11月30日 くもり/小雨(東京)  体調・ふつう、足が筋肉痛

本日は(12月1日に書いてるけど)音盤ではなく「ライヴ行って来たぜ!」の話しです。
Eric Clapton Japan Tour 2003
あのトニックを1音半チョーキングしてウィ〜ンてな感じてダウンさせるあのフレーズと言うか手癖を聴いただけでジ〜ンときました。「師匠!お久しゅうございました」なんと29年ぶり、会場も同じ武道館での再会でした。クラプトンのように40年間ほぼコンスタントに活動してきたミュージシャンにたいしては、どの時期のクラプトンと出会ったかでつき合い方が(聴き方)がファンの人達でもそれぞれ違うと思うんだよね。俺は10代中頃エレキを手にしたと同時にクリームに熱中(もちろんクリームは解散してましたが)、エレキ買って最初にコピーした曲は"ストレンジ・ブルー"だったしね。自信なさそうに歌う初ソロ・アルバムもヘロヘロ状態のレインボー・コンサートもその頃聴いてたし、「レイラ」にも心が躍ったものだ。ジャストな愛着感と言えるのが「461オーシャン・ブールヴァード」で、リリースされた'74年にクラプトンは初来日公演を武道館で行い、俺はそこへ"神様"を観に行ったわけだ。最初に歌った曲はチャップリンの"スマイル"で、周り中の観客がとまどった。誰も知らない曲でスタートしたもんだから、俺的にはイマイチ燃えない印象薄いコンサートとなってしまって、翌年のライヴを欠席して以来ずっとクラプトンは俺の中で(行かなくても)"まあいいか級"となってしまった。クラプトンを聴かずともいずれはブルースも聴いていたはずだし、そのブルースにしても本物にのめり込むようになってからはクラプトンのブルースも聴かなくなっていた。アルバムも「461・・・」以降あまり買っていないしね。「アンプラグド」は自分がオッサン化してきたせいか観たときには久しぶりにグッときたね。ギタリストというよりシンガーとして風格が出てきたって感じました。でね、なにが言いたいかって言うとクラプトンはずっと好きだったってことなんだね。なんだかんだ言っても俺のギター・ヒーローだからさ。自信なさそうなヘロヘロ状態を知っているから、感傷的すぎると(一部で)言われるその音楽スタイルだってゆるせちゃう。メランコリックなギターは大好きさ、哀愁男に乾杯って感じなんだよ。
 コンサートにぜんぜんふれてなかったね。まあ曲目もバンド演奏もクラプトンの歌とギターも近年のライヴ・アルバムの感じとあまり変わりないし、その期待より本人を久々に目撃したかったから武道館へ行ったって感じで。"ベルボトム・ブルース"にはジ〜ンとしたけど、ギターのソロは「レイラ」のアルバムのとおり、あのハーフ・トーンであのフレーズから入って欲しかったな。ウインウッドのブラインド・フェイス時代の名曲"Can't Find My Way Home"をネイザン・イーストが歌ったけど、ウインウッドより数段落ちる歌唱力でした。あとねラストに"オーヴァー・ザ・レインボウ"はやめて欲しかったな。じつはミーハーがはいって"ティアーズ・イン・ヘヴン"は聴きたかったなって思いましたよ。
 そうそうこの日は銀座にアップル・ストアがオープンしたから行ってみました。ホテルも銀座にとったから。お昼の1時頃に銀座中央通りに着いてみたらビックリ!何ブロックも行列ができてましたよ。並んで待つのが嫌いなのでアップルのビルを眺めてサッサと退散。


 11月29日 くもり/小雨  体調・ふつう、目の疲れ

 福井晴敏「終戦のローレライ」をがんばって読んでいる。何故かと言えば、早く読み終えて手元に届いた宮部みゆき最新刊「誰か」を読みたいからなんだ。睡眠時間削って読んでるから、このところ寝不足でそのうえ目が疲れます。
Geoff Muldaur's Futuristic Ensemble
  「Private Astronomy. A Vision of Bix Beiderbecke」
なんとも素敵なドリーミーなグッド・オールド・ミュージック。ジェフ・マルダーによる愛あるトリビュート音盤です。ビックス・バイダーベックは'20年代に活躍したジャズ・マンでライ・クーダーもアルバムで取り上げてましたね。ゲスト・ヴォーカルにラウドン・ウェインライト3世とマーサ・ウェインライトが加わってます。マーサはルーファス・ウェインライトの妹で両親はもちろんラウドンとケイト・マクギャリグルですね。(ラウドンはケイトの元旦那だと思いますが)本盤でのマーサのヴォーカルがじつに良いです。チャーミングにちょっとセクシーに、昔の女性ジャズ・シンガーを意識した歌い方だと思いますが。(マリア・マルダー、吉田日出子もそんなアプローチですよね)マーサは近々ソロ・アルバムが出るそうですよ。これ楽しみです。娘と言えばジェフの娘達ジェニーとクレアもコーラスに加わっています。すごくあったかいアルバムなんですが、これは家族愛が影響してるのかな。ホーン関係でピーター・エックランド(元ハングリー・チャック!!)や作詞にちらっとリンダ・トンプソンの名前があったりで、さすがの人脈です。これはもう名盤です。まちがいなし!ジェフ・マルダーに乾杯!!!


 11月28日 くもり  体調・ふつう、きょうも肩こり

 今日も防雪用ネット取り付け作業(店の仕事の合間に)。風が強くて大変だった。こうゆう作業(屋外作業)でつくづく思うのはロープやひもの結び方ですね。これが上手いと作業が早くきれいにできます。俺はこれがヘタなので余計に時間がかかり、仕上がりもイマイチです。
Geoff Muldaur「Beautiful Isle of Somewhere」
昨日に続きジェフ・マルダーのソロ・ライヴを聴いてます。滋味ですなあ、まったくもって。絶妙のフィンガー・ピッキングですなあ。歌声があったかいから、山小屋でストーブにあたりながら聴いていたい感じ。もちろんバーボンでも飲みながらね。お馴染みの" Gee Baby Ain't I Good To You "ボビー・チャールズの" Tennessee Blues " もくつろいだ感じで歌ってます。バックがたくさんついたアルバムでは趣味趣味の才人てな感じのジェフ様ですが、このアルバムやエイモス・ギャレットとのデュオ・アルバムではシンガー&ギタリストとしてのジェフ様がくっきりと堪能できますね。


 11月27日 はれ  体調・ふつう、ちょっと肩こり

 数年前から雪国で流行りだしてる防雪用のネットを買ってきて自宅物干しテラスに取り付けてみた。まだ完成してないけど、これけっこう良さそう。
Geoff Muldaur「Beautiful Isle of Somewhere」
ドイツからリリースの'99年ライヴ音盤です。ソロでギター弾き語りのライヴで会場はブレーメンのようです。忙しかったので明日につづく。


 11月26日 はれ  体調・ふつう、まだちょっと胃が重いし寝不足

 朝6時ってまだ暗いね。まあ6時起きには慣れたけど、これからは寒いし暗いしねえ。それでもうちの老人達は俺よりまだ早起きだし、娘は起きた瞬間から元気がいいよ。
V.A「J-ロックの細道 3」
ラインナップは外道、上田正樹&サウス・トゥ・サウス&有山淳司、憂歌団、ソー・バッド・レヴュー、ウエスト・ロード・ブルース・バンド、めんたんぴん、久保田麻琴と夕焼け楽団、小坂忠、あんぜんバンド、紫、柳ジョージ&レイニーウッド。徳間ジャパン系ですね。バーボンのコンサートにも行ったからけっこう見たメンツです。特に上田正樹達とウエストロード、憂歌団、久保田麻琴と夕焼け楽団は大好きだったから何度もLiveに足を運びました。上田正樹達とウエストロードはライヴの盛り上がりが凄かっただけに彼等のアルバムにはちょっと物足りなさを感じたものでした。久保田麻琴と夕焼け楽団はのほほんと盛り上げるライヴも凄く良かったけど、素晴らしいアルバムも続々と出しましたね。この辺は久保田のプロデュース感覚が秀でていたってことでしょうかね。小坂忠は♪小粋に別れようさよならベイビー〜の頃から選曲。フォージョーハーフの頃の方が好きだったな。紫"ダブル・ディーリング・ウーマン"は不本意ながらコピーしました(笑)自分でバンド作る前にパープル系ハードロック・バンドに入っていたもんだから。千葉でバンド組んでた時のベースが沖縄のやつで、そいつからまだデビュー前の紫のライヴ・テープを聴かされていたので愛着がありますね。めんたんぴんにしろソー・バッド・レヴューにしろ好きだったけどずっと聴いていなかったので懐かしいし、いまのJ-ロック・バンドとはテイストが違うね。ま、あたりまえか。


 11月25日 雨  体調・ふつう、まだちょっと胃が重い

 朝10時のコーヒー・タイムに二日酔い仲間だったはずの栄ちゃんが来たので「きのう調子どうだった?」ってきいたら、昨夜も日本酒をちびちびとたくさん飲んだそうだ。つよいもんだ。
V.A「J-ロックの細道 2」
ラインナップははっぴいえんど、はちみつぱい、遠藤賢司、イエロー、近田春夫&ハルオフォン、サラ&メロディ、ごまのはえ、南正人。"はっぴいえんど、はちみつぱい、ごまのはえ"ってこのネーミングでああ一派を形成してるって感じがするよね。内田裕也一派と対立とかね。懐かしいですこの図式。南正人の"上海帰り"は大好きな曲だけどコレはシングル・ヴァージョンなので初めて聴いた。テンポが速くて軽快です。でもアルバム・ヴァージョンの方が好きだな。遠藤賢司は快作「東京ワッショイ」から。文句なしに素晴らしい盛り上がりぶり。はっぴいえんど・はちみつぱいはあらためてガロっぽいなって思います。偉大なるサブ・カルチャー(懐かしい)です。ごまのはえは何でもうちょっと良い曲を残さなかったのかな。"留子ちゃんたら"はもうカンベンしてくれ。伊藤銀次と上原裕はシュガー・ベイブ加入時に何回かライヴを見たね。近田春夫はいいねえ。いつの時代も楽しませてもらってますよ。この頃('70年代後半)の近田のテーマは「郷ひろみ」だったかな?とにかく素晴らしい歌謡ロックの世界です。サラ&メロディの"ヤギブシ・ラットマン"はなんかわからんけどウマいです。'70年の作品で石川晶参加とあるけど、このコーラスとかどんなメンツのグループだったんだろ?興味ありあり。イエローは泉谷しげるのバックやってたのを聴いたことあるけど、泉谷とはキャラがまったく違うねえ。これも上手い人達です。


 11月24日 はれ  体調・二日酔い

 二日酔いでなんぎ〜。
V.A「J-ロックの細道 2」
体調不良でさぼります。明日につづく。


 11月23日 はれ  体調・ふつう

 ようやく溜まりに溜まった音盤を聴き倒しましたよ。いま手元にある未聴音盤はBOX物だけになりました。これからしばらくは「J-ロックの細道」という日本ロック'70年代名盤セレクションを楽しみます。湯浅学の監修・選曲で10枚組。'70年代J-ロックを聴きまくるという行為は俺の故郷探訪のようなもの。うれし楽し。
V.A「J-ロックの細道 1」
四人囃子、村八分、山口富士夫、CHAR、ジョニー・ルイス&チャー、野獣、コンディション・グリーンというラインナップ。この中で'70年代にLIVEで見たのはチャーだけだね。四人囃子は見たかったけど残念。森園が歌う曲が好きだったんですね、初期の頃の四人囃子。フュージョンっけが出てきてからはつまんないね。村八分、山口富士夫って生で接してないからソノ凄さってのが全然わからない。曲もヴォーカルももうちょっとなんとかして欲しいって感じ。チャーもギターは大好き、そのサウンドもかっこいい、だけど歌が好みじゃないです。すまん。野獣は初めて聴いた。あの中野重夫(日本のジミヘン!)がいた名古屋のバンド。まっとうなハード・ロックです。沖縄のコンディション・グリーンは映像ではけっこう見ましたね。肩車されてギター弾いたりね。このギター弾きは好きです。フレーズに色気を感じるね。俺ね「紫」も当時デビュー前に沖縄出身の友達からテープ聴かされてたから知っていたけど、沖縄のハード・ロック・バンドはホ・ン・モ・ノ!だったよ。だから今聴いてもコンディション・グリーンは本場物って感じです。村八分って今ではいろんな音源が出て来てるけど「なんでそんなに庇護したいの?ロケンローラー?」って感じしかないね。俺にとって長渕剛と違いないもんね。俺は長渕みたいなヒロイズムが大きらいだからね。
↑24日朝です。なんか怒ってるね俺。村八分と長渕んとこは酔っぱらって夜中に帰って来てから書いたんだな。飲むと怒りっぽくなるのが悪いクセ。


 11月22日 雨  体調・ふつう

 ずっと雨で荒れ模様のお天気。でも寒くないから雪はどうかな。年賀状作りを開始。
尾崎亜美「ツイン・ベスト」
彼女がデビューしたのは俺が高校の頃で「シェイディ」は凄く好きなアルバムでした。" 第二の荒井由実" 的なデビューだったと思うけど、荒井由実より歌が上手かったしキャッチーなメロディ作りが上手かったと思う。と言って買ったアルバムはデビュー作だけだったけど。それでずっと気になっていた曲があって、それは弟が持っていたセカンド・アルバムに入っていた曲で南佳孝と歌っているカントリーっぽい曲(という記憶)。WEBで調べたら「うわさの男」だってわかった。さてCD買おうとこれもWEBで調べたら単独CDはなくてこのベスト盤に収録されていたわけです。さっそくアマゾンから取り寄せ、「うわさの男」と約30年ぶりの再会となりました。あはっカントリーというよりチャールストンって感じですね。でもゴキゲンな曲です。この2枚組CDをずっと聴きながら申年賀状の構想(がはは)を練っていましたが、やっぱりファースト・アルバムの曲に愛着があります。" 初恋の通り雨 " なんか青春だね。しんみりと聴いちゃったよ。


 11月21日 雨  体調・ふつう、寝不足ではある

 雨降りだけど暖かいです。でもこれから冷え込んできて山沿いは雪になるかも・・・とTVでは伝えています。山沿いって俺っちのとこだ。
Chris Powell「1949〜1952」
どうしてこのクリス・パウエルを買ったんだっけ?と聴きながら考えた。R&Bというかジャイヴな感じやジャンプな曲もある良い感じの音盤ですが。けっこうギター弾きが良いんです。エディ・ランバートって初めて耳にする人ですが、甘く歪んだトーンでワイルドです。ギターではビル・ジェニングスが参加した曲もあって凶暴(笑)なギターがソレかな。ああ思い出した、この音盤買ったわけ。クリフォード・ブラウンですよ。大好きなジャズ・トランペッター、クリフォード・ブラウンの処女録音('52)が含まれているんですね。" アイ・カム・フロム・ジャマイカ " という怪しいラテン・タッチの曲なんですが、出てきたペットのソロはまさしくクリフォード・ブラウンです。凛々しい吹きっぷりです。そのうえギターがまた良い。ラテン・タッチにこのギター!時代を先取りするじつに良いセンスだと思うな。タイトな曲から大甘な曲まで、このクリス・パウエルって人は面白いね。


 11月20日 くもり  体調・ふつう

 そうそう前夜ボージョレ・ヌーヴォーをさっそく飲んでしまったよ。日が変わるのが待てなくてね。味は?ヌーヴォーの味ですよ。可もなく不可もなく。
「ジプシーのうたを求めて〜砂漠に生きる漂泊の芸人たち」
さて昨日の続きです。よく民族音楽レコードの全集物ってありますね。なんか本棚にある百科事典と扱いが似ていませんか?ただあるだけ、教養ありそうって感じで。たしかに民族音楽のレコードの中には学術的側面だけで録音されたような音楽がたくさんあって、音楽を楽しむ向きにはツマラナイものってけっこうありますね。そこで本盤「ジプシーのうたを求めて」ですが、音楽そのものが良いんですよ。特に女性達の地声コーラスそしてそのコーラスにビーンという笛が加わった曲なんか、まるでROVOみたいな感じでクラクラってプチ・トランス状態になれますよ。当然ながらインド的な音楽です。弦楽器、打楽器、手こぎオルガンなどによる演奏、こぶしのきいた歌声など、土俗的でありながら優れた芸能として洗練されているわけです。女性二人がしゃがみこんで歌う、腹から絞り出すような歌声に、俺は以前に聴いた" ごぜさん " の歌声を思い出しました。いろんな音楽、いろんな物事に思いを馳せることのできる音盤ですね。良い物を聴かせていただきました。感謝感謝です。


 11月19日 晴れ  体調・ふつう

 今朝は天気は良かったけど霜が降りましたよ。寒かったぁ。
「ジプシーのうたを求めて〜砂漠に生きる漂泊の芸人たち」
これは素晴らしい音盤です。いろんな意味で感動ものです。ジプシーの源郷とされるインド北西部ラージャスターン州の漂泊の芸人達の音楽を記録したものです。録音は2001年8月、ポータブルDATによる屋外録音だという。この世界文化遺産級を録音し音盤制作したのは市川捷護さんと市橋雄二さんだ。市川さんはあの『日本の放浪芸』を小沢昭一さんと共に企画制作した人で山城祥二さんとも関係があるという凄い人なのだった。市川さんがライナーに書いています「インドを訪れる前年、スペインのセビリアで見た初老の女の踊るフラメンコが頭に浮かび、次にはかつて日本列島の山野を巡っていた人形遣いや猿回しなどが想起される。そしてこれらのイメージはタール砂漠を起点に芸能的水脈でつながっているのだと想像することは楽しいことである。ジプシーの音楽などが急速に身近なものと感じられると同時に、日本の音楽・芸能なども過去幾世代に渡って地球上を漂泊・流浪してきた人々から手わたされてきたものだという悠久の歴史に力づけられるからである」
ジイ〜〜ン、なんて素晴らしい言葉でしょうか。感動いたしました。
 というところで今日はもう時間切れです。明日につづく。


 11月18日 晴れ  体調・ふつう、まだちょっとだけ喉が痛い

 今朝は天気は良かったけど霜が降りましたよ。寒かったぁ。
Django Reinhardt「Retrospective 1934〜1953」
昨日からの続きでジャンゴ聴いてます。ジャンゴの顔ってやっぱりインド人に似ているよね。なるほどなあ。そうそう以前から不思議に思っていたのは、ジャンゴの左手は火傷のせいで薬指と小指が使えないって話し。たしかにギター弾いてる写真を見ると薬指と小指は折れて丸まっていて人差し指と中指だけでフレットを押さえているようにみえるし。ほんとに2本指だけであんなに凄いプレイができたんだろうか、それこそ奇跡だよね。本盤のブックレットの写真をよく見ると、丸まった薬指と小指をフレットの上にのせてるのがあるので、もしかして努力と工夫で指が使えていたのかな。それにしても琴線に触れる音楽だな。3枚組は時代ごとに編集されているので初期と後期のスタイルの違いがわかりやすく面白い。初期〜中期は今で言うマヌーシュ・スウィングな感じでなんと言ってもステファン・グラッペリ(ヴァイオリン)との掛け合いが素晴らしすぎます。後期で凄いのはアンプ増幅したアコギ(つまりエレキ・ギターじゃないんだね)の歪んだ音色。この歪んだ音でのコード弾きがスゲエ!って感じなんです。しかも" サン・ジェルマン・デ・プレの夜"でのプレイったら!スゲエ!スゲエ!スゲエ!これはビバップの快演だ。というよりフュージョン(と呼ばれる音楽)に近いプレイでしかも凡百フュージョンを軽く凌いでいるね。バップを弾くジャンゴは初めてなので興奮です。で、最後はやっぱり"スウィング42" に和むわけですね。「"スウィング42" は占領下のフランスにとって、酸素を与えてくれる呼吸のようなものだった。」とライナーにありました。つらい時代ほど人と音楽は密接なのかな。今の日本手どうなんだろ。まあそれはともかく、ジャズ・ギタリストに無くてジャンゴにあるものはエレガントってことじゃないかな。


 11月17日 雨/くもり  体調・ふつう、ちょっと喉が痛い

 早朝ドシャぶりでイヤだなあって思っていたけど、娘の登校時間には雨もあがりよかったよ。でもどこかでアラレが降ったらしいからますます冬が近づいたな。
Django Reinhardt「Retrospective 1934〜1953」
バップ以前のジャズ・ギターが好きになってずっと聴いているんだけど、ジャンゴもいいね。なにより風情がある。音楽風景を持っている人ですね。メランコリックなそしてときに情熱的な響き、ギターによるこうした表現は所謂ジャズ・ギターとは異質な趣がある。
 と、ここまで書いて明日に続く。だって3枚組だし今日はいそがしくって。


 11月16日 雨  体調・ふつう

 朝から雨。娘は小学校の「うさぎ当番」で餌をあげに出かけてきました。
The Allman Brothers Band「American University 12/13/70」
あのフィルモア・イーストの直前て感じのライヴです。当たり前だけどフィルモアとよく似た演奏です。つまりド凄い演奏だってこと。オフィシャルな録音ではないので " ストーミー・マンデイ " なんかテープが終わってしまったらしくソロの途中でフェイドアウトしている。それでも" ステイツボロ・ブルース " " トラブル・ノー・モア " " ドント・キープ・ミー・ワンダリン " " ユー・ドント・ラヴ・ミー " " ウィッピング・ポスト " といったツアーで鍛え抜かれた鉄壁のレパートリーは燦然と輝いています。デュエイン・オールマンとディッキー・ベッツによるスリリングなギターの応酬 なんか、オールマン・ブラザーズ・バンドは健在だけど、もう音盤でしか聴くことができないもんね。今後アーカイヴ・シリーズとして未発表ライヴ音源がリリースされるらしいので楽しみです。デュエイン・オールマンに会いたかったな。


 11月15日 晴れ  体調・ふつう

 天気良くて暖かかった。店の仕事の合間に車庫の日向で大工仕事をしたよ。
V.A「Crossing Jordan - Music From The NBC Television Series」
ローズマリー・クルーニーの貫禄勝ち(笑)" Black Coffee " ふくよかですね。本盤は米NBCの人気ドラマ『Crossing Jordan』の話題のサントラ盤です。収録曲が面白いし凄いよ。サム・フィリップスの「I Wanna Be Your Man」(ビートルズ)、カサンドラ・ウィルソンの「The Wind Cries Mary」(ジミ・ヘンドリックス)、アリソン・クラウス「Can't Find My Way Home」(ブラインド・フェイス)、リチャード・トンプソンの「Season of the Witch」(ドノヴァン)などの新録カヴァー音源満載です。トム・ウェイツ曲を歌うルシンダ・ウイリアムスにゾクっときたり、ホルムズ・ブラザーズのゴスペルにグっときたり、あとディラン、ルー・リード、キャット・スティーブンスの曲のカバーもあり充実した内容です。アイリッシュな感じのテーマ・ソングはウェンディ&リサ。プロデューサーはT-ボーン・バーネットとクレイグ・ストリートのようですね。それにしても最後を飾るローズマリー・クルーニーが良いなあ。ためいき。

James Booker「Gonzo - More Than All The 45s」
ニューオーリンズのアイパッチ男、天才ピアノ・マン、ジェイムズ・ブッカーの初期作品集です。'54〜'62年、インペリアル、チェス、エイス、ピーコック、デュークに残したシングル盤からの編集盤ですね。ジャケ写真にはまだアイパッチをしていない好青年っぽい彼が微笑んでいます。たしかDr.ジョンの自伝に、エネルギッシュでイカガワしい楽しさが充満していたニューオーリンズの音楽界の中でツルんで悪さをしまくった彼等の青春時代が書かれていたな。ジェイムズ・ブッカーのピアノとオルガンの腕前は最高だったそうだ。ヴォーカルは甲高い感じで面白いけど好みじゃないな。グルーヴィーなオルガンをメインにインスト・ナンバーが続きます。けっこうポップ。" ゴンゾ " なんかフルートまで入ったりしてシャレてますよ。ニューオーリンズのセンスってアメリカの中でもアカぬけてるのかな。


 11月14日 くもり  体調・ふつう

 いま頃にしては寒いのか暖かいのか判らないような陽気だ。娘が帰ってきて嬉しそうに「アキタケンに行って来たんだよ」って言うわけ。えっ?秋田県かあ?ってきくと「へへっアキタンケンだよ秋探検!」・・・はいはいっと。
小島麻由美「愛のポルターガイスト」
小島麻由美を好きなのはその歌謡曲っぽさなんです。Jポップじゃない、大らかで何でもアリだった頃の歌謡曲ですね。ジャズやスカがエキゾティックに感じられるような歌謡曲性が彼女の音楽にはあるよ。ある意味でウソっぽい音楽だよね。歌い方もサウンドも見事にわざとらしく、それがすごく魅力的です。UAの「泥棒」みたいに、ここでもコントラバスが大活躍。ホーンの鳴りも良く、シンプルでスウィンギーなギターがイカシテますよ。デビュー時から聴いているけど小島麻由美はどんどんパワーアップしているね。

大友良英「Blue」
これって映画のサントラだったかな。魚喃キリコ原作だとか。俺読んだことないな。キリコさんは新潟出身だそうだ。新潟って優秀な漫画家をたくさん輩出してるんだよね。どうしてなんだろ。音楽はシンプルでキレイなメロディが主旋律となって何度も登場します。栗コーダーカルテットの栗原正己を中心としたアンサンブルだろうか、彼のリコーダーがとても良いです。大友は随所に彼らしいハズした?ギターを弾いてます。きれいに弾いてるアコギのつま弾きは効果的ですね。ザックリとしたバックトラックにちょっともの悲しいリコーダーによる美しい調べ。うん良いですねえ。


 11月13日 くもり/雨  体調・ふつう、ちょっと口内炎

 スノータイヤ装着!冬囲いのペンキ塗りも終わったぜ!
Tiroro「The Best of Tiroro.The Greatest Drummer in Haiti」
皮一枚でこの表現力は凄いです。LP時代から年に一度は無性に聴きたくなるチローロの太鼓、これからはCDで聴けるんですね。これはやっぱり大きな音で聴きたいな。これは言葉だから。歌なんだから。アフリカの太鼓を聴いてるとたんにリズム楽器じゃないって感じるね。生活上の道具だったり。俺も一枚皮太鼓のジャンベを持っているんだけど、こんな太鼓に憧れるのはチローロを聴いたからなんですね。皮一枚だけの世界なんてかっこいいって思ったんですよ。ところがいざ叩いてみるとぜんぜんダメなわけで、これは難しい奥の深い楽器なんですね。

Babs Gonzales「Sunday Afternoon with Babs Gonzales」
'62年NYハーレムのクラブでのライヴ盤です。バブズ・ゴンザレスはバップ・ヴォーカリストとして人気がある(のかな?)。ジョニー・グリフィンのテナー・サックス、クラーク・テリーのトランペットが聴けます。バブズってたんなるジャズ・ヴォーカリストというよりエンタテイナーなんですね。曲調もそんな感じだし、語りも多いし、お客を笑わせてるし。キャブ・キャロウェイなんかの系統かな。安定したバック・バンドに乗ってヴォーカルも快調です。"ラウンド・アバウト・ミッドナイト" はしっとり良い感じ。"セントルイス・ブルース" ではバップ・スキャットと共にバック陣のインタープレイも熱い。娯楽としてのジャズの真骨頂ってな感じ。良いぞ!


 11月12日 雨  体調・ふつう、ちょっと寝不足

 毎朝6時に起きる。まだ薄暗い。冬に向かう季節ってやだねえ。
友部正人「誰もぼくの絵を描けないだろう」
'75年の友部さんだ。ヒリヒリするような音楽だ。このタイトル曲と「あいてるドアから失礼しますよ」は何度かライヴで聴いているけど、その時々で違った表情を持っていて、久しぶりに聴くこの'75年の若かった頃のこれらの歌が持つムキダシ感に俺はちょっとたじろいだ。俺も歳をとってしまったということか。弾き語りの曲とピアノ伴奏が加わった曲がある。ロック、ブルース、ジャズなどのどれにもルーツを見いだせないようなピアノを弾いているのが若き日の坂本龍一だ。これが坂本の処女録音だということだ。たまたま知り合い、一緒に録音をし、ふたりでツアーをして回ったという。裏ジャケットの写真に写る若き友部と坂本。この写真を眺めていると、ピュアな何かを思い起こす。耳が'75年の友部正人に馴染んできたとこでもう夕方だ。

山本精一「Crown of Fuzzy Groove」
デカい音で聴いてると何処かへもって行かれそうになるサウンドなんだけど、店番しながらはどうかな?って聴いてるけど、優れたBGMでもあります。山本精一の大ファンか?と訊かれたら中ファンですって答えますね。彼はよくわからんのです。でも何かやってるのを聞きつけると無性に気になって聴いてみたくなるんですね。この電子音楽はとても和めます。彼はたしかロビー・ロバートソンのファンらしい。う〜んクールなんだな。


 11月11日 雨  体調・ふつう、ちょっとお疲れ

 本日よりまた真っ当な生活に戻ります。
Siti Nurhaliza「ライヴ〜スディルマンの思い出 第1集/第2集」
シティ・ヌールハリザはマレイシアの女性歌手でトップスター。アイドルとしてデビューしただけに可愛くてチャーミングだ。同じマレイシアの女性歌手シーラ・マジッドに比べてよりアジア歌謡の香りが強い感じだ。う〜んシティの方が好きかな、今は。ライナーによるとスディルマンという人は'70〜'80年代にかけてマレイシアの英雄とも呼ばれるほど人気のあった男性歌手で作曲家であったそうだ。そして'90年代に若くして亡くなったがマレイシア・ポップスの重要人物として高い評価を得ているという。アジアには素直できれいな発声で伸びやかに歌う女性歌手が多いと思っているが(日本では少なくなったか?)シティもそのひとりで、聴いていてとても気持ちいい。伝統歌謡も幼い頃から親しんできただけにコブシまわしも良い感じ。こうしたアジア歌謡の魅力的なコブシまわしが日本からは消えていくような気がしてならない。


 11月9〜10日 雨/くもり  体調・飲み過ぎ、食べ過ぎ

 近所に仲間6人で草津温泉へ行ってきましたよ。軽井沢〜万座〜草津〜白根山〜志賀高原と回ってきたわけですが天気が悪くて景色はさっぱりでした。まあ温泉入って酒飲んでの旅なのでそれなりに楽しかったけどね。しかし草津熱帯園にはマイッタな。へび、とかげ、カエル、ワニその他変なハ虫類、両生類なんかがワンサカで、俺はもう逃げ出したくなりましたよマジで。


 11月8日 くもり  体調・ふつう、ちょっと二日酔い、肩もこってる

 昨夜は飲み会だったのでちょっとだけ朝寝坊したよ。しかも酒飲みついでに激辛ラーメンを食べたので、朝ちょっとお尻のあそこがピリピリしたな。
Jimmy Scott「Falling in Love is Wonderful」
「ブルーな気持ちに効くのは何かって?それがブルースだよ」とエリック・クラプトンが言った。じゃあ二日酔いに効くのは?と考えて、今朝はジミー・スコットを聴いている。ちょっとダルイ身体には程良い音楽です。う〜ん不思議なそして魅力的な歌声です。30代中頃の男声の声とは思えないよね。いろいろとご苦労なさった方なんです。TV「ツインピークス」で歌ったシーンはちょっとだけ憶えていますよ。'50年代にレコード・デビューしたけどあまり報われず、'90年頃復活し俄然注目を浴びたジャズ〜R&Bシンガーです。本盤はバックにストリングスを配したスタンダード・バラード集でジミー・スコットの歌そのものを堪能しましょう。どこかビリー・ホリディに似た歌い方って気もします。ジャケット写真にされげなく?写っているレイ・チャールズのLP盤ですが、これはきっとリリース元タンジェリンがレイ・チャールズ自身のレーベルだからでしょう。
 夕方の5時だというのに外はもう真っ暗ですよ。あ〜あ冬が近いねえ。えーと明日明後日と音盤日記はサボる予定です。今から宣言しときます。タマちゃんは心配しないように(笑)では。


 11月7日 くもり  体調・ふつうなれど肩はこるし目は疲れるし

 Mac OS X "Panther"を別のMacにインストール。しかしOSX環境に完全に移行するのもな〜んかメンドウくさくてねえ。
Richard Thompson Band「Live! Semi-Detached Mock Tudor」
昨日の2枚と本盤のリリース元はbeeswing records。これはRTの公式ウェブサイトと連動したレーベルで、RTのライヴ・シリーズを通販オンリーで販売していこうということらしい。メジャーのキャピトルと契約していた彼が言うには「長年音楽業界にいて、レコード会社からお金が入ってきたことがないからなあ」とのこと。そこで彼はメジャーを離れインディペンデント・アーティストとして活動を始めたらしい。今はインディーズでも儲かるらしいんだよね。がんばれRT!
さて本盤ですが'99年のライヴでサポート・メンバーは息子のテディー・トンプソン、お馴染みのダニー・トンプソンとマイケル・ジェロームというリズム隊にピート・ゾーンが加わっている。内容だけど、もちろん良いんですよ。このメンツで来日公演してくれないかなあ。お願いしますよ誰かさん。

Sonny Landreth「The Road We're On」
スライド・ギターの名手ソニー・ランドレスの新作。ケイジャン出身ならではのスワンプ臭がプンプンするね。たしか今年、日比谷野音のブルース・フェスに出演したくらいだから活動もブルース寄りなのかな。本盤で聴けるサウンドは南部ブルース・ロックですね。安定感抜群。この人も独自のスライド奏法を持っていて、たしかスライド・バーを付けていない指でスライドしながらベンドするんですね。いやあ凄いことです。ちょっと残念なのは甘くディストーションをかけたギターの音色を主体に演奏しているためにピッキングのニュアンスが弱いかなって感じました。好みの問題ですが(あたりまえか)。まあ心地よいロック音盤ですよ。


 11月6日 くもり  体調・ふつう

 朝練はペダル・スティール・ギター。こりゃあ難儀だわい。
Richard Thompson「1000Years of Popular Music」
昨日聴いていた「The Old Kit Bag」のライナーに紹介があったアルバムで " 1000年に渡るポピュラー音楽の歴史を検証し、シェイクスピアからブリトニー・スピアーズまでの彼のお気に入り曲を集めたアルバム " だそうだ。RTはこの企画でライヴを行っていて、本盤は'02年7月NY録音らしい。メンバーはRTのギターとヴォーカル、マイケル・ジェロームのパーカッション、ジュデス・オーウェンのヴォーカルといういたってシンプルな編成。RTのアコギの上手さが際立つ構成と言うべきかな。歴史を検証といってもお勉強くさい音盤ではありませんよ。あくまでもポピュラー・ミユージック、聴いて楽しい音楽です。RTが弾き語りするとみんな彼の曲に聴こえちゃうから不思議です。プリンスの曲なんてぜんぜん違和感ないからね。聴くほどに味わいが増す音盤なり。

Richard Thompson Band「More Guitar」
これも本年リリースのライヴ盤で'88年収録のようです。プロデュースはヘンリー・カイザー。ボタン・アコーディオンの名手ジョン・カークパトリックを含むエレクトリックな編成のバンドでの演奏です。本盤のウリはタイトルどおりRTのエレキ・ギターですよ。フェアポートコンヴェンション時代、ブリティッシュ・フォークとロックを融合させる過程で編み出した独自のエレキ奏法は他の追随を許さない(というよりマネする人がいない)ものだ。バグパイプを模した奏法や複雑怪奇なベンド・テクニックなどを駆使したギター・サウンドはちょっと言葉では言い表せない程の素晴らしさだ。ということで今日はRT三昧な一日でした。


 11月5日 晴れ/くもり  体調・ふつう、朝眠くて目がしょぼい

 早朝40分くらいポッカリと暇な時間があるのでロックな朝練を続行中。今朝はエレキギターで遊んだ。
Richard Thompson「The Old Kit Bag」
さすがRT!会心の新作です。プロデューサーのジョン・チェリュウは初めて耳にする人だけど、なんとジョン・ハイアットの名作でライ・クーダーが大活躍した「ブリング・ザ・ファミリー」の仕掛け人であり、REM、ボニー・レイット、デヴィッド・バーンなどが参加したRTトリビュート・アルバム「ビート・ザ・リトリート」のプロデューサーだった人だ。本盤参加メンバーはコントラバスのダニー・トンプソン、ドラムのマイケル・ジェロームそしてRTの3人で数曲ジュデス・オーウェンがハーモニーを付けている。ダニーのベースはいつもながらシンプルかつ雄弁だ。それにしても本盤に収録された曲は粒ぞろいだな。旺盛な制作意欲に脱帽です。歌もギターも絶好調で、またLiveに行きたいなあ。ロバート・ワイアット、ルー・リード、スティーヴ・ウインウッドそしてRTといったロックのパイオニア達が気力漲る充実の新作を発表しているが、その活力の源はいったいなんなんだよ〜!?


 11月4日 晴れ  体調・ふつう

 ブズーキが手に入ったのでさっそく朝練してきた。チューニングはジーダッド。
Jeff Buckley「Live at Sin-e」
「Grace」っていつ頃聴いたんだっけなあ。ずいぶん昔の気もするし、たしか注目のデビュー・アルバムだったんだよ。でも印象に残ってないんだな。その後水の事故?で若くして亡くなったんだよね。良い曲書くけど歌い方が好きじゃなかったって気がする。今回はDVD付きライヴ盤てことで買ってみました。DVDを先に見たよ。テレキャス弾き語りなんだね、かっこいいです。フレッド・ソニック・スミスに捧げるとか言って"キック・アウト・ザ・ジャムズ"をやっていて嬉しかった。NYのライヴ・ハウス「シネイ」でのライヴ録音ですが、このシネイって店はお客が100人も入らないような所で、特別なステージがあるわけじゃなく、写真で見るとジェフ君は店の隅の方でマイクスタンドを立てギター・アンプを置いてテレキャス抱えて歌っています。だから客と凄く近いわけで、くだけた感じでサービス精神旺盛なパフォーマンスが楽しそう。ずっと聴いていたんだけど、なんかひとりでレッド・ツェッペリンやってるような曲があるね。ツェッペリンのカバー曲じゃなくてね、時々ツェッペリンが顔を出すって感じるんだけど。最後にレナード・コーエンの"ハレルヤ"を歌っていて、こんな抑えた歌い方の方が好きだな。

「J-ロックの細道6」
寝る前にちょっとと聴き始めたらコリャアたまらんぜよ状態。金子マリ&バックス・バニー!良いね良いね。難波弘之さんがまだ学習院の学生だったころに学園祭で彼のプレイを聴いてスゲエって言ったら、誘ってくれた友人が「難波さんはプロになるんだよ」って教えてくれて、それが金子マリのバンドだったんだよね。なつかしい〜。センチメンタル・シティ・ロマンスはデビュー当時日比谷野音で見たよ。憧れのサウンドだったな。"うちわもめ"をバンドでコピーしたことあったよ。四人囃子を生で聴けなかったのは残念だった。やっぱりこの頃のロックが一番すきかな。


 11月3日 くもり  体調・ふつう、寝不足にちょっと肩こり

 連休と言っても俺は相変わらずの生活で、世の中には連休がある人とない人がいるのだなと考えながら店番をしています。
Robert Wyatt「Cookooland」
曇り空の昼下がり"Old Europe"が心地よい。前作「Shleep」から6年も経ったんですね。娘が生まれた年だったからね。年とると6年前も去年もあまり変わりないからな。ロバート・ワイアットの新作は素晴らしいの一言です。"世界で一番悲しい声が欲しかった"と坂本龍一に起用された程の彼の歌声はたしかに悲しい、そのサウンドは寒くどんよりと曇った日々を思わせる。だからといってやるせないわけじゃない。電子音の森の中、薪の炎のような暖かさでホーンが鳴っている。じつに味わい深いサウンドだ。年代物のピアノで弾いたというバディ・ホリーの"レイニング・イン・マイ・ハート"はとてもくつろいだ風情。バディ・ホリーって愛されているね。日本では何故かメジャーじゃないけど。アントニオ・カルロス・ジョビンの"インセンサテス"でのカレン・マントラー(カーラ・ブレイとマイケル・マントラーの娘)はとても良い感じ。3曲もこのアルバムに提供しているんだね。才能あるんだな。デヴィッド・ギルモアとポール・ウィラーがそれぞれギターで1曲づつ参加していて、控えめながら耳に残るプレイです。1日中店で流しているけど、しっくりといってますねえ。店が暇なせいかなあ。


 11月2日 晴れ  体調・ふつう

 娘が休みなのでいつもより朝寝坊できて嬉しい。行楽のクルマがやたら多くて道の横断が大変だし、配達なんて歩道をクルマで走っていくありさまです。
Calexico「Teast of Wire」
キャレキシコはアリゾナのトゥーソンから登場したバンドで俺のお気に入りだ。リンダ・ロンシュタットもこの町の出身だそうだ。そういえば彼女にはスペイン語で歌った音盤があったね。アリゾナはかつてメキシコだったからその文化が色濃く残っているらしい。キャレキシコの音楽にもマリアッチやらテックスメックスやらその他ラテンの香りが濃厚だ。もともと音楽の巾の広い人達だったけど、この新作では力強さ(自信の表れか)が加わった気がする。どんな音楽やってもフェイクな感じが楽しいし、ヘンな音響的試みが随所に出てくるのも彼等らしい。

Peggy Lee「Peggy at Basin Street East」
夕方になったからペギー・リーでも聴こうか。'61年のライヴ盤です。はつらつとした歌いっぷりが爽快です。バックの楽団(誰かは知らねど)はソロをとらずにタイトなアンサンブルに徹している感じ。テナーのオブリガートとか好きなんだけどね。レイ・チャールズ・トリビュートとして"ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソウ"とか歌っていて、聴いてたらレイ・チャールズを聴きたくなったね。でも"ハレルヤ・・・"で思い浮かべたのはスティーヴ・マリオットだったけど。


 11月1日 晴れ  体調・ふつう

 11月に入りましたね。里まで紅葉が降りてきました。
ザ・ディランU「きのうの思い出に別れをつげるんだもの」
聴き始めたらはまってしまいました。'72年音盤です。懐かしさで買ったんだけど、今聴いてもじつに良いですよ。西岡恭蔵の作る歌は当時の関西フォークにあって"貧乏くささも湿っぽさ"を感じさせない妙に開放感があったね。このアルバムには♪男らしいってわかるかい〜、♪俺のあん娘はたばこが好きで〜、♪サーカスにはピエロが〜といった名曲が入った日本フォーク・ロックの名盤として有名(であって欲しい)ですが、1曲目の"君の窓から"から3曲目の"その時"までの流れにはグッときますよ。良いねえ。それにサウンドも良いんだよ。当時のアメリカン・ロックを意識した、ザ・バンドやシンガー・ソングライター系のサウンドへの憧れが漲っているし、清々しさを感じます。あの頃の日本ってロックはイギリス・ハードロック系がずっと主流だったわけで、アメリカのフォークロック系のサウンドは新鮮だったんだよね。だから当時の日本ではフォークの連中のサウンドがアメリカン・ロックのトレンドを追っていたんだと思うよ。このアルバムにバックのメンバーのクレジットはないけど、中川イサト、村上律、駒沢裕城とあと大阪のミュージシャンが参加していたようです。録音は吉野金次。

加川良「親愛なるQに捧ぐ」
流れで加川良の'72年盤です。当時俺は高校生で、ガットギターに鉄弦を張って、針金曲げてハーモニカ・ホルダーを作りフォーク・シンガーの真似事を始めてみたんだけど、根がロックなもんだからじきに飽きて、日本のフォークを嫌っていた時期でもあるんです。先輩や同級生に加川良を歌っていたやつがいて、そういうの聴くと「じめじめ貧乏くさい」とか「説教くせえ」などと思ってました。加川良をわるくないなって感じたのは二十歳過ぎてからだと思うんだけど、大人になって仕事をするようになってからでしたね。"こもりうた"と"下宿屋"が好きで、その頃つるんでた友達と酒飲みながら歌ったりしてたな。その頃この音盤はB面ばかり聴いていてA面はあまり憶えていない。だから今こうしてCDでA面だった曲を聴いてるとなんか新鮮です。でもやはり"こもりうた"から始まるB面がいいね。バック陣は細野、松本、大瀧など豪華です。録音は吉野金次。


前月のGet音盤
 
2003. 1月 4月 「音盤日記」9-10月
 2002.
1月 2-3月 4月 5-6月 7月 8-9月 10.11.12月
 2001.
1-2月 3-4月 5月 6-7月 8-9月 10-11月 12月
 
2000.
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10-11月 12
 1999.
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps