●2005●

 4月30日 晴れ  体調・ふつう

 4月最後の日。雪もずいぶんと消えました。積雪が多かったせいか、桜の木がかなり傷んでいます。
Kenny Drew『The Kenny Drew Trio』
" 1956のジャズ " 、今日はピアノ・トリオ。軽快でスウィンギーなケニー・ドリューです。トリオのあとの二人はマイルスのグループでお馴染みのポール・チェンバース(b)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。ハード・バップな時代の熱気を十分に感じさせます。ドリューのピアノ、昨日のマルと違い、そのピアノのタッチは明快明朗ですね。もう " まちがいない " ジャズ・アルバムです。サックスのブロウが無いと上品に聴こえちゃうしね。で、俺は天の邪鬼なので、もっとヘンなジャズを聴きたくなるんですが。


 4月29日 曇り/雨  体調・ふつう

 毎年この日はクリーン行動とか言って、早朝5時半からゴミ・空き缶拾いです。それが終わって6時過ぎた頃から近所の人達と国道沿いにある花壇の準備作業。早朝から働いたせいか、午後からはダラダラと店番中。ジャズが心地よい。
Mal Waldron Quintet『Mal-1』
" 1956のジャズ " 4枚目はマル・ウォルドロン。バラードの「イエスタデイズ」が妖しく美しく素晴らしい。ジジ・グライスのasがクールです。昨日一昨日とハード・バップのブローイング・セッションを楽しんで、今日のはそれプラスちょっと知的です。マルのちょっと煙った温かい音色のピアノは独特で、音数の少なさと独特な和音はモンクを思わせるかな。マルって凄いなと、つくづく思うよ。ミンガスと『直立猿人』、ドルフィーと『ファイブ・スポット』『ザ・クエスト』、ビリー・ホリデイの伴奏をして、そしてあの『レフト・アローン』。マルのピアノって気難しい面も持っていると思うし、まして万人受けするプレイじゃないと思うけど、何故か日本で絶大な人気を誇っているそうです。不思議な感じがするな。俺が大好きなのに・・・。


 4月28日 晴れ  体調・ふつう

 暖かかった1日。車に乗ってたら汗がでてきた。娘が湯だったように帰ってきたよ。
Jackie Mclean『4,5 and 6』
ジャッキー・マクリーンのアルト、大好きです。これも" 1956のジャズ " 。4,5&6ってのはグループの編成です。ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds)、マル・ウォルドロン(p)のスリー・リズムにワン・ホーン、ツウ・ホーンズ、スリー・ホーンズってこと。ドナルド・バード(tp)、ハンク・モブレー(ts)が加わっています。昨日聴いてたダグのソロと同じで、みんな溌剌としたプレイを聴かせてくれます。ジャッキーのスムーズなフレージング、ほんと気持ちいい。その中にあってマルのいつものダークな雰囲気がしぶいね。


 4月26-27日 雨/曇り/晴れ  体調・ふつう

 今週に入って桜が一斉に咲き始めた。残雪の上に咲く満開の桜です。読書は久しぶりの大沢在昌で、初期の『ダブル・トラップ』。大沢で初めて読んだ『標的はひとり』よりも以前の'81年作なんですね。今との作風の違いとかあったら、それはそれで面白そうだ。
Doug Watkins『Watkins At Large』
" 1956のジャズ " です。ベースのダグ・ワトキンスはこの'56年にソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』でも名を上げました。当時22才ですよ。凄い!このアルバムに集まったメンバー、ケニー・バレル(g)が25才、ドナルド・バード(tp)24才、ハンク・モブレー(ts)26才、アート・テイラー(ds)27才で、ちょっと年長デューク・ジョーダン(p)が34才とみな若い。プレイが熱いよね。まさに旬のハード・バップ。こうしたブローイング・セッションこそバップの醍醐味だと思うよ。みんなの溌剌としたプレイが気持ち良い。とくにケニー・バレルが鋭いと感じたな。


 4月25日 晴れ  体調・ふつう

 クラフト・エヴィング商會の本『どこかに○いってしまった○ものたち』『じつは、わたしこういうものです』が届いてしまった。これはたいへんな面白本のようです。
Charlie Mingus『Pithecanthropus Erectus』
俺の音盤棚には" 1956のジャズ " という仕切があります。文字通り1956年に録音されたジャズのレコードが集められています。きっかけは中村とうよう著『大衆音楽の真実』の中に「56年という年が、ジャズ・レコードのもっとも実り多かった年である」という一文に感化されたわけで、じつに単純な動機ですが、何故この一文に気持ちが動いたかと言えば、1956年が俺の生まれた年だからです。確かに'56年の名盤は多いです。このミンガスの『直立猿人』、ソニー・ロリンズの『ソキソフォン・コロッサス』、セロニアス・モンク『ブリリアント・コーナーズ』、マイルス・デイヴィス『クッキン』なんてのは'56年盤ですから。中でもこの『直立猿人』のタイトル曲は凄い!ジャズから飛び出そうって勢いを今でも感じる。しっかりと構成されていて、しかも開放的。ミンガスの手綱さばきの凄さを見せつけた曲ですよ。この解き放たれたエネルギーのほとばしり。これほど圧倒的な音楽はそんなにないよ。やはり時代の産物かな。


 4月24日 晴れ  体調・ふつう

 朝、PTAの廃品回収。空瓶回収なんですが。終わってから神社の、止せばいいのに切り落とされた杉の葉を拾い集めて燃やしました。花粉がもうもうと漂う中での作業、治まっていた花粉症が目を覚まし、くしゃみは出るは目はかゆいはで、こんちくしょー(泣)。
Ry Cooder『Boomer's Story』
思えば、ライ・クーダーに翻訳された古い米国南部の音楽が、俺のアメリカン・ミュージックへの興味をかきたててくれたんですね。これは'72年リリースで3作目の作品。俺が聴いたのが'75年頃かな。この頃はライ・クーダーに取り憑かれていたからね。初来日公演('78)にも行ったし。スライド・ギターもフラットぎみのヴォーカルも大好きだけど、このリズム・アレンジにやられたって感じです。ファンキーなんだよね。まったくジム・ケルトナーは最高のドラマーです!ギター弾くことに熱中していた頃は「マリア・エレナ」や「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」のコピーに挑んだけど、挫折したんだった(根性なし)。ここで聴かれるブラス・ロックとはまったく違ったホーンの使われ方、ブルーグラスとは違ったマンドリンの旋律。今でこそ、これらが南部音楽に根ざしてるって理解できるけど、当時は不思議な感じがしたし、古臭いけど、これって新しいんじゃん?かっこいいじゃん!って捉えていたね。もちろん今でも大好きです。


 4月22日 雨/晴れ  体調・ふつう

 今年の花粉症は長いよな。ひどくはないけどもううんざり。話題の(なのか?)島本理生「ナラタージュ」を読み始めた。学園モノ?恋愛モノ?はたして・・・。本屋で吾妻ひでお『失踪日記』を発見し購入。壮絶な内容を期待。
Wayne's World『Barefoot 7』
ナッシュビルを代表するプレイヤー、ウェイン・モスのソロ・アルバムでしかも新作です。若き日のストラト握った彼の写真でデザインされたジャケットがかっこいい。'60年代〜'70年代に主にスタジオ・ミュージシャンとして活躍、ギターとベースにエンジニアまでやっていた人ですね。そのナッシュビルのスタジオ・マン仲間とエリア・コード615やベアフット・ジェリーといったバンドを結成してアルバムも発表していました。俺としてはカリフォルニアのベイカーズフィールド・サウンドにより愛着があったので、ナッシュビル・サウンドはいまいちだったけど、もちろん嫌いじゃありません。このアルバムにはウェインによる1人多重録音が数曲あります。マルチ・プレイヤーでしかも機械に強い彼ならでは。どちらかと言えばソフトでジェントルな音楽。R&Bルーツを思わせる曲がなかなかいかしてます。さすが南部の男。エレキ、アコギ共にギター・プレイはさりげないのに凄く巧いです。あたりまえだよね。チャーリー・マッコイのブルージーなハープが良い感じです。ベテラン健在!


 4月19-20日 晴れ/雨  体調・ふつう

速攻ノラ・ジョーンズ、東京国際フォーラム4.19
素晴らしく良かった!CDよりもDVDよりもグンと良かった。まさにノラ&ハンサム・バンドの旬を見せつけられたよ。もう速攻で行って来たけど、会場が有楽町駅と東京駅の間にあって(有楽町寄りだけど)東京駅まで歩いて10分てとこだから行き帰りは楽でしたね。ただこの会場、やたらと階段が多いのには閉口したよ。ノラは赤のキャミソール(っていうの?)に黒いロングのフレアスカート、とてもチャーミングで、曲紹介とかけっこうお喋りでした。ハンサム・バンドはお馴染みのメンツで、リー・アレキサンダー(b)、アンドリュー・ボーガー(ds)、ロビー・マッキントッシュ(g)、アダム・レヴィ(g)、ダルー・オダ(bgvo.フルート)。メンバーもライブの構成もDVDで見たのと同じ感じだったけど、それ以上にすべてがパワーアップしていましたね。元プリテンダーズ、ロビーのスライド・ギターは思ってた以上に巧かったし、ロックっぽい曲ではバンドが凄くパワフルな演奏をしてくれて嬉しかった。DVDで知っていたから驚かなかったけど、ノラとバンドが敬愛するザ・バンドの「ライフ・イズ・ア・カーニバル」、そしてグラム・パーソンズの曲などを演奏して、オールド・ロック・ファンをも喜ばせる内容でしたね。トム・ウェイツの曲もやってたね。そうそうあのエスニック柄(かな?)の布がかけられたウーリッツァーがいい味(音)出していました。あっそうだ、ハンド・マイク持って気持ちよさそうにリズムに身を任せて踊って歌ってるノラの足下、裸足でしたよ。ハイヒールより似合ってると思いました。


 4月18日 晴れ  体調・ふつう

 中国といい韓国といい騒音女といい隣人との付き合い方には細心の気遣いが必要だ。単純に好き嫌いの問題で片付けられないしね。しかし中国ねえ、もう一党独裁に無理が見えてきてるんじゃないかな。国内の鬱積した不満を反日に転化してるようにも見えるし、そんな中国側に口実を提供し続けている小泉も困ったものだ。
V.A.『Just Because I'm A Woman
          Songs Of Dolly Parton』
素晴らしい!みんな素晴らしい。割り切り良く明快で気持ち良い。アリソン・クラウス、メリサ・エスリッジ、ノラ・ジョーンズ、ジョアン・オズボーン、シェルビー・リン、エミルー・ハリス、シャナイア・トゥエイン、シニード・オコナー、ミッシェル・ンデゲオチェロなど実力者が揃い、良い感じで歌っています。1曲目アリソン・クラウスの演奏がリトル・フィートに似ていてかっこいい。ノラはいつものバック・バンドで彼女の世界を違和感なく創り出しています。エミルー・ハリスは伸び伸びと歌い素敵です。シャニア歌う「コートはカラフル」は大好きな曲だしね。演奏者の中にはジェリー・ダグラス、ソニー・ランドレスというスライドの名手もいて、スライド好きとしても大満足。ラストのタイトル・ナンバーはドリー本人が歌っています。ここではレジー・ヤングがギターを弾いていて、こうして聴いているとサザン・ソウル・バラードとの共通性が感じられて嬉しいというか納得です。


 4月17日 晴れ/曇り/小雨/曇り  体調・ふつう

 快晴の日曜日と思いきや午後から怪しい雲行き。ムラの評議委員会は午前で終了。岡留安則『『噂の眞相』25年戦記』に向かう。『噂の眞相』は創刊から数年はマメに読んでいた雑誌でした。なんとなくキタナイ紙面にアブナイことが書いてあって好きでした。
ボンデージフルーツ『ボンデージフルーツ6』
おっさん達のプログレ・エスノ・ジャズ・ロック!う〜ん凄い!高良久美子(ヴィブラフォン)、勝井祐二(ヴァイオリン)、鬼怒無月(g)、岡部洋一(ds)、大坪寛彦(b)による目眩く演奏。ROVO、渋さ、ペル・フル、ONJO(大友良英)といったグループにも属していて、たいへん精力的な人達です。シーケンス・リフのように繰り返されるヴィブラフォンにリズム隊が乱入し、その上を鋭角的なギターとヴァイオリンが遊び回る、そんな感じ。鬼怒のギターが刺激的だ。緻密に構成された音楽だけど、その表情は楽しく親しみがわく。突如鳴り出すブッといスライド・ギターには驚いたけど、デュエイン・オールマンが異界に迷い込み奮闘しているようで面白い。


 4月16日 晴れ  体調・ふつう

 快晴の土曜日。子供達が外で遊んでる。今夜は地区PTAの歓送迎会つまり飲み会です。
ジャングル・ホップ『Do The Jungle Hop』
おっさん達のファンク・ブルース!文句なしにかっこいい!ローラーコースターなどのバンド活動の他、ブルース評論や教則ビデオでお馴染みの小出斉(g.vo)と石川二三夫(vo.ハーモニカ)。ボ・ガンボス、スウィンギン・バッパーズ他で活躍したリズム・マスター岡地曙裕(ds)。元爆風スランプの腕利きファンキー江川ほーじん(b)。この強力な4人組みは2003年から活動していて、これが彼等のデビュー・アルバムだそうだ。溌剌とした演奏が気持ちいい。岡地さんが俺も愛用のマディー・ウォーターズTシャツを着ているぞ。がんばれ!って?ははは。


 4月14-15日 晴れ  体調・ふつう

 『カーマロカ』(三雲岳斗)に興奮。ちょうど半分読み進んだとこだけど、これは面白い骨太伝記ロマンです。中身は平将門異聞です。そういえば『帝都物語』には将門の首塚が出てきたっけ。その首塚は千代田区大手町1-1-1にあるのだ。おお〜!感嘆。さて、今日はこれから小学校PTAの運営委員会。旧役員としての出席で、これで役員仕事は終了。また何処かで何かの役員仕事が回ってくるでしょう。
Al Kooper『Naked Songs』
邦題『赤心の歌』の方が通りが良いかな。じつに良い邦題です。前のティム・ハーデンのアルバムと比べちゃうんだけど、どちらも幅広い音楽性が背景にあるんだよ。で、何が違うかというとプロデュースの能力って気がする。アル・クーパーはじつに巧み。ティムのは奥歯に物が挟まった感じがしてスッキリしないんだよ、これジョー・ザビヌルが絡んだアルバムはそんな感じが多い。アルは質を落とさずに売れるものを作り出す才人なんです。トッド・ラングレンに似たとこあるよな。これは'72年の作品で、作詞作曲、ヴォーカル、ピアノ、オルガン、シンセ、リード・ギターとマルチに才能を発揮しています。2曲目でプレイされる泣きのギターなんか一瞬マイク・ブルームフィールド?って感じでノケゾリますよ。やはりこの人、ツボの押さえ方が上手い。


 4月13日 雨/曇り/雨  体調・ふつう

 映画『スウィング・ガールズ』を見た。上野樹里モノ(ジャンル付け)では『ジョゼと虎と魚たち』『チルソクの夏』に次いで3作目。ジョゼ、チルソクに比べると陰影に乏しくTV青春ドラマって感じがした。好感の持てる楽しい映画だったけどね。ジョゼは池脇千鶴の演技が凄かったし、チルソクでは山本穣二の背中に哀感が張り付いていてドラマが深かったな。
Tim Hardin『Bird On A Wire』
昨日のトニー・コジネクと一緒に買った紙ジャケ再発盤。『電線の鳥』として名盤の誉れ高いアルバムですが、俺は持っていなかったしどうも初めて聴くような気がします。むか〜し聴いて印象に残っていないって事もありますが。この中途半端なサウンドに馴染めなかったのかも知れません。ん?これ借りて聴いたことありました。フォークでもソウルでもジャズでもロックでもあるような無いような音楽だよな。ジョー・ザビヌルって苦手だし(キライかは未だに保留)。やっぱりこの歌声に魅力を感じないな。タイトル曲、レナード・コーエンの「Bird On A Wire」は良い曲だね。


 4月12日 晴れ/曇り/雨  体調・ふつう

 『コーネルの箱』が届いた。思わず、素敵じゃん、とつぶやいた。ぱらぱらとめくり読みしてみた。そうか、こうゆう本だったか。いつも身近に置いて、ぱらぱらと繰り返し読んでいたくなる本だね。『コーネルの箱』チャールズ・シミック、柴田元幸=訳(文藝春秋)。この本のことを教えてくれた、かねちゃんありがとう。
Tony Kosinec『Bad Girl Songs』
ん?「心優しきアメリカン・ドリーマーに贈るロック名盤20選〜イッツ・ア・ビューティフル・ロック・デイ・シリーズ」だって。ダサいシリーズ名だな。こんな帯取ってジャケット全部見せてくれた方が良いのに。ジャケット最高です。'70年代からの " 幻の名盤 " ファンなら知らぬ者のない音盤ですよね。紙ジャケ・デジタルリマスターは嬉しいけどボーナス・トラックは無し。カナダ出身トニー・コジネクの'70年アルバム。プロデュースはピーター・アッシャーだったね。優しい歌声にきれいなメロディーに内省的な詞、慎ましくも的確な伴奏。ラス・カンケルのドラムは流石です。あの頃はこうした名盤が多く登場した時代だったな、と今にして思う。


 4月10-11日 晴れ/曇り  体調・ふつう

 昨日の日曜はムラの総会。予想された混乱も無く終わる。井上荒野『しかたのない水』を読み始める。このアレノさんの父親は井上光晴だという。才能は遺伝するようだ。開花するかどうかは別として。
Sigh Boat『Sigh Boat』
歌は内田也哉子だ。内田裕也と樹木希林の娘。もっくんの奥さんだっけ?その内田也哉子と鈴木正人と渡邊琢磨によるユニットのデビュー作。生音主体のサウンドに鼻歌っぽい歌声。しゃれた音楽だと思う。詞は1曲(ブライアン・イーノ作)以外すべて内田の作ですべて英語で歌われる。フレンチだったりボサノバだったりの趣も感じとれる。感じは良いんだけど、俺はもう少し明快な音楽が好きだな。


 4月8-9日 晴れ  体調・ふつう、くしゃみ鼻水目のかゆみ

 今日も(毎日だね)花粉症がひどいなあ。昨夜は友達4人で焼酎お湯割りをガンガンと飲んだ。なのに朝はすっきりだった。焼酎ってヌケがいいのかな?堀江敏幸さんは馬が好きなようで(古書も好きみたい)『いつか王子駅で』の中には馬と競馬にまつわる話が挿入されていて、その部分に作者の素顔が垣間見えた気がしました。『スーホの白い馬』は家にあったので早速読みました。
Beck『Guero』
「ベックといったらジェフ・ベックだろ!」とついツッコミを入れたがるオールド・ロック親父です。このベックの新作、ベックらしいベックです。ってあたりまえか。どこかチープでジャンクなんだけど骨組みがしっかりしてる。ベックのアルバムって一度聴いて即好きになるってことはないんです。最初はナニ?コレ?っていつも思うんだけど、繰り返して聴いてるうちに好きになってるんですね。意外にメロディーが良かったり、そのサウンドの隙間にオールド・ロック・ファンやルーツ・ミュージック・マニアを喜ばす仕掛けがあったりして。頭の良い少年が丁寧に作り上げた箱庭的なところも俺は好きだな。このジャケット他の絵がなんだかブキミに感じた。


 4月7日 雨/晴れ  体調・ふつう、くしゃみ鼻水目のかゆみ

 今日も花粉症がひどいなあ。堀江敏幸の『雪沼とその周辺』『いつか王子駅で』を淡々と読む。王子駅のあたり、かつて友人が東十条に住んでいた頃よく遊びに行ってたので、あのヘンのハイカラでもイキでもない東京が懐かしい。2篇とも普通の人々の物語なれど、「普通」に生きてる人なんか何処にもいないという物語(乱暴な感想だね)。こうした小説、若い頃は苦手だったけど、ようやく読めるようになったよ。静かに淡々とね。
大滝詠一『Niagara Moon 30th Anniversary』
当然'75年エレック盤を愛聴してました。このアルバムは俺にとってニューオリンズ・ミュージックへの扉であり、ファンク(ファンキー)・ミュージックを身近なものとしてくれた、俺の音楽人生(大袈裟w)における最重要音盤であります。オホン。曲名にマーチだのルンバ、メレンゲ、ストラットが付けられている通り、本盤はリズムの玉手箱でしたね。でね、例えばこの中のカリブの島々のリズム(音楽)は現地調達でなくって、いったんニューオリンズに陸揚げされ加工されたモノだってのがミソなんですね。ニューオリンズ風ごった煮音盤なわけです。まあ薄味ですがシャープな味付けだと思います。演奏は林立夫(ds)、細野晴臣(b)、鈴木茂(g)、佐藤博(p)、この4人が基本セット。これに松任谷正隆、伊藤銀次、上原裕、今井裕、キングトーンズ(いつも夢中!)などが曲によって参加している。当時も思ったし、今もそう思うけど、もの凄い演奏だよ。茂君(馴れ馴れしく)のファンキーなギターにチッキン・ピッキンなソロに、もう最高です。茂君日本一!! 「楽しい夜更かし」した頃が懐かしいなあ。


 4月6日 晴れ  体調・ふつう、くしゃみ鼻水目のかゆみ

 今日は朝から花粉症の症状らしきものにやられている。集中力散漫。家の中でじっとしていれば楽なんだろうがそうもいかないし。早く終わらないかな。
 娘は今日から3年生。新しい担任は大島先生です。知ってる先生なのでちょっとホッとした。
大滝詠一『Niagara Moon 30th Anniversary』
ついに出た〜!今回はリミックスも福生スタジオです。 マスタリング・エンジニアはもちろん笛吹銅次(大瀧詠一)であります。「30年かかって戻ってきた。・・・《場所》、は大事ですね。」と大瀧師匠は語っておられます。
 花粉症だし仕事が忙しかったので、あすにつづく。


 4月5日 晴れ  体調・ふつう

 昨夜は届いたばかりの「ラジコンバトル ムシキング」で娘と遊んだ。カブトムシとコーカサスオオカブトでバトル。厚い雑誌を土俵がわりに、落ちた(落とされた)方が負けってルールで遊んだ。相手の側面に回って角で相手の体をチョイ持ち上げて押し出しって戦法が効果的で面白かった。しかしなんだな、いいのか俺はこんなで・・・。
John Miller『Hey There』
ギター弾き語りアコースティック・スウィングですね。巧いなあギター。'04年の作品で、25年ぶりの新作だそうです。このところアコギのテクニカルなプレイヤーが注目を浴びてるけど、こうした地味なベテランがようやく認められて良かったよね。押尾コータローのようにルックスが良くないから、日本じゃそう話題には上らないかな。感じ良いけど、もうちょっとアクが強いのが俺好み。


 4月3日 曇り/小雨  体調・ふつう

 ムラの新区長がドタキャン!ありかよ〜こんなの!昨夜はその件で緊急評議委員会。自分の意見が通らないからといって「じゃあヤメタ」。これ子供会じゃなくて集落自治会内の出来事。困った大人はそこいら中にいるのだろうが、初めて身近で見たよ。
V.A.『高田渡トリビュート』
じつに味わい深いタカダワタル的な音盤ですね。斉藤哲夫、村上律、大庭珍太、なぎら健壱、柄本明、中川五郎、シバ、アーリータイムスストリングスバンド、中川イサト、佐久間順平、いとうたかお、佐藤GWAN博、山崎ハコ、大塚まさじ、そしてご本人が歌っています。誰が歌ってもタカダワタル的に聴こえるのは御本人が思ってる以上にタカダワタル的は確固たるモノなんだね。誰もが渡さんのようには暮らせないだろうが、その歌は確実に伝染しています。間違って四畳半フォークのように言われるけど、渡さんの歌は風通しが良いし、じつはモダンだったりするのだ。本盤のめっけモンは山崎ハコ。ジャック・プレヴェール詞(訳詞だけど)「フィエスタ」をファドな感じの伴奏で歌っていて、その相変わらずの寂しげな抒情で存在感ありでした。大塚まさじの声はいつ聴いても " 沁みるぞ〜" って歌声です。せっかくの企画、次は(あるとしたら)もっと若い人達に高田渡を歌って欲しいな。


 4月2日 晴れ  体調・ふつう、目がかゆい

 羽太雄平『百万石秘訓伝説』は『本多の狐』の続編のような気がする。読みたい!山本東次郎・近藤ようこ著『中・高生のための狂言入門』にも惹かれるなあ。昨日から堀江敏幸『雪沼とその周辺』を読み始めた。
Rowland Salley『Killing The Blues』
ロウランド・サリーの名に憶えがなくとも、マッド・エイカーズ収録の「Killing The Blues」なら知ってるって人はいるはず。古くからのシンガー・ソングライター・ファンならね。'77年マッドエイカーズの2作目にロリー・サリーとして歌われたこの曲は、俺も好きで時折聴いていました。ブルーグラスじゃないんだけど、ハイ・ロンサムな感じの切々とした味わい深い曲でしたね。そのローランド・サリーがようやく発表したソロ・アルバムです。2003年Made in Canadaです。カナダ人だったのか?。全曲自作で良い曲揃いです。フォーク、ブルース、R&Bをルーツとした、正攻法のシンガー・ソングライター・アルバムです。歌声が渋くてまったく俺好み。京都プー横丁の推薦盤でした。ありがとうプーさん。


 4月1日 晴れ  体調・ふつう

 4月1日晴れ!って良い感じだ。そしてエイプリルフールだ。子供の頃は「四月バカ」と言っていた。「四月バカ」って言い方はないだろ〜って今は思う。
Crosby, Stills, Nash & Young『4 Way Street』
これはリリースされた'71年に買った。15才の時だね。文字通り擦り切れる程夢中で聴いた音盤だ。もちろんLPだよ。まだLP5枚位しか持っていない頃だったから1枚1枚一生懸命に聴いてたよ。このアルバムなんか針飛びの箇所が頭に記憶されてるからCDを聴いていても「あっ飛ぶっ」って思っちゃう(笑)。今にして思えば、このアルバムから俺のロック人生(笑)は始まったと言っても過言ではない!(大袈裟に〜)。アコギでかっこよくロックができる事を知ったし、歌えるギター・ソロ(サザン・マン)を知ったし、社会問題を歌ってヒットすることを知ったし、オープン・チューニングの存在を知ったし、マーチンD45を知ったし、なによりデイヴィッド・クロスビー、スティヴン・スティルス、グレアム・ナッシュ、ニール・ヤングという素晴らしいミュージシャンを知ることができた。30数年経った今の耳で聴いても、この音楽は色褪せていないし、と言うより今巷に溢れている音楽よりも美しく切実で力強くかっこいい。オン・ザ・ウェイ・ホーム、ティーチ・ユア・チルドレン、カウガール・イン・ザ・サンド、愛への讃歌、ロング・タイム・ゴーン、サザン・マン、オハイオ、キャリー・オン、自由の値など、すべてロック史に残る名曲だよ。15才の時『イージー・ライダー』(十日町松竹にハーレーが飾ってあった!)『いちご白書』を観てショックを受け、『4 Way Street』を夜中にヘッドフォンでガンガンと聴きまくっていた・・・。そうだ、やはりここから俺のロックが始まってる。俺の無人島レコードだと再確認もできたぜ。


前月の音盤日記(白地は音盤BANBAN)
 2005.
1月 2月 3月
 2004.
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
 2003.
1月 4月 「音盤日記」9-10月 11月 12月
 2002.
1月 2-3月 4月 5-6月 7月 8-9月 10.11.12月
 2001.
1-2月 3-4月 5月 6-7月 8-9月 10-11月 12月
 
2000.
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10-11月 12
 1999.
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps