10月29-30日 晴れ/曇り/雨  体調・ふつう

 29日、快晴です。清津峡温泉の友人からのメールでは、地震以降観光客がぜんぜん来ないとのこと。県内の観光地は紅葉シーズンの稼ぎ時なのにどこも大変なようです。30日、雨が降ってきました。被災地の人達の事を思うと気が重い。我が家も落ち着いてきたところでアチコチ壊れた箇所が目についてくる。店舗前面の大きなガラスがずれて外れそうになっていたので補強したり、割れてる所もあったのでテープを貼っておいた。タイルや壁の補修もしなくちゃね。
レオポルド・ウラッハ『レオポルド・ウラッハの芸術 第3集
            モーツァルト作品集』
モーツァルトの中でも大好きな「クラリネット協奏曲 イ長調 k.622」です。'50年代前半の録音でもちろんモノラル。モノラルでオーケストラを聴くのが好きですね。ロマンティックでね。思いこみなんだけど。ウラッハはウィーンに生まれ'56年に同地で没した、ウィーン随一のクラリネット奏者だったそうです。まろやかで優雅な音色がとても心地よく、アンサンブル共々天然の美を感じます。思わず一緒に口ずさみたくなる素敵なメロディー。モーツァルトはいいな。


 10月28日 晴れ  体調・ふつう

 地震から5日目。うちを含め津南の人達は普段通りの生活をしているんだけど、十日町は大変らしい。ちょっと離れてるだけなのに。多くの友人知人が避難所や車中で寝起きしています。そんな中、友人の圭樹君が役に立つ掲示板をいち早く立ち上げた。今回の地震における十日町周辺の情報が集まっています。災害時にこうした掲示板は本当に役立ちます。
「緊急災害用掲示板」http://saigai.murayama.com/
ジャン・ユボー、ヴィア・ノヴァ四重奏団
  『フォーレ:室内楽全集』
フォーレ(フォレが正しい?)の旋律は悩ましい。それでいて非常に美しい。天然美のモーツァルトに比べると現代人の苦悩のようなものがフォーレの音楽には感じられる。留まることなく美しい愁いに満ちたメロディーが流れていて、よくもこうした息の長い(?)フレーズを創造できるものだな思う。憂鬱な物思い。こんな感じも好きだなあ。


 10月26日 雨/曇り  体調・ふつう

 23日午後6時ちょっと前、夕食の酢豚に取りかかっていて、材料を切り終わり、さて火にかけようとした矢先、グラグラグラってきたんですよ。この地震は恐かった。でかい揺れが3度もですよ。小さな揺れは何度も何度も。酒類や調味料、蜂蜜などの瓶が棚から落ちて割れていて、その臭いが店中に充満していました。台所では食器がたくさん割れました。地震と同時に停電になったので、懐中電灯片手に店内の割れ瓶など端に寄せてとりあえず通路確保、3度目の大きな余震があった時は、これは家の中にいては危ないと感じて、家族で車の中に逃げ込み自宅の見える広場まで避難しました。素晴らしい月夜でオリオンが輝いていたそんな夜でした。さいわい24日明け方には電気もきて、水道もガスも使えたので助かりました。ただ余震が恐いので24日と25日夜は、すぐに逃げ出せるように1階で寝起きをしました。地震は恐いです。いまこうしてパソコンの前に立っていても、地面が揺れてるような気がして落ち着きません。夜になり冷たい雨が降っています。避難生活をされている多くの人達に早く希望がみえますように。
ロリン・マゼール指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
 キャスリーン・バトル(ソプラノ)
 『マーラー:交響曲第4番〜大いなる喜びへの賛歌』
この地震で亡くなられた人達への鎮魂歌のつもりでこの曲を流しています。マーラーのシンフォニーの中で一番好きな曲です。長大な曲が多い中でこの4番が古典的でコンパクトで聴きやすいってこともありますね。あとキャッチーな美メロが多いんですよね。'90年の10月に東京芸術劇場がオープンしたとき、そのこけら落としとしてジュゼッペ・シノーポリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団によってマーラー・ツィクルス(マーラーの11曲の交響曲全曲演奏)が行われたのですが、この4番の交響曲を生で聴きたくてたまらず駆けつけました。うっとり夢見心地でした。
 ♪〜天使達の歌声が、心情を快活にする すべては喜びのために目ざめる〜♪


 10月21-22日 晴れ  体調・ふつう

 おっと、油断してたら2日とばしてしまったわい。名古屋から帰郷していた弟は、昨日帰るつもりが長野県内で交通止めにあい、やむなくもう一泊となり今朝帰って行きました。名古屋まで運転していくなんて、クルマの運転が苦手な俺には無理だな。長距離運転してると眠くなるからね。
田村大三『全地よ愛に帰れ』
お馴染み音盤友達の栄一さんが、面白いのがあるから聴く?と置いていったのがこれ。『全地よ愛に帰れ〜指笛の叫び 田村大三卒寿感謝記念CD」という自主制作盤です。なにやらありがたい音盤のようです。一聴、テルミン?ミュージック・ソウ(音楽ノコギリ)?ってな感じのヒュウヒュウした音が聴こえてくる、ああこれが指笛の音なんだな、そうか口笛とはちがうんだな、などと戸惑いながらも関心する。クラシックやポピュラー・ソングを奏でていて、しかも40歳代〜80歳代まで年代毎の演奏が収録されています。協演には東京フィルハーモニー交響楽団や小原重徳とブルーコーツオーケストラなどクラシックとジャズの一流楽団の名も見られ、そのうえ天皇皇后両陛下に献奏までされているのです。田村翁ただものではないなという気配も感じられ、二日間店内で流していました。じっくりと聴いていたわけじゃないんです(田村さん、ごめんなさい)。弟に言わせると「なんだか店の中が寂しそうだね」だとか。たしかに振幅の激しいビブラートにはもの悲しさも漂っていますね。つねにグリッサンドとビブラート、まじに聴いていると酩酊してくる感じもあり、なにか凄いものを聴いた気がします。


 10月19日 曇り/雨  体調・ふつう

 年に一度の弟の帰郷なので、家の中の掃除で忙しかった。こうした機会でもないと大掃除ってしないもんでね。
Biff Rose『Biff Rose』
これも下のジュディ・シルと同じく岸野さん推薦盤です。これも知ってましたが食指が動かなかったヤツでしたね。'70年頃ってちょうどロックを強烈に意識して聴きだした時期なんですね。メリハリの効いたいかにもロックって感じのヤツに夢中だった頃だから、このビフ・ローズのようなどっちつかずな音楽って苦手だったんですね。ジェイムス・テイラーだって内省的な感じがして最初は好きになれなかった位だから。地味でもサウンドがブルースやカントリーの根ざしたアーシーなロックは好きだったけど、このビフ・ローズのような人は、どう楽しんでいいのかわからなかったんですね、当時は。今こうして聴いてみると、ボードヴィルの雰囲気と古いポップ・ソングのような曲が怪しげなサウンドと同居してますって感じが面白いけど、冗談のような非力な歌声がどうにも馴染めませんなあ。じゃあ。


 10月18日 晴れ  体調・ふつう

 月曜なのに小学校が代休なのでカミさんと娘は休みです。だから俺までなんだか休日のような気分で徳した感じ。
Judee Sill『Judee Sill』
聴くのは初めてだけど、このジャケットと名前には憶えがあります。'71年リリースだからアサイラム最初期の女性シンガーなんですね。"名盤探検隊シリーズ"として世界初CD化されたものだそうです。名盤探検とか発掘とか幻の名盤とかにはもう食傷気味であまり手を出さないのですが岸野雄一さんが某BBSでこれとビフ・ローズが良いよってあったので買ってしまいました。幻の名盤とかに関わり合って30年程になるから、なんで幻になってしまったのかは見当がつくようになりましたよ。中には大傑作な名盤なのに不幸にして日の目を見なかった音盤も多くありましたが、たいていは"何か"がちょっと足りない佳作ってのが多いんですね。そしてこうした音盤(売れなかった)がマニアの狙い目となるわけです(苦笑)。ジュディ・シルの両親はアイルランド系だそうで、そう思って聴けば曲調と歌い方にアイリッシュ・フォークの香りがするような・・・。まあね、物足りない感じはしますね。"何か"が足りなかったんだと思わせる音盤です。が、今時の癒されたい系(?)の人達にはイイ感じなのかもしれませんね。じゃあ。


 10月16-17日 晴れ  体調・ふつう

 今"なじょもん"では「さとうわきこ絵本原画展」が行われていて、うちのかみさんも手伝いをしてるんですが、昨日はそこで"焼き芋会"があり娘とその友達が参加してきました。今日はアルビがホームにアントラーズを迎え1-0で勝利しました。アルビレックス新潟、2位に浮上ですよ!
The Pentangle『Solomon's Seal』
'72年6作目にしてラスト・アルバム。初期のようなバップなビートと2本のアコギによる高いテンションの演奏は聴かれないけど、慣れてしまえばこれはこれで素晴らしい音楽なんだよね。バートの歌声はしみじみとして良いし、ジャッキーの歌声は美しく時に妖気すら覚えるほどだ。何となく演奏からは、肩の荷を降ろした軽やかさを感じるんだけど、ペンタングルという看板を降ろして新たな道を歩もうという時期だったのかな。絶頂期を生で見たかったな。


 10月14-15日 曇り/雨/曇り/晴れ  体調・ふつう

 君はムーンライダーズを見たか!?(笑)昨夜NHK-TV『夢音楽館』のゲストは彼等でした。俺が日本一好きなロック・バンドですよ。「夢が見れる機械が欲しい」となんと懐かしの「ヴィデオボーイ」、そして島谷ひとみのバックで「夢見るシャンソン人形」をやってくれました。その高い演奏力(押し出しは緩いんだよね)と唯我独尊(ニヤニヤしながらね)とも言えるセンスが相変わらずで嬉しかったね。ガンコな風来坊って感じの青春のオジサン達なんだけど、「ヴィデオボーイ」でロックンロールしてる様は"ジジメタルジャケット"一歩手前ですねえ。なんとも楽しませてくれるムーンライダーズでした。
The Pentangle『Reflection』
'71年の5作品目です。そうだな、このアルバムから聴いてたら、ペンタングルにハマることも無かったかな。演奏に緊張感が感じられないね。穏やかですねえ。独自性が稀薄になったかな。これはこれで良い音楽なんですけどね。「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」なんてアメリカの有名なセイクレッド・ソングをやってたり、今回はアメリカのフォーク・ソングが数曲歌われているところが目に付きました。ジョンに比べバートはあまり頑張っていないみたいで、バンドの末期症状的疲労感てのがあったのかなあ。


 10月12-13日 晴れ/曇り/雨  体調・ふつう

 朝から雨降り。暗いし寒い。ばあちゃんは姉妹3人で温泉へ行きました。ばあちゃんもたまにはのんびり楽しまないとね。
Chris Daniels『The Spark』
久しぶりに埃っぽいアメリカン・ロックを楽しんでます。真っ向勝負が爽快。クリス・ダニエルス&ザ・キングスの新作です。もうベテラン・ミュージシャンなんだよね。味わいがあるもの。ジョン・ハイアットを思いだしたね。彼等と親交のあるミュージシャンが参加してまして、ビル・ペイン、ソニー・ランドレス、リッチー・フューレイ、サム・ブッシュなど、なんか音が見えてきそうでしょ?ホーンの音も随所で効いていてオールドタイミーな曲なんてゴキゲンです。ソニーのスライドも良いけど、トニー・ファータードとサム・ブロッサンドのスライド・ギターも負けてないね。スライド・ギター好きにはたまらないアルバムですよ。ビル・ペインのピアノにスライド・ギターが絡むとリトル・フィートを思い出すなあ。ファンキーでスウィンギーなルーツ・ロック・アルバムです。う〜ん気持ちいい〜。


 10月11日 晴れ  体調・ふつう

 9日午後はPTA行事のユニ・ホッケー大会。役員なので参加しましたが、選手としても参加することになっていて、じつに久しぶりに身体を動かしました。ちょっとキツかったなあ身体が。夜はその懇親会。10日は友部正人さんのLIVE。初めてお呼びしてからすでに19年。9回目のLIVEでした。俺達は年相応に見かけが(笑)変わったけど、友部さんは若いなあ。今月末にはニューヨークでマラソンに出場するんだそうです。新曲だと言っていた♪スピーク・ジャパニーズ〜♪がイカシテましたね。今回のLIVEにも遠方より聴きに来てくれた方々が多くいました。見附、上越、三条、東京そしてなんと岡山県からの女性ファンもいましたよ。脱帽!
The Pentangle『Cruel Sister』
このところハマってるペンタングルの4枚目で'70年の作品。全5曲がすべて英国トラディショナル・バラッドという、ある意味意欲作だったんですね。1〜3枚目にあったような熱いインター・プレイの応酬は控えめに、曲に寄り添った滋味溢れる演奏で歌をやさしく包み込んでいます。「クルエル・シスター」のあまりの美しさに歌詞を読んでみたら、姉が妹を殺すというなんとも恐ろしい内容で、バラッドの持つ物語性ってやはり英語が理解できてないと勘違いの美化で終わってしまいそうで、音楽ってのは深いなあとおもいましたね。歌詞の内容はおいといて(苦笑)、ここで聴かれる音楽そのものは、ほんと素晴らしいです。


 10月7-8日 晴れ/雨  体調・ふつう

 今日は娘の学校のマラソン大会。娘は最初予定していた2キロ・コースを体調の関係で1キロ・コースに変更し、元気に完走しました。もちろん父は応援に行きましたよ。ただ帰宅したらグッタリとしたようすで、ちょっと熱もあるし風邪をひいたのかもしれません。明日は病院かな。
Ray Charles『In Concert』
'75年日本公演を含む、'58年から'75年のライヴ音源好編集盤。今年6月10日に亡くなったレイ・チャールズ、享年73才、まさに巨星墜つ。'50年代アトランティック時代をひたすら愛聴してきました。R&Bの中心にいた人だと思っています。まさにR&Bの超スタンダードなシンボルとして聴いていたがゆえ、サザン・ソウル、ノーザン・ソウル、モータウン、ニューソウルのようなサウンドへの関心に比重を置いた聴き方をしてきましたが、やはりレイ・チャールズは帰るべきところのひとりでした。'70年代NYのスタジオでファーストコールなギター弾きだったコーネル・デュープリーが当時のインタビューで「プレイヤーとしての目標はレイ・チャールズのバックをやることだ」と言ってました。大スターであり別格な存在だったんだなとあらためて思いました。


 10月4日 雨  体調・ふつう

 雨降りです。寒いです。玄関の網戸を普通の戸に取り替えました。昨日近所の後輩が自殺しました。悲しいし、きつくこたえます。
V.A.『The Masters Of STRATOCASTER』
フェンダー・ストラトキャスター生誕50周年を記念したコンピュレ盤です。ギター・マガジン誌監修で日本ビクター系音源からのチョイスです。つまり以前聴いた音盤の同企画日本編です。残念ながら駒不足は否めません。だってチャー、森園勝敏、鈴木茂、大村憲司、高中正義が2曲ずつも入ってるんだもんね。あと柳ジョージと西慎嗣が1曲ずつ。しかも" 歌のない歌謡曲・天気予報のBGM"って感じのフュージョン系が多くて退屈。その中で、そのギター・プレイに"俺の顔"がガーンと刻印されてるチャーと大村憲司の存在がこのアルバムをシメてるかな。久しぶりに聴いた四人囃子「一触即発」も良かったな。かつてオリジナリティを追求し奮闘していた日本のロックがあったんだよね。


 10月3日 雨  体調・ふつう

 昨夜は " なじょもん " で音楽会があり、ムラの若衆ボランティア(苦笑)として駐車場係りをしてました。雨の中カッパ着て誘導灯を振ってましたよ。終わった後の飲み会が目当てだったんですがね。飲み会は " じょんのき " 、なじょもんにじょんのき、ネーミングが津南のしょって感じだよね。今日は朝から雨で、しかも寒いよ。
Leroy Carr『The Best of Leroy Carr』
米コロンビアのRoots n' Bluesシリーズからリリースされた2枚組ベスト盤です。あの名盤『Blues Before Sunrise』を全曲含み、'28年のデビュー曲で大ヒットした「How Long - How Long Blues」や最後の録音となった'35年の「Six Cold Feet In The Ground」(なんとも暗示的)など重要曲が選曲された充実音盤です。相棒スクラッパー・ブラックウェルの単弦ギターがいい味出してるのは言わずもがなで、本盤にはジョッシュ・ホワイトが参加した曲もあり、ブラックウェルとはまた違った味わいがありが楽しいですよ。カーとブラックウェルのコンビって写真で見ると格好いいね。カーは顔が超長いよ。当時の大スターだったんだよね、ロバート・ジョンソン(ロバジョンって呼ぶな!)も憧れていたらしいし。物憂げな唄とピアノ、洒落て垢抜けたブルースです。サイコー!


 10月1-2日 晴れ/曇り/雨  体調・ふつう

 イチローは凄いな、かっこいいな、セクシーだな。あのしなやかなフォームが良いよな。ヒゲの具合もイカシテルよな。ああイチローになりてえなあ。
デート・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン
             『Musical From Chaos』
日本が世界に誇るジャズ・バンド、吹かない菊地成孔率いるDCPRGです。これは去年リリースされたライヴ盤です。これも栄一さんからブツですが、バップ〜フリー・ジャズ路線の栄一さんがコレを持って来たのでビックリ。これまでに聴いたDCPRGの中で一番聴き易く耳に馴染みました。エレクトリック・マイルスの進化型を真っ当に演じてみせたからかな。カオスから生まれる熱気みたいなものが感じ取れてちょっと興奮した。


前月の音盤日記(白地は音盤BANBAN)
 
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2003. 1月 4月 「音盤日記」9-10月 11月 12月
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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps