ただこの1ケ月(2ケ月)の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。
あくまでも、第一印象ですから。
12月
友部正人
/ 休みの日
友部正人はどんどん優しくなる。優しさは軟弱さではなく、優しさは大きな愛情なの
だと感じる。友部正人の歌を聴いているとそんな感じがする。この新作は実に久しぶり
の全編弾き語りでアメリカ録音。エンジニアは吉野金次さん。いつもライヴで接して
いるから弾き語りアルバムと言ってもまったく違和感はなく、もしかして待ち望んでい
たアルバムって感じもする。ただただ歌のたたずまいが良いのだ。さりげなく屹立した
美しい山のような人なのだ。友部さんは。 10点
あがた森魚 / 佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど
ヘンなタイトルも自身の小学校の記念写真を使用したジャケットもあがた森魚の作品
だとわかれば納得できるような気がします。「MEZCAL(はじめに歌ありき)」の歌い出
し"
この歌は、はじめから、あなたへの、つのる思いで、はち切れる歌 ♪〜"
このよ
うな過剰感もあがたならでは。この新作、あがたにしてはツカミはイマイチだけど、い
つのまにか僕の心の片隅にそっと居ついているようなそんなアルバムです。 9点
バッファロー・ドーター / I
シュガーさんと大野さんは元ハバナ・エキゾチカでしたね。熱心に聴いてたわけじゃ
ないけど気になる人達でした。で、バッファローを聴くのは初めてです。アメリカの
アンダーグラウンド・シーンでの活躍ぶりは雑誌などで知っていました。この新作に
すごく親近感を感じてしまうのは僕がアナログ・シンセとアナログ・シーケンサーで
宅録を始めた世代だから?耳に楽しいアルバムです。 9点
Borderline / The Second Album
ファースト・アルバムがCD化された時は幻の名盤初CD化と騒がれた(一部で)ものだが
このセカンドの登場をなんと呼べばいいんでしょう。完成したのにレコード会社の事情
でリリースされなかったアルバムが日の目を見たわけだから。快挙ですよ、だって素晴
らしいアルバムなんだから。歌心にあふれウッドストック・テイスト満載でエイモス・
ギャレットの滋味なギターも大活躍。ウィル・リー、クリス・パーカー、ベン・キース
のサポートも見事。ザ・バンドの曲調を思わせる曲もあり、とてもヨロシイです。優等
生っぽいと言うか行儀が良すぎる感じもしますが、これも彼等の持ち味ですからね。
9点
James
Carr / The Complete Goldwax Singles
ジェイムス・カーは僕が一番好きなソウル・シンガー。一番好きなソウル・ナンバー
は" Forgetting You "
でジェイムスの曲。'70年代後半、サザン・ソウル熱の高かった
日本でLPもリリースされたしその後CD化もされているけど、J・カーならダブリ承知
で買いですよ。とにかく聴いたとたんにモッテイカレ状態で、もうディープな世界に
どっぷりと浸かります。それにしても絶妙なオブリガートを入れてくるギタリストは
誰?クラレンス・ネルソン?'60年代中頃から後半のメンフィス・ソウル、アメリカン
・スタジオかフェイム・スタジオのミュージシャンだと思うけど。どの曲もその歌声
にノセられて演奏も素晴らしいんだよね。残念ながら2001年1月7日に58年の生涯を
閉じました。もっともっと世界中の音楽ファンに認められるべきグレート・シンガー
でした。 10点
Billie
Holiday / Lady Day:The Best Of
LDでビリー・ホリデイとレスター・ヤングが共演している映像を持ってるけど、その
濃密でネットリとした絡み合いに陶然とした憶えがある。このCD2枚組はまさにそんな
彼女と野郎共の脂の乗りきった共演が聴けるお宝音盤です。女性のジャズ・ボーカル・
シンガーでは好きな人はたくさんいるけど、一番好きなのはレディ・デイ。あの濃密感
ネットリ感は他の追随を許さないって感じ。このアルバム、ほんとは10枚組セットで
発売されていますが、金欠ぎみのボクやアナタにはこの2枚組がほんとにベストです。
10点
The Ink Spots / Rare Air
ジャズ・ヴォーカル・グループとして有名なインク・スポッツのレア音源集です。
甘口バラードで人気を得た彼等ならではのナンバーが多いけど、それらに混じって
演奏されてるジャイヴ・ナンバーがごきげんです。でも一番ゴキゲンだったのは2曲目
のジャンプ・ナンバーでした。これってどこの楽団だろ? 8点
Femi Kuti / Fight To Win
やっぱり" フェラ・クティのせがれ "
として見てしまうな。'70年代にフェラのアフロ
・ビートに魅せられていなかったら、その後のサニー・アデ、ユッスー・ンドゥール、
サリフ・ケイタなどの素晴らしいアフリカン・ミュージックとの出会いもなかったかも
しれないし。偉大で怖そうでアブナゲな親父フェラの倅の新作はアフロ・ビートをより
ポップにそしてサウンドも洗練された21世紀型アフロ・ポップなのかも。でもフェラ
の音楽にあった唯我独尊パワーが懐かしいよ。なんつーかガツンとくるものが欲しいね
フェミ君。 8点
Spencer
Dickinson / same
期待どおりの快作!超辛口ガッツンガツンなロック・アルバムの登場だ。ジョン・ス
ペンサーとタッグを組んだのはなんとメンフィス・ソウル〜ロックの顔役ジム・ディ
キンスンの息子達。すでにノース・ミシシッピ・オールスターズとして活動している
二人の兄弟だ。プリミティブなバイタリティに溢れたサウンドはあのレニー・クラビ
ッツに不足しているそのモノだ。こういうアルバムを聴いて興奮できない人はロック
向きじゃないね。ロックン・ロールは人を選ぶ。 10点
Marc
Ribot / Saints
マーク・リーボウには驚かされっぱなしだな。楽しい驚きなんだけど。新作はギター
・ソロ・アルバム。カバーされてる曲でなるほどと思わせるアルバート・アイラーの
3曲。でもジャズじゃありません。でもアイラーの曲の持つスピリットに似たものを
感じさせます。超絶な速弾きとも流麗なコード・プレイとも無縁な、まったく新感覚
のギター・ミュージックがここにあります。単音の弦の響きに全霊を込めているかの
ような表現が素晴らしいな。シタールに似た弾き方や三味線・琵琶のサワリだっけ?
あのビリつきを感じさせるプレイがあったりで興味深かった。静寂と緊張、コントラ
ストのはっきりとした凛々しいプレイにゾクッと快感がせり上がる。 10点
Bob
Dylan / The Times They Are
A-Changin'(180 gram vinyl
edition)
The
Butterfield Blues Band /
East-West(180 gram vinyl
edition)
2枚共LPレコードです。共に名盤でもちろん満点の素晴らしさ。なぜわざわざ復刻版
LPを買ったのかってことですが(共にLPもCDもすでに持っているのに)、重いLPに
興味があったからです。この重いLPは音も凄く良いのだそうです。我が家の貧弱なオ
ーディオ・セットで音の違いが確認出来るか心配だったけど、いや〜良かったですよ
音圧感がありました。今持っているCDよりは若々しく溌剌としたサウンドが甦った気
がします。B.B.B
の必殺マイナー・ブルース「絶望の人生」のブルームフィールドの
ギターはやっぱり最高です。 共に10点
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