4月29日 晴れ  体調・ふつう

 早朝5時半から道路沿いの空き缶・ごみ拾い、その後近所の班仕事の花壇作り、そして小学校PTAの廃品(空びん)回収と神社のネット張り。ボランティアに勤しむ休日です。休日って俺は相変わらず仕事なんだけどさ。
荒井由実「ひこうき雲」
荒井由実のこのデビュー・アルバムが出た頃、俺は18才だったな。これと「ミスリム」は静かに熱中して聴いていたものだ。「コバルト・アワー」までは熱心に聴いたな。大好きだった。今でも勿論これら初期3枚のアルバムは俺のエヴァー・グリーンですよ。でも彼女のアルバムはここまでしか持ってないんです。何故なら"ルージュの伝言"がヒットしたおかげで、周りの連中に荒井由実を宣伝する必要がなくなったからと、初期2作と「コバルト・アワー」以降ではテイストが変わったからね。松任谷由実になって嫌いになったわけじゃないんですよ、ずっと好きなんだけど、アルバム買う必要を感じなくなっちゃったんですよ。
 この「ひこうき雲」が登場した'73年頃は拓郎、陽水、かぐや姫に代表されるような日本的フォーク・シンガー達が歌謡曲に対抗できる新興勢力として認知され始めた頃で、特に若い人達に人気があったんだよね。俺に言わせりゃあただギター持っただけの抒情歌謡曲歌手みたいなフォーク・シンガーちゃんが好きじゃなかったわけで、洋モノを中心に聴いていたんですよ当時は。すくない例外のなかに"はっぴいえんど"がいたんですね、彼等はもう解散していたけど、メンバーの動向には注目していましたよ。そこに「ひこうき雲」は登場したんです。細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、林立夫からなるキャラメル・ママをバックにね。プロデューサーの村井邦彦さんはアメリカでキャロル・キングのレコーディングを見学したことがあって、ダニー・クーチを始めとするスタジオ・ミュージシャン達(セクション?)がヘッド・アレンジで曲を仕上げて行くところに新鮮なものを感じたらしく、日本でも試みてみようと考えていたそうで、それが見事に実を結んだのがこの「ひこうき雲」だったんですね。パチパチパチ拍手喝采。
 曲も演奏も新鮮だし新しかったな。初期3枚が載ってる曲集を買って自分で弾いてみたことがあるんだけど、まったく知らなかったコード使いや転調がでてくるんだよね。こんなの俺の感性にはないよなって、しみじみと敗北感に充たされた二十歳の頃(笑)。いまでも瑞々しく感じられるこの「ひこうき雲」と「ミスリム」なんだけど、その理由のひとつとして(勿論俺的に)彼女の歌唱力の無さがあると思うんだ。だからこそヘンに感情など込めずにきちんと丁寧に歌っている、そこに凄く惹かれてるんだよね。ひこうき雲、曇り空、恋のスーパーパラシューター、空と海の輝きに向けて、きっと言える、ベルベット・イースター、紙ヒコーキ、雨の街を、返事はいらない、そのまま。特に好きな曲は・・・と考えたら、みんな好きだったよ。 


 4月28日 雨  体調・ふつう

 寒いなあ。ときたま強風だし。お昼時、我が家の屋根が強風にやられてチョコっと外れて落下しました。また余計な出費が・・・まったくな。
梅津和時+原田依幸「ダンケ」
フリー・ジャズの名盤、嬉しいリイシューです。これは'80年、西ドイツのドナウェッシンゲンという町の音楽祭に出演した時のLIVE音源に、帰国直後の録音をプラスしたものです。このアルバムは洋一君が持っていたんだなたしか、録音させてもらって愛聴していた20数年前のアノ感動金縛り状態を思い出しますね。エッジ鋭い力強いタッチ、フリーフォームでありながら清々しさを感じさせる原田のピアノ・ソロで演奏は始まります。突如!嘶くサックス!観衆の喝采、梅津の凄まじいサックスの咆哮、嗚呼これだからフリー・ジャズは止められないって感じたな。久しぶりに聴いてるけど、あの頃とまったく同じに青臭く高ぶってしまいましたよ。共に主要メンバーとして在籍した生活向上委員会の演奏からも判るとおり、彼等のフリー・ジャズにはエンターテイメントの要素も濃厚で、このデュオ・ライヴでも歌い(かな?)客席に分け入って、二人でホーンを吹きまくり拍手喝采を浴びています。なんか日本の誇りだなあ。


 4月27日 くもり/雨  体調・ふつう、だけど風邪ぎみ

 25日に久しぶりのLiveを行い、いろいろと忙しくて、この日記はサボってましたわい。まりこ様大推薦の「ガラスの仮面」を読むのに忙しくて(ハマってしまって)後回しにされてたルヘインの「ミスティック・リバー」をようやく読み終えました。哀しい話だよね。映画が話題になる前に買ってあったんだけど、ずっと未読本の山に積みっぱなしで、そうしてるうちに映画に出演のショーン・ペンとティム・ロビンスがアカデミー賞を受賞しちゃって、誰かから映画のストーリーやオチを聞かされる前に早く読まなきゃと思い、一気に読みましたよ。さすがデニス・ルヘイン!読ませるよ、巧いよ。面白かったけど、しみじみと哀しかったね。主人公達は俺と同世代なんだよね。
菊池成孔「シャンソン・エクストレット・ドゥ・デギュスタシオン・ア・ジャズ」
さてこれは「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の姉妹盤のようなミニ・アルバム。「デギュスタシオン〜」のヴォーカル・トラックをフルヴァージョン収録し、プラス彼のクインテットによるLive音源を追加したもの。聴きものはUAとカヒミ・カリィかな。UA歌う " マネー・ジャングルのジャンヌ・ダルク "(まるでUAだわ!) 、現代版エリントン・ジャングル・サウンドにのって豪快な歌いっぷり。一転カヒミ・カリィはお得意ウィスパー・ヴォイスでおフレンチ風ボッサを風のように歌います。菊池成孔本人のヴォーカルも聴きものかな?男のウィスパー・ヴォイスが好きな人ならね。上手いとは言えないまでも感じは悪くないよ。サックス吹きがこれくらい歌えれば立派というもの。それから英語・フランス語で歌われているんだけど、彼の日本語詞は不思議で面白い。


 4月22-23日 晴れ/雨  体調・ふつう

 暖かかった。屋外ちから仕事をしていたから、なおさら暑かった。で、23日は一転雨降りで寒い。小学校のPTA総会に行ってきた。俺より一世代若い人達の集まりでしたね。遅れてきた男(俺)。
菊池成孔「デギュスタシオン・ア・ジャズ」
「デギュスタシオン」とは " 試食 " のことだそうだ。スペイン人フランス料理シェフ考案の一皿一口ずつで64皿というコース料理の名称でもあるのだそうだ。全41曲をメニューを見ながら聴いている。とっても楽しい。曲それぞれが短いのでこらえ性のない人にお奨めである(笑)。いきなり大友良英のノイジーなギターが炸裂するアヴァンギャルドな展開に興奮!でもこの1曲目は異色で多くの曲はモダン・ジャズの臭いが濃厚で、しかしどれも真っ当じゃないモダン・ジャズに仕上がっています。ポスト・モダン・ジャズ?ってことかな。刺激的ながら可笑しさも感じさせる。ああ時間がない。明日もジャズのコース料理を楽しむことにします。じゃあ。


 4月21日 晴れ  体調・ふつう

 車庫ではツバメが巣作りに一生懸命だし、家の裏ではまだ田んぼに水が無いというのにカエルが鳴き始めましたよ。日当たりの悪いところにはまだ少し雪が残っていますね。
V.A「Old Time Mountain Guitar」
Vintage Recordings '26-31 というやつです。この中で知っているのはフランク・ハッチソン、サム・マッギーかな。ソロ・ギターとバンドでの演奏があって、ラグ調の曲が多いね。バンドはストリングス・バンドで演奏は素朴でのどかな感じ。ヒルビリーですよね。米南部白人音楽でそれもどちらかと言えば労働者階級の音楽。ただようブルース・フィール、米南部のコモンストックとしてのブルースの存在が浮かび上がります。


 4月20日 くもり/晴れ  体調・ふつう

 前日聴いてたディランのブックレットの写真を見ていて想い出したんだけど、ギターのヘッドの方を下げて弾くあのスタイルはデビュー当時から変わらずだったんだね。ディランがやるとカッコイイ。
The Slits「In The Beginning-A Live Anthology '77-81」
スリッツはDUBシングルも持っているし一時はよく聴いたな。懐かしくて買ってみました。今聴いてもけっこう好きだなって感じです。でも店のBGMにはちとツライかな。しかしこの混沌としたファンクなリズムは凄いな。よくもこんな女バンドが存在してたもんだ。アンチ・ロックだったんだよね。産業ロックへのアンチテーゼとして聴いていたと思うんだよ。やはり時代の産物だったのだろうか。強烈な時代の産物だな。


 4月18-19日 晴れ/くもり  体調・ふつう

 18日は朝からムラの公民館仕事だの評議委員に選ばれてしまったのでその会の仕事があり、忙しい一日だった。19日、前日のポカポカ陽気がうそのように寒い。
Bob Dylan「Live 1964 Concert at Philharmonic Hall」
ブートレグとして出回っていた通称" ハロウィ-ン・コンサート " の公式盤がリリースされました。23才のディラン。もうたまらなくかっこいいよ。「今夜はハロウィーンなんだ、僕はボブ・ディランのお面をかぶってるんだ。仮装してるんだよ」とか、リラックスしてくだけた感じで聴衆とやりとりしながら、伸び伸びと歌うディランが印象的だ。雰囲気はすでのロック・スターって感じだね。ギターとハーモニカ、弾き語りスタイルのこの時代のディランも凄く好きで、「ドント・ルック・バック」で映像も残っているよね。ほんとスター性のある人で、そんな人がこんな歌を歌ってスターとなった事自体が凄く素晴らしいことなんだよね。だって聴衆が固唾をのんで新曲の歌詞に耳をそばだてている、そんなスターなんてそれまでのポピュラー・ミュージックの世界にはいなかったんじゃないかな。「時代は変わる」から始まり「オール・アイ・リアリー・ウォント」で幕を閉じる、このコンサートの完全版で、今ではファンなら誰でも知っている初期の名曲が並んでいます。歌われることの少ない「出ていくのなら」が聴けて嬉しかったな。曲の途中で聴衆が沸くんだよね、これはエッチでユーモラスな歌なんですね。弾き語りのディランは素晴らしいけど、彼自身はもうこのスタイルと観衆に飽きが来ていたのかもしれないんだね。翌年'65年7月にはついにバターフィールドのバンドを引き連れてニューポート・フォークフェスのステージに立つわけですから。 


 4月17日 くもり  体調・ふつう

 桜が満開だけど、畑や田んぼ仕事や山菜取りに忙しくて花見どころじゃないって感じですか。
Stereolab「Margerine Eclipse」
とにかくサウンド的に楽しかったジム・オルーク&ジョン・マッケンタイア・プロデュースのアルバムによってステレオラブのファンになったんですね。それでこの新作では彼等から離れたわけで、さてどんな感じの仕上がりかなと思いながら聴いてました。サウンドがシンプルになったかな。より歌のメロディーが前面に出た感じ。独特な浮遊感は相変わらず。好きだなあ。


 4月16日 晴れ  体調・ふつう

 今日も暖かい。これから小学校のPTA役員会です。初参加なのでちょっと不安。いい歳してね(笑)。で、いい歳して役員会へ行って来ました。3つの会に出席したので長かった〜。なんかもうね、圧倒的に女性が多いし、一世代下の人達だし、なんで俺こんな所にいるんだろ?って感じでした。役員仕事、まだ始まったばかりなのに、まったくな〜・・・。
Stereolab「Margerine Eclipse」
久しぶりのステレオラブですね。新作です。えっこんなにフレンチ・ポップだった?って印象がまずあって、聴き進むうちに、やっぱセンスある!と感心しきり。独特なエレクトロ・ポップの世界ですね。好きだなあ。ああもう時間だ。あすにつづく。


 4月15日 晴れ  体調・ふつう

 暖かい。昨夜は十日町の焼き肉屋「ひゃら」で、たまちゃん、白川君、内山君の4人で飲みましたよ。オール・ビールで通したせいか二日酔いは無し。
リトル・ファッツ&スウィンギン・ホット・ショット・パーティ「No.2」
いかしたダミ声ヴォーカルだなあ。アツシ・リトル・ファッツのヴォーカルには雰囲気があるよ。歌ってる曲はほとんどが古いジャズ・ナンバーで、それをジャグ・バンドのスタイルでやってるんだけど、トランペット、サックス、ヴァイオリン、バンジョー、ウォッシュボード、ウォッシュ・タブ・ベース、ウッド・ベース、ギター、ウクレレなどの楽器を使ってね。前のアルバムに比べて演奏がより上手くなった気がするな。勢いがあっていい感じの演奏です。ゲストで入っているハジメ・ファッツ・小林のピアノが洒脱なムードを盛り上げているしね。吉祥寺の公園や路上での演奏からスタートしたという若きスウィンギン・ボーイ達の充実の一作。この楽しい路上感覚は失わないで欲しいね。


 4月14日 くもり  体調・ふつう、まだ鼻水

 そこいらじゅうの桜が満開です。でもみんな忙しいのか花見の話は聞きませんねえ。
Ma Rainey「Black Bottom」
" ブルースの母 " と呼ばれているマ・レイニーです。ちなみに " ブルースの女帝 " がベッシー・スミス、 " ブルースの皇后 " がアイダ・コックス。その力関係は判りませんが。ただマ・レイニーがベッシー・スミスを見いだした先輩だってことは何かに書いてありましたね。1886年生まれで20世紀に入った頃にはボードヴィルなどで歌っていたそうです。本盤の録音は'24〜'28年。歌声は男みたいです。貫禄ありますね。バックは基本的にジャズ・バンドですが(フレッチャー・ヘンダーソンがピアノで参加)、タンパ・レッドのスライド・ギターとピアノをバックに歌うシンプルなブルースに味わいを感じました。エッチな歌なんかもけっこう歌ってるんですが、残念ながらそのニュアンスはわかりません。


 4月13日 晴れ  体調・ふつう、やっぱり鼻水

 たまちゃん、突然現る!東京からクルマで遊びに来ましたよ。おみやげはリトル・ファッツの新譜CDです。いやっほ〜大サンキュー!
ウイリー・ナガサキ「海上の道」
'70年代NYラテン(サルサ)の世界を描いた映画は「マンボ・キングス」だったかな。登場する人達はNYの音楽界での成功を夢見るカリブや中南米からの若者達なんだけど、彼等は貧乏なのにシャレていてかっこいいんだよね。これもラテンの強み!かな。和魂洋才ってあるけど、おれならラ魂洋才がいいな(笑)。'70年代のラテンと言えばサルサとラテン・ロック、そうですサンタナだよね。小沼ようすけのギターが炸裂するナンバーでは煽りのハモンドも大活躍、これぞラテン・ロックですね。いやあ熱い熱い。それから、ピアノを弾いてる金井さちよさん、エレガントです!中村さん、いいもの聴かせてもらいました。大サンキュー!


 4月11-12日 晴れ  体調・ふつう

 昨日はムラの総会があったりで忙しかった。4月〜5月は毎日曜日なにか行事があるみたいで忙しいんだよ。せつらない!
ウイリー・ナガサキ「海上の道」
正式にはウイリー・ナガサキ&アフロ・ジャパニーズ・オールスターズ『海上の道-トリビュート・トゥ・アフロカリビアン・リズムス』と長いんです。プロデュースは御大中村とうよう。こういう音楽はじっくり聴いて深みがあり、店のBGMとしても最適なんですね。これラテンの強み!ラテン・パーカッションは楽器としてすごく好きでいくつか持っているんだけど、やってみるとすごく難しい。クラーベの五つ打ちからして上手くできない。だからここでプレイしているウイリーさんはじめパーカッションの達人達のプレイに接すると憧れと嫉妬が入り混じりですよ。ここで聴かれる音楽は基本的にはサルサなんですね。ただしNYラテンであるサルサにはカリブ〜中南米音楽のいろんな要素が混入しているため、様々な表情があるんですね。それがまた楽しいわけで。
 店の外もすっかり日が暮れて暗くなりましたね。じゃあ明日につづく。


 4月10日 晴れ  体調・ふつう

 ちぇっやっぱり良い天気だ。桜もまだ咲かないし、店も暇だし。
藤川義明「イースタシア・オーケストラ」
これは'84年東ベルリンでのLIVE録音です。集団即興喧騒じゃない演奏です(笑)。生向委にしてもイースタシアにしてもそれに連なる渋さ知らズにしても、彼等のフリージャズには陽気な活力が感じられて好きなんですね。彼等の演奏を聴いていると、明るく色彩豊かな混沌とした祝祭空間がパッと出現しちゃうような、そんな感じが好きなんですよ。この日のメンバーは藤川義明、梅津和時、片山広明、井上敬三、板谷博、早川岳晴、翠川敬基、菊池隆、横山達治、広瀬淳二、吉田哲治、小宮いちゆう、佐藤春樹。揃いも揃ったりだね。翠川敬基は名前だけは知っていたけど、そのチェロのプレイを聴くのは初めてなので、とても新鮮。ホーンのいななきとはまた異なる肉声的かつスリリングなチェロが素晴らしい。ヨーロッパ中を熱狂させたフリー・ジャズのサムライ達。これ聴いてるとまさに世界に冠たる日本フリー・ジャズなんだな!と強く思いますね。


 4月9日 晴れ  体調・ふつう

 良い天気だね。週末もこのまま好天らしいね。遊んでる暇はないんだけどね。
Joe Henry「Tiny Voices」
お〜っと、こりゃあいいぜ!このジョー・ヘンリー、以前聴いてたテディ・トンプソンとソロモン・バークのアルバムをプロデュースしてたり、「クロッシング・ジョーダン」にも参加してましたね。といって、その時はそんなに注目してなかった(しまった!)んだけど、MM誌でこの新作の記事を読んで、そのセピア調のジャケット写真(ヴォードヴィルのピエロ達が路上でたむろしてるみたいな・・)に魅せられてしまいました。サウンドは暗く混沌とした、トム・ウェイツをダニエル・ラノワがプロデュースしたそんな感じ。好きなクラリネット奏者ドン・バイロンの活躍が嬉しいね。彼とロン・マイルズのトランペットが奥深く鳴っていてじつに効果的。妖しいムードを醸し出してます。それにしても楽器の定位や鳴らせ方が凝りまくってますね。う〜ん凄い!


 4月8日 くもり/晴れ  体調・ふつう、ちょっとだけ二日酔い

 昨夜は飲んで帰ってきてからお風呂に入って洗髪してそのまま寝た。朝起きて鏡を見たら俺の頭が・・・ " 小沢征爾 " になっていた。白髪じゃなかったけど。
大瀧詠一「EACH TIME」
20th Anniversary Edition です。もうそんなに経ったのか。「EACH TIME」ってあまり熱心に聴かなかったなあ、当時は。忘れていた曲がたくさんあったもんね。このアルバムの前作があの「ロンバケ」なんだよね。「ロンバケ」以降、すぅ〜っと大瀧師匠に対する関心が退いていった時期があって、だからこの「EACH TIME」、今なんか新鮮に聴けますよ。大瀧クルーナー・スタイルの完成型だよね。ボ・ディドレー・ビートに鈴木茂のエレキが唸る " 1969年のドラッグレース " はロックの大瀧って感じでかっこいいし、堂に入ったロンリー調の " ガラス壜の中の船 " 、スプートニクス風ギターが鳴っているお得意北欧路線の " フィヨルドの少女 " など、どれも良く出来たまさに大瀧詠一の世界ですよ。その完成された(されすぎた)ポップさゆえ、なにか物足りないって気もしちゃうんだけど、そりゃあ贅沢というものですよね。


 4月7日 晴れ/くもり  体調・ふつう、花粉症ぎみ

 小学生の集団登校に今朝から1年生が加わった。新しいシーズンが始まったんだね。
UA「Sun」
誰かがエスニック風オルタナティヴ・ジャズと書いていたけど、サウンドはまさにそんな感じ。前作『泥棒』にはのっけからズバッとはまったけど、この新作は歌も演奏もテンションが高くて、慣れるまでにもすこし時間がかかりそう。アコースティックな響きにこだわったエモーショナルな音楽。大地の匂いを感じさせるUAの詞に、そのサウンドは共鳴しているようだ。すごくオリジナルな音楽なので、じっくりと付き合う必要があるな。


 4月5-6日 晴れ  体調・ふつう、睡眠不足、ちょっと二日酔い

 報告!娘がようやく自転車に乗れるようになりましたよ!/ 報告、昨夜は久しぶりに十日町で飲みました。ヒロさん&セキイちゃんと俺とでフジロック・トリオ久々の飲み会で盛り上がりましたぜ。
Don Tosti「Pachuco Boogie」
メキシコ系のスウィング〜ジャンプ・バンド集です。'48〜'54年録音。スペイン語によるジャンプ・ブルースが怪しい雰囲気で楽しいですよ。メキシコ系バンドだからマリアッチ風やらマンボなどのラテンな感じも持ち合わせていて、その混ざりぐあいが面白いですね。ロスやテキサスでの録音ということはメキシコ系アメリカ人バンドってことなのかな。Don Tosti という人はコンバスを弾きながら歌うバンド・リーダーで、彼のパチェコ・ブギー・ボーイズの演奏を中心とした編集です。スペイン語と英語による歌詞付きなんて初めて見たよ。米Arhoolieによる丁寧な作りです。


 4月4日 くもり/雨  体調・ふつう、ちょっと二日酔い

 今日も天気が悪くて娘の自転車練習ができないなあ。
Abe Schwartz「The Klezmer King」
久しぶりにクレツ(ズ)マーの音盤を買いました。Abe Schwartz というヴァイオリン弾きと彼の楽団による演奏です。録音は'17-'35年ニューヨーク。クレツマーはユダヤの音楽ですね。感じとしてピンとくるのが映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」のあの音楽。もの悲しく人懐こい郷愁を感じさせる音楽ですね。ユダヤ移民が多く強固なユダヤ人社会が存在するアメリカには古くからクレツマーを専門に演奏する楽団が多くあったそうですね。近年ではロックっぽいクレズマティックスなるバンドや、NYロフト系ジャズ(?かな)のクラリネット奏者ドン・バイロンのクレツマー・アルバム、日本の梅津和時率いるベツニ・ナンモ・クレツマーなどの活動によりこのジューイッシュ・ミュージックへの関心も低くはないようです。(確信がないのでもってまわった言い方ですな)さて本盤ですが、サム・ベッカーマンという人のクラリネットが気に入りました。よく歌うクラリネットです。リーダーのヴァイオリンの他はピアノとあとはブラスが多い編成の楽団ですね。ダンスの音楽も多いみたいだし、東ヨーロッパ的な感じがするし、どこかでジプシー音楽との交わりもあったのかな。そんな風に考えながら聴いているのも楽しいね。


 4月3日 晴れ/くもり/雨  体調・ふつう

 今日は寒いな。かりんとうを食べ過ぎたせいか歯が痛い。子供が休みだと曜日の感覚がマヒするね。土曜日なんだね今日は。
Sister Rosetta Tharpe「The Gospel of The Blues」
ラッキー・ミリンダー楽団を従えて " Shout,Sister,Shout!" を唄うロゼッタ・サープの映像を持ってます。これ1曲だけで大ファンになりましたよ。弾けた歌いっぷりが魅力的。そんな彼女の最盛期の録音を集めたアルバムです。'38-'48年デッカ盤よりの編集ですね。彼女はギターを弾きながらゴスペルを歌うギター・エヴァンジェリストで、これは女性には珍しいんだそうですね。エヴァンジェリストだけにブルースも巧いんですよ。普通のゴスペル・シンガーはブルースを歌わなかったらしいんですが、彼女は気合いを入れて歌ってますよ。人気者なんですね。先にボニー・レイット、マリア・マルダー、トレイシー・ネルソン達が参加したトリビュート盤が出てました。
 弾き語りでは達者なギターに乗せて、ラッキー・ミリンダー楽団ではジャンプに乗せて、じつに小気味よくあるいはケレン味たっぷりに歌い上げます。じつに良いです。


 4月2日 晴れ  体調・ふつう、あいかわらず花粉症

 2年生になる娘はまだ自転車に乗れません。自転車に乗らなきゃって気がぜんぜんなかったんですね。でもさすがに2年生だからね。周りの子供達はみんなすいすい乗っているし、このままじゃイカンということで、この春休みは自転車乗りの特訓です。良い感じにはなってますが、もうちょいかな。運動系は苦手なんだよね、うちの娘。
V.A「Atlanta Soul〜The Peachtree Records Story」
ウィリアム・ベル・プレゼンツとあるね。スタックスの名ソウル・シンガーでソングライターだったウィリアム・ベルのことですね。彼が'68年に起こしたレーベル「Peachtree Records」のアンソロジーなのかな。素晴らしいソウル・ナンバーが詰まっていますよ。もちろん彼の曲が多いです。知らないシンガーが多いですね。ゴージャス・ジョージ、ジェイムス・ファウンテン、ミッティー・コーラー、ジミー・チャーチ、エモリー&ザ・ダイナミックス、ジョニー・ジョーンズ&ザ・キング・カジュアルズ、エディ・ビルアップス、ザ・フォー・ダイナミックス、スージー・レイニー、ペグ・レグ・モフィットなんていう人達です。全体の印象はディープなメンフィス・ソウルって感じでなかなか良いですよ。好きです。


 4月1日 晴れ  体調・ふつう、花粉症

 娘がスイミング・スクールに通い始めた。子供の方が俺より忙しいみたいだ。
Doug Sahm「The Genuine Texas Groover」
ブックレットの裏ページに2674/5000とナンバーが押してある。そうそう、このハンドメイド・シリーズは5000枚限定だったんだ。ところがなんと「音飛び」が2ヶ所もあった!いいのか?こんなんで!ダグ・ザムの音楽が最高なだけに、凄く残念。
 さて本盤ですが、レア・トラックスとしてディランが参加してたりD・グリスマン+J・ガルシアという魅力的なセッションもあるんだけど、出来はいまいちかな。やはり正式なテイクが良いよ。このアトランテック盤、プロデュースはダグとジェリー・ウェクスラーとアリフ・マーデン。この当時、良質なロック・アルバムをたくさんリリースしていたアトランテックの重鎮ふたりでしたね。ダグ・サムってほんとに素敵なやつで、何をやっても本物なんだよね。カントリーもブルースもソウルもロックも。ちょっと埃っぽい骨太な音楽を創り出したグレイト・テキサス・ミュージック・マンだったね。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps