音盤 BAN BAN

  THE FIRST IMPRESSION 

 ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
 あくまでも、第一印象ですから。

 March 

 Doug Sahm / Daug Sahm & Band
  
アディオス!テキサス・トーネイド。最高にいかしたテキサス野郎ダグ・サーム。昨年11月18日に
  永眠。ミュージシャンの訃報に接し、これほどガックリしたのはF・ザッパ以来だ。カントリー、ブルー
  ス、テックス・メックス、R&B、なにをやってもサマになる骨太で爽快なロックン・ローラーだった。
  '73年リリースの本作はダクの数多いアルバムの中で一番愛着のあるアルバムだ。'75年頃カット盤LPで
  買った。20代の頃やっていた" サンセット・レヴュー " ってバンドでレパートリーにしていた「ディラ
  ーズ・ブルース」やオレンジ・カウンティー・ブラザーズの曲なんかは、本作に影響されたものでした。
  CD化され久しぶりに聴きました。快調に飛ばす若きダグの歌声にジーンときた。天国のダグに乾杯。
                
10点
 Doug Sahm / Groovers Paradise
  
'74年作。大ファンと言っておきながら本作を聴くのは初めて。CCRのドラマー、ダグ・クリフォードが
  プロデュースとドラム、ベースが同じくCCRのスチュ・クックてことで、リズムはシンプルでタイト。前
  作よりストレートなロック・アルバムとなっている。じつに人の良さを感じさせるダグの歌声が嬉しく、
  そして淋しい。        9点
 藤井康一&関ヒトシ / ウクレレでごめんね
  
名古屋の黒人音楽屋ネットワークの強力推薦で購入。新譜です。ウクレレ入りのジャンプ・ブルース、
  ジャズって感じの愛嬌あふれるアルバム。藤井康一はその昔、千葉のコミック系?ジャンプ・ブルース・
  バンド " うしゃこだ " のフロント・マン。唄とサックスをやってたような気がします。このアルバム、
  実に楽しいです。ウクレレでピーウィー・クレイトンの名曲「ブルース・アフター・アワーズ」をやって
  ます。別にすごいとか心に沁みるとかは無いのだけれど、素敵です。  9点
 Serge Gainsbourg / Vu De L'exterieur
  
前月のバーキンに続きご本尊ゲンスブールです。セルジュ・ゲンスブール。名前を知ってただけ。古い
  シャンソンやミュゼット物、硬派(らしい?)ジャック・ブレルなんかはアルバム買って聴いたりした
  けど、どうもフランス語ってのがピンとこない(意味がわからないってことでは英語もそうだけど)。
  スペイン語の感じって好きなんだけどね。本作'73年の作品で、バックのサウンドがアメリカの当時流
  行っていたシンガー・ソングライター物に影響されていて、まあそんなものか、思った。 8点
 Fats Waller / Masterpieces
  
ファッツ・ウォーラーは大好き。両手でもの凄いテクでピアノ弾きながら、顔はお客さんの方に向けて、
  大きな目をまん丸に開いてクルクルと目玉まわしながら、愛嬌ふりまきながら唄ってるんだから。偉大
  なジャズ・マンと言うより、それを飛び越えた極上のエンタテイナーだったようだ。真にアメリカの大衆
  に愛された彼やルイ・ジョーダン、キャブ・キャロウェイのような人達の日本での評価はまだまだ低い。
              9点
 Sidney Bechet / Masterpieces
  
僕が最初に買ったニューオーリンズ・ジャズのアルバムがこのシドニー・ベシェでした。よくこんなに
  フレーズが溢れ出てくるなって感心しました、当時。今このベスト物を聴いてみると、その幅広い曲調
  にびっくり。スローな曲の暑苦しいビブラートはソプラノ・サックスだったんですね。今になって気づき
  ました。  8点
 小島麻由美 / Songs For Gentlemen
  
待望の新作がなんとライヴ盤で登場。紙ジャケットによるデザインが秀逸です。スタジオ盤に比べヴォー
  カルがよりエモーショナルに、サウンドがよりワイルドに、そして選曲はベスト盤的に、となかなかオイ
  シイ音盤です。" いまどきの浅川マキ " ってのはチト乱暴かもしれないけど、その独特な歌謡美がとても
  気になる。 9点
 Traffic / Mr Fantasy
   〃  / Traffic
   〃  / John Barleycorn Must Die
  
トラフィック初期3作品('67、'68、'70)のデジタル・リマスター・リイシュー。「Mr.Fantasy」は10
  年ほど前CD化されたのを持ってました。でも印象がねえ・・。初めて聴いた10代後半の頃、このアルバ
  ムはすでに名盤の誉れ高く、僕も感動して聴いたものだ。それが今聴くとなんか古くさい。音が左右に
  ビュンビュン飛んで、シタールが鳴ってまさにサイケ。時代を感じさせちゃうんだよ。2ndもしかり。
  だからと言って悪いアルバムじゃないんだ。スティーヴィー・ウインウッドとデイヴ・メイソンという
  才能溢れるミュージシャンを中心に創り出されたブリティッシュ・ロックの名盤ではあるんだが、音その
  ものに古くささを感じる。「John Barleycorn ・・」は一度解散した後の再結成アルバムで、前2作に比
  べ、スティーヴィー主導のふっ切れた感じのするアルバムだ。タイトル曲はブリティッシュ・トラッドで
  、スティーヴィーの凛として歌声が素晴らしい。ボーナス・トラックのライヴではソウル・ファンク・
  ジャズを彼等らしく融合した熱い演奏が聴かれ、このライヴだけで1枚出せばいいのにって思わせる。
  さて、スティーヴィー・ウインウッドだ。僕の愛するスティーヴィーは'80年代に入り、素晴らしいソロ
  ・アルバムを連発し黄金時代を迎えるのだが。彼のジェントルにしてエモーショナル、もちろんソウルフ
  ルなヴォーカルの虜となって30数年、僕もそして多くの彼のファンは思っているに違いない、今に、これ
  ぞスティーヴィーだっていう大傑作大名曲が発表されることを。スティーヴィーはいつも出し惜しみをし
  ているように思うからだ。          8点 8点 9点
 Floyd Dixon / Cow Town Blues
  
テキサス・ブルース・ピアニストの'48〜'51年モダン作品集。スリー・リズムにギター、サックス。
  軽快にジャンプ、スゥイングする演奏がシャレてます。ギターのタイニー・ウェッブとチャック・ノリス
  がいい味だしてます。テキサス〜ウエスト・コースト系ピアノ・ブルースならではのナゴミ系ですね。
              8点
 V.A / My Guitar Wants To Kill Your Mama
  
過激なタイトル名はフランク・ザッパからのいただきですか?ジャケットに囚人服みたいのを着たカル
  ヴィン・リーヴィーがテレキャスを抱えていて、これがちょっとコワイ。ラファイエット・トーマスと
  アール・フッカーはさすが流暢なプレイを聴かせ、カルヴィンほかのギタリストはアブナイ感じも。みん
  なカッコイイっす。 8点
 Fifty Foot Combo / Go Hunting!
  
どこの国の人達かはわからないが'97〜'98年作のギター・インスト物。ベンチャーズみたいって言えば
  わかりやすいか。まあ色々と面白がらせてくれる。 8点 
 Marc Ribot / Yo! I Killed Your God
  
前作 " えせキューバ楽団 "に続いて今月のマーク・リボーは'90年代前半に率いていたグループ"シュレッ
  ク"のライヴ。ほー'94年東京ライヴではキューバ物やってるんだ!このアルバム、ジョン・ゾーンが主催
  してる " Radical Jewish Culture " のシリーズらしい。なるほど前衛だ。ノイジーの中の哀愁、アヴァン
  ギャルドでプリミティブ。つかみどころがないのが魅力か。マーク・リボーってやっぱしいいぞ。9点
 V.A / The Folk Collection
  
ブリティッシュ・フォークのコンピュレーション・アルバム。こういうのを聴いてると、ブリティッシュ
  ・ロッカー特有の、くすんだ哀愁の根元を聴いたって感じがする。ビートルズだってツェッペリンだって
  クラプトンだって、アメリカっぽくない部分はこうしたブリティッシュ・フォークがルーツだったりする
  のかな。アコースティックなサウンドと清冽な歌声。大地に根ざした音楽は太い。  8点
          今月はここまで。


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