BAN BAN

  THE FIRST IMPRESSION 

 ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
 あくまでも、第一印象ですから。


 November 1999
 Beck / Midnite Vultures
  待望のベックの新作。相変わらずトップの曲がバツグンにいい。つかみがうまいぞ。「メロウ・ゴール
  ド」の"ルーザー"「オデレイ」の"デビルズ・ヘアカット"、そしてこのアルバムの"セックス・ロウズ" 、
  ガツンとくるカッコよさだ。アルバムとしてはいままでで一番キャッチーな出来。オモチャ箱ひっくり返
  したような楽しさはベックならでは。ライヴでのヘンな青年らしさもオカシイぞ。  
10点

 Jimmy Jackson&Pull String Angel / No Words...
  新たなテレ・マスター登場。うまいのなんの。やっぱギター・ミュージックにとってカントリーの世界は
  桃源郷だな。カントリー系リックはメチャうまいし、アーシーなスライドもいい味だしてます。どんなふ
  うに弾いてるのか見てみたいな。 8点

 下達郎 / On The Street Corner 3
  シュガー・ベイブがまだメジャー・デビューする前、渋谷ヤマハで無料コンサートをやるってので見に
  行った。開演前道玄坂を歩いてたら"BYG"の方から山下達郎が仲間達と歩いてきた。大貫妙子ももちろん
  いた。達郎の額はすでに広かった。「あっ、達郎だ!」と立ち止まった時、目が合ったような気がした。
  あの頃からそして今も、彼の真摯に音楽に取り組む姿は変わらないな。今回の『オン・スト3』、「恋は
  曲者」がうれしかった。このアルバム、売れているようでうれしい。そして買ってくれた人の内10人に
  1人でも本物のドゥー・ワップ、キャデラックスやティーネイジャーズやムーングロウズ、ドリフターズ
  などを聴いてくれたらうれしいな。ロックン・ロールよ永遠なれ! 
10点

 The Cats & The Fiddle / Killin' Jive
      〃     / Hep Cat's Swing
  大好きなジャズ(4弦)ギタリスト、タイニー・グライムスが在籍したジャイヴ・コラス・グループの
  2枚。'39年〜'46年の作品集です。ジャイヴ?て訊かれてもこまるんだけど、たとえばスピリッツ・
  オブ・リズムとかミルス・ブラザーズとか初期のナット・キング・コール・トリオとか、まあシャレた
  スインギーなジャズ小唄って感じですか。(雑な表現でごめん)気持ちが良くなる音楽ですよ。8点

 Nat King Cole Trio / Live At The Circle Room
  そのナット・キング・コール・トリオ、初期のライヴです。'46年ミルウォーキー。粋だよねホント。
  コールの流麗なピアノと甘い歌声、オスカー・ムーアのスインギーなギター、J・ミラーの弾むベース。
  熱気あふれるライヴ。グルーヴィー! 9点

 Hank Williams / Live At The Grand Ole Opry
  ホンキートンク・カントリーの王様の'50年前後ライヴ。会場はカントリーの殿堂、ナッシュビルのグラ
  ンド・オール・オプリー。ロックのライヴとは違った、和気あいあいな賑やかさがいかにもな感じ。歌と
  演奏はラフな感じです。 8点

 Jerry Reed / Here I Am
  ジョージア生まれの偉大なフィンガー・ピッカーの初期'50年代中頃の作品集。全盛期の華麗でファン
  キーなプレイは聴けませんが、ロカビリーやいかにもなカントリー・ソングを歌ってますが、南部生まれ
  らしくけっこう黒っぽい。 7点

 Phil Manzanera / Diamond Head
  '75年作のファースト・ソロ・アルバム。ロクシー・ミュージックの同僚イーノ他J・ウェットン、R・ワ
  イアット、E・ジョブスン、A・マッケイなどゲストが豪華。ビター・スイートなプログレ風味がイカシテ
  ます。クワイエット・サンも聴いてみようかなって気になってきたぞ。  8点

 Mahavishnu Orchestra / The Lost Trident Sessions
  J・マクラフリンとマハヴィシュヌ・オーケストラ、'73年の作品。当時はアンチ・マクラフリンだっ
  た な。「何もそんなに大仰にしなくても」って感じ。でも、その後ブームとなった凡百フュージョンに
  比べるとはるかにいいね。と言うよりこのアルバム、すごくいい。マクラフリンを始め、B・コブハム、
  Y・ハマー、J・グッドマン、によるハード・エッジなインター・プレイが圧巻です。  9点

 Dixie Chicks / Fly
  いいなあ。すごくいい。極上のアメリカン・ポップスだね。彼女達、カントリー・ミユージック・ア
  ウォードで初めて見ました。チャーミングな3人の女性がフィドル、バンジョー、ヴォーカルで登場、
  ポップでパンチの効いた演奏が印象的でした。で、このアルバムを聴いて彼女達のフィドル、バンジョ
  ー、ドブロなどの巧さにびっくり、それにましてヴォーカルとハーモニーの気持ちよさ。曲もいいしね。
  イマドキのカントリー・ミュージックであり、極上のアメリカン・ポップス、ロックです。
10点

 Crosby Stills Nash & Young / Looking Forward
  「デジャ・ヴ」からほぼ30年。CSN&Yの新作が届けられた。別に期待はなし、ただみなさん元気でやっ
  てますかって感じ。聴いてみたらけっこう良かった。4人がしっかりと自分の世界を持っている人達なん
  だね。ゆるぎないものがあるな。 8点

 Kris Kristofferson / The Austin Sessions
  J・ジョプリンでおなじみの名曲「ミー・アンド・ボビー・マギー」の作者であり、歌手で俳優のクリス
  トファソンの新作。セルフ・カバー集です。地味でシブくて淡々と歌っています。それでもじんわりと心
  に沁みてくるんです。  8点

 Davey Graham / All That Moody
  デイヴィー・グレアムの魔法の手。この'76年作品ではジャズ、クラシック、トラッドの曲と共にたくさ
  んのオリジナル曲を演っています。インド風やスペイン風?風など。歌心あるれる独特の翳りを持つ彼の
  ギター・ミュージック満載。もっともっと聴かれて欲しい人です。名曲「アンジー」も入っています。
                        9点

 Jewel Spotlights The Blues  
  ジュエルのモダン?ブルース集。これを買ったのはただただビッグ・マックの「ラフ・ドライド・ウー
  マン」を聴きたかったから。大好きなこの曲、カセットテープでしか持っていなかったので、CDをみつ
  けた時は感激でした。この曲、ビッグ・マックのハードなシャウトもいいけど、なんといってもヒューバ
  ート・サムリンのギターに尽きる。3大 キングのギターしか知らないブルース・ギター・ファン(どん
  なファンだ?)にぜひ聴いてもらいたい、それがヒューバート・サムリンです。それからこのアルバム、
  カーター・ブラザーズの「サザン・カントリー・ボーイ」も入ってるし、フランク・フロストやリトルジ
  ョー・ブルー、ワイルド・チャイルド・バトラーとかなかなか聴く機会のないカッコいいブルースが選曲
  されています。  
10点

 Steely Dan /Aja (DVD Video)
  スティーリー・ダン'77の名作『彩(エイジャ)』のメイキング・ヴィデオ。というかフェイゲンとベッ
  カーが当時のレコーディングをマスター・テープを元に振り返ってみるって企画の映像です。当時の参
  加ミュージシャンがたくさん登場しますが、なんといってもベースのチャック・レイニーとドラムのバー
  ナード・パーディの職人ぶりに脱帽です。スティーリー・ダンてホント良かったなあ。 
10点

 The Chieftains / The Long Black Veil(VHS)
  チーフタンズ '95年のアルバムのメイキング・ヴィデオ。レコーディングの映像見てたらカルロス・ヌニ
  ュスもガイタを吹いていました。うれしい発見。スティング、ライ・クーダー、マーク・ノップラーなど
  ゲストも多数登場。中でもシネイド・オコナーがとてもキレイでした。輸入ヴィデオだったのでインタビ
  ューの内容がわからずとても残念。ともあれ改めてアイリッシュ(ケルト)ミュージックの魔法を見た気
  がする。 9点

       今月はここまで。


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