●2005●

 6月29-30日 雨  体調・ふつう

 川上弘美の『古道具 中野商店』は愛しい小説本だ。ワケアリな恋が二組と未熟な恋が一組登場する、古道具屋の日常を淡々と描いた物語だ。これはドラマになるな!と読みながら思った。配役は?中野さんは柄本明か小林薫だなw。この本が愛しい理由は物語の良さの他に、本の作りの良さにある。読もうと手に持った時、「あっ良いな」と感じた。こうゆう本は久しぶり。紙の厚さ、柔らかさ、色、手触り、そして表紙めくってタイトルのデザイン、本文活字のたたずまい、これらがすべて俺の「良い本」の感じにピッタリだった。読後の余韻に浸りたかったので、今日は何も読まずに過ごした。
Frankie "Half-pint" Jaxon『Vol.1(1926-1929)』
" ハーフパイント "とは身体の小さいひとの愛称だとか。その小柄な人気者フランキー・ジャクソンはアラバマ州モンゴメリーに生まれ、シカゴで活躍したエンタテイナーだ。録音は'26-29年。芸人らしく曲調は多彩。と言ってもサウンドはアーリー・ジャズ〜シティ・ブルースな感じ。とくにジョージア・トムのピアノとタンパ・レッドのギターがバックについた曲は洒脱でシャレてます。バンジョー・アイキー・ロビンソンのバンドが伴奏してる曲もバンジョとフィドルがなかなかゴキゲン。このハーフパイントさん、歌自慢というより見てより楽しい芸人さんなんじゃないかな。フィルムとか残ってたらいいのにね。


 6月27-28日 雨  体調・ふつう

 待望の雨なのに、おいおいちょっと降りすぎじゃん。津南はまだそれ程でもないんだけど、県内では被害がでている所があるようです。お天道様はもっと節度ってものを知って欲しいね(プンプン)。
Mats Eilertsen『Turanga』
マッツ・アイレットセンの新作。知らずに聴いていたらウードのような楽器が鳴りだしたのでアフリカ系の新人かと思いました。ウードかと思っていたのはチェロでした。エルンスト・レイスグルというチェリスト、すごいです。これは北欧系というかノルウェー・ジャズなんですね。俺はこのノルウェー・ジャズが苦手なんですが、このアルバムは良い感じ。やはり北欧系、現代音楽とジャズが融合したような音楽かな。スウィング感は無し。空気が冷たい。静謐な薄暗闇の中で高温の青白い炎が4つ舞い踊っているような感じ。ベースとチェロとドラムスがクールに絡み合う中、フレドリック・リュンクヴィストのサックスとクラリネットが生気に満ちていて良いですよ。


 6月26日 晴れ  体調・ふつう

 角田光代『人生ベストテン』読了。角田さんは観察眼が鋭いですね。日常の些細な物事も見逃さない高感度な目と耳を持っているようです。面白く読めました。物語に登場する30代の独身女性達と同じ年頃の人達は、これを読んでどう感じるんでしょうか。『対岸の彼女』が良すぎたので、この短編集の出来が普通に感じられたけど、読み終わった今、それぞれのヒロインの行く末が気になります。『対岸の彼女』にも感じたこの引きずる読後感(良い感じの)に角田光代の巧さを感じます。さてお次は川上弘美の『古道具 中野商店』です。
V.A.『陽気な若き水族館員たち』
'83年鈴木慶一が主宰した「水族館レーベル」の第一弾としてリリースされた音盤の紙ジャケ・リイシュー盤。「ホームシック」1曲だけがすごく記憶に残っていて、たまに口ずさんでいました。参加してるバンドは、野宮真貴がいたポータブルロック、戸田誠司と渡辺等がいたshi-shonenに矢口博康、美尾洋乃が加わったリアル・フィッシュ、鈴木博文と美尾洋乃によるMio・Fou、立川芳雄が唄っていた(れいの「ホームシック」を)ヴォイス、そして全員参加の水族館オーケストラという5組です。これは'80年初期にイギリス及びヨーロッパで流行ったネオ・アコ・ムーヴメントに呼応してるんですね。当時、洒落たことやってるなって思ってました。この感じがフリッパーズ・ギターやピチカート・ファイブなんかに受け継がれていったような気がしていました。
♪ On the dark and the rolling sea 我等マドロス 世界のエトランゼ 足の下には七つの海 頭の上に大宇宙〜♪(ホームシック)、歌詞だけ読むとなんじゃこりゃ?だけど良い感じの曲なんですよ。


 6月25日 晴れ  体調・ふつう

 ☆ 号外! Musical Baton


 6月23-24日 晴れ  体調・ふつう

 サッカー・コンフェデ杯、欧州王者ギリシャに勝利し、次の相手は世界王者ブラジル。そのゲーム昨夜録画したのを見たよ。しびれたね。面白かった。2-2の引き分け。日本も強くなったよね、うん。
 昨日は小学校でエレクトーンの演奏会があり、PA仕事をしてきました。仕事といってもPTAボランティアですが。演奏は4人組女性グループ「レ・ヴォーン」。ヤマハ・エレクトーン2台と生ピアノとシンセ2台を自在に操り楽しい演奏会でした。久しぶりにエレクトーンに接しましたが、もう万能キーボードですね。音源はシンセと同じで音色が格段に良くなってるし、なんと直にインターネット接続が出来て音源やMIDIファイルなどのダウンロードが出来るそうです。欲しいなあ。懸賞にでも当たらないかなあ。
V.A.『Hot Women
 - Women Singers From The Torrid Regions of The World』
暑い、そのうえ雨が降らない。雨乞いのつもりでこの音盤を聴こう。世界の熱帯地域の女性シンガー・コンピュレ盤です。ジャニス・ジョプリン『チープ・スリル』のイラストで有名な、しかもアコースティック・スウィング・バンド、チープ・スーツ・セレネイダーズのメンバーとしてもお馴染みのロバート・クラムによる選曲。すべて'20〜'50年代の78回転SP盤が音源というからシブイな。ルイジアナ・ケイジャンに始まり、メキシコ、キューバ、フレンチカリビアン、ブラジル、スペイン、ギリシャ、アルジェリア、コンゴ、トルコ、マダガスカル、ベトナム、ハワイ、タヒチなどなど、名前並べただけで汗が出てくるスパイシーな音盤です。ビギン、ソン、ショーロのような古いカリブ、ブラジルの音楽は今聴いてもシャレてるね。ギリシャ、トルコ、アルジェリア、チュニジアなどの地中海沿岸諸国の歌はなかなかに暑い歌唱で、これはコブシまわしに関係があるのかな?などと扇風機に当たりながら考えております。そして夕方です。今日のところ雨は降りそうにないねえ。明日は涼しい音楽を聴こうかな。


 6月20-21日 晴れ  体調・ふつう

 まさにダイコク(大黒)・シュート!コンフェデ杯の対ギリシャ戦を昨夜見た。ギリシャは現ヨーロッパ・チャンピオン。その欧州王者を大黒のシュート1発で撃沈したね。大黒の良いところは、シュートを早く打つとこだな。ペナルティ・エリア内だったら、もらったパスを即打つって姿勢が良いね。痛快爽快!調子のでない王者をほぼ一方的に攻め続けた。ヒデ、中村、小笠原、福西による中盤は素晴らしく躍動していたな。あとはシュート力+決定力があればなあ。
鈴木茂『Band Wagon - Perfect Edition』
 30周年かあ。忘れもしない'75年音盤。大愛聴盤だし、バンドでコピーもしたしね。ストラトのジャックにブースター内蔵して、コンプとフェイズをつないで、チューニングはオープンG、左手小指にスライド・バーで、もちろんフィンガー・ピッキング。これは茂君というよりローウェル・ジョージの影響なんだけど、このアルバムのスライド・プレイはリトル・フィート=ローウェル・ジョージの影響大だから、バンドで「八月の匂い」をやる時には上記の装備?でやったもんでした。楽しかったなあ。
 鈴木茂は日本で一番好きなギター弾きなんです。はっぴいえんどそしてユーミンや大瀧詠一のアルバムでのプレイなど、どれもこれも素晴らしいんです。ほんとパイオニアですよ。その上、"バンドワゴン"の'75年は、ハックルバックを率いてめちゃくちゃライヴをやった年で、そのうち3回見てますね。その演奏がホントかっこよかった。茂君はフィエスタ・レッドのストラトがメインだったような?
 さてこのアルバム、サウンドは当時のベイ・エリア・ファンクです。茂君が単身渡米して、リトル・フィート、タワー・オブ・パワー、サンタナなどの西海岸の精鋭メンバーを雇って作り上げた和魂洋才!(ははは)の大傑作です。歌世界はやはりはっぴいえんどの延長。詞が松本隆だからどうしようもない。まとめると、" ゆでめん " 少年が大志を抱いてアメリカに渡ったって感じ。DVDにはハックルバックとのLIVE映像が!「八月の匂い」をやってるよ!嬉しいなあ。


 6月19日 晴れ  体調・ふつう

 『ビギナーのロック・ピアノ』っていう古い教則本が面白いです。ただの教則本じゃないんです。R&B〜ロックの中で、リズム面からみたピアノ奏法の歩みが載っていて、その語り口が面白いんです。著者はジェフリー・ガッチョン!何故俺がこのピアノ教本を持ってるかと言えば、ジェフリーさんの本だからで、しかも翻訳がムーンライダーズの岡田徹だからです。ジェフリーは大好きなバンド、ハングリー・チャックのキーボード・プレイヤーで、オールド・タイミーなピアノ・プレイが得意ないかしたおっさんです。譜面に添えられた文が面白く、たとえば「50年代はセンチメンタルな10年間で、12/8のバラッドはスロウ・ダンスに欠かせないものでした」とか「ロッカ・ブギから最初に派生したストレート(フラット)なエイト・ビートは〜〜このスタイルは、カンサス・シティのブギ・ウギに初めてその姿を現したのです。」とかね。米国音楽好きにとって、音楽史と奏法の関係が興味深いです。この教本は20年前頃に買って、これでピアノ練習したのは最初の1曲だけだったはず。飽きっぽい俺。
Cookie & The Cupcakes『Kings Of Swamp Pop』
ネトつく哀愁、サウス・ルイジアナ・バラードに浸る日曜の午後です。もちろん店番中。LP盤は持ってるけど初めて聴く曲が多いかな。ミディアム3連のサウス・ルイジアナ・8バース・バラードって言うような?そんな曲が多い中、突然飛び出す「Married Life」に目が覚めた(笑)。ギターが超かっこいいハード・モダン・ブルースですね。収録曲は'56〜'64年録音。ちょっと蒸し暑いR&Bだけど、ルイジアナならではのユルさでいい味だしてます。やっぱりビール飲みながら聴くのが良いなあ。J・L・バークの小説に出てくるケイジャン保安官デイヴ・ロビショーは、夕暮れにベランダでビールを飲んでいて、そこでバックに流れている音楽がクッキー&カップケイクスだったりしてね。


 6月17日 雨/曇り  体調・ふつう

 娘は今日、総合学習" 町を見よう" ということで全国名水百選で有名な"竜ヶ窪の池"に行くのだそうです。そして" 竜神の館" の温泉に浸かるんだとか。去年は学習と称して十日町キナーレの温泉に入ってきたって言うし、まったく近頃の小学生の学習はいいなあ。そして帰ってきた娘からのおみやげは、もちろん「名水竜ヶ窪の水」でした。
Archie Shepp『Steam』
ストレート&ストロングだね。やっぱ好きだなあこうゆうの。'76年ドイツ・エンヤ・レコーズからリリースされてたやつだね。アーチー・シェップ(ts)にキャメロン・ブラウン(b)、ビーバー・ハリス(ds)によるトリオ演奏。'76年頃といえばNYのロフト・ジャズが熱かった頃かな。ここで聴かれるのはシェップによるポスト・フリー・ジャズって感じもする。とにかく爽快に吹きまくってる。


 6月16日 曇り/晴れ  体調・ふつう

 船戸与一『金門島流離譚』。得意なアジアン・ノワール、さていかに。
V.A.『River Town Blues』
モダン・メンフィス・ブルース・アンソロジーです。モダンと言っても'60年代後半から'70年代前半にメンフィス・ハイ・レコーズに録音されたブルース集です。同名のアルバムは'70年代中頃に日本でもリリースされていて、俺も持ってますが、その盤にはビッグ・ラッキー、ビッグ・エイモス、ドナルド・ハインズの3人が収録されていました。今回のCD盤には、この3人+ジョー・L・カーター、ドン・ブライアント、ウイリー・ミッチェル、ジーン・ミラー、ジョージ・ジャクソンの曲が追加されています。LP盤で一番好きだったのはビッグ・ラッキーの「グーファ・ダスト」で、ヴードゥー・マジックを歌ったものですね。で本盤の目玉は追加されたジョー・リー・カーターの必殺ゴスペル・ブルース「プリーズ・ミスター・フォアマン」です。この曲だけでも買う価値がある!とか言って。ドン・ブライアントはここに入れなくてもいいんじゃないかな。単独盤で聴ける曲だしね。やっぱサザン・ソウルだし。ともあれハイ・レコーズ、アル・グリーンで儲けていた同じ頃に、ちゃんとこうしたストレート・ブルースもリリースしていて、たくましい南部魂を感じました。


 6月14-15日 晴れ  体調・ふつう

 B'zとかいうバンドのヒイヒイミャアミャアとした歌い方がキライだ。桑田佳祐と忌野清志郎のあーした歌い方もイヤになった。三上寛や友川かずきの歌を耳にすると、もっとフツーに歌えよと思う。作品としての「歌」を、そのまま聴かせる(これはかなり意識的かつテクニカルかも)歌い手が好きだな。「歌」をニュートラルに発して聴き手に委ねるって感じかな。浜田真理子にはそれを感じる。近頃お気に入りのJBとラブジョイの歌もそんな感じだ。そして友部正人も。
友部正人『イタリアの月』
CDの帯に「デビユー25周年特別企画」のベスト盤とあります。'97年に前回の『少年とライオン」と同時発売されたのでしたね。この2枚、『少年・・』が表ベストで『イタリア・・』が裏ベストとか言われてまして、と言うのは、この盤収録の「びっこのポーの最後」の" びっこ "がイケナイのだそうで、メジャー・レーベルから出せないんですね。だからこの盤はインディーズ。近頃はインディーズでも売れるし、しかもかっこいいしね。さてこの裏ベストも凄いよ。まず「大阪へやって来た」!俺はこれを聴くとハウリン・ウルフを想う。そのブルース衝動が壮絶だ。次に「街ははだかですわりこんでいる」。友部の素晴らしさが詰まっているロマンティックな傑作。あの時代の所謂フォーク・シンガー達の中で詩人としての友部が屹立しているな。浅間山荘事件を歌った「乾杯」も入っている。「ビッコ・・」も「・・チルチルミチルは」、これも大好き「中道商店街」などなど。共演者の顔ぶれも鋭いよ。たま、ブーム、グルーヴァーズ、ボ・ガンボスなどはバンド丸ごとで参加してるしね。とにかく今でもバリバリの現役として新鮮なアルバムを届けてくれる友部正人は凄い人なんだと声を大にして叫びたい(笑)。


 6月12-13日 晴れ  体調・ふつう

 11日夜は清津峡温泉の清津館で遊びました。高校時代にバンドを組んでた仲間との久しぶりの宴会で、清津館の社長はそのバンドのドラマーでした。フライング・マタンキ・バンドというトホホな名前のバンドでした。あれから30数年ですよ。人生五十年〜♪が目前な5人の男達、やたら元気で真夜中3時過ぎまで、歌いながらギター弾いてハーモニカ吹いて騒いでました。さすがに朝はツラかった。
友部正人『少年とライオン』
これは以前同時リリースされた2種類のベスト盤の内の1枚。両方とも持っていたけど友人にプレゼントしちゃって手元になかったんです。1曲目'72年の「まるで正直者のように」では高田渡がマンドリンを弾いています。以前放映されたTV番組の中で、「一本道」を歌う友部をじっと見つめていた渡さんの慈愛に満ちた眼差しが思い出されました。このアルバムには'72年の「一本道」から'96年の「夢がかなう十月」まで13曲が選ばれていて、もちろんみんな良い曲ばかりです。「遠来」だって「愛について」だって「ガーディナーさん」だって「私の踊り子」だって、どれも「一本道」に負けない素晴らしい曲です。二十歳の頃と50歳の頃じゃ作る曲も歌い方も変わって当然だし、そうじゃなきゃおかしいと思うわけで、今の友部はデビューアルバムの頃のようには歌わないけど、それは今の50代の友部が十分に素晴らしいからです。「朝は詩人」の中の、〜君が歌うその歌は 世界中の街角で朝になる♪ って感じ、好きだなあ!


 6月10-11日 晴れ/雨/晴れ  体調・ふつう

 『オトナ語の謎』。本屋で平積みされてたんで買いました。誰かさんの思う壺。糸井重里とか赤瀬川源平とか、思う壺の名手だよな。オトナ語と言えば、たま〜に会う奴でかならず俺のことを「よおっ大先生」って呼ぶやつがいて、けっこう不愉快です。
Brother Bones『Globetrottin' With Bones』
んも〜凄い。楽しい。素晴らしい。これ聴いてたらトニー谷を思い出しました。谷さんはソロバンをシャカシャカしながら歌ったりしてましたね。ブラザー・ボーンズはその名のごとく骨を鳴らしながらじつに巧い口笛を奏でます。ジャケット写真には両手の各指の間に骨を挟んでニヤっとしている彼が・・・ちょっとコワイ(笑)。1曲目の「スウイート・ジョージア・ブラウン」は'48年に大ヒットしたそうです。だいたい'47-'48年の録音。バックのピアノ、トランペット、クラリネット、ギターなどによるジャズ〜ジャイヴな演奏も皆達者です。それにしてもこの骨鳴らし芸、聴きようによってはタップ・ダンスのタップにようで軽快で楽しいです。米国のこうした芸人さんは音楽の質も高いですね。動く姿が見たくなりました。


 6月9日 晴れ  体調・ふつう

 「声にだして読む」本が流行ってるのかな?で齋藤孝さんが有名なのかな?娘の買って貰った絵本がその齋藤孝編の『知らざあ言って聞かせやしょう』。河竹黙阿弥作で歌舞伎の演目として有名な「白波五人男」の中で弁天小僧菊之助がはく有名なセリフ " 知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、〜〜 名さえゆかりの弁天小僧菊之助たぁ、おれがことだ。" ってとこが絵本になってるんですね。飯野和好さんのダイナミックな絵がとても良いし、読んでみると言葉のリズムが心地よくて、こりゃあ素晴らしいや!と感心しました。しかしこの「白波五人男」、自己紹介なんだよね。こんな自己紹介をできたらかっこいいと思うけど、俺なんざ生まれも育ちもこのムラのこの家だし、なんか波瀾万丈がないからなあ(ははは)。
サザンオールスターズ『ステレオ太陽族』
すげえ久しぶり、約20年ぶりに聴いてる。'81年のアルバムだったんだね(しみじみ)。思えばこのアルバムあたりまではサザンのファンだったし応援してたな。桑田佳祐が同い年で'56年2月26日生まれで(俺は2月24日生まれ)、その音楽の背景に親近感を覚えたからね。初めてファースト・アルバム聴いた時はウンウンとガテンがいって嬉しかったね。レゲエとリトル・フィート、レオン・ラッセルとクラプトンが大好きで、背骨にしっかりと歌謡曲があるんだよね。バンド名も、そして彼等が大学時代に属していたサークル名 " ベターデイズ " も当時の洋楽ロック・ファンならニヤリと出来るネーミングだったしね。初期の彼等には、洋楽・ロックに対する陽気なチャレンジャーって感じがあって、そんなバンドの姿勢が好きだったな。今のように、手も付けられない程ビッグな存在となってしまい、サザンオールスターズという音楽ジャンルを打ち立てた彼等に拍手は贈るけど、もう聴かなくてもいいバンドになっちゃったなあ。この大好きだった『ステレオ太陽族』だけど、ノスタルジー+新たな発見でもあるかなって聴いてみました。う〜んノスタルジーのみかな。「My Foreplay Music」はやっぱ好きだなあ。


 6月7日 晴れ/曇り  体調・ふつう

 今読んでるのは羽太雄平『百万石秘訓伝説』。傑作だった『本多の狐』の続編と期待して読んでるんだけど、どうも説明部分が長く人物がいまいち生き生きしてないな。上下2巻てのがイケナイんじゃないのかな?『本多の狐』のように1冊にぎっしりと極上の時代劇エンタテイメントを詰め込んで欲しかった気がします。まだ上巻を読んでるとこなんで気の早い感想ですが。
Duke Ellington『Meets Count Basie』
久々A1カントクからの差し入れ音盤。今回はカントク得意のフリー・ジャズじゃなくて正統派ビッグ・バンド・ジャズですね。'61年録音でプロデューサーはテオ・マセロ。スタジオでエリントン楽団とベイシー楽団が一緒に演奏しているんですね。ベイシーのピアノに続いてフランク・ウェス、ジョニー・ホッジス、レイ・ナンス、ハリー・カーネイ、フランク・フォスターと両楽団の花形ソリストが次々にソロを披露し、御大エリントンのピアノが登場!って、この辺がこのアルバムの醍醐味なんでしょう。う〜ん、ソロは楽しめるんだけど、バンド・アンサンブルはどうもぼやけた感じがしないでもないな。そもそも俺っちは、エリントン楽団もベイシー楽団も、初期のスモール・コンボっぽい頃の演奏を愛聴していますからねえ。ちょっと本盤はゴージャス過ぎます(笑)。


 6月5-6日 晴れ  体調・ふつう

 昨日はhiroさんと『インド・ヒマーチャル・プラデーシュ舞踏公演』を楽しんできました。北インド、ヒマラヤ山麓に住む人々の伝統芸能でした。最初の入場の時だけ使用されたヒョロ長いラッパの音色が呼吸困難なニワトリの鳴き声のように愉快(?)で、この打楽器とラッパの演奏は古(いにしえ)のフリー・ジャズのようでもありました。踊りよりも男性の歌声の方が凄くて、さすが歌謡王国インドの芸能だと思いました。このコブシまわしと旋律はインドから東ヨーロッパ、そして北アフリカからイベリア半島まで、類似した音楽に出会えるような気がします。ロマ(ジプシー)及びイスラムの関係でしょうか。豊かな文化が背景にあることは確かですね。
ゼルダ『C-Rock Work』
JB〜ラブジョイ〜小川美潮ときて、ピンときたのがゼルダのこのアルバム。'87年作で、ゼルダとしてはポップ寄りだと言われていた作品でしたね。これも久しぶりに聴いたけど、ここでもやはり声、サヨコの歌声が好きなんですよ。「時計仕掛けのせつな」のようなファンタジックな曲が特に良いね。ブリブリしたサチホのベースも好きだし。ちょっと思いついたんだけど、JB〜ラブジョイ〜小川美潮〜ゼルダと聴き続けてきて、彼女達の音楽に共通しているナニか、さりげない日常とファンタジーが同居してるような、そして時々顔をみせる少年性、これって少女漫画の影響かな?この男共には持ち得ない(ような)感性が少女漫画のせいだとしたら、と想像してみたんだけど・・・。『本の雑誌』がちょうど「懐かしの少女漫画」の特集を組んでいたので、気になっていたんです(笑)。


 6月4日 晴れ/雨・雷/曇り  体調・ふつう

 リーダー・シップなんだ。真夜中というか未明に行われた日本vsバーレーンの日本チームの戦いを見ていて、中田英寿の存在感の大きさを改めて感じた。ヒデがチームに帰ってきたことで、核が出来、チームの意思が統一され強固になったような気がした。日本が逞しく戦った上出来のゲームだった。ゲーム中でも常にチームメイトと話し合っていたヒデが印象的なゲームだった。この日本代表チームはまだ出来上がっていない発展途上のチームなのだ。ドイツでピークを迎えられたら良いな。
小川美潮『4 to 3』
JBとラブジョイに親しみながら、似た感じのアルバムがないかとなと思い、ピンときたのがこの小川美潮のアルバム。チャクラの後、'91年リリースのソロ作品で、当時大好きでよく聴いていましたね。特に「デンキ」が好きです。ほのぼの温かく、ちょっと切ない感じがね、良いんですよ。これはもう小川美潮に歌われるためにある曲ですね。チャクラ仲間の板倉文がサウンド面を担当し、シンセの使い方が " かわいい " のがこのアルバムの特徴かな。ピュアとかナチュラルとかいう表現よりニュートラルって感じがぴったりで、好感と羨望を覚えます。ライナーで中原仁さんが"ニュートラル"って言葉を使っていたので、ピピッと感じました。ニュートラルな自分を表現するって難しいんだと思うんですね。それができちゃう美潮さんやJBやラブジョイは素敵な人達なんですよ。もちろん才能ですね。でも歌声って天性なものかな?美潮さん、純子さん、bikkeさん、そうそう浜田真理子さんも、俺がこのところ大好きな人達は、歌声そのものが凄く魅力的なんですね。


 6月2日 曇り  体調・ふつう

 運動会の日、十日町情報館から電話があり、去年主催した「友部正人LIVE」の情報館預かりのチケット売上金が見つかったので寄って下さいとの用件でした。まったく忘れていた事でした。そうだった、地震で大変だったんだよね、情報館。友部LIVEが10月10日、そして23日が中越地震だった。情報館は棚のほとんどの本が床に落ち、多くのPCも落ちて、悪いことにスプリンクラーが作動してしまい、本やPCが水浸しになってしまったんです。その復旧は非常に大変だったようです。そうした中で今になって見つかったチケット代金、情報館に寄付しても良かったんだけど、うちの我楽多倶楽部も金欠なもんだから、ありがたく回収してまいりました。マジの話、地震の後は情報館へ復旧ボランティアに行こうかなとも考えていたんですが、けっきょく自分もバタバタしていてヨソまで手がまわらなかったんですよ。「情報館さんありがとう」の巻でした。
ラブジョイ『かけがえのないひととき』
bikke、近藤達郎、松永孝義、服部夏樹、植村昌弘という4人のキャリア豊富でワザも豊かなメンバーによるラブジョイです。「NHKみんなのうた」で流れてもいいような間口の広い、素直できれいな歌がたくさんあります。「ひとみ座」の劇中歌にも使えそうな親しみやすい歌がたくさんあります。歌声がサウンドの中でキリッと立っている清々しいアルバムです。ああなんて心地よい音楽でしょう。うっとり。アルバムのスペシャル・サンクスに切石智子さんと篠田昌巳さんの名がありました。この亡くなった「かけがえのない」お二人に捧げられているのかな。愛しい歌がたくさんありますね。JBで初めて知ったbikkeの歌声ですが、とにかく素敵!「セプテンバー」みたいに歌われるともう降参です。とにかく大絶賛発売中!!!


 6月1日 晴れ  体調・ふつう

 昨日は小学校で「人形劇団ひとみ座」の『あやうしズッコケ探検隊』を子供達と一緒に楽しみました。子供達の反応がダイレクトで面白かった。大勢の子供達を一度に笑わせたり驚かせたりできる人形遣いの人達をうらやましく思いました。十数年前に幾度か、ひとみ座を招いて公演を行った関係で座員の龍蛇俊明さんとはつき合いが続いていて(うちのカミさんと)、今回その龍蛇さんがわざわざ店に寄ってくれました。もちろん地酒も買っていただきました。大感謝!
 沼田まほかる『九月が永遠に続けば』はホラーサスペンス大賞受賞作ということで、サスペンスはともかくホラー過ぎたらイヤだなと怖々読み進みましたが・・・恐くはなかった。悲しい話だった。相手に対して、好きだ、嫌いだ、苦手だ、とかいう意識が先に立つとその意識の方向で関係性ができてしまうことがあって、そのことがどんどんマイナス方向に発展すると・・・。小説の内容とは離れているけど、読みながら人間の関係性ってのを考えました。ちょっとだけ(苦笑)。
ラブジョイ『かけがえのないひととき』
JBが素晴らしく良かったので、bikkeが歌うラブジョイの新作も聴いてみました。これもグッときたね!ストンっとトリコになりました。ちょいと忙しくなってきたので、あしたにつづく。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps