ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
あくまでも、第一印象ですから。
細野晴臣
/ HOSONO BOX 1969-2000
音楽妖怪ホソノのBox。ただこのセットで細野晴臣の全音楽が俯瞰できるわけで
はない。細野のソロ及び参加したバンド名義のアルバムからの選曲で、彼のもう一方
の重要な音楽仕事、スタジオマン、プロデューサー、作曲家として関わった音源は入
っていない。アマチュア時代の演奏バッファロー・スプリングフィールドのカバー「
ミスターソウル」には思わずニヤリ。そこからエイプリル・フール、はっぴいえんど
、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレイ、YMO・・・とバンドを作ってはツブシ
その間にソロ・アルバム。まったくその足取りを辿ると「ごくろうさま」だ。はっぴ
いえんどからYMOの初期まで、僕にとっての細野は憧れであり道標だったし、今でも
何を考えどんな音楽を作っているのか、すごく気になる存在だ。涼しい顔して凄い事
をやってきた音楽仙人細野晴臣。やっぱり「このつぎはモアベタアよ」です。10点
MC5 / The Big Bang! Best Of The MC5
'67〜'72年デトロイト爆裂バンドのベスト盤。「70年頃から大好きで聴いてまし
た」とか言えたらカッコイイんだけどね。以前ビデオで観てウェイン・クレイマーと
フレッド "ソニック"
スミスのカッコよさにシビレました。剛球一筋「男どあほう甲
子園」のようなMC5には愛を感じてしまうな。 9点
ボニー・ピンク / Let Go
ちょっと期待のボニー・ピンクの新作。前作とはサウンドも曲調も歌い方も変わ
ったと感じた。プロデュースがトーレ・ヨハンセンからミッチェル・フルームに代わ
り楽器の響き方が違うってのはともかく、曲と歌い方に気負いがないって言うか軽く
なった感じがする。この浮游感みたいなものに対し、いいんだけどナンカ物足りない
なって感じる。才能を感じさせるだけで終わって欲しくない。 8点
DMBQ / jinni
巷で噂の(小さな噂?)日本のバンドDMBQ、雑誌のグラビア記事読んでたら聴き
たくなった。贅肉のないハードロックに好感が持てた。リフで構築される硬質なサウ
ンドはけっこうストイック。歌詞の存在が中途半端に感じた。 8点
Country Gazette / Don't Give Your Day
Job
ブルーグラスを集中して聴いた時期があって、このアルバムも愛聴してました。
冒頭インストでいきなりゲストのクラレンス・ホワイトのホット・リックス、いい
なあ。'73年作、やはりカントリー・ロック寄りなアルバムです。 8点
V.A / Sanctified Soul
'70年前後アトランティック系サザン・ソウルのコンピュ物。アーサー・コンレイ
、ベンE・キング、ソロモン・バーク、ドン・コベイ、ジョー・テックスによるザ・
ソウル・クラン、不勉強で知りませんでした。他J・カー、O・クレイなど僕の好物
ぞろい。白人が裏方を務めたこの頃のサザン・ソウル、その独特な甘さが好き。8点
Jim Campilongo / Heavy
ただテレキャス・ギタリストってだけで購入。アメリカには多いんだろうね、こ
のテのギタリスト。素直にカントリーっぽく弾いてくれた方がいいとおもうけど、カ
ントリー・リックすごく巧いしペダル・スティールも効いてるし。個性出そうと色々
と迷ってる感じがするな。歪みギターやるとセンスの無さが出ちゃう感じ。 7点
Commander
Cody & Lost Planet Airmen / Same
これもテレ・マスター、ビル・カーチェンのギター目当て。'75年作で当時どうせ
カントリー・ロックだからって理由でパスしたアルバム。(カントリー・ロックに飽
きた頃だったから)初めて聴いたんだけどいいねいいね。R&B風味がいい感じで演奏
も達者。ブギにロカビリーもバンドの個性となっているし、メランコリックなカント
リー・ソングには泣けちゃうし、カーチェンのテレも実に良い味でした。 10点
アイドルワイルド・サウス/
Keep On Truckin'
いいねいいねシビレるねえ。神戸のロック・バンド、'76年の作品。憧れのサザ
ン・ロックをしっかりと自分達の内に取り込んだ彼らのオリジナル曲は今聴いても
全然色褪せてはいないね。バンド解散後ツイストで活躍した松浦のスライド・ギター
もしっかりと吠えて泣いて素晴らしいし、難波のピアノも心地よくころがって実に爽
快。骨太ロックよ戻ってこ〜い!! 10点
tahiti 80 / puzzle
もっかヘヴィー・ローテーションな愛聴盤。話題になっていたしバンド名とジャ
ケットが気に入って購入。英語で歌っているし、このポップ・ロックな感じから、ま
さかフランスのバンドとはビックリ。このポップ・ロック・オタクな感じは英米ロッ
クの辺境フランスだからってこともアリかも。どこかで聴いた懐かしいメロディを好
きかってに編集し直しました、ネッ素敵でしょ、って感じの気安さ気楽さがいい。さ
て次の作品でブレイクするかコケルか楽しみに待つとしよう。 9点
Calexico / The Black Light
トレモロがかったトゥワンギー・ギターに「ツインピークス」を連想した。なに
か悪いことが起こる予感・・・。みたいなアルバムだな。カレクシコはカリフォルニ
アとメキシコが合わさった言葉で実際に国境にある町らしい。'98年作でアリゾナの
トゥーソンを活動の拠点にしているそうだ。好感の持てる変なアルバムだ。 9点
The Amazing Rhythm Aces / Two Classic Albums
待望のCD化。しかも初期2作がカップリング。'75年作「Stacked
Deck」はよ
く聴きました。" Third Rate Romance "
がいいなあ。メンフィスのスタジオ・ミュ
ージシャンが作ったバンドらしく、地味ながらツボを心得た演奏で、ラッセル・スミ
スによる楽曲も粒ぞろい。ただ改めて聴いてみると、けっこうAORだった。 8点
Yo La Tengo / And Then Nothing Turned
Itself Inside-Out
ずっと気になっていたバンド、ヨ・ラ・テンゴ。聴いてみましたよ。で、うわ〜
脱力ヴォーカル、苦手だな。D・シルヴィアンみたいに色気があればともかく、この
ヴォーカルはちょっとツライ。サウンドもサウンドでユル〜イ感じでまたしても悪い
ことが起こる予感サウンドだ。ただ、キライだと言い切れない謎の懐の深さを感じな
がらも、やっぱタイクツでございます。 7点
今月はここまで。
1999. Jyn. Jul. Aug. Sep. Oct. Nov. Dec.
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