浜田真理子
/ 純愛
今年最大の発見は(発見は悪いかな?)浜田真理子に決定!2月で紹介した『mariko』は今だに僕のヘヴィーローテーション盤です。10月発売の2作目に先がけてリリースされたシングル盤が本作の『純愛』。"月の記憶"
"純愛" "知りたくないの"
の3曲入りで前2曲が日本語の自作曲。彼女の唄は、初対面からドカドカと入り込んでくるようなタイプではありません。1聴、ん?とナニか引っかかるモノを感じ、もう一度聴きたくなって、何度も聴き返すうちに、皮膚から浸透した唄がいつしか心まで届き、そこに居心地良く居続けてしまう、そんな感じです。ピアノの弾き語りによる、ゆったりと静かに佇む唄。是非多くの人達に聴いて欲しい、きっと心に浸透しますよ。 10点
エゴ
- ラッピン / Night Food
5月3日に渋谷クアトロで待望の吾妻光良&S.Bのライヴを見たんだけど、ゲストDJとしてフロアでサラ回ししてたのがエゴ・ラッピンの森雅樹だった。聴かせたのが古いカリプソから始まってカリブ物から米国アーリー・ジャズって流れだったような気がした。カリブ〜ニューオーリンズ〜アメリカの赤い糸って感じでしたが。つまりこの新作にもこのムードが濃厚に感じ取れます。ジャズでラテンで歌謡なムード。スタイリッシュな音楽。う〜んカッコイイ!頭からエリントンのジャングル・ムードでお次が「くちばしにチェリー」!イントロが
" ボヘミア・アフター・ダーク "
って感じでカッチョエエ!中納良恵の唄いっぷりも堂に入ってる。気に入った〜! 10点
山内雄喜「スラック・キー・パーティ」
猛暑ですねえ、今年の夏。そんな最中の一服の清涼剤が本作です。山内さんからの最適な暑中見舞いって感じです。山内さんは日本におけるハワイ音楽の第一人者で、本業はコンニヤク屋さんだったと思います。僕がスラック・キー・ギターを初めて聴いたのはライ・クーダーの演奏で、彼はハワイのギャビー・パヒヌイの演奏を参考にして習得したと何かに書いていて、これってハワイのギター・ミュージックなんだと知りました。山内さんは元々ハワイアンをやっていて、'71年には本場のスラック・キー・ギターを聴きに、また奏法の習得にハワイにまで行ったとのこと。凄いな〜!
アコギによるちょっとユルめのオープン・チューニングで演奏されるソロ・ギター・インストの素晴らしさ!ゆったりと寛ぎたい時に最適。オール・シーズンお薦めです。 10点
Laura Nyro / Live The Loom's
Desire
ローラ・ニーロが亡くなったのが'97年、僕は生前よりずっと多く彼女の唄を聴いているし、好きになっている。その昔初期3作『イーライ・・・』『ニューヨーク・・・』『ゴナ・テイク・・・』を友人から借りて聴いた時、良いね、才能あるんだね、でもちょっとキツイね、が印象で、特にソウル・ナンバーのカバー曲には、ホンモノ聴いた方がいいなと生意気に思ったものでしたが。彼女の死後、謙虚に彼女の唄に向かい合ってみて、そのキリっと屹立した唄世界に惹かれるようになりました。本作は'93年、'94年に地元N.Yで催されたクリマス・イヴのライヴ。観客もお馴染みさんが多いようで雰囲気も温かい感じで、彼女の唄にも寛いだ円やかさが感じられたりします。 9点
Don ' Sugarcane ' Harris /
Sugarcane
ドン&デューイのスペシャルティ盤の激情R&R
" ジャスティーン "
にはブッとんだ。後にパンクが出現した時にモノタリナサを感じたのも、このドン&デューイを聴いていたせいだった。そんなドン
" シュガーケイン "
ハリスはヴァイオリン弾きとしても有名であのザッパとも共演している位の腕達者。ブルージー&ファンキーなヴァイオリンを弾く。このアルバムは
'70年にジョニー・オーティス一門にいた頃に録音されたものでプロデュースはもちろんJ・オーティス御大。タイトなR&Bナンバーがカッコイイ。 8点
Mike Auldridge / Dobro - Blues
& Bluegrass
ドブロの名手オールドリッジの'72年録音。当時はまだブルーグラス・バンド、セルダムシーンに在籍中?メンバーも参加しています。その他有名どころではヴァッサー・クレメンツ、デヴィッド・ブロンバーグ、リッキー・スキャッグス。このメンツでわかるとおりのアーシーなアコースティック・ストリングス・ミュージック。ラスト曲にはなんとロウエル・ジョージがエレキでスライドを聴かせます。好きですこの感じ。 9点
Four Freshmen / Best of The
Liberty Years
自分の守備範囲じゃないから聴かなくてもいいや、って感じで耳を向けて来なかった大物ミュージシャンのうちのひとつがフォー・フレッシュメンです。いかにも米国のポピュラー・ミュージックって感じです。'68〜'69年録音、リバティ時代のベスト盤。有名な曲も多いし楽しいアルバムです。これもソフト・ロックって呼ばれてるんでしょうか。やっぱ黒人ドゥ・ワップや日本の歌謡ムード・コーラスの方が好きだな。 8点
ディック・ミネ /
ディック・ミネ全曲集
ミネさんにはLP盤時代に『ジャズボーカルベスト/スウィングしなけりゃ意味ないね』という素晴らしいアルバムがある。僕の愛聴盤ですが、昭和10年〜13年録音の大変立派なジャズ・アルバムなんです。こんな素敵なミネさんをCDで聴きたいと思い探したけど同じのがなかったので、コレを買ったわけ。副題が「人生の並木道」。う〜むジャケットがダサい。曲のデータなど何もない。ディック・ミネほどの偉大なシンガーのリイシューCDなんだから、もっと敬意を持って立派なものを作って欲しいものだ。前述のジャズ・アルバムには及ばないものの、本作で聴けるミネさんの洋楽感覚は凄い。 8点
榎本健一
/ エノケン芸道一代
これもミネさん同様、エノケンと言う不世出の喜劇王にして偉大なるシンガーのリイシューCDにしてはショボイ作りだ。LP盤は布貼り見開きジャケでブックレット付きと豪華だったのに。内容はLPと同じだから、もちろん最高です。浅草〜舞台〜銀幕〜TVとその時代ごとの活躍を捉えた内容で「ベアトリ姉ちゃん」「ダイナ」「月光価千金」「私の青空」などの名唱が堪能できます。エノケンは凄い人だったなあ。 10点
Arsenio Rodriguez / El Rey Del
Son Montuno
やっぱりアルセニオの楽団は重量感があるね。'40〜'50年代初頭の全盛期と言われる頃の録音集です。彼自身が弾くトレースに味がある。チャポティーン、チョコラーテ、パパ・キラなどの名手達が在籍した時代の熱く黒光りするソン・モントゥーノ。甘いボレーロに艶っぽいピアノも良いね。が、猛暑の中で聴くにはチョット暑っ苦しい?9点
Mahlathini / The Lion Of
Soweto
チェッやっちゃった〜ダブリ買い。'90年にCD化された時に買ってたんだっけ。LP盤しか持っていないつもりだったけど。内容は文句なし。南アフリカのンパクァンガって呼ばれるポピュラー・ミュージックでマハラティーニはその第一人者。ブラシによる速いビートに絡む動きの速いベース、トロピカルなよく転がるギター、マホテーラ・クイーンズのノリのいいコーラス、そして御大マハラティーニの地鳴りのようなダミ声(浪花節のような)ヴォーカル。大好きなんですよ。でもチョット暑っ苦しいなあ。 9点
フォーク・クルセダーズ&Then /
Twin Best
フォークルのアルバムを持っていなかったし、本CDにはファミリーとも言えるシューベルツ、ジローズなんかも入っていてお得かななどと、とりあえずって感じで購入。フォーク・クルセダーズを語るには僕でもまだ若いんだよね。「帰ってきたヨッパライ」が小学生の時だから。彼等はたしかアングラ(古いでしょ?)出身だったけど、本作を聴くと僕等世代のヒット曲満載(ファミリーとしてだけど)だね。「風」「花嫁」「あの素晴らしい愛をもう一度」(これ、小学校の文化祭で毎年PTAが歌ってるんだって!ウワォ〜)「戦争を知らない子供達」・・・って感じでアルアルねえ。で、これらの曲がフォーク・ソングと呼ばれたもんだから、南・谷村・堀内・さだのNHK的4人組もフォークだったんだ。ま、これはどーでもいいけど。フォークルがエラかったのは彼等がパイオニアだったからなんだね。 8点
むしまるQゴールド /
歌のアルバム大全集
NHK教育の人気番組「むしまるQ」はテンションが高い。パワフルである。うららちゃんというゲーム・キャラっぽいキュートな女の子が司会進行のクイズ番組なんだけど、毎回の挿入歌がすごく楽しい。パロディ曲が多いんだけど、スタッフのノリノリ気分が伝わってきて気持ちがいい。例えば「じみへん」って曲、亜蘭知子さん(なんと!)の作詞でサウンドはジミヘン風(フォクシー・レディ風)。♪オガサワラ チビヒョウタン ヒゲナガゾウムシ(ジミでヘン)体長は2mmない〜♪
なんてヘンな可笑しい歌詞にカッコいいサウンドが乗る。「サーモン
USA」「哀愁のヨーロッパ・バイソンやねん」なんていうイカニモな曲も楽しい。大人が見ても、音楽ファンが聴いても楽しめる子供番組「むしまるQ」ガンバレ! ガンバレ! 8点
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