ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
あくまでも、第一印象ですから。
9月
鈴木博文&Great
Skiffle Autrey / same
ムーンライダーズの鈴木博文であり、メトロトロン・レコード主宰者の鈴木博文。そ
んな彼のライヴ・レコード。ライダーズの中でソロ活動を一番活発にやってきたのが
彼。このライヴ、青山陽一・西村哲也・青木孝明などメトロトロンの精鋭達がバック
を務めムダのない力強い演奏で歌を盛り立てる。いつもの内省的な表現が、ライヴと
いうこともあり歌声も力強く、真摯で前向きな意志をその音楽から感じる。 9点
BOaT / Listening Suicidal
女3人と男2人の日本のバンド、メジャー進出第一弾だそうです。とっても賑やかで
ポップです。演奏は巧いし曲も面白い。で、印象はとっちらかった賑やかさ。8点
オリジナル・ラヴ / ビッグクランチ
オリジナル・ラヴ=田島貴男になっちゃったんだね。ピチカート・ファイヴで登場し
た頃からオリジナル・ラヴの1枚目まで聴いてたかな。久しぶりの田島貴男、ワイル
ドで男臭くって、暑苦しい歌とサウンド。美メロもあるしエッチもあるし・・・・。
いいねえ田島君。すごく才能感じます。 9点
Stereolab / Microbe Hunters
前作「ミルキー・ナイト」にはシビレました。新しい感じがしました。この新作も感
じは似ているな。爽やかで穏やかなヴォーカルを取り巻く音はカラフルで、その緻密
さはけっこうオタク。トップのインスト " アウター・ボンゴリア "
がカッコいいよな
あ。タダちょっとオシャレになりすぎかな。 8点
David Grubbs / The Spectrum Between
なんだかボサノバみたい。音楽が似てるとかじゃなくて、力まず穏やかな歌と演奏、
軽やかでシャレていて、内心粋がっている、そんな感じがボサノバみたいだ。グラブ
スはジム・オルークとのデュオでガスター・デル・ソルをやっていた人。シカゴ音響
派とか言われてる人らしい。(僕はこの辺については新参者なもので・・・)アコギ
がアンサンブルの中心で、歌は'70年代のシンガー・ソングライター風、さりげなく
アヴァンギャルド。ムードは癒し系。形容しがたいけど、好きなサウンドです。9点
Ween
/ White Pepper
まったくのノーマークだったバンド。いいんだなあこのアルバム。良質なメロディは
ビートルズを思わせるし、抜群のポップ・センスはトッド・ラングレンにも通じる。
しかも楽曲の良さをストレートに表現しないヒネクレた演奏にXTCやムーンライダー
ズを感じたり。間口の広く優れた音楽的センスを持った連中なんだろうね。聴いてい
るとワクワクして、自分でもエレキ持って撃音したくなるのは、彼等の熱いロック魂
に触発されるせいか。いいです、とっても。 10点
Albert King.Otis Rush / Door to Door
これは共演盤ではなくチェスによるカップリング盤。お互いに出来としては平凡だと
思う。ただ僕がブルースを聴き始めた頃に愛聴していたので懐かしい。 8点
ブレイク・ダウン / ライヴ
これも懐かしいバンドだ。'80年、日本を代表するブルース・バンドだった彼等のライ
ヴ・アルバム。ストイックにシカゴ・ブルースを追求してるバンドだったように思う。
このバンドには地味な服田、ハデな近藤という味わいの違うギター&ヴォーカルが二枚
看板だったと記憶している。近藤房之助はその後 " 踊るポンポコリン "
でいきなり有名
になった。このアルバムについては、日本のブルース・バンドに共通して感じるヴォー
カルの弱さを、やっぱり感じてしまった。しかたないよねノドは肉体だから。 8点
Cab Calloway / Hi De Ho Man
キャブ・キャロウェイは大スターだ。戦前のブラック・エンタテイナーの最高峰と言
われている。僕ももちろん大好きで、とぼけているようで哀愁のある歌声、シャレた
スキャット、そしてズート・スーツに代表される伊達男ぶり、とにかくスケールのデ
カサに恐れ入る。そんな男が率いていた楽団はもちろん超一流。チュー・ベリーやデ
ジー・ガレスピーなんかもメンバーだった。ジャイヴでジャズでジャンプないかした
音楽と極上のエンタテイメント。ナマで見たかったなあ。 9点
Teddy Wilson / Teddy Wilson & His All-Stars Vol.1
アーリー・ジャズのファンにはお馴染みのブランズウィック盤。'35〜39年に及ぶコ
ンボ・セッションの記録。テディ・ウイルソンの優雅なピアノをはじめ、スイング期
の名手達による名演の数々。ベン・ウェブスター、クーティ・ウイリアムス、ジョニ
ー・ホッジス、ハリー・カーネイ、チュー・ベリー、ロイ・エルドリッジ、ジーン・
クルーパ、ベニー・グッドマン、ビリー・ホリデイなどなど・・
とにかくエレガントでハート・ウォーミング。ジャズが庶民と一番近かった時代の、
もしかしてジャズが一番幸せだった時代の記録かもしれない。 9点
Howling
Wolf / Sings The Blues
" 美女ジャケ "
のウルフ。'51〜'52年ウェスト・メンフィス。ウイリー・ジョンソン
のギター、アイク・ターナーのピアノに乗って吠えるウルフ。ぞくぞくするなあ。ワ
イルドなサザン・ブギ・ビートも快調な荒くれブルースだ。大好き! 10点
どんと
/ 一頭象
今年の1月、どんとは亡くなった。37才だった。彼が亡くなってから僕は彼の年齢や
ロッド・スチュワートのロッドがなまって " どんと "
になったことなどを知った。そ
の程度のファンだった。ボ・ガンボスが大好きだっただけのファンだった。友部正人
さんと仲が良かったことを知り、親近感も抱いていたのに。このアルバムはどんとの
自選ベスト盤。どんとからの贈り物だ。ローザ・ルクセンブルグ〜ボ・ガンボスと彼
はハデで歌う曲は面白かった。陽気なヤツだなあって印象だった。もちろん彼の作る
詞と曲は間口の広さを反映しながら、彼のキャラクターに頼らずとも素晴らしい曲だ
らけだ。だけど、やっぱり、どんとが歌ってこその歌ばかりだ。
あけっぴろげなやさしさがどんとだった。合掌 10点
今月はここまで。
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