ただこの1ケ月(2ケ月)の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
あくまでも、第一印象ですから。
1月〜2月
久保田麻琴
/ On The Border
待望の新作。この前のアルバム、細野晴臣との"
ハリーとマックのルイジアナ珍道中 " が、まるで
ウォーミングアップであったかのような本作の充実ぶりです。相変わらずの心地よい横ユレに誘う
久保田麻琴ミュージック。ニューオーリンズ〜ウッドストック風味が大好物の私にゃあ抗いようが
ない。ガース・ハドソンのアコーディオンはやはり凄い存在感。ジャケットに写ってる石橋楽器製
12弦トラベル・アコギが欲しい! 10点
クレイジーケンバンド / 青山246深夜族の夜
横浜名物?クレイジー・ケン・バンドの初ライヴ盤です。ハマのプレイボーイ横山剣、ウサン臭さ
も魅力です。その歌謡曲っぽさは近田春夫を思わせる。元クールスだとか。クルマとネエチャンの
歌が多いな。何故かスペシャル・ゲストは老人力☆野坂昭如でした。 8点
キャプテン・ファンク
/ Songs Of The Siren
なんて説明してよいのやら、僕はこのアルバムが大好きだ。ひしゃげた高音圧が持続する爽快な
ポップ・アルバムって感じ?キャプテン・ファンクこと大江達也はクラブDJらしい。ペダル・スティ
ールとドブロの使い方がじつに効果的で憎いぞ。かなりミクスチュアーなロックでにぎやかで忙しい
けれど耳に心地よい。なんて説明してよいのやら、これカッコイイ。 10点
ムーンライダーズ / Six Musicians On Their Way To The Last Exit
慶一曰く「引き籠り老人の宅録作品」だそうだ。つまりメンバー各自の自宅録音集なのだ。ライダ
ーズだからこそサマになる、なんて喜んで買ってしまうのはライダーズ・マニアだけだろうな。そ
れぞれの音楽性の違いが面白く楽しいけど。総力戦を聴きたいな。 7点
Shelby Lynne / I Am Shelby Lynne
ピーター・バラカン推薦のシェルビー・リン。今年のグラミー賞で最優秀新人賞を獲得しているの
だからアメリカでは高い評価を得ている人なのでしょう。メンフィス・ソウルっぽい曲、マリア・
マルダーが歌いそうなジャージーな曲が印象に残った。良いアルバムです。 8点
Ernest Ranglin / Modern Answers To Old Problems
アーネスト・ラングリンと言えば'60年代から活躍するスカ〜レゲエのギタリスト、と思っていたら
何とこのジャマイカ人、40年代からプロの道に入ったジャズ・ギタリストだった。もちろんスカ〜
ロックステディ〜レゲエと変遷してきたジャマイカ音楽に多大な貢献をした人なんだけど。この新作
は'99年のロンドン録音で、聴いた感じはソウル・ジャズ。ラングリンのギターはまったくそんな感じ
で、無理のない心地よいギターだ。バックは在英ナイジェリア系ミュージシャンが多数参加だそうで
(トーキング・ドラムも聴こえる)所謂ソウル・ジャズ〜フュージョンのノリとは違い、よりカラフ
ルでスピーディーで軽やかなノリだ。心地よい音楽です。 8点
Johnny
Cash / American3:Solitary Man
アメリカの偉大なる歌声!リック・ルービンによるプロデュースの3作目。相性は非常に良い。シ
ンプルなサウンド、特にアコースティック・ギターの響きがすごく良い。このアルバムのために選
ばれた曲がまたすごく良い。そして一番良いのがキャッシュの歌声だ。深い、枯れてなお深い歌声
だ。成功者の歌は無い。しかしタフにアメリカを生きてきた多くの人々の素晴らしさをキャッシュ
は歌っているんだと思う。ディランとデュエットしないかなあ。 10点
Neil Young / Road Rock Vol.1
ニール・ヤングの新作ライヴ。しかもバックをかためるのがベン・キース、スプーナー・オールダ
ム、ドナルド・ダック・ダン、ジム・ケルトナー・・・凄いよなあ。溜息がでるほど感動できるよ
なあ。と、普通なら狂喜してるはずなんだけど。聴いていて、アレ????特別悪いところはない
んだけど、ん〜おっさんロックだった。 7点
Tortoise / Standards
アタマのギュイ〜ンって歪んだギターの音にトータスのヤル気を感じたぞ。が『TNT』の爽やかさは
この新作には無い。ほとんどPro Tools
で作られ、全曲同じテイストだった『TNT』に対して、本作
はマッケンタイアのホーム・スタジオ " 新SOMA" ( 『TNT』は旧SOMA
)で様々なツールとくにアナ
ログ・テレコを駆使してレコーディングされたらしい。低音部の充実と歪み音の多様はこのへんの成
果だろうか。20年前の宅録青年、アナログ・シンセやチープなリズム・マシン、シーケンサなんかと
戯れた僕にとって、トータスのようなバンドを聴いていると、いろんな楽しみに満ちていて、なーん
か耳が喜ぶのだ。 9点
Pelo
/ The Aluminum Group
アルミナム・グループはシカゴのバンド。そしてこの新作のプロデュースとミックスはジョン・ヘー
ンドンとジョン・マッケンタイア。スタジオがSOMA。そうトータスの、です。だからと言って所謂
シカゴ音響派というわけでもなさそう。シャレたボーカルと楽曲、とてもポップです。さりげなく、
しかしつねに鳴っている電子音がおちゃめです。今月一番の収穫かな。 10点
Godspeed You Black Emperor / Lift Yr. Skinny Fists Like Antennas To
Heaven
カナダの9人組ポスト・ロック・インスト・バンドだそうだ。1曲が20分以上で全4曲と書いてある
のを見てウヘェ〜となったのが正直なとこ。叙情派プログレだったらイヤだなが脳裏をかすめた。反
復の繰り返しで曲が展開していくようだ。イヤな感じはなかったけど、やはり長い。 7点
Pacheco & Alexander / same
ウッドストック系"71年作品。所謂幻の名盤だった本作のCD化再登場に拍手拍手。ジョン・ホール
をはじめとするウッドストック系の腕達者達の演奏にのって二人の若々しい歌声が爽快です。トム・
パチェコの曲も良いけど僕はホールのギターに惹かれました。 8点
Don Byron / A Fine Line
ドン・バイロンを初めて聴いたのは'93年作でクレツマーを取り上げたアルバムだった。NYのニッ
ティング・ファクトリー界隈の前衛ジャズの人だと思い、そのつもりで聴き続けてきたけど、どーも
ちょっと肌合いがちがう。音楽が知的でスムーズで綺麗なんだな。そして本作、じつに美メロ。シュ
マン、ショパンからマンシーニ、モータウン・ヒット、S・ワンダー、O・コールマンなど多彩な素材
をじつに美しく知的に歌い上げている。もちろんクラリネットで。 9点
Medeski.Martin & Wood / The Dropper
なんとビックリなことに、MM&Wが大人気なんだそうだ。ジャム・バンド・ブームが続くアメリカ
でもっとも人気のグループだそうだ。MM&WといったらNYニッティング・ファクトリー系前衛ジャズ
・トリオ。人気のヒミツ?音楽性が変わったわけでもないし・・・わからないなあ。本作もサウンド
は多彩で、トンがった曲もあればグルーヴィーな曲もある。ゲストにマーク・リボーってのはいかに
もだけど、サン・ラ・アーケストラのマーシャル・アレンにはびっくりした。 8点
Laura Nyro / Season Of Lights
'76年ツアーのライヴ。僕はニューヨークに行ったことがないし、ましてそこの暮らしぶりなど想像
するしかないのだが、ローラ・ニーロはNYのストリート・ソウルを歌っているのだと思う。ブロンク
スに生まれ、R&Bやゴスペルやジャズを身近に感じて育ったらしい。いつ聴いてもその凛とした歌声
が素晴らしい。J・トロペイほかのバックの演奏もカッコイイ。 9点
Sam Bush / Ice Caps:Peaks Of Telluride
ブルーグラス系?マンドリン・プレイヤーのサム・ブッシュの新作。元々ニュー・グラス・リバイ
バルで" 火の玉ロック "
やってた人だから、BGの枠には収まらない。このアルバムもけっこうロッ
クだなあ。オールマンを彷彿させるヘビーな曲もある。ディラン、J・ハイアットの曲もごきげんで
す。ジェリー・ダグラスのドブロがすごい! 8点
今月はここまで。
前月のGet音盤
2000. 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10-11月 12月
月下の遊群CONTENTS