音盤 BAN BAN

         THE FIRST IMPRESSION

ただこの1ケ月(2ケ月)の間にGETした音盤の第一印象を10点満点で採点しました。あくまでも、第一印象ですから。

2002年 2-3月

田真理子 / Mariko
 
こればっか聴いてたな。唄とピアノのたたずまいが素晴らしい。特にその場の空気までも封印したかのような録音が良い。静寂感と言ったらいいのか、その雰囲気に飲み込まれれてしまう。もちろん楽曲のクオリティも凄く高い。このアルバムは'98年に島根出雲のインディーズ、プランクトーン・レコードよりリリースされた。評判が評判を呼び熱心なファンを獲得、ジワジワと全国区に浮上してきた。真の実力派シンガー&ソングライター浜田真理子のなにものでもない個性的な歌が、多くの音楽好きな人達の耳に届いて欲しいと思う。" Country Song " " America " " のこされし者のうた " ・・・の順で聴くのが今日この頃の聴き方。今年一番の収穫と今から言い切ろう! 10点

木慶一とムーンライダース / 火の玉ボーイ
 
'76年このアルバム発表時、鈴木慶一は「東京一のシャレ男」だったな。趣味シュミ度満点の本作は僕のオールタイム・ベスト10級の愛聴盤です。リマスター&ボーナス・トラック付きリイシューですが、やはり魅力は本編のシャレた楽曲と溌剌とした演奏です。当時スタジオ・ミュージシャンとしても新進気鋭だったムーンライダース、ティン・パン・アレイ、ラストショウ、矢野顕子、矢野誠といった連中の志の高さを感じさせるプレイに熱くなったし、今聴いてもその素晴らしさは色褪せてはいない。慶一のヴォーカルも表情豊かで良かったしなあ。" 髭とルージュとバルコニー " は僕達のバンド、サンセット・レヴューのクロージング・テーマでした。レトロでハードボイルドなイラスト・ジャケットも大好き。とーぜん 10点

ガカンとリョウメイ / 東海道五次
 
こりゃあ楽しい!御存知ムーンライダーズの武川雅寛と白井良明による東海道珍道中?ライヴ盤。本来ヴォーカリストじゃない二人が達者に楽器(ギター、ヴァイオリン、マンドリン、トランペットなど)を演奏しながら唄いまくるのが楽しい。上手くないんだよね唄は。アジがあるってわけでもないし。でも聴いていて凄く楽しいのは二人の人柄のせいだけじゃなくって、そのライダーズでお馴染みのプログレ〜無国籍風演奏が面白いからで彼等の演奏力の高さにある。良明さんはその昔、斉藤哲夫のバック・ギタリストとして十日町に来たことがあって、コンサート・スタッフだった僕は一緒にカレーを食べた想い出がある。あの頃もギターは凄腕だった。" スィートビターキャンディー " はいい曲だなあ。(奥田民生バージョンもいいよ!) 9点

ライオン・メリー / Blues
 
あがた森魚のアルバムでその存在は知っていました。その鍵盤奏者が去年リリースしたブルース・アルバムです。ヴォーカルも彼のようです。歌詞は日本語しかも関西弁。肩の力の抜けたリラックスしたブルースですから気楽に楽しみましょう。ドン&デューイの " Farmer John " が " 浜ちゃん " だもんね。F・キングの着メロあり。 8点

The Asylum Street Spankers / Live in Europe 2001
                & A Christmas Spanking
 
アーリー・タイムス・ストリングス・バンドとでも言いましょうか、テキサスはオースティン出身のバンドらしいよ。7人のメンバーが様々なアコースティック楽器を演奏しオールドタイム・ミュージックを奏でます。こんな一座に加わって巡業するのも楽しそう。 8点

V.A. / Bay Area Blues Blasters vol.1
 
名人ジョニー・ハーツマンのギターを堪能しましょう。アル・キング " リコンシダー・ベイビー " の超クールなギター・プレイで有名なハーツマン。ここでもタイニー・パウエルの必殺 " マイ・タイム・アフター・ホワイル " でイカしたプレイを聴かせます。'60年代ベイ・エリアのブルース・シーンにスポットを当てた好アルバム。 9点

V.A. / Don't Freeze On Me-Independent Womens Blues
 
これは超弩級ウーマン・ブルース集だ!上記CDと同じ'60年代ベイ・エリア物。しかもまたしてもジョニー・ハーツマンのギターがゴキゲン。ビッグ・ママ・ソーントン以外は知らないシンガーばかり、だけどみなさんパワフル!" ハウンド・ドッグ " のオリジネーターとして有名なビッグ・ママの豪快な唄いっぷりは文字通り男勝り、和田アキ子がカワイく感じられる程に。ちょっと残念なのは上記CD共各曲のデータが欲しいところ。せっかく良いコンピュレイション盤なんだから。 9点

V.A. / Black British Swing
 
日本にだって戦前からジャズ・バンドがあったくらいだから、イギリスにジャズのビッグ・バンドがあってなんの不思議もない訳で、勝手に意表をつかれてるワタシが悪い。このアルバムは'30〜'40年代にイギリスで活躍した黒人ジャズ・バンドのアンソロジー。黒人といってもアメリカ出身はいなくて大部分がカリブ海諸国出身だとある。だからと言ってカリブっぽい音が聴ける訳じゃなく、本場アメリカと遜色のないジャズ・サウンド。ノリもソロも達者です。ジャンプ〜ジャイヴ系がじつにサマになっていてカッコいい。Tボーン系のギターも聴けるよ。 8点

山下達郎 / It's A Poppin' Time
 
達郎がソロになってからのアルバムはあまり聴いてなかった。シュガー・ベイブってバンドが好きだった。生で3回見てるしね。帰ってきた田舎には歌謡ロックと歌謡フォークとパープルとかハード・ロックのコピー・バンドしかなくて、僕はシュガー・ベイブみたいなバンドがやりたくてテレキャスターを買った。ソロ・アルバムを聴かなかった理由はバンド・マンをやめた達郎への反感があったかもしれない。ソロになってからの達郎のサウンドにはバンド感がなかったから。桑田佳祐がサザンをやめない理由もそのへんにあると勝手に思い、そんな桑田を支持したい。結局このアルバムで聴かれる最上級のサウンドもへそまがりな僕に言わせればヨソヨソシイ。山下達郎は大好きだけど。 9点

Shi-Shonen / Singing Circuit
 
'84年細野晴臣がモナドと共に設立したレーベルがノンスタンダード。発足の弁は「ポスト・テクノ・ポップとでもいうべき若さあふれるポップ・ミュージックを目指します」だったとか。そのノンスタンダードより'85年にリリースされたこのアルバム、まさに青春のテクノ・ポップですねえ。当時はこの辺のシーンへの興味が薄れていたので、コレは初めて聴いた気がする。才気は感じるけどガツンとくるものはない。戸田誠司はこの後フェアチャイルドを結成するんだったな。   7点

さ知らズ / 渋 旗
 
渋さ・・は好きだな。ライヴ絶対に観たいよ。生活向上委員会も大好きだったからな。集団即興大衆音楽、ゴリおしユニゾン・アンサンブル、猥雑さアングラっぽさ、でも高度なテクニックと理論を隠し持って、しかもセクシー・ダンサーがいて・・・あ〜もうレコードだけじゃガマンできんぞ!俺が気に入ったバンドにはいつも片山広明がいて、ブリブリっと豪快にテナーを鳴らしてる。渋谷毅のオルガンが怪しげに見え隠れしてるな。リーダー " ダンドリスト " 不破大輔の曲はおおらかで逞しくて実に結構。今年もフジ・ロック行こうかなあ。 10点

Prince / The Rainbow Children
 
一曲目のジャズっぽいナンバーのカッコ良さ!もうこれでこのアルバムはアタリ!って確信したね。ロック、ファンク、ソウル、ジャズ、ブラック・ミュージックのど真ん中にドシンと構えながらもポップさも忘れない。かつてはエログロ・プリンスなどと敬遠していた私ですが、いやはやこの頃のプリンスは肌に合う。雑誌などによるとこの新作、けっこう宗教色が濃いのだそうだ。だけど歌詞がわからんワシには関係なしにそのサウンドだけを楽しんでます。官能ギター満開でうれしいな。 10点

O.S.T / O Brother
 
こんな地味な内容のアルバムが全米で400万枚を突破する売り上げを記録し、さらにはグラミー賞の何部門かを受賞してしまった。ビックリ現象!?ジョージ・クルーニー主演の映画のサウンド・トラックなんだけど映画以上にサントラだけが一人歩きし怪物ヒットとなったらしい。ビックリ。だって'30年代の南部の音楽、オールド・タイム・マウンテン・スタイル?って感じのフォーク、ブルース、ゴスペルなどが当時の雰囲気そのままに現代のアーティスト達によって再演されているのだけど、シブいよ〜音楽が。僕は古い音楽が大好きだから、この辺は絶対に買いなんだけどね。  8点

Caetano Veloso & Gal Costa / Domingo
 
カエターノとガルによる'67年の共演アルバム。しかもボサノーヴァのアルバムです。何故しかもかと言えば、この時点ではすでにボサノーヴァのブームは去り、カエターノ、ガルらを中心にトロピカリア運動が旗揚げされる時期だからです。自分たちに多大な影響を与えてくれたボサノーヴァへの感謝と別れをこのアルバムに込めたのでしょうか。ともあれこのアルバムは素晴らしい。二人の瑞々しい歌唱、カエターノの才気(" ドミンゴ " 1分25秒のこの曲には40ものコードが含まれている・・(ライナーによると))、ここから新たに旅立とうとする二人の静かな闘志を感じたりもします。  9点

Nara Leao / Des Anos Depois
 
「ボサノーヴァのミューズ」ナラ・レオーンが'71年亡命先のパリで録音した作品。アンニュイな感じが良いな。独り部屋でボーっとしていたい時聴くのに最適かな。いっけんクールなようで温かい、押しつけがましさがなく、さりげなく寄り添ってくれるような、そんな優しさをこのアルバムから感じとれる。" 想いあふれて "" ワン・ノート・サンバ ""ジサフィナード " など有名曲が入っているのもうれしい。降りしきる雪にうたれながら空を見上げるナラ・レオーンのジャケットが素敵!しかも紙ジャケ。 9点

 今月はここまで。このつぎはモアベタアよ。

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