2月29日 雨  体調・ふつう

 雨が降ってます。娘は近所のさりちゃんの家に遊びに行ってます。
Cher「3614 Jackson Highway」
3614 Jackson Highway というのはこのアルバムが録音されたマスル・ショールズ・サウンド・スタジオの住所ですね。'69年録音だから、ちょうどこのスタジオが旗揚げした頃で、設立メンバーは同じマスル・ショールズのフェイム・スタジオのミュージシャンだったロジャー・ホーキンス(ds)、バリー・ベケット(kbs)、デヴィッド・フッド(b)、ジミー・ジョンソン(g)達でした。彼等の後ろ盾がアトランティック・レコードのジェリー・ウェクスラーだったのだと思うけど。つまり本盤はこの人脈で作られたものなんですね。とうぜん傑作です。名盤ですよ。ジャケット写真には設立間もないスタジオの前で、シェール他上記の全員とあとジェリーと共同プロデュースしたアリフ・マーデン(最近ではノラ・ジョーンズのプロデューサー)、トム・ダウドといったアトランティックの重鎮達そしてエディー・ヒントン(g)が顔を揃えています。もちろんソニー・ボノもいますね。じつはこのアルバム、聴くのは初めてです。ソニー&シェールをちょっと聴いていた程度で、ソウルフルなシンガーだとは知っていたけどね。ダウン・トゥ・アースでソウルフルなロック・サウンドが評判となり米英のロック・ミュージシャンがマスル・ショールズ詣でをする先駆けとなったアルバムですねこれは。選曲がいいよね。スティーブン・スティルスのバッファロー時代の曲" For What It's Worth " で幕を開けO・レディングの" The Dock of The Bay " 、ディラン、Dr・ジョン、ダン・ペンの " Do Right Woman,Do Right Man " など聴き応えあります。スタジオのリード・ギタリスト、エディー・ヒントンは自身のソロ・アルバム(シブイ好アルバム)も発表しているシンガー・ソングライターでもあるんですが、ここでは" Save The Children " を提供しています。なお本盤はシェールの「3614 Jackson Highway」にボーナス・トラックを追加し、ライノがハンドメイド・シリーズとしてリリースしたものです。通販オンリーなのかな?ちょっと値段が高いようですが、内容は素晴らしいの一言ですね。


 2月28日 晴れ  体調・ふつう

 快晴!土曜日だから朝寝坊できた。昨日、腰のヘルニアで入院した友人を見舞ってきた。つらそうだったよ。本人も家族も大変だけど、がんばってほしい。
藤井郷子クァルテット「ゼフィロス」
昨日の田村夏樹と一緒に買ったのが本盤です。このクァルテット、噂にはきいていたけど凄いよ!この1年間に聴いた新録ジャズ・アルバムでは1番のお気に入りかも。藤井郷子(p)、田村夏樹(tp)、吉田達也(ds)、早川岳晴(b)というメンツによるとにかく緻密でありながらエネルギッシュな演奏だ。吉田達也は高円寺百景で知ってルインズを目撃して、とにかくフリーでアヴァンギャルドでプログレな怪人ドラマーだと認識していて、しかも見た目普通のサラリーマンで石仏が趣味だという凄い?人なんですよね。早川岳晴はもちろん生向委、DUB、その他やたら多数参加っていう歴戦の剛腕万能ベースマン。藤井・田村は最近まで聴いてなかったような気がする(記憶あいまい)んだけど、田村夏樹のトランペットはよく歌います。フリーキーなプレイでも美しくしなやかで、なにより包容力溢れる音色が素晴らしいね。こんな人達を率いる藤井さんのあらゆる能力の高さには驚かされます。ピアニストとしてフロントに立ってる感じは受けないけど、まさにこのバンド・サウンドを統率しているのでしょう。全曲彼女の作曲です。ドラムのジェット・マシーンをかけたり、リズム・チェンジの仕掛けなど随所にニヤリとさせられます。こういうバンドは生で音を浴びてみたいものです。


 2月26-27日 雨/雪  体調・ふつう、肩こり

 きのうの日記さぼりました。はっはっは。
田村夏樹「コココケ」
田村夏樹を女性だと勝手に思いこんでた私がアホでした。初めての人なんですが、立派な経歴を持ったジャズ・トランペッターなんですね。藤井郷子を注目してるんですが、彼女のクァルテットにも参加しているとかで、それならばと手に入れて聴いてます。このアルバムですが、なんと表現したらよいのやら、不思議で面白く刺激的で飄々としてほのぼのとした音楽です。ソロの作品です。彼一人だけ。鼻歌のようにトランペットを吹いているようにも聴こえるし、「トランペット語り」のような感じもするし。しかもペット吹いてるだけでなくハナモゲラ的声の芸で、コケコッコやら太鼓やらわけのわからんモノの真似をしています。可笑しくもあり味わい深いです。トランペットの響き方というか鳴り方に凄く惹きつけられます。NY録音です。ニッティングファクトリーでも演奏していたそうです。これもポスト・ジャズと呼ばれてるんでしょうか?
 うん、いいものに出会いましたよ。コココケ、コココケ・・・


 2月25日 晴れ  体調・ふつう、寝不足、食べ過ぎで胃が重い

 ここだけの話(ってヘンか?)、バンドのドラマーが腰痛でダウンしました。あせらずに静養してね。中高年バンドは我が身を労りつつ家庭を気遣いながらも楽しくやらないとね。
山下洋輔トリオ「LIVE 1973」
朝から山下トリオってのもなんだかなあ〜と思いながらも、お客さんもいないことだし聴いてますよ。ちょうど10時にA1さんがコーヒー飲みにきたのでばっちり。フリージャズの先輩だからね。二十歳前後の頃にA1さんやYo1さんの部屋でフリージャズを聴ききながらいろんなこと論じてた(苦笑)んだよね。森山作"クレイ"はこれが初録音だという。この曲に限らず山下トリオはひたすら凄まじい。凄まじくけたたましいんだけど、後味がさっぱりとしている。彼らの演奏が情念に訴えかけるわけでなく、その場その場での真剣勝負・格闘技のようなものだったからだと感じるんだけど。俺が山下トリオを好きなのは森山の圧倒的なパルスを打ち出すドラミングと坂田の吠えるサックスに快感をおぼえるから。山下洋輔とキース・ジャレットは苦手なんですよ、今に至るも。手数の多すぎるピアノは好きじゃないし、清く流麗で味気ないピアノも好きじゃないから。だからモンクやウィントン・ケリーなんかは好きですね。あ、でもね、ここでのピアノが嫌いってわけじゃないんだよね、このトリオの中での山下のピアノはよく効いてるから、効いて当たり前か、彼のトリオなんだから。観衆の熱狂がいいね!時代を感じる。


 2月24日 晴れ  体調・ふつう

 ここだけの話、今日誕生日なんす俺。申年誕生日。もう何歳かなんて忘れてしまった。
ゆらゆら帝国「ゆらゆら帝国のしびれ」
え〜?ゆらゆらってこんなサウンドだっけ?と以前のアルバムと聴き比べたくなった。でもこれ、凄く良いんだよ。なんかストンと身体の中に落ちてくる。えっ?こんな?と思わせたのは、最初の曲のつぶやきっぽいヴォーカルが鈴木慶一みたいだし、ファズっぽくサイケな響きが無かったからで、でも聴き進むうちにしだいにロックのゆらゆらになってくるんだね。面白いバンドだよね。レトロ・ロックとも言える。カルトGSにも聴こえる。サイケでアシッドで・・・。こんなイメージだよね。で、ぜんぜん古臭くない。これが凄いんだな。このバンドはコンセプトがしっかりしてると思うんだ。見せ方聴かせ方に揺るぎがないっていうか。だからこっちも堂々とノレるんだよね、ゆらゆら帝国の世界に。しっかしこのアルバムのドラム、スネアとシンバルがやけに耳につくな。


 2月23日 雨/雪  体調・ふつう

 快晴ぽかぽか陽気からうって変わって大荒れの天気。十日町の雪祭りが終わってからで良かったねえ。雪は降ってるけど積もる雪じゃないみたい。
Candi Staton「Candi Staton」
本盤収録の曲は'69-'73年にマスル・ショールズのフェイム・スタジオで録音されたものです。プロデュースはもちろんリック・ホールですね。キャンディー・ステイトン、素晴らしいシンガーですよ。スロー・ナンバー" How Can I Put Out The Frame" 、まさに必殺サザン・ソウル・バラード!。" Stand By Your Man" "I'm Just A Prisoner" など入魂のナンバー満載ですよ。サザン・ソウルを代表するようなアルバムなのに、録音データなどが載っていないしジャケットなど粗末な作りが非常に残念だよね。'69年頃のフェイム・スタジオって過渡期というか、スタジオを代表するミュージシャンだったロジャー・ホーキンス、バリー・ベケット、デヴィッド・フッド、ジミー・ジョンソン達が新たにマスル・ショールズ・サウンド・スタジオ設立のために抜けた時期だと思うんだよ。"70年頃からはフェイム・ギャングと呼ばれたミュージシャン集団がハウス・バンドとなっていたらしい。だから本盤で聴かれるサウンドはフェイム・ギャングによるんじゃないかな。以前よりソリッドでタイトな感じがするしね。ただそれまでのサザン・ソウルを特徴づけた独特の甘さってのが薄れた気はするね。


 2月22日 晴れ  体調・ふつう

 昨夜のU23日韓戦、ナイスゲームだったね、日本にとって。前のロシア戦といい逞しいゲームをしていて、おじさん嬉しいよ。ひ弱な世代だと思っていたら、ここにきてグッと伸びた感じがするね。田中達也と平山のツウ・トップが良い感じだよね。田中は" マイティ・マウス" を思わせる攻撃のダイナモだし、平山はファン・バステンを思わせるクレバーでオールマイティなFWになれる気がするな。選手生命に関わるようなケガをしないで伸びて行って欲しいと祈りますよ。
Candi Staton「Candi Staton」
サザン・ソウル、フェイム期キャンディー・ステイトンのリイシュー盤ですよ!中身サイコーなのにこのジャケットはないよなあ。もっとちゃんとしたものを作って欲しかったよね。
 あしたにつづきます。ほな。


 2月21日 晴れ  体調・ふつう

 今日も快晴。3月というより4月の初めって感じの陽気です。ところが娘は鼻づまりでカミさんは歯痛でちょっと不調のようです。十日町は雪祭りだなあ。前川清かあ。西海ブルースだなあ。
Joyce「Passarinho Urbano」
邦題「都会の小鳥」です。サンバのリズムが心地よい音盤ですね。ブラジルの女性シンガー&ギタリスト、ジョイスが'75年にイタリアで録音した作品をCD化したものです。古いサンバの曲と当時の仲間達、カエターノ・ヴェローゾ、エドゥ・ロボ、ジョアン・ボスコ、シコ・ブアルキ達の作品を取り上げています。颯爽とした伸びやかな歌声が良いですね。ギターも巧いし。ブラジルのメロディは上品で複雑で開放感があって大好きなんですが、自分の中に無い感性だと無念な思いを抱きながら聴いてしまいます。ヨルバ系の太鼓が鳴っていながらこれ程優雅な音楽であるサンバっていったいどうして生まれたの?って聴くたびに思います。古いサンバとしてはお馴染みの " 電話で " を歌っています。シコ作の美しいメロディの曲 " ファド・トロピカウ " は情感豊かに歌っていますね。ポルトガルのファドとの繋がりも興味深いものがあります。ともにサウダージを大切にしているし。いいですねほんとに。


 2月20日 晴れ  体調・ふつう

伊集加代「リヴィング・スキャット」
伊集さん及びシンガーズ・スリー関係のスキャット・アルバムは以前から欲しかったので、このCD化はすごく嬉しい。伊集加代(加代子)さんの知名度ってどうなんだろ?あまり知られていないと思うけど、その歌声は誰でも知っているはずですよ。ネスカフェ・ゴールド・ブレンドのCMソングとしてお馴染みのはずの " めざめ " の素敵なスキャットは彼女なんですからね。ああそれから11PMのテーマソングもそうですね。ほんとあらゆるジャンルの音楽で貴重な裏方(スタジオ・シンガー)として活躍してきた人です。このアルバムは主に'70年代に作られたイージー・リスニング・アルバムの中から彼女及び彼女のグループがフィーチャーされている曲を集めたものです。イージー・リスニングといってもここで聴かれる八木正生、小谷充、前田憲男、和田昭治、筒美京平さん達のアレンジがとてもセンスよく洒落ていてイージー・リスニングの鑑って感じです。スキャットについて伊集さんは、私のはスキャットでなく歌詞のないヴォカリーズだと語っています。でもこれはこれで、ひとつのジャンルを確立していますね。" 伊集加代のスキャット " だけで表看板ですよ。


 2月19日 晴れ  体調・ふつう、ちょっと肩こり

 昨日は風邪のせいか体調が悪く、日本vsオマーンは酒も飲まずに伊予かんを食べながらの観戦でした。オマーンにしてやられたと思ってたロスタイムに久保が決めてくれたね。
Hot Club of Cowtown「Continental Stomp」
胸元はだけたセクシーなお姉さんが良いです!このお姉さんがフィドルを弾き、男性二人がギターにアップライト・ベース。テキサスはオースティンで活躍の3人組の新作Live盤です。ウエスタン・スウィングな感じですね。ギターがジャンゴみたいなプレイでイカしてます。曲もアーリー・ジャズとカントリーが多いです。お客さんに受けてますから楽しいステージなんでしょうね。ヴォーカルがちょっとシロウト臭いけどまあ楽しい感じで、コーラスで歌うジャイヴな雰囲気の曲も楽しいよ。楽しいってのばっかだね(笑)。楽しけりゃいいじゃんて音楽も大事だから。プロデユーサーのロイド・メインズはディキシー・チックスのナタリー・メインズの親父なんだってね。


 2月18日 くもり/晴れ/  体調・ふつう、肩こり、頭痛

Dave Gershen & Jon Gershen「Faded Glory」
30年ぶりの新作です。'70年代中頃、良質なウッドストック・サウンドを聴かせてくれたボーダーラインの主要メンバー、ガーシェン兄弟の新作が届きました。居心地の良い音楽です。低刺激で目新しさはありませんが、まったく色褪せないグッド・ミュージックって感じです。名手アーレン・ロスのギターが目一杯楽しめます。
 今日は体調がイマイチなのでこのへんにしときます。


 2月16-17日 雪/晴れ/雨/雪  体調・ふつう

 16日、今日は娘とカミさんが休みなので日曜日のようなものです。17日、お昼にメザシ焼いて食べたら旨いので食べ過ぎた。胃が重い。
Sex Mob「Dime Grind Palace」
スライド・トランペット、スライド・サキソフォーン、トロンボーン(もちろんスライド)、スライド・ギター。凄く拘りを感じさせるスライド楽器が入り乱れます。NYジャム・バンド・シーンで人気の4人組だそうです。トニー・シェール(b)、ケニー・ウォレストン(ds)はリッキー・リー・ジョーンズの新作にも参加していたし、ジョン・スコのアルバムでもプレイしたりと目下人気のリズム隊ですね。リーダーのスティーブン・バーンタインはスライド・トランペット奏者でラウンジ・リザーズにも在籍していたそうで、メデスキ・マーティン&ウッドとも付き合い濃厚らしく、このセックス・モブというバンド、ニッティング・ファクトリー界隈のアバン・ジャズ・ファンクな香りがします。ニューオリンズっぽいアーリー・ジャズ風なアンサンブルを盛り込んだり、ヒネクレたバップで突っ走ったりで、楽しい演奏は好きみたいです、この人達。スライド・トランペットって馴染みがなかったんだけど、トボけた音から鋭利な音まで表現力豊かで気に入りました。奏法的には難しいんだそうですね。スティーブン・バーンタイン君がんばれ!味気ないジャム・バンドが多いけど、セックス・モブはジャズ・バンドとして優秀でしかも楽しい!そうそうデヴィッド・トロンゾの変態?スライド・ギターもいい味だしてますよ。


 2月15日 雪/雨  体調・ふつう、のどが痛い、口内炎

 今日は日曜だけど、小学生は町のスキー大会なので学校へ行ってきました。うちは1年生だから半日で帰ってきましたが。スキーの関係者は天気悪くてかわいそうだね。湿った重い雪が降っているからスキーも滑らないんじゃないかなあ。
Joni Mitchell「Blue」
久しぶりに聴きたくなって音盤棚から引っぱり出してきました。ジョニ・ミッチェル独自の世界ですね、やはり。ヴォーカルを全面に据えたシンプルな演奏ながら、そこはジェイムス・テイラー、スティーヴン・スティルス、スヌーキー・ピート、ラス・カンケルといった腕達者でそのうえジョニの音楽の良き理解者によるツボにはまった演奏です。特にジョニ、JT、スティルスのアコギのプレイはセンスよく巧いね。響きが新しかったというか(ジョニは変則チューニングのパイオニアらしい)、今でも新鮮なギター・サウンドですね。このアルバムは'71年に出たんだけど、当時は「青春の光と影」「サークルゲーム」「ウッドストック」といった曲が他の人のヴァージョンでヒットしていて、そのわりにジョニ自身のアルバムはそんなに聴かれていなかったようですね。俺もこのアルバムを買って聴いたのはずっと後だったしね。彼女にはとっつきにくいイメージがあったのかな、俺に中にね。このアルバムなんて年を重ねる程好きになってきた感じで、こんな冬の鈍色の空を見ていると、聴きたくなるんですよね。

浜田真理子「mariko」
「Blue」を聴いてたらこれも聴きたくなりました。鈍色の空が似合う音楽です。これを聴くと浜田さんの中ではこれが1番好きかなって気になってくる。やはり衝撃的な作品だったね。


 2月14日 晴れ/くもり  体調・ふつう、のどが痛い

 昨日の夕方からちょっとのどが痛くなった。かぜのひき始めかと用心して薬を飲んだ。
Norah Jones「Feels Like Home」
ノラ・ジョーンズを見間違っていたようだ。" ブルーノート東京 " がお似合いの女性シンガーだと思っていたけど、どうも違うね、彼女のベースはジャズじゃないんだな。まあ確かにプロデュースにあのアトランティックの重鎮アリフ・マーデンだもんね。けっこうルーツ寄りでカントリー好きな才女なんですね。話題になった前作は聴いてないんですがLiveビデオは見ましたよ。このCDを聴きたいと思ったのはザ・バンドのレヴォン・ヘルムとガース・ハドソン、それとドリー・パートンが参加しているから。レヴォンのドラムが入った曲だけちょっとテイストが違いますね。♪スタンタスタタンはいどうぞ〜♪って感じでヴォーカルに寄り添うレヴォンのドラムが好きなんですよ。朴訥だけどジェントルで。ガースのバックは控えめですね。もうちょっと前に出て欲しかったな。ドリー・パートンは相変わらずのコケティッシュな歌声で嬉しい。あとギター弾きが良い感じのプレイをしてるね。ケヴィン・ブレイトとTony Scherrって人なんだけどシブイです。タウンズ・ヴァン・ザントとトム・ウェイツの曲も歌っています。このへんも好きだなあ。
 '50-'60年代にリリースされた素晴らしいジャズ・アルバムのおかげでブルーノートには良いイメージと親しみを感じていたんだけど、近年の " ブルーノート東京 " に象徴されるようなジャズ文化にまったく興味が持てないせいで、ブルーノートって過去の遺産だけだねって思ってました。でもこのところの脱メインストリート・ジャズな動きを見ていると、ノンサッチとともに注目しなきゃいけないレーベルかなと思えてきますね。


 2月13日 晴れ  体調・ふつう

 昨夜のサッカー日本代表のゲームはつまらなかったな。イラク相手にだよ、まったく万全でない相手に内容的には引き分けだもんね。気迫が感じられないしミスが多いし。久保と柳沢が二人してゴール前から逃げたポジションにいたんじゃ攻めへの迫力が感じられないよ。
Alicia Keys「The Diary of Alicia Keys」
たまには若い人のR&Bでも聴こうかと思いまして。噂どおりのオジサンをほっこりとさせる'70年代ニュー・ソウル風な感じですね。歌もキーボードも作曲もプロデュースまでも自分でこなし、しかも若くて美人で、まったくたいしたもんです。歌声がいいよね、ちょっとハスキーで適度に抑制されたシャウトがセクシーです。これを聴いて宇多田ヒカルに似てるっていうのも逆な感じがするけど、こうした曲調と歌い方ってスティービー・ワンダー以後のR&Bだなって俺は思ってしまうんだよね。スティービー・ワンダーの独特なコブシまわし(メリスマ?)の影響力は大きいんだなって思うんだけど、まちがった見解かなあ?。若い人達のR&Bにはちょっとウトイからね。でもこのアリシア・キーズは凄く好きになったよ。


 2月12日 雨  体調・ふつう、胃が重い

 昨夜寝るまえにサッカーの録画を見ながらの飲み食いが過ぎたようで、朝から胃が重い。
Erik Darling「Erik Darling」
鈴木カツさんの尽力による世界初CD化盤です。しかも紙ジャケ。エリック・ダーリング!味わいのある歌声とバンジョーです。もちろんギターも巧い。'58年のソロ・アルバムです。もちろんディラン達の直接の先輩ですね。タリアーズ、ウィーヴァーズ、ルーフトップ・シンガーズと伝説的な(俺にとって)フォーク・グループを渡り歩いた実力者です。本盤では「白人ブルース」の色合いが濃く、リロイ・カー、レッドベリーの曲のほか古いゴスペル、ヒルビリー・ソングなど取り上げています。ジャージーで垢抜けた歌い方はその後のジェフ・マルダーや初期のライ・クーダーを思わせ、兄貴分て感じがします。バンジョーはロングネックを使っているらしく、その奏法はブルーグラス以前のオールドタイム・バンジョーが得意なようです。こうしたバンジョーが今の耳には新鮮でオシャレに聴こえてくるから不思議ですね。なんと彼は2000年に来日公演をしているんですね。


 2月11日 晴れ  体調・ふつう

 紀元前660年2月11日に神武天皇が即位してこれが建国記念日の起源なんだけど、じつにいい加減な起源だよね。紀元前660年なんてまだ縄文で、「日本」なんて国は存在していないんだから。まあ休日はありがたいけど、日本の歴史は学校でしっかりと教えるべきだよ。「倭」がいつ頃から「日本」となったのかくらいはね。
Haris Alexiou「祈りをこめて」
Konstantina「地中海の歌声」
ちょっと思いついて現代ギリシャ歌謡を棚から探し出して聴いてます。共に'92-'93年録音。ハリス・アレクシーウはすでにトップ・スターで、コンスタンティーナは新進のスターだったと思います。2枚とも解説を中村とうようさんが書いてます。それによるとギリシャを含めた東地中海沿岸諸国の音楽は西アジア地域の音楽と共通するところが多いそうです。たしかにメロディなんかはアラブ歌謡に似たところがありますね。こぶしのまわしかたかな?ずっと愛聴してきた音盤でどちらも好きですが、ハリス・アレクシウの重厚な感じがより好きですね。それとブズーキが良いんですよね。いい響きです。伝統楽器とシンセなどエレクトリックな楽器の混ざり合いも見事です。コンスタンティーナはキプロス島の生まれで、このアルバムはタイトル通り地中海沿岸各国の音楽家に曲を依頼しまとめられています。伝統的でありながらポップな出来映えです。
 こぶしまわしが心地よい濃厚な歌謡性に強く惹かれます。久保田早紀「異邦人」はファドというより、ここにある音楽によく似ていますね。今気づいた。


 2月10日 晴れ  体調・ふつう

 朝から天気が良いよ。ポカポカ陽気です。藤田宣永の中年恋愛小説集「艶めき」読了。赤坂真理の「ヴァイヴレータ」を読み始めた。ヘンだけどありがちな小説。
バッファロー・ドーター「Pshychic」
ハバナ・エキゾチカの頃からのつきあいですね。いつだってニュー・ウェイヴな人達です。残念ながらLiveを体験していないんだよね。あ〜彼女達(+彼)の生を楽しみたいですよ。クラブもダンス・フロアも無縁な俺だけど、バッファローのサウンドは音盤だけでも十分に楽しめるんだけどね。ま俺もテクノの世代(YMO世代)だしもちろんパンク・ニュー・ウェイヴにも親しんできたから、このサウンドには親しみが持てますよ。TB-303、TR-606、MiniMoog なんかを使ってる人達を見ると心が騒ぎます(笑)。しかもシュガーさんと大野さんによる人力ギター&ベースもロックな感じでキマってるし、ちょいプログレな展開もかっこいいです。とことん我が道を行くバッファロー・ドーターに乾杯!


 2月9日 雪  体調・ふつう

Emmylou Harris「Stumble Into Grace」
ダニエル・ラノワと彼の直系ともいえるマルコム・バーンの創り出す音像や音の質感が好きです。しっかりとしたボトムと浮遊感が心地よい。なにより彼らは「歌」を際立たせることがじつに巧い。だからマルコム・バーンのプロデュースでラノワ以下バディ・ミラー、ダリル・ジョンソン、ブレディ・ブレイドなどのお馴染みのツワモノ達が紡ぎ出すサウンドに包まれてエミルー・ハリスが凛とした歌声を響かせるこのアルバムが素晴らしいのは当然です。御年56才にして前向きな作品を作り続ける彼女のパワーに脱帽ですよ。シルバーに染めた?髪とベージュのシルク・ドレスでうつむきかげんに佇むジャケット写真は妖しく美しく、まるで雪女のよう。そうそう俺は彼女のクールな歌声にいまいち馴染めなかった時期があった。彼女の本当のファンとなったのは'90年代中頃のラノワと組むようになった頃からで、そのクールな歌声に凄みと優しさを感じるようになった。またリズム隊にブレイド、ジョーンズという凄腕黒人を起用したスパイボーイ(もちろんギターはバディ・ミラー!)のライヴもかっこよかった。本作には曲を共作しバック・コーラスにも参加しているケイト&アンナ・マクギャリグルという頼もしい同志の存在もあり、こうしたベテラン達の活躍も嬉しい。スパイボーイを引き連れての来日公演してほしいね。


 2月8日 晴れ  体調・ふつう、目の疲れ目のかすみ

娘達の買い物につきあってジャスコに行って来た。「サンテ40V」を買った。生ビール飲んで娘が食べ残したクレープ食べたから腹くっちぇ。
Rickie Lee Jones「The Evening of My Best Day」
今日も昨日に続いて聴いてます。ビル・フリーゼル参加曲のリズム隊はセックス・モブの二人トニー・シェアとケニー・ウォレスン。ジャージーで浮遊感のある独自なムードに鋭さを感じます。あとドラムスにはジェイムス・ギャドソン、ピート・トーマスが参加。ロス・ロボスのメンバーやらシド・ストロー、バン・ハーパーも渋いプレイやら歌声を披露。共同プロデューサーのデヴィッド・カリッシュもドブロ・ギターなどで随所で光るプレイをしています。もちろん彼女の歌声が素晴らしいのは言うまでもなく、キュートな感じながら、けっこうドスをきかせたりと貫禄も感じられます。良いものを聴かせていただきました(笑)。感謝の気持ちとともに日が暮れてまいりました。明日も代休で娘が休みなので嬉しい日曜の夕方です。


 2月7日 雪/晴れ/雪  体調・ふつう、目がかすむ

じわじわと降り積もってる雪。このままだと例年通りの積雪になるのかな。
Rickie Lee Jones「The Evening of My Best Day」
優しい声と綺麗な音楽で「彼は醜悪な男 いつだって醜悪な男だった 彼は成長して彼の父親みたいに醜悪な男になった」と歌う。リッキー・リー・ジョーンズの新作はそんなアルバムだ。9.11以降のブッシュのアメリカを露わに批判している。そんなタイプの人だとは思っていなかったので、歌詞を読みながら聴いていてびっくりしたと同時にその逞しい反骨精神に心を打たれました。音楽的には非の打ち所がないような仕上がりです。本当に巧い人達のバッキングとはこういうものだ!ということを感じさせてくれる見事な演奏。彼女の熟成された楽曲にこの上ない彩りを添えています。感動の音盤!!!


 2月6日 雪/晴れ  体調・ふつう

朝はあんなに雪が降っていたのにお昼前から晴天です。雪がまぶしいね。
Yerba Buena「President Alien」
ジェルバ・ブエナのハイブリッドNYラテンが客のいない店内にヤケクソぎみな元気を発散しています。このグループはアンドレス・レヴィンのワークショップのような集まりらしく、キューバ系のミュージシャンが多いんですね。ベースはアメリカ人、ソウル・コフィンなどでお馴染みのセバスチャン・スタインバーグ。ゲストにマーク・リーボウ、デヴィッド・フュージンスキーがいることからニッテイング・ファクトリー界隈との繋がりも強いみたい。あとカルリーニョス・ブラウン、ミシェル・ンデゲオチェロ、マニー・マークなど凄い顔ぶれです。アンドレス・レヴィンを知ったのはアート・リンゼイの片腕としてだし、彼自身がベネズエラの出身ということだから、南米〜カリブな感じが強いこのアルバムは得意とするところかな。ヒップ・ホップやファンク、アフリカン・ビートを混ぜ込んだラテンの疾走感がかっこいいよ。ヨルバ系音楽の最先端でもあるのかな。


 2月5日 雪/晴れ/雪  体調・ふつう、目のかすみ、胃重

ときおり晴れたりしたんだけど雪が降ってます。でも積雪は1m50くらいだから、例年よりまだまだ少ないね。まだ油断はキンモツです。
Al Green「I Can't Stop」
アル・グリーンの新作が出るって知った時、いまさらって感じで見送ったんだけど、ウイリー・ミッチェルとホッジス兄弟への義理(?)で買ってしまいました。もちろん悪くはないと思っていたけど。'70年代のメンフス・ソウル、ハイ・サウンドのスターはアル・グリーンなんだけど、俺が好きだったのはドン・ブライアント、アン・ピープルズ、オーティス・クレイだったな。彼らの歌を支えるハイ・リズム、メンフィス・ホーンズと呼ばれたスタジオ・ミュージシャン達の演奏も大好きだった。まろやかにタイトな演奏(ヘンな表現だけど)が気持ちを浮き立たせてくれたね。さて本作だけど、あの頃のまんまで良いですよとっても。ウイリー・ミッチェルのプロデュースで彼のメンフィスのスタジオで昔の仲間達と作り上げたサウンドだもの、悪いわけがないよね。音の質感というか空気感が'70年当時のままなのが嬉しいね。しかもアル・グリーンがまったく衰えていない!これがまた凄いよ。というより歌いまわしなんか巧くなっているんじゃないかな。ゴスペルの世界で鍛え直したのかな。やっぱこの辺のソウル・ミュージックは大好きですねえ。


 2月4日 雪/晴れ  体調・ふつう

立春です。彼方にではあるが春が見えてきたぞ。
Nelly Furtado「Folklore」
噂の?ポルトガル系カナダ人女性シンガーの新作。26才で一児の母だそうだ。しなやかだけど力強い音楽だ。ヒップホップをボトムにしたミクスチャー・ポップって感じ。カエターノ・ヴェローゾの曲をサンプリングした " アイランド・オブ・ワンダー " ではカエターノ本人がヴォーカルで参加し、これが良いんだなじつに。彼女のルーツに近い感覚なのかもしれないね。本盤通してみた感想は情報量が多いなってことかな。よりシンプルでアコーステックな感じのボーナス・トラックの方が素直に楽しめたね。タブラが効果的でした。ベラ・フレックのバンジョーはそれほどでもなかったね。まあバンジョーに関してはよりトラディショナルなプレイの方が好きなもんで。


 2月3日 雨/くもり  体調・ふつう、胃が重い

今日は節分だね。俺は年男だから豆まきをしました。家族の前で(笑)。胃が重いのは昼飯の食べ過ぎ。自分でおかず作ってると、残るのがいやだからたくさん食べちゃうんだよね。いかんな。
大友良英ニュー・ジャズ・クインテット「テイルズ・アウト」
カントリーばかり聴き続けたから、ちょっと気分転換にとフリー・ジャズ。しかしねえ店番しながらだから、ひとりで聴いてる時はいいんだけどお客さんがいると気が引けちゃってどうもね。やっぱフリー・ジャズはひとりでデカイ音で聴きたいね。後日あらためて聴きなおしますよ。ほな。


 2月2日 くもり/小雨  体調・ふつう、目の疲れ

娘の水イボ治療で病院へ行ってきました。受付がタッチパネル式の機械なんですよ。初めてだったので緊張しながら受付をしました。機械相手は苦手だな。
V.A「The Golden Country Hits 550 - 11」
第11集はMCA(デッカ他)編。"60年代に入ると甘口な曲が多いね。ポピュラー・ソングとの垣根がますます低くなってくるんですね。'60年代にロックがカウンター・カルチャーの担い手となれたのは、アメリカン・ミュージックの主流としてパット・ブーンやぺりー・コモといった健全なポピュラー・ソングが存在してたってこと、そしてカントリー・ミュージックもその地域性から放れ大人世代の保守的で健全な歌として主流を成していたわけで、だからこそロックの反主流(反大人)意識が有効だったような気がします。独断と偏見による考察ですが。
 なぜこんな前置きを書いたかというと、'60年代に入ってからのカントリーがつまらなくなってきたからです。やっぱヒルビリー〜ブルーグラス〜ホンキー・トンク〜ウエスタン・スウィングあたりが好きなんだよね。本盤の中でもアーネスト・タブ、ロレッタ・リン、オズボーン・ブラザーズなんかは好きなんだけど。

久保田早紀「異邦人」
娘が聴きたいって言うから買ってしまった。じつは俺もきちんと聴いてみたかったんだけど。もちろんヒットした当時('79)のことは憶えてますよ。TVによく出演していましたから。その頃、彼女がインタビューで「ファドが好きで、この曲はファドに影響されて作りました」とか言っていたような記憶があります。で、それほどファドじゃないよなって当時感じてましたね。今聴いても、それほどファドじゃないんだけど、プチ・サウダージ感は出ていますね。けっこう好きですよ、この曲。素直なメロディで良い曲なんだよね。口ずさんでいて気持ちいい。だから曲だけ一人歩きして生き延びたって感じがします。ああそうか!「異邦人」てきっとカラオケで生き延びてきたんだ!


 2月1日 晴れ  体調・ふつう、肩こり、目の疲れ

2月初日で日曜日。天気は良いですよ。読みかけの本は吉本ばなな「不倫と南米」。文庫本だけど原マスミのイラストと山口昌弘の写真が素敵です。本文よりか?(笑)。原マスミはその昔、音楽やってた人だよね。俺LP持ってるんだけど『イマジネイション通信 』。好きだったよ。
V.A「The Golden Country Hits 550 - 10」
前月から続く隠匿カントリーBOXは第10集目。RCA編で主に'60年代録音です。チェット・アトキンスが主導?したポップ・カントリーなんだけど、あまり好きじゃないんだよね。だから本盤にはなんか馴染めないな。チェットのギター・プレイは好きなんだけど。ジェリー・リードのスワンプ臭が異色な感じ。で、このジェリー・リードの " ギター・マン " が良いんだよね。
 今日はこんなとこで。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps