●2005●

 5月30-31日 晴れ/雨/曇り  体調・ふつう

 このところ、暑さ寒さの波状攻撃で着たり脱いだりが忙しい。家の裏に広がる水田は、あっという間に田植えが終わってました。稲作もすっかり機械化されて、昔のような家族親戚総出の賑やかな田植えの風景は見られなくなりました。ムラの店屋としては昔の賑やかな田植えの方が商売になったんだけどねえ。
V.A.『Boycott Rhythm Machine』
一昨年のフジ・ロックで初めてROVOのステージに接して、そのバンドから放たれる波動、単にリズムともメロディーとも呼べない音響の波動に圧倒され、その波動に合わせて憑かれたように身体を揺らす多くの若者達を目の前にした時、ハハ〜ン、こんな風な音楽の感じ方もあるのか、と田舎のオールド・ロックおじさんは感じたのだった。なんかね、音響浴って感じだったよ。本盤収録アーティストはそんな日本を代表する音響浴系のみなさんだ。お馴染み「渋さ知らズ」がその抒情ゆえ往年のフリー・ジャズを感じさせてますが、他のバンド「デート・コース・ペンタゴン・・・」「大友良英's N.J.O.」「ヴィンセント・アトミクス」「ROVO」などは、細分化されたリズムあるいはパルスと浮遊する不安定なメロディーが抽象的な絵画や映像を思わせ、これを大音響で浴びせられたら、これこそ現代のアシッド・テスト、サイケデリック・ミュージックだな、などと思いながら聴いてました。


 5月26-27日 晴れ/曇り/雨  体調・ふつう

 今年の40冊目は沼田まほかる『九月が永遠に続けば』。例年になく良いペースだな。さて、明日は運動会。去年みたいな役員仕事のないタダのお父さんだから気が楽です。まあ最初から最後までつき合ってもいられないしね。車停める所を探すのもめんどうだからバイクで行こうかな。晴れると良いね。今カミナリ鳴ってるよ。
Chuck Rainey『The Chuck Rainey Coalition』
チャック・レイニー連合です。紙ジャケ再発モノです。録音は'69年。今にして思えば(横溝正史風w)フュージョン・ブームの先駆けだったアルバムだよね。バックははコーネル・デュプリー、エリック・ゲイル、リチャード・ティー、バーナード・パーディー他主にアトランティック・ソウルのスタジオ・ミュージシャンとして活躍していたお馴染みの面々です。その後の凄いプレイを耳タコで聴いているから、今更驚くこともないんだけど、スタックスのMG'sとかR&Bインスト・バンドの発展型として昔から親しんでいたサウンドです。チャック・レイニーのタフな指さばきに乾杯!


 5月25日 晴れ  体調・ふつう

 森絵都『いつかパラソルの下で』、角田光代『 人生ベストテン』、川上弘美『古道具 中野商店』の3冊がアマゾンから届いた。そこでだ、今日はカミさんの誕生日なのである。ナニもあげるモノがないのでこの3冊をプレゼントとしよう。う〜ん・・・まあ〜いいだろ。
Wah Wah Watson『Elementary』
♪ cry baby 〜 cry baby 〜 のワー・ワー・ワトソンです。'76年に買い忘れて以来ようやく手に入れました。Wah Wah ってエレキ・ギターのエフェクターのワウ・ワウなんですよ。つまりワトソンさんはワウワウ職人なんです。じゃあワウワウがもの凄く巧いかと言うと、そうでもないと思うんだよね。俺が考えるに、ワウワウが凄く好きなワトソンさんてことかな。もちろんスタジオ・ミュージシャンだからギターは巧いし、とくにリズム・カッティングはかっこいいよ。当時の売れっ子(ていうか)スタジオ・マンが多数参加してます。ジョー・サンプル、デイヴ・グルーシン、御大ハービー・ハンンコック、アーニー・ワッツ、レイ・パーカー・jr、デヴィッド・T・ウォーカーなどと、ドラムはほとんどオリー・ブラウンかな。ベース・マンが曲のタイプで違っていて、アップテンポなファンクはルイス・ジョンソン。ミディアムなファンクはウィーリー・ウィークス。ミディアムからスローなバラードはウィルトン・フェルダーとジェイムス・ジェマースン。とまあ豪華な布陣です。「Cry Baby」タイプのファンク・チューンは面白くてかっこいいけど、時代を反映してディスコ〜ブラコン系の曲も多くて・・・。本人がファルセットで歌っているしね。まあゴキゲンなサウンドで満足ですよ。


 5月23-24日 晴れ/雨/曇り  体調・ふつう

 昨日とうって変わって今日は寒い。WEBサイトでPBG4チタン用内蔵スーパーディスクを発見したんだけどサイフがお寒い状態なので・・・てんてんてん。
Richard Thompson『Live From Austin Tx』CD&DVD
オースティン・テキサスのリチャード・トンプソン!2001年ライブです。バックにはミッシェル・ジェローム(ds)そして盟友ダニー・トンプソン(upright bass)。店内でCDを聴き、昨夜はDVDに興奮。DVDの方が音が良いし、なにより動きや表情が見えて嬉しいよね。このCD&DVDは友人hiroさんがAir Mailで取り寄せてくれたものです。この数年のRTモノは全てhiroさん経由だなあ。感謝です。2001年と言えば!忘れもしない2月、渋谷で俺とhiroさんはRTと握手を交わしたんだよ!そう、RTのライブに行って大感動したんだっけ。つまり本盤は、俺達を感動させた同時期のライブなんですよ。渋谷ではソロでアコギの弾き語りだったけどね。張りがあり力強く深くノドぢからを感じさせる歌声。独特のフィンガー・ピッキングにより弾き出される表情豊かなギター・プレイは、まさにギター・ウィザード!。DVDで見るとけっこうヘンなチョーキングを多用してるんだよね。巧すぎてまったく参考になりません(お手上げ)。黒人ドラマー、ジェロームさんはブラシを使ったりで柔軟なドラミング。初めてその動く姿を目にしたupright bassのダニー・トンプソン。ペンタングルからの長く豊かなキャリアを思わせ貫禄充分。巧いしなによりRTとの意気がぴったりとじつに良い感じだ。ときおり聴かせるソロは流石ジャズ仕込み。こんなRTトリオ(+息子テディ、さらに+元妻リンダだったら卒倒モノだ)、嗚呼日本で見たいよなあ。麻田浩さんお願いします!


 5月21日 晴れ  体調・ふつう

 牛にひかれて善光寺。家族3人で善光寺参りをしてきました。しかも飯山線で。車の方がずっと早いけど、わざわざ飯山線てのが" 旅気分 " には必要かと思いまして(笑)。十数年ぶりに乗った飯山線ですが、津南駅に来たそいつはたったの1両でした。そこで、娘にこの乗り物のことを何と教えたら良いのか考えましたよ。電車じゃないし列車とも呼べないしなあ。JRではどう呼んでるのでしょう?ともあれ、長野駅まで2時間と鈍行でしたねえ。おやつ・飲み物・本・iPodがあったので退屈ではなかったけどね。
 長野は暑かった。善光寺まで約30分歩いて、門前のレストランで昼食。メニューを開くとそこに☆池波正太郎先生お薦め☆(正確な表現じゃありません)の一品「特選ビフテキ定食」というのがありまして、ここまで来て食べずに帰ってなるものかと美味しくいただいたのでございます(笑)。
 善光寺ではあの有名な(坂東真砂子の恐い小説にも登場した)「お戒壇巡り」をしてきました。ちょうど俺の前に入ったのが若いカップルで、中はホント真っ暗で一寸先も見えず、伸ばした手の先がその女性に触れて痴漢に間違われたらどうしようなどと考えながら(御本尊様の真下で)ワクワクしつつ厳かに?巡りました。
 善光寺隣の長野県信濃美術館・東山魁夷館では「特別展 東山魁夷の世界」展を開催中で、勿論鑑賞してきました。偉大な画家は光の捉え方が優れているなとうっとり。イラスト風な小品も素晴らしく、偉大な画家は何を描いても絵になるなあ、と凡人らしい感想しかでてこない俺が哀しいぜ。わっはっはっはっはっ。
 ということで本日は「牛にひかれて善光寺」の巻でした。
【補足】「牛にひかれて善光寺」→昔、不信心で欲張りな婆さんが、どこからか現れた牛の導きによって善光寺を参拝し、すっかり改心を果たしたとさ、という伝説からきています。とさ。
Misia「虹のラララ」
今回の旅の歌です。アルバム『Singer For Singer』の中で一番好きな歌です。♪〜しましま模様〜♪の歌い方がとても気に入ってます。♪〜辿り着きたいその場所は 1人じゃ意味がない ラララ〜ずっと側で ラララ〜君の側で〜♪ 青空、新緑、千曲川がずっと一緒の旅でした。 


 5月19-20日 晴れ  体調・ふつう

 『エレキな春』が届いた。勘違いだった。エレキ(ギター)でなくてエレキ(テル)な春だった。まあ面白そう(くだらなくて)で好きですが。でも川上弘美はこの『エレキ...』のどこが素敵だったのか?想像しながら読んでみようか。澁谷由里『馬賊で見る「満州」張作霖のあゆんだ道』も読み始めた。
V.A.『Remembering Patsy Cline』
本年リリースのパッツィ・クライン・トリビュート盤です。歌い手はすべて女性シンガー。ナタリー・コール、ノラ・ジョーンズ、エイミー・グラント、ダイアナ・クラール、ミッシェル・ブランチ、k.d.ラングなどです。パッツィ・クラインはカントリー・シンガーなんだけど、というよりカントリーの女王様と呼ばれたりもする大スターなんですが、甘い感じのポピュラー・ソングが多くてちょっと苦手でした。きらいじゃないんだけど。このアルバムもそのパッツィの音楽性を反映しているのか、やはり甘くロマンティックな仕上がりになっています。ナッシュビルのミュージシャンが多く起用されているようですが、カントリーな感じというよりジャズと言った方が近い感じ。どーもイマイチ。


 5月18日 曇り/小雨  体調・ふつう

 『エレキな春』が読みたい!しりあがり寿の漫画らしい。タイトルにやられたね。川上弘美の『ゆっくりさよならをとなえる』の中でこの " エレキ " のこと、素敵と書いてありましたよ。
Bert Jansch『The River Sessions』
こんな曇り空の日の、暇な店の中で聴いているのがぴったりな音楽。鈍色の音楽。あっあの、気持ちが沈むとかじゃなくて、シブ〜イって意味でね。気のせいか英国の弾き語り人達の歌声にはキビシサのようなものが漂っているようです。ユルさが無いというか。リチャード・トンプソンもそんな感じだし。バート・ヤンンシュのこのアルバムは'74年ペンタングル解散直後のソロ・ツアー、グラスゴーでの収録とあります。バートと言ったらアコギの名手、フィンガー・ピッキングの達人として有名で、俺もその面でしか認識していなかったのですが、彼は素晴らしいシンガー&ソングライターでもあるんですね。凄い!。そのギター・プレイ、名手とか達人とかそんな形容じゃ済まされない骨太な凄みを感じさせるプレイです。その上味わい深い歌い手でもあるんですね。一説によるとちょっとヤサグレた感じがセクシーで、女性によくモテる男なんだってね。くっそ〜憧れるなあ。


 5月15-16日 晴れ/雨/曇り  体調・ふつう

 15日午前はムラの道普請で泥上げ。マジで疲れた。こうゆう作業は疲れる程やっちゃいけないよな。16日、早朝20分で山川方夫の名作の誉れ高い短編『夏の葬列』を読んだ。鮮烈な物語でした。次の本は折口信夫『かぶき讃』。思っていたより読みやすい。
JB『ルリパキダンス』
少年っぽい、それでいて可愛くてきれいな女性が登場する芝居を観たことがある。何だったか思い出せないんだけど(女性だけだったから劇団「青い鳥」かな?)、素晴らしく魅力的だった。このアルバムを聴いていてそのことを思い出した。女性が " 君 " と歌っているからかな。JBのJは " ふちがみとふなと " の渕上純子。Bはラブジョイのbikke。このふたりの女性が歌・ピアノ・ギター・ドラムスと全てをこなして出来上がったアルバムです。bikkeは元アーント・サリーのギタリスト、ということは、かなりのキャリアの持ち主ですね。なのになのに、ここで聴かれるピュアな音楽はどうしたことだ!そんな若くない(ごめん)女性ふたりが、まるで修学旅行の旅館の枕投げのような楽しさで歌うD・ボウイの「スターマン」を聴いてると、無性に嬉しくなるよ。" ふちふな " でお馴染みの「ヘブン」は、ここでも心地よく収まっているね。bikkeが歌う「にんじん」は泣きたくなるほど美しいな。俺の隠されていたツボがツンツン刺激されています。あ〜も〜まいりました。かんべんしてくださ〜い。


 5月14日 晴れ  体調・ふつう

 【報告】昨日わたくし、ニール・ヤングのHDCDがMacに読み込まれずiPodに入れられない(怒怒怒)と書きました。HDCDを吐き出しやがったのはPBG4チタン+OSX(豹)でした。今日は試しにと店のeMac+OSX(虎)のお皿に置いたら、おいしいゴックンと飲み込みました。めでたし。
V.A.『Beautiful Dreamer
     〜 The Songs of Stephen Foster』
2004年制作スティーブン・フォスター・トリビュート・アルバムです。輸入盤でしかも読みづらい字体なのでデータ的な事はチンプンカンプンです。「ビューティフル・ドリーマー」「オー・スザンナ」「スワニー・リバー」「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」などの有名曲を、アリソン・クラウス、ヨーヨー・マ、ジョン・プライン、メイヴィス・スティープル、ロン・セクススミス、ロジャー・マッギン他参加で、だいたいは原曲の雰囲気どおりにやっています(と思います)。ひとりヘンリー・カイザー(ヘンリー貝沢という日系二世のおじさんです。ウソですw)がブースト・サウンド・ギターで異色です。でもこのカイザーの演奏はなかなか良いです。フォスターが1800年代中頃に作った歌が、米国音楽史にどのように位置づけられているのかは知らないけど、ここで聴かれる歌はコテコテのアメリカン・ポピュラー・ミュージックです。どちらかと言えばカントリー・ミュージック。まあひとつの基本でしょうか。


 5月12-13日 曇り/雨/曇り  体調・ふつう

 グスタフ・クリムトの有名な絵の数点は知っています。「接吻」のジグソーパズルもあります(カミさんの嫁入り道具のひとつとして飾ってありますw)。でも彼が大の猫好きとは知らなかったな。絵本『クリムトと猫』は、クリムトに愛された猫から見たご主人様(クリムト)のお話し。話も面白いけど、なによりオクタヴィア・モナコによる絵が素晴らしい!
Neil Young『Greatest Hits』
ベスト盤で済ませようなんざニール・ヤング・ファンの風上にも置けない奴、と叱る声が聞こえてきますが、わたしゃ買いましたよ、だって便利なんだもん。ベスト盤てのはカーステ用につい買ってしまいます。今はiPodを車載にして利用、これが凄く便利なんですよ。ところがだ(怒)この盤ときたらiPodに収録ができない(怒怒)。HDCDというやつなんですね。ちぇっしくじったぜ!まあそれは置いといて、やっぱニール・ヤングは別格に良いね。あたりまえだけど。このままずっと毎日聴いていたいね。'70年代前半にこのヤング、クロスビー、スティルス、ナッシュ達、そしてジェイムス・テイラー、サイモン&ガーファンクル、エルトン・ジョン、ジョニ・ミッチェル、ローラ・ニーロもちろんボブ・ディランと、こうした所謂シンガー&ソングライター達を聴いて感動した身としては、その後にどんな新人が登場して来てもイマイチに感じてしまうんですね。感性硬化と言われてもしかたないけどね(苦笑)。巧くないのに納得させられ感動させられたニール・ヤングのエレキ・ギターのソロ。これが俺にとってのロック入門、エレキ開眼みたいなものだったから、テクニカルなプレイへの興味って持てなかったな。ギター弾きにとってそれが良かったのか悪かったのか(苦笑)、なんてぜんぜん後悔してないけどね。それにしても「ライク・ア・ハリケーン」のギター・ソロときたら、あのピシャピシャと濡れたリバーブ音ときたら、もう拍手喝采!たのむ、また日本でガンガンやってくれ〜!!!


 5月10-11日 曇り/晴れ  体調・ふつう

 隆慶一郎『駆込寺蔭始末』に続き平岩弓枝の『初春弁才船〜御宿かわせみ』を読んでます。同じ江戸の市井モノでも、肌ざわりはずいぶんと違うものです。ごつごつとした隆さんにまろやかな平岩さん。まあこのまろやかさ、人気シリーズ『御宿かわせみ』ならではのお馴染み感といいましょうか、読むこちら側がその舞台とレギュラー出演者(笑)に親近感を憶えているが故ですが。
ONJO『大友良英's New Jazz Orchestra』
音響工作家と何処かの雑誌で書かれていた大友良英。今回はなにやら箱庭的に思え、そこに人(音)がたくさんなので、息苦しさを感じたりもする。期待の浜田真理子も、唄ではなく「声」の参加です。ONJQは" 真っ当にJAZZをやってみました " って感じで、こっちも " あれっほんと、JAZZやってるよ " と楽しめました。本作がその延長線上の作品と勝手に期待した俺が悪かったようです。'70年からこっち、日本は世界屈指のフリー・インプロバイザー大国なんです。だから驚きや違和感はないけど、本作はまだシックリこないなあ。店番しながら聴いちゃいけないんだよなきっと。


 5月8-9日 晴れ/曇り  体調・ふつう

 道普請の下見でムラ中を回ってみたけど、山際の日陰の所にはまだ雪が残っていましたね。読書は隆慶一郎『駆込寺蔭始末』。面白くてあっという間に終わっちゃったよ。隆さん得意の「無縁・公界」モノです。相変わらず主人公が強すぎます(笑)。
Kali『Racines』
Alexandre Stellio『Et Son Orchestre Creole』
この前吉祥寺で友人タマちゃんが「TVで東南アジアのリゾートを写すとBGMは何故かカリが多いんですよ」って話になって、思い出してカリを聴いています。マルチニークの古い音楽を見事に甦らせた名盤『ラシーヌ』、そしてせっかくだから'30年代のパリでビギンを流行らせたアレクサンドル・ステリオの音楽も聴いてみました。ステリオも勿論マルチニークの人でクラリネット奏者で作曲家。彼の踊るようなクラリネットの音色はジャズともクラシックとも違った独特な美しさがあります。ビギンは元々マルチニークに古くからあった舞踏音楽で、これをステリオが復興しそして流行が去り、その後廃れていたビギンなどの古い音楽に光を当てたのがカリの'89年盤『ラシーヌ』だったんですね。カリは古い4弦バンジョーを弾いています。この音色が良いんです。素朴で人懐こく、時にもの憂げにエキゾチック、温かくアコースティックな味わいが人気を集めたんだと思います。しゃれたリゾート音楽又BGMとして聴かれるにしろ、この『ラシーヌ』が多くの人の耳に届くのなら良いんじゃないかな。


 5月7日 曇り  体調・ふつう

 魔法を信じるかいー?『流星ワゴン』の物語のほとんど最後にこの文句が出てきて参ったよ。重松清のこの小説をようやく読んだよ。新刊の時に地元の本屋に注文してたら、結局入荷せずにまあいいやとそのままだったんだ。月日が流れ(笑)たまたま文庫本が目にとまったので手に入れ、東京行きに持参し読んでました。噂どおりの傑作だよね。巧いよなあ感嘆しました。でもね、泣いちゃいけないよね、男が読んで、と俺は思った。俺は泣けなかったよ、唸ったけど。
 魔法を信じるかいー?  イエース!もちろんだぜ!
Cornell Dupree『Teasin'』
大好きな黒人ギタリスト、コーネル・デュプリーの'74年盤。ソウルフルでブルーズィーなギターを聴きたい時、俺のファースト・コールはデュプリーで不動です。彼がスタジオ・マンとして活躍したのはニューヨークだけど、そのプレイからは出身地テキサスの臭いがプンプンとしています。T-ボーン・ウォーカー、ゲイトマウス・ブラウンといったテキサスの偉大な先達に勝とも劣らないギター弾きなんですね。まあね、先輩達のように歌えたらサイド・マンでなくスターになれてたかもしれないね。本盤のバックはリチャード・ティー(kbd)、チャック・レイニー(b)、バーナード・パーディー(ds)、ラルフ・マクドナルド(perc)、ディビッド・ニューマン(sax)他。ちょうどプレ・スタッフって感じの音楽です。当時のN.Y.一流セッション・プレイヤーによるアフター・アワーズ・ギグから生まれたような、お互いの手の内を知り尽くした強者同士によるセッションだから、その雰囲気が凄く良いよね。デュプリーのギターはピッキングのニュアンスが絶妙で、その味わいが好きだなあ。


 5月5-6日 晴れ/曇り  体調・ふつう

 5日、東京吉祥寺スターパインズカフェで浜田真理子&大友良英ONJOのLIVE。最近の東京行きはいつもお昼過ぎに家を出て、次の日は朝早くにホテルを出て10時頃には家に着いてるってパターンが多い。今回は吉祥寺だったから、ここをホームグラウンドとしている友人タマちゃんと一緒にLIVEに行き、終演後はいつもの店々をはしご、ソムリエ兼ミュージシャン(サックス吹き)のKOTANI君と再会し、ラストはホープ軒でラーメンを食べました。吉祥寺は好きな街です。その昔、レコード屋の芽瑠璃堂やブルース飲み屋のなまず屋なんかに通った頃からの馴染みの街です。
浜田真理子&大友良英 New Jazz Small Ensemble Specal
浜田真理子と大友良英、この数年熱心に聴き続けてきた二人。そのご両人が共演するってことで、勇んで駆けつけた東京吉祥寺、会場スターパインズカフェは超満員でした。このライブについて、どう書こうか考えていたんだけど、まだ保留としよう。もちろん悪くはなかったけど、期待したほど楽しめなかったから。ふたりの良さが出し切れていなかったと思うんだな。まあ俺の中の浜田さんであり、大友さんなんだけど、なんかジャブの応酬で終わってしまったような気がしています。一緒に聴いてた友人タマちゃんは、これで浜田さんのLIVEは3度目で、横浜赤レンガ、昨年GWのスタパ、そして今回と、ワンマンじゃない方を3回なんですが、彼が終演後いつも言うのは「ファースト・アルバムの曲が聴きたかったですよ」なんです。俺もその気持ちは良くわかる。
ってことで。


 5月4日 晴れ  体調・ふつう

 今日も快晴。卯之木んしょ(の衆)は早朝から働き者です。神社の雪囲いを外し、境内の掃除をして、春祭りの飾り付け。PTAはネット張りに遊具の取り付け。と、朝は賑やかだった神社周辺も、その後はみんな何処へ行ったのやらの静けさです。祭りの幟が気持ちよさそうに風に舞っています。
The Band『MoonDog Matinee』
大好きなザ・バンドのアルバムの中で、この『ムーンドッグ・マチネー』は別格に大好きだ。別格ってのは、これがザ・バンドのオールディーズ集だから。俺はザ・バンドのせいで米国南部音楽にズブズブとはまり込んだ人間だから、その彼等の、それこそホークス時代の昼興行(マチネー)やナイト・クラブで演奏していたナンバーに想いを馳せることは楽しい。トップにニューオリンズ・チューンを歌う"南部男の気骨"リヴォン・ヘルム。リヴォンはいつだって切り込み隊長のようでかっこいい。" 苦悩 " のリチャード・マニュエル歌う「グレート・プリテンダー」は絶品だ。" 哀愁 " のリック・ダンコ歌う「ホーリー・カウ」、これもごきげんなN.O.チューン。なんせこのバンドには凄いリード・ヴォーカリストが3人もいるんだからと、俺まで鼻高々です(笑)。


 5月3日 晴れ  体調・ふつう

 快晴。卯の木にある博物館&体験施設「なじょもん」で地元若者達が露店を出すので、そこへ生ビールを納品。サーバ設置したついでに一口飲んでみた。旨い、このままここで飲んでいたいと俺の喉が吠えた(笑)。
Miles Davis Quintet『Cookin'』
" 1956のジャズ "もこれでシメようかな。俺にとってモダン・ジャズのド真ん中だと思えるアルバム。「エアジン」の躍動感って無敵だと思わない?ちゃってね。モード奏法へ行く手前のコルトレーンの演奏の中で、ここでのプレイはその最良の部類なんじゃないかな。メンバーはマイルス・デイビス(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。当時の気鋭の若手によるクインテット。昇り竜の勢いと覇気を感じさせる演奏です。「マイ・ファニー・バレンタイン」で聴かれるミュート・トランペットによるバラードはもうマイルスの専売特許のようなものでまさに独壇場。レッド・ガーランドもシャープでモダン。ジョー・ジョーンズのドラムには勢いがあるし、チェンバースのベースは精悍だしね。1956年、ここにひとつの旬があったと思う。


 5月2日 曇り  体調・ふつう

 店の前は国道117号線。にわかに交通量が増えてきた。みんな何処へ遊びに行くのか。仕事で十日町へ行って来たけど、ジャスコんとこの駐車場もいっぱいだった。遊びたいけど、こんな時に出かけたくはないな。
Thelonious Monk『Brilliant Corners』
よしこれも聴こう。" 1956のジャズ " の超名盤。大好きな一枚です。ハード・バップを突き抜けてフリー・ジャズの臭いを漂わせながらも、どう聴いても" モンクス・ミュージック " なんですね。不思議なメロディーに独特なピアノ・タッチ。バックにまわってもソリストを威嚇するようなコードを叩いたりするし、気難しい孤高のイメージがあるんだけど、このアルバム・ジャケットの笑顔は好きだな。ミディアム・スローのリズムがダブル・テンポにチェンジする手法が何度か出てくるけど、これも効果的にアレンジに生かしてるし。モンク聴いてると誰かが近頃のジャズ・ブームに苦言を呈して言ってた「スウィングさえしてれば良いってもんじゃない」って気持ちわかるなあ。Dsは変幻自在なマックス・ローチ。アーニー・ヘンリー(as)、ソニー・ロリンズ(ts)も妖しい感じを熱演。オスカー・ペティフォード(b)はこのレコーディング中、モンクとケンカして、ラスト曲はポール・チェンバース(b)に交代してるんだよね。クラーク・テリー(tp)も参加してる。モダン・ジャズのトランペットを聴いて " 焦燥感 " を憶えるのは俺だけ???


 5月1日 晴れ/曇り  体調・ふつう

 世間はGWですが、この地方では春耕で忙しい時期でもあります。つまり田や畑仕事で遊んでられない。しかもムラに住んでると神社・公民館の雪囲い外しなどの共同作業もあるしね。遊べる人達がうらやましいやね。
Sonny Rollins『Saxophone Colossus』
モダン・ジャズの超定番ですが、これも" 1956のジャズ "。有名盤であり「セント・トーマス」「モリタート」といった親しみやすいテーマを持った曲の印象が強かったせいか、あまり聴いてこなかった音盤です。天の邪鬼だからなあ(苦笑)。久しぶりにじっくり聴いてみたら、いいんだわあ〜これが。バラードの「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」が夕闇迫る暇な店内に情感たっぷりに響いて、ロリンズってなんて素晴らしいんだろ、と感じ入りました。ドラムはマックス・ローチ。巧すぎて足を引っ張りたくなるほどです。ロリンズ作「ブルー・セヴン」のまさにブルーなハード・ボイルドなムードはどうだ!リーダー作でワン・ホーンだからロリンズはほぼフロント出ずっぱり、変化に乏しくなりがちだけど、親分がこれだけデカイと文句なしだよね。ローチはじめトミー・フラナガン(p)、ダグ・ワトキンス(b)が気持ちよく親分を盛り立ててる。爽快なアルバムです。


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