ただこの1ケ月(2ケ月)の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
あくまでも、第一印象ですから。
8月-9月
頭脳警察/頭脳警察1
伝説のアルバムなんだそうです。'72年に発売中止となった彼等のファースト・アル
バムがCDで復活。パンタはソロになってからの『マラッカ』は好きだったけど、頭脳
警察として初めて聴いたアルバム『頭脳警察3』の印象がイマイチだったせいか思い
入れは少ない。さてこの伝説のアルバム、発売中止の理由は革命三部作などの赤軍派
がらみの歌にあったのかどうかは知らないが、当時三里塚や新左翼系の集会に参加し
唄っていたって話だから伝説のバンドにふさわしい。30年の歳月を経て耳に届いた
頭脳警察。聴いた印象はアングラ芝居の劇中歌って感じ。 8点
村八分/ライブ+1
ロックが不良の音楽だった時代を代表するバンド。僕は生を見ていないから村八分の
ホントの凄さが実感できないから、昔このアルバムを聴いた時('74〜5年頃)はちょっ
と古いなって感じを持ったことを思い出す。良い意味でだけど'60年代後半のロックを
引きずってるなって感じがした。今このCD化された村八分に再会して再確認できたこ
とはタイトでキレのいい山口富士夫のギターの妖しい魅力と不良ロックのカッコ良さ
かな。古臭いけど。 8点
Rory
Gallagher / Irish Tour 1974 (DVD)
長年LP〜CDで親しんだアイリッシュ・ツアーのなんと!映像版です。これは満点の
出来事です。この'74年のアイリッシュ・ツアーの前に東京で初来日公演をやっていて
僕はそれを観ています。ガッツ(古い?)あふれる素晴らしいステージでした。この映像
版はドキュメンタリー映画として製作されたものでステージだけでなく公演の合間に
町の昔なじみの楽器屋をのぞいたり酒場で一緒に唄ったりといったロリーの誠実な素朴
な一面も映し出している。もちろんコンサートの映像は素晴らしい。あのハゲたストラ
トが奏でる切ないブルースがたまらないな。スローなナンバー「100万マイルもはなれ
て」の歌声が心に沁みるな。ロリー・ギャラガーっていいヤツだったな。10点
Steve Marriott / The Life & Times Of Steve Marriott(DVD)
スティーブ・マリオットは大好きだった。スモール・フェイセスもハンブル・パイも
彼がいればこそだった。この映像作品は彼のキャリアを辿ったもので、懐かしい珍し
い映像がたくさん出てきてうれしくなる。" 山椒は小粒でピリリと辛い
" はまさにス
モール・フェイセスだし、ハンブル・パイは円熟の" アドレナリン "
ロックンロール・
バンドだった。まさにブリティッシュ・ロックの顔役だったスティーブ・マリオット
だけど'80年代以降は不遇だったようだ。彼のシャウトが忘れられない。 9点
Pierre Barouh / Dites33Vol.2
謎のフランス人?SARAVAHの主宰者ピエール・バルーが'83年にパリ・カルダン劇場
で行ったライヴ音盤。ここで注目はバックに日本から清水靖晃とムーンライダーズが参
加しているってこと。ムーンライダーズはデビュー当時からヨーロッパ風サウンドの抽
出を持つ希有なバンドだったわけで、ここでもヨーロピアン・ポップ・アヴァンギャル
ドなサウンドを聴かせている。が、バック・バンドという立場からかちょっとオトナシ
イのかな。それでも日本から来たバンドがパリでこれだけのサウンドを聴かせたんだか
らたいしたもんだと思う。 8点
Laura
Nyro / Angel In The Dark
'97年天国に旅立ってしまったローラ・ニーロのラスト・レコーディング・アルバム。
'94-95年に録音されたもので、バックはジョン・トロペイ、ウィル・リー、バーナー
ド・パーディ、クリス・パーカー、ブレッカー兄弟などローラとはお馴染みの強者達。
ローラについて書く時いつも使ってしまうけど、本盤でも凛とした歌声に心が洗われる
ような気がした。'47年ニューヨークのサウスブロンクス、イタリアン・ジューイッシ
ュの家庭に生まれ、ジャズ、クラシック、R&B、特にドゥーワップが大好きな少女だ
った。地下鉄駅の構内で近所のヒスパニックの友達達とドゥーワップを歌っていたと
いう。ローラ・ニーロは真のソウル(魂)シンガーだった。 10点
V.A / Chicago Blues Guitar Killers!
シカゴ・モダン・ブルースのカッコ良さ満載です。こうゆーのを聴くと、やっぱブル
ースはギターだよな〜と感じます。ウェイン・ベネットはさすがに巧い。フェントン
・ロビンソンはメロウで充実。フレディ・ルーレットってこの頃から変。 8点
V.A / Chicago Blues Harp Blowers!
一番ブルースらしい楽器と言ったらハーモニカかなあ。シカゴのハープと言ったら
リトル・ウォルターなんだけど残念ながらここには入ってません。だけどサニー・
ボーイ・ウイリアムスン、ビッグ・ウォルター、スヌーキー・プライアーなどどれも
凄いな。たった10穴の小さな楽器でたいした表現力です。 8点
V.A
/ Chicago Blues Piano Hitters!
さてお次はシカゴのピアノ・ブルースです。シカゴらしくダウンホームなブルースか
と思っていたら、本盤ではシティ・ブルースやジャンプ・ブルースっぽい曲が多いみ
たい。たしかにピアノ・ブルースといったらそれらとブギウギだもんね。前述のギタ
ー編もハープ編も良かったけど、このピアノ編が一番グッときたぞ。大物揃いだね。
サニーランド・スリム、メンフィス・スリム、リトル・ブラザー・モンゴメリー、エ
ディ・ボイド、エルモアの相棒のジョニー・ジョーンズ。エディ・ボイドの超有名曲
「Five Long
Years」は本人ヴァージョンを初めて聴いた。これ凄いね。迫力と緊張
感がみなぎってる。これは良い編集盤ですよ。 10点
ソウル・フラワー・ユニオン
/ スクリューボール・コメディ
目の前に中川敬がいたらコワイな。あの眼差しは凄いもの。ニューエスト・モデルの
頃から付かず離れずつき合っている。面白いというか興味が湧くんだな。日本では珍
しい存在感を持ったバンドだよな。中川の唄は力強い。想いの強さが唄に乗っている
感じだ。「野づらは星あかり」のような抒情的な曲もある。面白い曲がゴロゴロして
る大衆芸能ロックだな。「Noと言える男」は笑えるな。石原慎太郎なんか笑い飛ばし
ちゃえ!!! 今どき大衆芸能はラジカルだもんね。 10点
ザ・サーフ・コースターズ / イースター!!
そうか、懐かしのテケテケ・エレキ・インスト・バンドと言うよりパンクに近いんだ
ね。ディック・デイルの感じもあるな。シャープで攻撃的ですごくイマっぽいエレキ
インスト・バンドです。 8点
Pullman / Viewfinder
トータス人脈でゲットしてみました。アコギ中心に弦楽器がたくさん鳴っている耳に
優しい音楽です。強い印象を持つメロディがあるわけでなく、いろんなメロディがル
ープも交えて鳴っているって印象です。だんだんハマるのかもしれないけど。8点
Dave Navarro / Trust No One
デイヴ・ナヴァロはレッチリに参加したので知っていた。ジェーンズ・アディクショ
ンは聴いたことがなかった。彼が参加したレッチリの『ワン・ホット・ミニット』は
好きなアルバムだったし、フジ・ロックでの彼はすごくカッコ良かった。あの人達は
どーしていつもステージで裸なんだろ。彼の初ソロ・アルバムだという。いいねえ。
曲がいいよ。期待した程の破綻もないきっちりと出来たロック・アルバムだな。濃密
なサウンドにヴォーカルが良く融けている。 8点
Bob
Marley & Wailers / Catch A Fire
〃 /
Live!
ボブ・マーリー再発見プロジェクト・オリジナル盤デジタル・リマスター・シリーズ
なのです。もうこれだけで買いですね。'72年『キャッチ〜』と'75年『ライヴ』の2
枚はボブ・マーリーを聴くなら避けては通れない名盤。レゲエを世界に認識させた偉
大な音盤だったと今あらためて思う。久しぶりに聴いたんだけど、骨太な優しさに満
ちた音楽だ。ジャマイカを飛び出し世界に向かって熱い闘いを繰り広げている最中の
充実のドキュメントだ。ジワ〜っと熱くなるよ。 10点
ブルーアジア / ホテル・イバ
久保田麻琴プロデュースのリゾート音楽バリ編って感じでしょうか。ヒーリング系と
か言えばいいんでしょうか。ガムラン、ケチャ、ジェゴグなどのバリ音楽のエッセン
スをちりばめたオシャレな音楽なんでしょうが、只今のところこんな音楽を聴く環境
にないので、タイクツしました。 7点
ザ・チュッパ・チャップス / ファースト・セッション
いや〜ビックリ!仙台のドゥワップ・グループです。のっけからキャディラックスの
「Speedoo」にもっていかれました。楽しいです。達者です。コースターズが好きな
んですね。こうゆうのをクラブで酒を飲みながら観たいですね。 8点
Little Milton / We're Gona Make It〜Sings Big Blues
" ミスター・ブルーズン・ソウル "
リトル・ミルトン。ブルーズン・ソウル完成期の
スタックス時代の前、'60年代チェッカー/チェス時代の録音集が本盤。すでにR&B
〜ソウル風味が感じられる。モダン・シカゴ・ブルースらしくソリッドさがカッコ良
い。ヴォーカルにもB.B.キング、ボビー・ブランドと張り合おうっていうような気迫
を感じるな。 8点
Cleo Brown / Here Comes Cleo
クリーオ・ブラウンの'35-36年の作品集。彼女のヴォーカルとピアノに軽めのバック
がついている。ジャズというかジャイヴなんだろうか、軽くてシャレた感じの音楽。
達者なピアノに力みのない唄。ジャズ小唄が心地よい。 8点
竹内まりや
/ ボナペティ!
「毎日がスペシャル」で始まるこの新作、ほとんどの曲がTVなどですでにお馴染みの
曲ばかり。僕はNHK.TVドラマの主題歌だった「Dream
Seeker」が嬉しかった。彼女
のちょっとハスキーでちょっとウェットな歌声と数々の楽曲に抗えない魅力を感じるよ
うになったのは青春が想い出に変わり始めた頃だったような気がする。竹内まりやの歌
には心地よい懐かしさを感じてしまう。それは僕にとっての歌謡曲への憧憬かもしれな
い。それは'60年代の歌謡曲で子供の頃TVで流れていたものだ。弘田三枝子、森山加代
子、ザ・ピーナッツ、伊藤ゆかり、中尾ミエなんかの時代で、アメリカン・ポップスを
日本語で唄ったやつが好きだった。漣健二さんが作詞(訳詞?)で活躍していたあの時代
の歌謡曲。竹内まりやの歌に感じる懐かしさは同世代(彼女は'55年3月生まれで僕より
1歳年上)としての共感かもしれない。MM誌で「カバー・アルバムを作りたい。」って
話していましたが是非黛ジュンの「天使の誘惑」を唄って欲しいな。 10点
Slam Stewart / Bowin' Singin' Slam
最強のジャイヴ・コンビ、スリム&スラムのスラム・スチュワート。これはその後の
'40年代にジャズ・シーンで活躍していた頃のアルバム。スラムのウリはなんと言って
も" ボウイン・シンギン "
つまり弓でベースを弾きながらユニゾンでハミングするとい
うもの。このテクニックが凄い!しかも軽やかでシャレている。こうした芸能の香りの
するジャズは大好き。 8点
Buffalo
Springfield / Box Set
3人のリード・シンガー&ソングライターと2人のリード・ギタリストを擁したバンド
、バッファロー・スプリングフィールドは'66年から'68年に活躍した昔のバンドだ。
しかしバッファローが今でも忘れられないバンドとして存在している理由はそのメンバ
ーにスティーブン・スティルス、ニール・ヤング、リッチー・フューレイがいたってこ
とだけじゃないと思う。僕は今でもバッファローの音楽に瑞々しさを感じるし、曲の良
さ、演奏の革新性、美しいハーモニーなど彼等の残した3枚のアルバムで十分に味わう
ことができる。そしてこの4枚組BOXだが、目玉はデモ・バージョンかな。スティルス
、ヤング、フューレイが各自アコギ1本で唄うデモ曲には歌の素顔が見えてくるようで
興味深い。もうこれだけでも十分に価値のあるBOXだ。僕はフューレイの書く曲が好き
だしラスト・アルバムの『ラスト・タイム・アラウンド』は大好きなんだけど、この
BOXの首謀者ヤングによって『ラスト・ライム・・・』が無視されちゃってるのが残念
です。それでもバッファローは素晴らしい。 10点
今月はここまで。
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