音盤 BAN BAN

  THE FIRST IMPRESSION 

 ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
 あくまでも、第一印象ですから。

 May 

 John Lee Hooker / The Unknown 1949 Recordings
   
偉大なブルースマンなんです。ただ、なかなかピンとこなかった人だったんです。
  ハデなチョーキングがあるわけではないし、エキセントリックに歌い上げるわけでも
  ないから、ブルース初心者にはツライかもしれない。ただハマルと超コワイ。僕も御
  多分に漏れずキングの「シングス」にヤラレました。'50年前後の録音なんですが、心
  に沁みるウナリ声にゾクッとしました。唯我独尊ギターに「ごめんなさい、私がまちが
  ってました」状態になりました。そしてこのアルバム、'49年録音の未発表作品集!も
  うホントにジョン・リー・フッカーは凄い。  9点

 Charles Brown / The Best Of Charles Brown
   
おっとうっかり、チャールズ・ブラウンのCD、持ってなかったってことで代表作で
  ある本作を購入、'50年前後の録音。ウエストコースト・ブルースはこの人抜きに語れ
  ないってほどの重要人物で人気者で色男。ピアノ弾きながら小粋に歌う。ムードは最高
  。20年前初めて聴いた時より、今のほうがこの軽さに共鳴できる。 9点

 Joe South / Anthology
   
ディープ・パープルの" ハッシュ " ってこの人の作品だったんですね。南部系ソング
  ・ライターにしてはサイケな感じの曲ですが、やっぱ'60年代後半という時代でしょう
  か。" ローズ・ガーデン " もこの人の作品なんですね。このアルバム全体に流れる南部
  のゆったりとした甘い情感に惹かれます。ギターの音色も良し。 8点

 Trailer Bride / Whine De Lune
   
カウ・パンクまたはカントリー・パンクのバンドだそうで、ヴォーカルは女性。そ
  れだけで聴いてみる気になったのですが。曲もヴォーカルにも魅力が感じられなかった
  な。サウンドもスカスカだし。残念でした。 6点

 徳武弘文 / キーズ・トゥ・ザ・カントリー
   
Dr.Kこと徳武弘文のずっと以前からのファンであり、Dr.Kモデル・テレキャスの所
  有者である私ですが、どーもこの頃の彼のギターには覇気が感じられない。ベンチャー
  ズけっこう、ジェリー・リード風、チェット・アトキンス風もけっこうですが、その昔
  本場のカントリー・ロックに立ち向かっていた頃の熱さが感じられない。と思いながら
  聴いていたら、随所に熱いソロが顔を出しうれしくなりました。日本全国のエレキ・ギ
  ター中年に、もっともっとホット・リックスを届けて欲しいぞ。 8点

 The Byrds / Live At The Fillmore 1969
   
" ミスター・タンブリン・マン " というロジャー・マッギンのヴォーカルとリッケン
  の12弦ギターとディランの曲という奇跡的な出会いによる名曲以外、僕はザ・バーズ
  と言うバンドにそれ程思い入れはない。カントリー・ロックにしろ、サイケなスペース
  ・ロックにしろ中途半端にしか感じなかった。ただクラレンス・ホワイト在籍時のバー
  ズの音源にはやはり耳が行ってしまう。この時期、新開発のストリング・ベンダーを弾
  きまくる彼のプレイを聴いているとまだまだ発展途上だったんだなって思える。逝くの
  が早すぎた天才ギタリストだったな。 8点

 The Byrds / Untitled
   
そしてクラレンス・ホワイト在籍時の最高傑作が本作だと思う。'70年作品にボーナ
  ス・トラックとして同時期の未発表曲をCD1枚プラス。結局この時期のメンバーが一
  番充実していたって気がする。特に未発表曲の出来がすごく良くて、どーしてアルバム
  から漏れちゃったんだろうって感じ。 " ウィリン " のスタジオ・テイクとかディランの
  曲のライヴ・ヴァージョンとか、高い演奏力に支えられた" ゆとり " が感じられ、なる
  ほど、バーズっていいバンドだったんだねと再認識いたしました。 9点

 
Patti Smith / Gung Ho
   
今年3月テキサスのオースティンで" オルタナの祭典 " と呼ばれる大きなイヴェント
  にパティ・スミスが登場。モニター・スピーカーに足をかけて身を乗り出しながら気合
  いを込めた圧巻のステージを披露したんだそうだ。観たいぞ!会いたいぞ!日本に来い
  よー!50才を過ぎてのパティ・スミスの充実ぶりが凄い。盟友レニー・ケイを含むバ
  ック・バンドの相性ピッタリすぎのサポート。粒よりの楽曲。凛としたヴォーカル。こ
  れだけ堂々とした新作ロックに出会えるなんてホント幸せだ。もちろん 
10点

 
Lou Reed / The Definitive Collection
   
ルー・リードの自選ベスト盤。もちろんルー様をベスト1枚ですまそうって気はな
  いんですが、手軽だったもんで。で、クールだよねルー様。昔はこのクールさにハジキ
  返されてたんだけど、これもトシのせいか、クールなとこがタマンナイって感じです。
  ロバート・クインのザックリとしたギターも大好き。ワイルド・サイドを歩け!
10点

 
Talking Heads / Stop Making Sense
   
僕がロック映像のベストだと思っている'84年作品のリニューアル・サントラ盤。も
  うセンスの塊のようなライヴ映像作品。やっぱN.Y派、カッコいいって思ったね当時。
  ラジカセをバックにアコギ一本の" サイコ・キラー " がオープニング。ブレイクビーツ
  でカクカク・ダンス。知らない人が観たら「この人ヘン!」い〜え天才です。デヴィッ
  ド・バーンの才気走りです。ビッグスーツも印象的だったな。Pファンクのバーニー・
  ウォーレルの参加にビックリしたし、サポート・メンバーが全員黒人でクールなファン
  クネスをその演奏から感じた。やっぱ映像で観たいけど、音楽自体文句なし。
10点

 Jimmy Scott / Holding Back The Years
   
ちょっと話題だったリトル・ジミー・スコット。そう言えば「ツイン・ピークス」
  の最後の章で観聴きしてたかも。あやしげな歌声だよね。ジイさんなんだけど歌声は
  枯れたオバさんの声なんだよね。たしかにビリー・ホリデイがご健在なら今時のポピュ
  ラー・ソングをこんな風に歌うかもしれない。って思わせるアヤシげさがジミー・スコ
  ットの魅力かも。とーぜん再評価に値する作品です。  9点

 V.A. / The Very Best Of Swingin' Jive Guitarists
   
'20年代から'40年代に活躍したジャイヴ・ギタリスト集。小気味よくスゥイングす
  るアーリー・ジャズ・ギタリスト集ですね。まだこの頃のジャズはワガママでないので
  どの演奏も楽しく、しかも粋ですシャレてます。ギターは当然アンプラグド、みなさん
  握力強そうです。 8点

 The Apples In Stereo / The Discovery Of A World Inside The Moone
   
アメリカで注目のインディーズ、エレファント6界隈のバンドだそうです。ポップ
  で美メロでオルタナでフォーキーで、なるほどねえ。オモチャ箱ひっくりかえしたよう
  な一曲目のような感じは楽しいな。いきなり " クリーム " あり " カジノ・ロワイヤル "
  ありで気が抜けない面白さもあり。只今車載音楽です。 9点

 
XTC / Wasp Star [Apple Venus Volume 2]
   
XTCは迷わず買いです。前作「アップル・ヴィーナス Vol.1」がアコースティック
  /オーケストラ編で今回が待望のエレクトリック編です。しかもここまで真っ向勝負の
  ギター・ロックだとはうれしい悲鳴。アンディとコリンの二人だけになってしまったが
  彼らの作るポップでメランコリックなメロディは自信に満ちて力強い。ライヴはやらな
  いし、売れることに興味はないって言ってるらしいけど、このままマニアのための音楽
  で終わってしまうのは、あまりにモッタイナイと思うんだけど。 
10点

 The Handsome Family / In The Air
   
やはりカントリー・ルーツなバンドですな。なごみ系ですか?と気楽に聴いている
  うちに、にわかに気怠い黒雲が・・・。コレ、アメリカン・ゴシックですか? 8点

 野坂昭如 / ザ・平成唱歌集 巻之一
   
遠藤賢司も凄いけど野坂昭如も凄いなあ。この二人、天上天下唯我独尊でありなが
  ら、周りの人達に好かれる人気者らしい。(本人の弁かもしれないが)こんな世相風刺
  ソングがヤケに心に沁みるなんて、オレもすっかりオッサンだなあ。東京ディズニーラ
  ンドを歌った " 浦安太郎 " がロマンティック。早く巻之二が聴きたいです。 9点
    

            今月はここまで。


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