音盤 BAN BAN

  THE FIRST IMPRESSION 

 ただこのヒト月の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
 あくまでも、第一印象ですから。

 12月
 内まりや / Souvenir
  
竹内まりや様は僕の " 憧れの先輩的アイドル " だから、アルバムが出るだびにホイホイと買って
  嬉しく聴いておりますが、この去年出たライヴ・アルバムにはビックリしました。リリースの告知
  までコンサートをやったことなんて知りませんでしたもの。もっとビックリしたのは18年ぶりのコ
  ンサートなのに、何も変わっていない!!! 容姿も歌声も雰囲気すら、こりゃビックリだぜ。
  山下達郎をバックに従え歌えるのもまりや様ならでは。もちろん楽曲も演奏もクオリティは非常に
  高い。サンバーストのテレキャス持って歌う姿も超素敵!!!   
10点

 Emmylou Harris / Red Dirt Girl
  
エミルー・ハリス絶好調です。脂の抜けた女の凄みというか泰然とした彼女の姿勢にコワさすら感
  じてしまいます。まさにオルタナ・カントリーの女王様。全曲自作も自信の現れか、グラム・パー
  ソンズ風の曲を聴くとシミジミとしてしまうなあ。サウンドは非カントリー。太くウネウネするボ
  トム・ラインにギターなんかが気怠く寄り添い、そこに凛とした彼女のヴォーカルがサウンド全体
  をシメている。プロデュースはマルコム・バーン。ダニエル・ラノワのエンジニア出身ってことで
  リヴァーブが深い。バディ・ミラーのギターもそっと寄り添ってます。  9点


 
Talking Heads / Stop Making Sense (DVD)
  
いまだに最高のコンサート映画です。'84年作品で監督はジョナサン・デミ。トーキング・ヘッズ
  のピークを捉えた映像でありデイヴィッド・バーンという希有な奇異な才能がいかんなく表現され
  ている。'80年の「リメイン・イン・ライト」でロック・バンドとして前人未踏の領域に踏み込んで
  いた彼等のライヴ表現が、このように優れた映像で残せたことにあらためて大感謝!!! 何も無
  いステージにラジカセ持ってアコギかかえた神経質そうな青年バーンが登場して " サイコ・キラー"
  を歌い出した瞬間からもう目は釘付け。見事に美術的でスタイリッシュに演出されたステージ進行
  に感動する。真に才能のあるヤツはちょっとヤバいヤツかも。  
10点

 Tortoise / TNT
  
今では泣く子も黙る(大袈裟)トータス及びジョン・マッケンタイアです。今頃聴いてます。恥ず
  かしいですか?ベツにいいだろ!ステレオ・ラヴ経由のトータスです。けっこうワケのわかんない
  音楽だよね。何々っぽいってのがないよね。これ聴いた後なら「これってトータスっぽいね」とか
  言えそうだけど。手数の多い人力ドラムと打ち込みドラムが入り交じり、キャッチーなメロデイを
  奏でるギターが交じり、昔懐かしシンセ音が飛び交い、でどうなんだいって訊かれたら「大好きだ
  よ!」って答えます。シカゴ音響派なんですね?  9点


 
本の放浪芸〜小沢昭一が訪ねた道の芸・街の芸
  
'71年にLP7枚組で発売されたこのアルバム、僕のなかでは" 避けては通れないアルバム " として
  ずっと頭の片隅にあった。ただ7枚組という圧倒的な量と値段の高さ、そして貴重な記録としての
  価値が高くとも音楽として聴いて面白いのかという不安、このような理由で買い控えていた。そし
  て30年後、CD7枚組として復刻されたこの「日本の放浪芸」をついに手に入れてしまった。
  いや〜がんばって全部聴きました。がんばれた最大の理由は、音楽として楽しめたってこと、そし
  て小沢昭一のナレーションのうまさに引き込まれたってことかな。これらが録音されたのが '70〜
  71年、なんと" ごぜさん " が魚沼地方を門付けしてまわったいたというのだ。長岡ごぜ最後の一組
  らしい。まにあったのだ。このアルバムに収められた芸のほとんどは、その芸の最終ランナーであ
  る老人達によって音盤として残された。21世紀の今ではすでに絶えた芸がほとんどだろう。
  かつてこれらの芸能は日本中のあちこちで人々と喜怒哀楽を共有してきたはずだ。そんな芸能を絶
  滅に追い込んだ戦後日本の繁栄にむなしさを感じてしまう。おいおい落ち込んでどーする。ちなみ
  にこのシリーズ、4部作になっていて、この7枚組の後に「又日本の放浪芸」5枚組、「また又日本
  の放浪芸」6枚組、「まいど・・・日本の放浪芸」4枚組となっておるんです。スゴすぎる〜!!
  小沢昭一のこれらの作品、時が経つほどにその重要度が増すに違いない。  
10点

 Allmann Brothers Band/ Fillmore East 2/70
  
エッこんなのがあったの!って感じの'70年の未発表ライヴ。名盤「フィルモア・・・」が'71年だ
  から、若くノリにノッてるオールマン達の演奏が聴かれ嬉しいかぎり。お馴染みの曲が多く、演奏
  の出来も「フィルモア・・・」そっくりで、すでに絶頂期のオールマンの姿がここにある。もちろ
  んデュエイン・オールマンのスライドが吠えてます。  9点


 Del McCoury & The Dixie Pals / Strictly Bluegrass Live In Japan
  
ちょっと前にスティーヴ・アールとの共演が話題になった(ごく一部で)ブルーグラス・バンド。
  彼等'79年に来日してたんだそうで、その時のライヴ・アルバムのCD化です。Strictly=正調!ブ
  ルーグラスですよ。'70年代の中頃かな、ブルーグラスのブームがあったんだよ日本で。お茶の水
  の楽器屋さんにブルーグラス楽器のコーナーがあった頃で、各大学にサークルがあったんじゃない
  かな。僕も好きだったからバンジョーに手を出して挫折し、マンドリン弾きを目指したことがあり
  ましたよ。この熱いブルーグラス・アルバムを聴いていて当時思い出し、やはりバンジョーはワケ
  がワカランという想いを新たに。う〜んフィドラーとバンジョー弾きってイナセだね。 8点


 Johnny Otis Show / Cold Shot
  
懐かしい。ブルース聴き始めの頃よく聴いていた'69年作品。ジョニー・オーティスって言ったら
  R&Bの大立者。パイオニアの1人で、レビューを率いて一世を風靡した巨人だ。そんな彼が息子
  のシュギー・オーティス、ヴォーカルに" マイティ・マウス " エバンスといったメンツで発表した
  モダンでタイトなブルース・アルバム。天才少年ギタリストと呼ばれたシュギーのシャープなギタ
  ー・プレイが売りかな。ただ同時代にはジミ・ヘンもいたわけだから、そのへんシュギーはちょっ
  と優等生すぎたかな。ま、親父が偉大すぎるとね。     8点


 Ornette Coleman / Free Jazz
  
また紙ジャケ買いをしてしまった。まあテープでしか持っていなかったからいいけど。いや〜久し
  ぶりで聴いたな。なんか落ち着くな。'60年NY、エンジニアはトム・ダウドだったんだな。それと
  ネスヒ・アーティガンのコンビ。まだマイナー・レーベルだったアトランティックだもんな。やは
  りドルフィーのソロが一番スルドイな。このドラムを聴いてたらトータスの " TNT " を思い出した
  ぞ。う〜ん、以前ほど高揚しないな。でも気持ちは良いです。  8点


 
Louis Armstrong / Louis' Jazz
  
'20年代のサッチモ。その音楽はまさに天然の美。パイオニアとしての勢いと輝きを感じる。彼の
  スキャットやヴォーカルというと「ハロードーリー」や晩年のニヤニヤとダミ声のスキャットの印
  象が一般的だと思うけど、この'20年代の彼のスキャットのなんとムーディなことか。その流麗なフ
  レージングにうっとりとしてしまう。バップ以降のジャズからのジャズ入門者である僕にとって、
  ストイックな趣のあるモダン・ジャズに比べ、ルイのジャズは明るく開放的で人懐っこく感じる。
  若い頃は深刻ぶってジャズを語りストイックと思えるジャズを聴くことがカッコイイって思ってい
  て、「サッチモなんていまさら・・・」って敬遠してたんだけど、数年前からアーリー・ジャズを
  聴き直しはじめ、今このアルバムを聴いてみて、まったく目ウロコな私です。  
10点

 
The Monroe Brothers / What Would You Give In Exchange For Your Soul?
  
これもパイオニア。チャーリーとビルのモンロー兄弟'36年録音。ビル・モンローと言えばもちろ
  ん " ブルーグラスの父 " 創始者。このアルバムは '39年にビルがブルー・グラス・ボーイズを結成
  する以前の貴重な記録だ。たんなる記録じゃない。素晴らしい音楽の記録だ。唄とマンドリンとギ
  ターによる珠玉の音楽。CDうらジャケにボブ・ディランの一文が「俺はヒット曲よりもモンロー兄
  弟を聴くことが多いんだ。彼等の音楽はアメリカの本質を教えてくれるんだ」  
  これもまさに天然の美。オールド・ビューティフル・サウスに想いを馳せる。 
10点

 V.A / Bossa Nova At Carnegie Hall
  
ボサノーヴァってオシャレな音楽ってイメージがありませんか?軽やかなアコースティック・サウ
  ンドにのって鼻歌ぎみにシャレたメローディを口ずさんでるって感じの。粋な音楽だと思うよ。こ
  のアルバムは'62年11月、アメリカにおけるボサノーヴァ・ブームを受けて、NYカーネギー・ホー
  ルで行われた海外初のボサノーヴァ・フェスの録音盤です。当時のアメリカではボサノーヴァのこ
  とをジャズの変種と捉えられていたらしく、ジャズ・サンバとかブラジリアン・ジャズって呼ばれ
  ていたそうだ。いいアルバムだけど、ジョアン・ジルベルトがたったの1曲って、そりゃないよ。
  短いけどルイス・ボンファのギター・インストがシャレてます。  8点


 V.A / DUB Reggae Essentials
  
ダブのコンピュレーション。スティール・パルス、オーガスタ・パブロ、グレゴリー・アイザクス
  ブラック・ウフル、キング・ダビー、L.K.ジョンソンなど有名どころがずらり。怖い物聴きたさに
  もっとカオスティックなものを期待して聴いたんだけど、これはとても聴きやすいダブでした。
  あ〜しつこいエコー攻撃に頭がクラクラする〜。   8点


 
Geoff Muldaur / Password
  
いや〜まいったなあ。大好きなジェフ・マルダーですよ。力の抜け方絶妙なヴォーカルがいいな。
  こうして素敵な新作が聴けるなんて幸せです。独特なブルース表現も健在だしお得意のジャグバン
  ド・チューンにフォーク・ソングといかにもな内容です。バックの演奏も粋だし娘クレア・マルダ
  ー(マリアの娘だよね?)の唄も良い味出てるし、も〜文句ありません。あっひとつあった。エイ
  モス・ギャレットのギターが聴けなくて寂しいよ〜。  
10点
 

   今月はここまで。


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