ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。あくまでも、第一印象ですから。
Kyon
& Black Bottom Brass Band / Dangerous Hoy! Sauce
関西の若手ブラス・バンドにKyonが共演とプロデュース。思ったほどニューオリンズぽくはないな。ラテン
にジャズにパンクにファンクとバラエティに富んでいて、爽快にとばしてます。たまたまNHKの「青春メッ
セージ」で演奏する彼等を見たんだけど、カッコ良かったよすごく。売れてほしいバンドです。 8点
Dr. John / Duke Elegant
Dr.ジョン、デューク・エリントンを歌う。えっ、これがエリントン?が第一印象。まったくジャズっぽくな
いです。ミーターズをバックにしたかのようなタイトでファンクなエリントンです。Dr.ジョンが自分の土俵
で巨匠を楽しんじゃったんです。 9点
Stereolab / Milky Night
ジョン・マッケンタイアにジム・オルーク、そしてステレオラブ。無視しきれない気がして聴いてみた。
きっと小賢しいエレクトロ・ポップなんだろうなって思ってたらドコドコと生っぽいタイコが鳴り響きリー
・ジャズなコルネットが飛び交い、そこにフレンチ・ポップのような女性ヴォーカルが・・・。なんかクラ
クラするな。この1曲目がベストだったな。やっぱり小賢しい音楽だな。でも気に入った。 9点
Tom Petty & The Heartbreakers / Live From The Fillmore(DVD)
まったく小賢しくない音楽の代表。アメリカン・ロックの良心みたいなバンドの'99フィルモア・ライヴ。
このテのロックは僕のヘソみたいなもんだからなにも文句はないトムのひきずった唄い方がカッコいい。2
本のギターがアンサンブルの要なんだけど、このオッサン達ほんとギターの鳴らし方を心得ていらっしゃ
る。 9点
Mary J. Blige / Mary
レディ・ソウルだったらいまだにサザン・ソウルが好きだ。メンフィス・ハイのアン・ピーブルスやフェイ
ムのキャンディー・ステイトンなんかが一番好き。さてメアリー・J、骨太です。ヴォーカルは文句なし。豪
華ゲストの中でE・クラプトン、え?え?いたの?フューチャリングE.Cが泣くよなあ。まあゲストに頼らず
ともこのアルバム、なかなかの出来映え。バックのサウンドは僕にはいまいち。 8点
Jerry Donahue / Telecasting Recast
"惑星一のベンド・マスター"にしてテレ・マスター、ジェリー・ドノフューです。もちろんバカテクです、
しかも歌心があります、元フェアポート・コンヴェンションですから。ただヘルキャスターズの一連の作品
に比べると地味かな。 8点
The Kentucky Colonels / Live In Stereo
20歳のクラレンス・ホワイトのギターが冴える'65年のライヴ。ブルーグラスはずっとまえから好きだっ
たし、バンジョには挫折したけどマンドリンは今でもたまに練習していて、有名曲「Soldier's
Joy」はずっ
と弾いてるんだけど、このアルバムでのこの曲、なんと僕の2倍の速さで演ってます。唖然!!(僕のプレ
イがおそいってこともある)も~ホット・リックスの応酬が熱い、とても音の良いライブ盤です。 8点
Alison Krauss / Forget About It
ディクシー・チックスがすごく良かったから同じ女性ポップ・カントリーとして期待して聴いてみたみた。
静かな曲が多く、ちょっと物足りない。ただジェリー・ダグラスのドブロがとても良いスパイスとして曲を
締めています。 8点
Meret Becker / Nachtmahr
ドイツの女性シンガー。女優さんでもあるキレイな方。ダンナのアレックスはノイバウテンのメンバー。
ん?ノイバウテン?なにやらキケンな匂い。一筋縄ではいかない音楽だな。ドイツの女性シンガーで知っ
てるっていったらディートリッヒ、ロッテ・レーニャ、ニコ、ニナ・ハーゲン、その程度ながら何故かみん
なその音楽にコワサが・・・。好きかキライかはともかく何か気になる音楽だが。 7点
Marc
Ribot / Y Los Cubanos Postizos
熱烈大歓迎!マーク・リボーと偽キューバ人達によるアルセニオ・ロドリゲス賛歌。波間に漂うようなク
ラーベスの5つ打ちで「あっキューバなんだ」ってわかった1曲目に引き込まれて、後は怒濤のように押し
寄せるフェイク・キューバン(ソン)の世界。マーク・リボーっていったいナニモノなんだろ。ギターの官
能的な歪み具合にのけぞるのけぞる。ジャケットもカッコいいぞ。とにかくマーク・リボーに要注意!!
10点
くるり / 図 鑑
期待の若手3人組。ジム・オルークが数曲プロデュース&ミックスも話題に。撃音と静寂、展開の多いアレ
ンジながら曲そのものはいかにも日本的。 7点
坂本真綾 / Dive
清楚な歌声です。声優として活躍中?の坂本真綾のセカンド・アルバム。全曲、作編曲が菅野よう子。「カ
ウボーイ・ビバップ」の(僕はそれしか知らない)菅野よう子だから面白そうと予感。坂本の歌と菅野の曲
はバツグンの相性のようだ。けど、菅野さんちょっとアレンジが前面に出過ぎじゃないですか?次回も期
待大! 9点
Flamin Groovies / Teenage Head
シスコのバンドで'71年の作品。ストーンズに似てるストレートなロック・バンドでこの時期のストーンズ
同様のスワンプ風味がいい感じ。好感もてます。 8点
Captain Beefheart & His Magic Band / Safe As Milk
奇才ビーフハートの'65年ファースト・アルバム。当時20歳のライ・クーダーが参加し、それらしいスライ
ドを聴かせます。一見ストレートなブルース・ロックありR&Bありですが、すでにちょっとヘン。今に通じ
るカオスなロック・アルバム。 8点
Nusrat
Fateh All Khan / Swan Song
'98年48歳で亡くなった"20世紀の偉大なる歌声"ヌスラット・ファテ・アリー・ハーンのラスト・ライヴ・
アルバム。パキスタンのパンジャーブに生まれイスラム教神秘主義の宗教音楽カッワーリーの第一人者に。
僕がヌスラットを初めて聴いたのはちょうど10年前、ワールド・ミュージック・ブームのさなか、強烈な歌
声に圧倒された。伝統にしばられない彼の音楽表現はその後どんどん異種格闘技を繰り返し、世界中に多く
の熱心なファンを得た。久しぶりに聴いたヌスラットの「Swan Song
」、そのポップさに驚いた。ベース・
ギター・ドラム・キーボードといったロックっぽいバンドをバックに従えながら常に"あしたのカッワーリ
ー"をめざす。まだまだこれから、いろんなスタイルで力強い音楽を創出すべき人だったのに、ただただ惜
しい。 10点
Uncle Tupelo / No
Depression ( LP )
オルタナ・カントリーの2大バンド、ウィルコとサン・ヴォルトの源流バンド'90年デビュー・アルバム。パ
ンクでガレージでカントリーなバンド。熱い勢いを感じる。ヴォーカルに哀愁があるのでカントリーにむい
てるんだね。グランジなカントリー・ロックとも言えるな。その後に影響を及ぼしたワケがわかったよ。
9点
今月はここまで。