●2005●

 1月31日 晴れ/くもり/雪  体調・ふつう

 沖浦和光『幻の漂泊民・サンカ』読了。2001年刊行だから最新の調査研究の成果です。俺の持っていたサンカのイメージって柳田圀男による古代「山人」残存民族とか中世クグツの末裔って感じだったけど、本書によると江戸後期の大飢饉による逃散農民がその起源ではないかとあり、なかなか説得力ある目ウロコ本でした。かつてこの列島を漂泊していた人達には興味があって、遊行者、遊芸民、香具師、木地屋・タタラ・炭焼きなどの山の民、家船やサンカなどが登場する本はつい読んでしまいます。この漂泊者への関心のルーツは白土三平『カムイ伝』なんだよね。光あるところに影がある・・・あっこれはサスケだっけ?
ムーンライダーズ『最後の晩餐』
ムーンライダーズ月間のような1月の最後は'91年のこのアルバムにしよう。ハードディスク・レコーディングが話題だったね。たしか5年ぶりの新作として登場したんだっけ。「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」の大げさなサウンドが良いね。好きだなあ。「who's gonna die first?」や「犬の帰宅」など、歌詞に息子や娘や家庭が出てくるようになって、このへんにトシも感じられたり。この頃彼等は30代後半だからね。久しぶりに聴いてるんだけど、『アマチュア・アカデミー』以降のアルバムって印象が薄いんだよ。ライダーズよゴメン。
 外の雪降りが気になっちゃって音に集中できませんでした。


 1月29-30日 晴れ/大雪  体調・ふつう

 天気予報どおり今日は大雪。大寒波居座りだって。やだねえ。大雪も間が少しでも空いてくれたら助かるんだけど、1週間も降り続かれると大変だよ。
Brian Wilson『Smile』
ブライアン・ウイルソン・プレゼンツ・スマイルです。まさにエンドレス・ハーモニー!です。先入観なしで楽しんでます。もともとビーチ・ボーイズに関心が薄かったので本盤を新鮮な気持ちで聴いています。ブライアン復活後のアルバム『駄目な僕』『オレンジ・クレイト・アート』が良い作品だったので期待は大きかったけどね。素晴らしくポップでありながらプログレッシヴだったりするね。じつに手の込んだサウンドを穏やかに聴かせてしまう。ポップ・ミュージックの天才たる所以でしょうか。


 1月27-28日 晴れ/雨/晴れ  体調・ふつう

 小泉のニタリ顔を思い出す度に三度の飯が不味くなる。隣で一緒に笑ってるんじゃないぞ麻生。次の総理めざすんならもっとシャンとしろ。野党の女性議員さん、なんで真っ赤とかの派手な服を着てるのかな?地味なお顔に合わない気がするんですけど・・・。
Traffic『On The Road』
ギターマガジン2月号のアンケート " あなたが選ぶ歴代ギターソロのベストワンは? " の問いに青山陽一が「トラフィック『オン・ザ・ロード』の「アン・イン・スパイアード」のスティーヴ・ウインウッドのギター・ソロ」って答えていて、俺もひじょうに嬉しかった。あの弾き過ぎずにそれでいてエモーショナルに歌うギターは最高だよね。ストラト・ワウ半開きな感じのトーンでね。思い出したのでさっそく聴いています。ちなみにその問いに俺が答えると「マリア・マルダー『真夜中のオアシス』のエイモス・ギャレットのソロ」となります。このトラフィック'73年のライブ盤、高三の時に渋谷陽一のラジオ番組で初めて聴いたのを思い出す。そして'74年、幻と終わったトラフィック東京公演。チケット持っていたのに・・・残念!このアルバム、2枚組LPで聴いていた頃は、なんか起伏に乏しい長い演奏が多いと感じていたんだけど、今聴くとこれってまさにジャム・バンドだね。延々と続く心地良いグルーヴに身体がマッサージされる感じで気持ちいいな。この時のメンバーにはロジャー・ホーキンス(ds)、デヴィッド・フッド(b)、バリー・ベケット(kbds)というマッスル・ショールズの凄腕スタジオ・マンがバックを固めていて、その安定したグルーヴに乗ってスティーヴィーとクリス・ウッドが自由闊達にソロをプレイしています。あまり身構えて聴かないのが肝心だね。


 1月25-26日 雪  体調・ふつう

 岡野宏文&豊崎由美『百年の誤読』が面白い。店番しながらパラパラと少しずつ読んでます。副題が「ベストセラーに良書なし?」ってあるんだけど、『世界の中心で・・』をボロクソに貶していて嬉しかった。こうゆうイジワル本は好きです。昨夜は角田光代『対岸の彼女』を読んだ。こうした作家のこうした作品が直木賞の選ばれて、俺はすごく嬉しい。良い作品です。朝目が覚めたとき、ナナコは今頃何処でどうしてるのかなって考えていました。
Mauro Pagani『Mauro Pagani』
もお〜素晴らしい!ブラボー!です。'78年作、邦題は『地中海の伝説』。ライナーの表現を借りて言えば、"奇数拍子複合高速ジャズロック " が刺激的で面白くてかっこいい。ジャズロックと言っても文字通りじゃないよ。環地中海音楽の香りが濃厚。イタリアのロック・バンドといえばPFMが有名でまたアレアも名前だけは知っていたけどプログレって理由でパスしてました。クリムゾン以外のプログレに興味がなかったから。まあね、こうして何十年か聴き続けていれば遅かれ早かれ良い音楽には出会えるんだよね。ちょっとプログレにも興味があるんだよ、ここ数年。このアルバムだけど、ジャズとロックと自国と周辺の地域の音楽をここまで見事にミックスしてる音楽はそんなにはないよね。パガーニのヴァイオリンとブズーキを始め、生楽器の音色が素晴らしく、まさに香り立つような演奏に惚れ惚れです。


 1月24日 晴れ  体調・ふつう

 宮部みゆき『日暮らし』読み終えたのに、これ読んだが為に『ぼんくら』読まなきゃ!ってことになりましたとさ。昨夜「情熱大陸」に国見高校サッカー部の小嶺忠敏総監督が登場していたので見入ってしまった。「小嶺先生」と呼びたい人だなあと思った。其田秀太がいた頃から国見サッカーのファンになったんだっけ。其田は今、東京佐川サッカー部の監督をしているそうだ。
Eric Clapton『461 Ocean Boulevard (Deluxe Edition)』
この'74年のクラプトンには想い出がいっぱいあるな。初来日公演を武道館で見たからね。18才の俺と29才のE.C。アコギ抱えての登場にはショックを憶えたな。ぜんぜん知らない曲を歌い出して(後にチャップリンの「スマイル」と判明)、完全に肩すかしを食らい、その戸惑いが終演まで尾を引いて、その夜の印象を薄くしたものだった。アタマん中にはクリームの " ギター・ゴッド " E.Cのイメージが強かったから。あの当時は武道館の音響もひどかったしなあ。でもこのデラックス版で聴くことができた同じ'74ツアーの演奏はなかなかの充実ぶりです。あの夜の武道館も、演奏自体は悪くなかったのかもしれないね。'74年のこのアルバムでカムバックしたE.Cを、みんなが温かく迎えていたのを思い出す。「やあエリック、素晴らしいじゃないか!おかえり、待ってたんだよ」とアルバムを聴いた人達は声をかけたくなる。そんな優しさと清々しさを『461オーシャン・ブールヴァード』から感じ取れたんだよね。" レイドバック "という言葉 がロックの世界で流行った頃だった。「ウイリー・アンド・ハンド・ジャイヴ」「ゲット・レディ」のヌケ具合なんか最高だね。「レット・イット・グロウ」は隠れた名曲(?)です。俺練習したよこの曲。ライブでやったのは'75年だったな、千葉でね。ヘタクソなバンドだったけど全員E.Cが好きでね。「ステディ・ローリン・マン」のイントロ・ギター・リフを盗んで他の曲に使ったこともあったな。結局俺にとってのE.C はここまでなんだね。ここまでで十分だと思ってる。俺の永遠のロック・ヒーローです。


 1月23日 曇り  体調・ふつう、たまにせき

 この冬、初めてユニクロ製品を着用してるんですが、これで十分だなあ。三千円のパーカを2着買って音盤の友栄一さんと色違いで着てますよ。安いユニクロ着て、浮いたお金で音盤と本が買えるからね。
鈴木慶一総指揮『Science Fiction』
SFの世界を優しく追求したブラッドベリアン・ミュージック。演奏は宇宙からの物体X、ってライダーズとその周辺の人達なんだけどね。'78年の作品です。『イスタンブール・マンボ』の後に作られたわけで、そのプチ・プログレ風でロマンチックな感じが当然ながら似ています。ずっと好きだったアルバムで、とくに大野方栄のファルセットが哀切感たっぷりの「ロボットの私」と白井良明がアル・ディメオラに挑戦(かな?)した壮大なインスト曲「ナスカ平原」が良いね。俺はこのアルバムを当時聴いていたから、ライダーズが演奏力の高いバンドだと知っていたし、その頃巷に溢れ出していた凡百フュージョンより、ライダーズの音楽の方にセンスの良さとスリルを感じさせてもらいましたね。


 1月22日 大雪  体調・ふつう、すこしのどが痛い

 俺も娘も、鼻と喉が弱い方なので、omronの吸入器ってのを買ってみた。あのスチームが噴射されるやつね。使ってみたけど、いまいち効果が実感できません。
The Nels Cline Singers『The Giant Pin』
いやあ栄一さん、これサイコー!ってな感じで浮かれて聴き惚れてます。音盤の友栄一さんが置いていったブツです。ミュージック・マガジンによる'04年ジャズ部門のベスト・アルバムに輝いた作品。俺はノーマークだっただけに、こうして聴けて大感謝。ネルス・クラインはウィルコへの参加で一般的知名度を得た米西海岸出身のアヴァン・ギターリスト。このバンドは彼のギターとあとコンバス、ドラムスによるトリオですね。ジャズ、プログレ(クリムゾン的)、ノイズ、ジミヘンな感じが凄い。泣きのギターも上手いしね。他のアルバムも聴いてみたい!


 1月20-21日 大雪  体調・ふつう、すこしのどが痛い

 21日朝、寝てる間にドカドカ雪が降らずにほっとした。でも今は前方が見えない位に降ってるよ。大寒だからね。娘はちょっと風邪気味で学校休んでます。熱は下がって元気なんだけど、用心用心。
ムーンライダーズ『マニア・マニエラ』
俺が初めて買ったCDですね。'82年、まだCDプレイヤーを持ってなかったのにCDだけ先行買いだった。そしてこのCDはじきに市場から姿を消したんだよね。だから貴重品だね。『マニア・マニエラ』は『青空百景』より早く'81年に制作されていたんだけど、レコード会社の「これは売れない」って判断で発売延期になってたんだって。当時はまだCDが普及していない時代で、国内リリースはLPとCDの同時発売が多かった。そんな頃このアルバムは日本初のCD単独発売されたんだってね。で、このCDが世間から消えて数年後にカセット・ブックとして発売され、LPでも発売され、そしてずっと後になってリマスターされてBOX入りと、数奇な運命を辿った「名盤」なんである!と。内容はもちろん凄く良い。♪バラがなくちゃ 生きていけない〜 だもんね。ノスタルジイとアヴァン・ポップが同居してる希有な傑作です。姉が自動車事故で亡くなったあの頃、「気球と通信」がずっと頭の中で鳴っていたのが思い出される。♪コレカライツモキニシテイルヨ ボクヲヒトリニシナイデホシイ・・・と空に向かって通信していたような。雑誌で慶一君が「工場街のフォークソングを作りたかった」というような発言をしていたような記憶があるんだけど、このアルバムにはそんな雰囲気もあるね。工場の音をTR808やらMC-4やらEmulatorやらProphet5なんかが作ってるんですね。懐かしの電子楽器、時代を彩った名機達。でもこの『マニア・・』のサウンドは、今聴いても色褪せていないね。フォークだから!? ♪次のリボリューション 誓いはスカーレット さまよう 愛は ラベンダー〜 ときたもんだ。まったく、ライダーズはヘンテコに凄いな。


 1月19日 晴れ  体調・ふつう

 おお二日サボっちゃったな。ちょっと気を抜くとこれだ。昨日は十日町で税務署の指導説明会。中越地震による被災酒類の還付に関する会でした。割れてダメになった酒の代金でなく酒税分を戻してくれるらしい。去年の中越地震(といってもまだ余震が続いてますが)はその規模が大きかったせいか、その被害への補償の話が各方面から聞こえてきますが、結局うちのような中途半端な被害だと補償の対象にはならないようです。はっはは(ガックリ)。
ムーンライダーズ『青空百景』
'82年、慶一くんも聴き易いアルバムだと語っていた、そして俺も非常に親しんでいたやつです。録音順だとこの前に『マニアマニエラ』があるんだけど、諸般の事情(だってさ)により『青空百景』が先のリリースされたんですね。♪僕は蠅になって君の 家のまわりをグルグルまわる〜 から始まり、♪残したものも 残ったものも なにもないはずだ 夏は終わった〜 で終わるライダーズ " 青春のおじさん達篇 " です。ここでは橿渕作品が良いですよ。『二十世紀鋼鉄の男』の♪僕はマーブル 鋼鉄の国からやってきた ひびわれた雲の修理もできる〜 なんてね、ファンタジーだなあ。博文くんの「くれない埠頭」はライダーズ版「ドック・オブ・ベイ」だったんだ!そうそう、この頃から武川くん、ヴァイオリンよりトランペットを吹く方が目立ってきたように感じました。


 1月16日 ぼたぼた雪  体調・ふつう

 14日の夜は子供達と鳥追いでムラを回って、15日は松焼きと、しっかり小正月行事を行いました。周辺の市町村は「豪雪対策本部」を起ち上げたようです。我が津南町では、この位の雪で騒ぐのはみっともないと強がっています。まあたしかに、前の神社の石垣も見えているしね。でもこれ以上降って欲しくは無いよね。
ムーンライダーズ『カメラ=万年筆』
'80年『 CAMERA EGAL STYLO』です。アルバム・タイトルは有名な誰かの映画論だと思ったが。曲名はすべてヌーベル・バーグ映画のタイトルから(じゃないのもあったかな?)借用。このアルバムも好きだし、思い入れが強いし、ライブにも行ったし、なんですね。ニューウェイヴ色の強いしゃれたサウンドで、今聴いても変じゃないってのが嬉しい。XTCとかポリスの感じもあって、これは白井君のギターのせいかな。慶一くんがシャクリアゲ唱法を多用しているのも、いちおうニューウェイヴっぽいって感じ。好きな曲が多いけど、とくに「欲望」がいいね。♪夜の街角をうろつく女は 朝の新聞に売りつけてやるぞ〜 ってやつね。でも何歌ってるかはよく判らないんだけど(笑)。まあ彼等もこの頃の作品は暗号のようなものって語ってますから。判ったツラして楽しんでいればいいかと。


 1月14日 ちらちら雪  体調・ふつう

 大雪がようやく峠を越えたかな。今夜は鳥追いです。小学生達と「鳥追い唄」を歌いながらムラを回ります。公民館に帰ってきて、豚汁とジュースとビールと酎ハイと・・・。雪のカマクラがないのは残念だけどね。まあ自分で作らないんだからしかたないよな。
カーネーション『Living/Loving』
新作にいたく感動したもんだから、ひとつ前のアルバムもげっと。「愚か者、走る」の中で♪ギターを捨てたら ほかになにが残るのだろう〜って歌う直江君。スリーブの写真の彼は " 青年鬼太郎ギターを抱いて叫ぶ " の様相だな。メンバー脱退の末、このアルバムから3ピース・バンドとなったそうで、そして3人が残った的居直りが吉と出て、逞しいバンド・サウンドとなっているね。ちょっとウェットな感じは、はっぴいえんど〜はちみつぱいの21世紀型とも言えそうだけど、カーネーションは'70年代の彼等より剛球の投げ方が上手いよ。グランジ以降を反映してるかな。とか言って俺、グランジってよくわかってないんだけど。


 1月11-12日 大雪  体調・ふつう

 誰だ!暖冬だなんて予想だしたのは。ドカ雪、あっという間に積雪2メートル越えたよ。昨日は小学校の始業式。朝7時15分に我が家の前から集団登校で出発。雪降りで薄暗い中、かわいそうだよね。50分も歩いて行くんだから。ただ、1年生だった去年に比べて、ちょっと子供が逞しくなった分、こちらもちょっとは気が楽になった。お昼に学校のカミさんから、帰りは集団下校との連絡がきた。外は吹雪だよまったく。
Misia『Singer for Singer』
misiaは日本のこうしたシンガーの中では一番好きです。こうしたってのはつまりその〜ソウルっぽい(と言われている)歌い方のシンガーですね。彼女の歌い方は堂々としてるから好き。TVとか見てると妙にクネクネしたヘンな節回しのシンガーが多いからね、男も女も。そこいくとmisiaの歌声は爽快です。このアルバムは久保田利伸、藤井フミヤ、GLAYの人、CHARA、宮沢和史、比嘉栄昇、玉置浩二といった人達の作品を歌っていて、みんな良い曲です。サウンド・プロダクションがしっかりしていて、その上彼女の歌い方にブレがないので、統一感があります。「虹のラララ」の中の♪しましま模様〜 ってとこの歌い方に胸キュン(古いなあ)です。娘は「冬のエトランジェ」と「名前のない空を見上げて」が好きだそうです。うん、いいアルバムです。


 1月10日 曇り/晴れ  体調・ふつう

 十日町の「ちんころ市」へ行って来ました。初めて「ちんころ」を買うことができました。カミさんと娘はNHKの取材まで受けました(笑)。一昨日から雪がドカンと降ったので、今日はどこでも雪かき雪下ろしに大忙し。俺も昨日からの雪との格闘で(って程じゃないが)腕と腰が痛い。
ムーンライダーズ『Modern Music』
'79年のライダーズ。「Video Boy 」のシーケンサー・リフから始まる、ライダーズのテクノ〜ニューウェイヴ期の傑作。ここでも良い曲が揃ってます。「別れのナイフ」「モダン・ラヴァーズ」「バーレスク」「鬼火」などね。「鬼火」のエロな感じがライダーズとしては新鮮だったな。もちろん他のどの曲も好き。彼等ってやっぱガロの青年が東京青年になった感じの青っぽさが俺はすきなんだよ。だから生理的にキライって人も当然いるよね。白井君のブリティシュ・ニューウェイヴ系ギターがアルバム全体に程良く効いてます。♪冗談じゃないぜ!ちょっと気になるだけさ〜 とか♪愛をつきさすこともできな〜い とか♪電波に犯されてインプットがショートしそうだ〜 とか、あ〜なつかし。


 1月9日 大雪  体調・ふつう

 いやあ、よく降るなあ。ガンガン降ってる。積雪は1.5メートルを超えたかな。
ちあきなおみ『Chateau Chant 1981』
去年11月の浜田真理子のライブで歌われて印象に残った曲「霧笛」。外国曲で日本語詞を吉田旺が書いていたのでネットで調べたら、ちあきなおみが歌っていると判明。さらに調べてこのアルバムに行き着いたわけ。彼女のアルバムを調べるとベスト盤だらけで、俺もウン枚組を持っているけど、それには「霧笛」が入ってなくてね。このアルバムは買って正解。「黄昏のビギン」「星影の小径」「色は匂へど」「十六酔いフラッパー」などの日本の歌も良いけど、ファドに日本語詞を付けた歌が抜群に良い。アマリア・ロドリゲスを聴いて、歌いたくなったと書いたのを何処かで読みましたが、ちあきさん素晴らしい歌唱力です。「霧笛」もその中の1曲。大愛聴盤、アマリア・ロドリゲス『コン・ケ・ヴォス』の1曲目の「難船」が「霧笛」の原曲だったんですね。ちあき版「霧笛」はアコギとコンバスで伴奏されていて、このアコギのフレーズがファドっぽかったんで、これってアマリアかな?って、最初は原曲が分からなかった。それでアマリアのアルバム調べたらこのことが判明したわけ。この曲って知られてないよね?もっと断然多くの人に知られるべき聴かれるべき名曲名唱です。ただ恐い歌ではあるんですね。♪あなた わたしをゆるして グラスの毒は愛なの どなたにも あなたをわたせないから〜♪って。恐れ入りました!
 まりこさんに感謝感謝感謝!


 1月7-8日 雪  体調・ふつう

 矢作俊彦「ロング・グッドバイ」、原寮「愚か者死すべし」とハードボイルド二連発。もうワイズクラック連発のかっこよさ。こうしたハードボイルド特有のヒネクレた軽口って読み物だから面白いんで、これ例えばTVドラマでこの台詞のまま演じられたら笑っちゃうかもしれないね。
ムーンライダーズ『Nouvelles Vagues』
'78年のライダーズ。どうみてもマッチョ的ロケンローラーに見えないライダーズを揶揄して「あんたら性欲あんの?」とか書かれていた頃のアルバムですね。歌の世界がオシャレすぎてたってことなんだけどね。俺には凄くかっこよく映っていましたね、ライダーズの音楽。いよいよシンセの音が前面に出てきました。ここでは鈴木博文+岡田徹作の「ドッグ・ソング」「スタジオ・ミュージシャン」「いとこ同士」がいいんですよ。叙情的だね。慶一兄ももちろん元気。「スイマー」のサビのポップな展開が嬉しくて泣けてきます。この鈴木兄弟、スーダラ兄とナイーブ弟ってな感じの対比がこの頃からよく出てますね。これも傑作です。
 アマゾンからちあきなおみが届いたので、さっそく「霧笛」を聴く。あれ!?この曲、アマリア・ロドリゲスじゃなかった?とCD棚調べたら『コン・ケ・ヴォス』の1曲目だった。断然名曲です。
あれ?慶一作「夜の伯爵」ってアマリアの曲にそっくりだ。また発見。


 1月6日 曇り  体調・ふつう

 源泉関係の書類を書き終え、昨日から店の棚卸し。
ムーンライダーズ『Istanbul Mambo』
'77年のライダーズ。ジェラシー、週末の恋人、さよならは夜明けの夢に、ビューティコンテスト、女友達(悲しきセクレタリー)、Beep Beep Be オーライ、ウスクダラ、イスタンブール・マンボ、ブラッディマリー、ハバロフスクを訪ねて。これらの曲、よく聴いたな。非常にポップなんだけど、わざと真ん中歩かないバンドだよね。パンクとか、世の動きそっちのけで自分達のサウンドに没頭してる。ポップと言ったけど、まったく個性的。売れてなかったと思うな、当時。今聴いてみると、センチメンタルなライダーズだったね。どの曲も好きだけど、「週末の恋人」は特に好きだな。れいのハース・マルティネスそっくりな感じが、って後になって知ったんだけどね。このアルバムからギターが白井良明に交替。このちょっと前の頃、白井さんは斉藤哲夫のバックで十日町に来たんだよ。その時に今度ムーンライダーズに入りますって話してましたね。


 1月3日 晴れ  体調・ふつう

 好天続きです。スキー場は良かったね。今日はこれからカミさんの実家へ年始に行ってまいりまする。
ムーンライダーズ『Moonriders』
ニューウェイヴ前夜のライダーズ。ヨーロッパ・プログレ趣味の強かった頃のライダーズですね。美メロのライダーズでもあります。武川さんがリード・ヴォーカルをとる「独逸兵のように」なんて甘美官能の世界。このアルバムはムーンライダーズ名義の実質第1作目なんですね。メンバーそれぞれが作品を提出し、それぞれでリード・ヴォーカルしているアルバムであるわけですね。でも歌い方がみんな似ています。これ面白い。バンドの演奏力が高いよね。この頃って演奏力に対する向上心が一番高かったかなって思います。'76年のライダーズ。やっぱり良いなあ。すごくいい。


 1月2日 晴れ  体調・ふつう

 あけましておめでとうございます。今日から普通の日々が始まります。初売りはそんなに忙しくはないんだけど、棚卸しもあるし、源泉徴収の計算書書いて納めなきゃならないし、いつもの帳面仕事があるし、なんかかったるい気分。二日酔いだし。ははは(;´Д`)
鈴木慶一とムーンライダース『火の玉ボーイ』
さてなにから聴こうかなと考えて、大晦日にムーンライダーズ聴いてたら良かったので今年の1発目もライダーズでこのアルバム。'76年リリースで元は鈴木慶一のソロ・アルバムとして制作さてたんだよね。だから演奏者にはライダーズの他にティン・パン・アレイ、ラスト・ショウ、矢野顕子などがいて、今から考えるとじつに贅沢なメンバーです。ライダーズのギターは当時椎名和夫で、彼のソウルっぽいプレイも良かったなって思い出しました。そうそうこの頃はライダースだったな。ズでなくス。憂いを秘めてほのかに甘くちょっとノスタルジックな無国籍風音楽集団を決定的に好きになった記念すべきアルバムだから、どの曲にも愛着がある。特に「髭とルージュとバルコニー」は俺が20代の頃やってたバンド、サンセット・レヴューがテーマ・ソングのように演奏していたカントリー・ロックっぽい曲。「あの娘のラブレター」は車載用編集カセットのいつもトップ曲でしたね。作ってるみんなが楽しんでる遊んでる挑戦してる、そんな雰囲気が充満してる素晴らしいアルバムですよ。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps