●2005●

 10月30-31日 曇り/晴れ/小雨 体調・ふつう

 岬の断崖に立つ白亜の大きな灯台が見えてきた時、あっこれってブラッドベリの「霧笛」だなと思った。塩屋崎灯台はあのSF小説の舞台となった灯台によく似ていた。その似ていた灯台は萩尾望都『ウは宇宙船のウ』の中の「霧笛」に登場する灯台なんだけど、漫画の印象が強くてそれから原作を読んだんだっけな。映画『喜びも悲しみも幾年月』や美空ひばり「みだれ髪」の舞台となった塩屋崎灯台は福島県いわき市にあります。30-31日、ムラの仲間達といわき市へ温泉旅行を してきました。帰ってきての" はばきぬぎ " は近所の食事処 " じょんの喜 " で、さっそく小名浜で買ってきた新鮮なサンマを刺身におろしてもらいいただきました。これがまた美味いのなんの、地酒の熱燗もすすむのなんの(笑)。家に帰り着いた頃には身体も胃もクタクタでした。


 10月29日 曇り 体調・ふつう

 風邪からきているのか昨夜からお腹の具合がいまいち。食欲はあるけどね。ミュージックマガジン今月号はニール・ヤング大特集で先月号がポール・ウェラーの特集で、その前は忌野清志郎で、こうした特集はレコード・コレクターズできっちりやってくれよ。ヤングもウェラーも清志郎もバリバリ現役だからレココレには向かないってことなのかな。
Frank Zappa『You Are What You Is』
 ザッパ・ミュージックのそのサウンドだけを楽しんでいるお気軽な俺なんかには、こうした言葉の洪水又は攻撃アルバムは歌詞がダイレクトに理解できないだけにツライです。もちろんサウンドとしては楽しめるんだけど。'81年のロック色の濃いアルバム。アイク・ウイルス、レイ・ホワイトとザッパによるドゥワップ仕立てのロック・ヴォーカルがアルバムを濃厚に味付けしています。♪〜左翼のクソバカ 右翼のクソバカ 宗教キチガイが〜♪とクールに吠える反骨大魔神フランク・ザッパの意気軒昂音盤でした。


 10月28日 晴れ 体調・ふつう

 気楽に読めるやつってことで宮部みゆき『震える岩』を読んでます。"霊験お初捕物控"シリーズですが、続編の『天狗風』を先に読んでしまっているのでちょっと残念(苦笑)。
ツトム・ヤマシタ『GO Live From Paris』
 このライブ盤は初めて聴きます。『GO』をリリースした'76年にそのレコーディングとほぼ同じメンバーで行ったパリ公演のライブ盤です。曲目(曲順まで!)もスタジオ盤とほぼ同じですね。"ロック耳" で楽しめるのはこのライブ盤の方かな。よりダイナミックでワイルドな演奏、ディメオラの高速 " スタッカート " ギターがより前面で活躍しているし、シューリーブのドラムがタイトな響きで勢いを感じさせます。またストリングスの代わりをライブではシュルツ、ヤマシタ、ウインウッドの3人によるシンセ及びキーボードで演奏していて、因ってよりスペイシーなサウンドとなっていますね。そしてもちろん素晴らしいのはウインウッドのヴォーカルです。彼がこのスペース・オペラの主役なんですね。


 10月26-27日 曇り 体調・ふつう

 『ボブ・ディラン自伝』もうじき読了。小説に比べて時間がかかった。面白くて刺激的な内容なんだけどね。ロバート・ジョンソンに対する記述が流石でした。今読了。ディランの自伝は続刊があるようです。早く読みたい。
ツトム・ヤマシタ『GO』
 ジャケットにはStomu Yamashita,Steve Winwood,Michael Shrieveとあるけどこれはツトム・ヤマシタのプロジェクトです。'76年作品、当時よく聴いていたアルバムです。俺はヤマシタというよりスティーブ・ウインウッドが聴きたくて買ったんだっけな。当時ツトム・ヤマシタは世界的に活躍する若き日本人パッカッション奏者として有名でした。前衛音楽〜クラシックのフィールドで注目されていた彼が、ロックのフィールドに乗り込んで来て出来た作品がこれなんですね。プロジェクトのメンバーが超豪華で、ウインウッド、マイケル・シュリーヴ、アル・ディメオラ、クラウス・シュルツ、ロスコ・ジーなどの人達。この凄い人達それぞれに得意技を発揮させながら、ひとつの壮大なサウンドを創り出したツトム・ヤマシタは素晴らしい音楽家でしたね(今はどうしてるのかな?)。やはりこのアルバム、ウインウッドのヴォーカル抜きにしては語れないほどその哀愁の歌声が際立っています。全曲ヤマシタの作曲だけど、まるでウインウッドのために書かれた曲のように感じます。スペイシーなシンセのサウンドに時代を感じるけど、これまた大好きだしね。トラフィック、サンタナ、タンジェリン・ドリーム、リターン・トゥ・フォーエバー、それぞれのサウンドが垣間見え、まさに70年代ロックの一大叙事詩を御覧あれ!って感じを楽しみました。


 10月25日 曇り 体調・ふつう

 『必携 妖怪暦 平成十八年度版』「怪」編集部編世界妖怪協会公認(角川書店)てのを買ってしまった。副題「妖怪とともに、幸福な一年をすごそう!」だって(笑)。
和久井映見『Flora』
 鈴木祥子はその才能に見合うだけの成功をまだ収めていないなとか、彼女の曲に漂う歌謡曲の香りが俺の快感のツボを刺激するんだな、とか考えていたらふと和久井映見のことを思い出した。もちろん人気女優和久井映見のことです。彼女が歌手だってことを知ってる人は少ないんだろうな。ファンでもなかった俺がこの彼女のデビュー・アルバム『Flora』('90)を買ったのは、発売時にMM誌にレビューが載り評価が高かったからで、聴いて一発で気に入ったね。ニューミュージックじゃない、もちろんJポップでもない、歌謡曲がここにあったから。もちろん全曲このアルバムのための書き下ろしだし、サウンドも当時のヒット・ポップス的なんだけど、歌謡曲テイストが詰まった素敵なアルバムなんですよ。百恵歌謡に近い感じがするかな。声の質や歌い方が山口百恵風だし。和久井さんのはこのデビュー・アルバムから'93年の『Pearly』までの4枚を持っているけど、その後も'97年までアルバムを出していて全部で11枚のCDがでているらしい。女優業が忙しくて歌手としての仕事はアルバム制作だけだったのか、歌手和久井映見は知られていない。じつはちょっと嬉しい(笑)。


 10月24日 曇り/晴れ 体調・ふつう

 昔の女に逢った。なんてね(笑)。でもね、その瞬間「おまえここにいたのか」って感じでしたよ。新潟市でアルビ戦を見たその日午前、万代島美術館で「名画でたどる日本画100年のきらめき」展を鑑賞しました。そこで以前読んだ岩井志麻子『ぼっけえきょうてえ』のカバーと口絵に使われていた日本画の女性、まさにその原画に出会ったんです。甲斐庄楠音の『横櫛』という大正5年頃に描かれた作品です。これがなんとも異彩を放つ作品で、妖艶でどこか病的で、コワイというか取り憑かれそうな女性画なんですね。甲斐庄楠音(かいのしょう・ただおと)という人はなかなか興味深い人物で、溝口健二監督の時代考証(着物のデザインなど)には欠かせない存在であったようです。また『横櫛』で日本画壇に華々しくデビューしたにもかかわらず『女と風船』で土田麦僊には「穢い絵」と酷評され出品を拒否されてしまったり。まあとにかく、この原画に出会えたことは幸運だったとしましょう。
鈴木祥子『あたらしい愛の詩』
 鈴木祥子とプロデュース&バンマス(?)佐橋佳幸の二人にとって、このアルバムは自分の土俵で得意技を思い存分発揮しているって感じがして、それがこの爽快さにつながっていると思う。ソウル風味のアメリカン・ロックなサウンドですね。オーリアンズとかステファン・スティルスが顔を出したりね。まあこれはサウンドのことで、鈴木祥子の歌と楽曲が秀でているからこそですが。これだけ良質なポップ&ロックなアルバムを発表してるのにいまいちメジャーになれなかったなんて、鈴木さんてツキがなかったのかなあ。俺も買ってなかったからな、ごめんよ。今40才でしょ?まだまだこれからだね活躍は。俺も応援するから(まったく非力ですがw)。俺がコロっと参ってしまう日本の女性シンガーって、そこに歌謡曲を感じさせる人達なんですね。竹内まりやも浜田真理子もそしてこの鈴木祥子も。そういえば好きでもないけどサザン桑田の曲なんか歌謡曲臭がプンプンで、その点に関しては桑田に共感を覚えるよ。同い年だから。昭和30〜40年代の歌謡曲がバックグラウンドにあるんだよな。それと'70年代のロックがね。


 10月22-23日 曇り/雨/晴れ/雨 体調・ふつう

 昨日は新潟ビッグスワンでアルビレックス新潟vs横浜マリノスを観戦。ず〜〜〜っと勝利から遠ざかっていたアルビでしたが、俺達の応援のせいか久々の勝利。ブラジル・コンビがワン・ツゥーで鮮やかに相手守備陣を崩してのゴールでした。しびれた〜!
 本日は娘の文化祭。娘は落語『寿限無』のお芝居で「おかみさん」役でした。すごく上手くて、祖母ちゃんなんか涙ながしてました。俺もちょっと感激です。
 去年の23日は土曜日で翌日の日曜日が文化祭のはずでしたが、あの大地震のため文化祭は中止となりました。あれから1年、いまだ故郷の家に帰れず避難生活をおくっている皆さんのことを思うと胸がつまります。今日文化祭のPTA合唱で歌われた「涙そうそう」は去年歌うはずの曲でした。1年を経てようやくの発表となった「涙そうそう」の合唱がまるでレクイエム(鎮魂歌)のように感じられました。
鈴木祥子『あたらしい愛の詩』
 これはワーナーから'99年にリリースされた音盤。もちろんとっくに廃盤ですがなんとか手に入れました。今年になって彼女のファンとなったんだけど、過去の音盤揃えようと探してみたらほとんどが廃盤なんですよね。まいったな。新録盤リリースの予定はあるようですね。カーネーションと一緒なのかな?早く聴きたいなあ。さあて本盤ですが、とっても良いです。ちょっと忙しいので明日につづく、ってことで。


 10月21日 晴れ 体調・ふつう

 娘が読みたいっていうからベストセラー漫画の『NANA』(矢沢あい)を買ってみた。読んでる漫画にすぐハマってしまう我が親子。さっそくカミさんは娘をハチと呼んでいる。「あっお父さんがいた!」ほらって5巻5P下を指さし、あっほんとだ【竹ちゃん(30)トラネス マネ〜ジャ〜】ってのが俺だった!(笑)丸顔メガネでヒゲあり小太り。我ながらマンガっぽい容姿だと思う。
宮崎貴士『アステア』
 この人は以前横浜赤レンガ・ホールで浜田真理子さんと共演した時に初めて聴きましたね。ポップな人ですね。でも変わってる。センス良すぎるってのかな?才気が見え隠れしてる。ポップスだったら隠し通せたら良かったと思うけどねその才気。「何かが道をやってくる」ってブラッドベリかな?「アステア」はフレッド・アステアのようですね。俺の中のアステアってエレガントなお祖父ちゃん又は歌丸師匠(笑)ってイメージで、ジーン・ケリーの方が好きだったな。脱日常した詞と浮遊感を伴うしゃれた歌の世界には一時期のムーンラーダーズに似てるかな。プチ・プログレ(?)してるこのアルバムのプロデュースはザッパ解説で高名な岸野雄一氏!デザインは浜田音盤でお馴染み秘密博士です!やっほ〜!


 10月20日 晴れ 体調・ふつう

 「...私は一度、午後の時間にモンクを聴きに行き、近くの店でフォークミュージックを歌っていると話したことがある。モンクは「わたしたちはみんな、フォークミュージックをやっているのさ」と答えた。休んでいるときも、モンクは独自の活力あふれる宇宙にいた。そういうときでさえ、魔法の闇を呼び起こした。....」『ボブ・ディラン自伝』より
 これは'61年NYでディランがまだフォーク修行をしていた頃のことだろうか。タイムトラベラーになれたらねえ。
Eliza Gilkyson,Iain Matthews,Ad Vanderveen
             『More Than A Song』
 イアン・マシューズ以外の方々は存じ上げませんでしたが、hiroさん良いですねこのアルバム!"イアン・マシューズなら全て聴いてる男" hiroさんからの頂き物です。もうけた〜。2001年リリース、録音はオースティン、テキサス。歌と演奏の全てをこの3人でやってるようです。良い曲揃いでアコースティック主体の演奏は爽やかです。3人共その歌声は滋味に充ちていて、これは良いモノをもらっちゃったぜ(笑)。Googleで検索したら湯布院のタムボリンがトップに来てましたね。なるほど。


 10月19日 曇り 体調・ふつう

 小泉首相は靖国参拝問題を外交問題にすり替えることで、国内における靖国参拝支持者を増やすことに成功しつつあるようだ。じつにキタナイそしてアブナイ手法だ。国民の約半分は相変わらず小泉を面白がり、約半分は政治に無力感を覚えている、ように思えるこの日本。な〜んかこの先イヤな感じがする。
The New Lost City Ramblers『The Early Years,1958-1962』
 フォーク・ソング修業時代(?)の若きボブ・ディランに衝撃を与えたらしいマイク・シーガーそして彼が参加しているニュー・ロスト・シティ・ランブラーズのアルバムを聴いてみようと思った。『ボブ・ディラン自伝』を読んでるからね。久しぶりに聴くんだけど久しぶりに感じないのは、この数年古いアメリカ南部のストリングス・バンドなどを多く聴いてきたからかな。NLCRの音楽性に影響を与えたのはあのフォークウェイズの編集盤『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』('52年)。ハリー・スミス編集のこのアルバムには" 古くて奇妙なアメリカ " が息づいていて、熱心なフォーク・ファンにとっては聖典のようなものだったらしい。もちろんディランもかなりの影響を受けていて、近年のアルバムにもソレが垣間見えますね。さてこのアルバム、ギター、バンジョー、マンドリン、フィドルなどのよるオールド・タイム・ストリング・バンドの形態で、歌も演奏もじつに達者です。学究肌のニューヨーカー3人組みによる古い南部音楽リバイバル、真摯な姿勢とジェントルな感じが素晴らしいんです。


 10月17-18日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 『ボブ・ディラン自伝』が面白過ぎる。能地祐子が書いてたように青春音楽小説として楽しく読めるのが良いよね。しかもその文章がかっこいい!これって詩じゃないか!?と思えたりもします。流石ボブ・ディラン!
Frank Zappa『Shut Up'N Play Yer Guitar』
 饒舌だなあ、ザッパのギターは(笑)。ふつうインスト・アルバムと言ったらインスト曲を集めたアルバムなわけだが、ザッパのこれはザッパのギター・ソロだけを集めたアルバムである!エヘン。これがじつに良いのである!エヘン。主に'79〜'80年ツアーの音源から編集されている。LPでは3枚組で(もとは通販限定のバラ売りだった)CDでは2枚組。延々とギターばっかで退屈しないかって?ぜ〜んぜん!ザッパのアコギ・ソロなんか以外な感じがして凄く新鮮。その「スタッコ・ホームズ」だけど、ブランドン・ロス『コスチューム』の原型を聴く思いですよ。ヴィニー・カリュータのドラムが鮮やかにスリルを演出し、ウォーレン・ククルーロのサイド・ギターが随所に冴えたプレイを聴かせ、ザッパのアコギがその音空間を自由自在に駆け回る。さらに面白いのがザッパのブズーキ(!)とジャン・リュック・ポンティのヴァイオリンによるデュオ曲「本日のアヒル」。美しくまたユーモラスな両者のインター・プレイが見事です。邦題は『黙ってギターを弾いてくれ』なんだけど、『黙って俺のギターを聴け!』の方がザッパらしいよな(笑)。


 10月14-15日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 昨日は国勢調査の提出&審査会でした。これで国勢調査員の任務完了。肩の荷が下りたなあ。『古本道場』面白かった〜。古本屋にいきて〜。田舎町に古本屋なんかねぇ〜ぞ(涙)
Frank Zappa『Tinsel Town Rebellion』
 '80年代のザッパはこの大傑作アルバムから始まったのだ!(嬉笑)フツーにロックを聴いていて初めてザッパを聴こうという人にお薦めなのがこのアルバムです(と思ってます)。ザッパのミクスチュアー・ミュージックがロック・バンドという形の中に詰め込まれているからかな。ブラスは無いしルース・アンダーウッドがいない(残念)けど、スリル溢れるサーカスのような楽しさが充満ですよ。スティーヴ・ヴァイが登場したのはこのアルバムです。でもリード・ギターはすべてザッパ大魔神。ここでのもう1人の主役はドラムのヴィニー・カリュータですね。この後、超売れっ子ドラマーとなるヴィニーに拍手を!(笑)アイク・ウィルスとレイ・ホワイトによるドゥワップ風ヴォーカルもザッパ・ミュージックではお馴染み。ラストが涙の「ピーチズV(ピーチズ・エン・レガリア)」良いね〜このちょっぴりセンチなメロディー。最高っす。


 10月13日 晴れ 体調・ふつう

 今日も暖かい。Tシャツいっちょ。娘は授業で妙法牧場へいったはず。行楽の秋だなあ。俺は店番だけどさ。『ボブ・ディラン自伝』を読み始めたんだけど、同時にペラペラ読みを始めた角田光代・岡崎武志の『古本道場』が面白くしかも簡単に読めそうなのでこれ先行っちゃおう。
Bob Dylan『No Direction Home : The Soundtrack』
 '59年18歳のディランはホンモノのアマチュアで歌もギターも自信なさそう。'60年トラディショナルを歌う彼はすでにイッパシのフォーク・シンガーだ。'61年「ウディに捧げる歌」になるともうしっかりと"ボブ・ディラン"だね。オリジナル曲が評価されプロの道を歩み始める。NYのホールで初コンサート、キャパ200の会場でお客は53人だったそうだ。'62年デビュー・アルバム発売。今日に至る。おしまい(笑)。この2枚組CDのキモはデビュー前じゃないんです。ラスト曲があの有名な'66年マンチェスター・フリー・トレイド・ホールの「ライク・ア・ローリング・ストーン」なんだから。この曲とあの事件!?までの助走として他全曲があると言ってしまっては乱暴かもしれないけど、そんな感じがしました。それ程にこの「ライク・ア・ローリング・ストーン」は強烈な演奏なんだよ。これ、映画にもしっかりと映っているというからすっげえ楽しみです。このラスト曲を聴くまではね、ランブリン・ジャック・エリオットと歌う「ミスター・タンブリン・マン」やザ・バンドをバックの「ジョアンナのヴィジョン」なんかに感激していたんだけどね。久しぶりに聴けた「くよくよするなよ」ももちろん良かったしね。


 10月11-12日 晴れ 体調・ふつう

 昨夜は十日町で焼肉に生ビールにラーメンでした。諸田玲子『こんちき』読了。色男の瓢六と売れっ子芸者お袖のカップル、なかなか魅力的でした。この先楽しみなシリーズです。つぎは『ボブ・ディラン自伝』を読まなきゃね。
Bob Dylan『No Direction Home : The Soundtrack』
 お馴染みディランのブートレッグ・シリーズ第7集。これはサウンドトラックとあるからそのうち映像も見られそうですね。楽しみだな。さて本盤ですが、'59〜'66年のボブ・ディランです。28曲中26曲が未発表テイク!還暦過ぎたディランの歌声も好きだけど、若い頃のディランの歌声は特別なものです。この歌声がポピュラー・ミュージックを変えたのだと思います。そして若い頃の姿もとにかくかっこいい!アイドルでありカリスマだった若きボブ・ディラン。明日も聴きます。


 10月10日 曇り 体調・ふつう

 ジョー・R・ランズデールの『モンスター・ドライヴイン』には参ったね。すっげえヘンなもの読んじゃったよ。B級SFホラー映画小説って気がしたね。ドライヴイン・シアターが舞台ってことを抜きにしても、こんなB級SFホラーな小説、日本じゃ生まれないよな、と考えてたら舞城王太郎『阿修羅ガール』ってちょっと近いかもね。次は気を取り直して(苦笑)江戸モノで行こう。諸田玲子の『こんちき』。カバーが艶っぽいよ。めくるとショッキング・ピンクな時代小説。
Jeff Beck『Blow By Blow』
 今日は体育の日なので気楽にベックのこれ。ザッパの「イースターのスイカ」を聴いてたら、ベックの「哀しみの恋人達」を思い出しちゃって、それでこのアルバムを引っぱり出してきました。ずっと昔、この「哀しみの恋人達」のギターをコピーしようとして途中挫折したのも思い出したし。'75年の作品だったね。マックス・ミドルトンを相棒に、プロデュースはジョージ・マーティン。そう考えると次作『ワイアード』より品がある。『ワイアード』のシャープさも大好きだけどね。久々で聴く「スキャッターブレイン」、壮絶だわ。「哀しみの恋人達」、ベックってギター・コントロールが抜群に巧いよね。ほんと名人。その1音1音のタッチや音色に凄く気を配る人なんだよね。ザッパ大魔神、ベック大明神です。とりあえず祭り上げておこう。


 10月8-9日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 『沢田としき原画展』に行って来た。カミさんが絵本好きな仲間達と主催しておるんですよ。会場が近所の" なじょもん " なので、娘とその友達二人を引率して(笑)行ってきました。沢田さんの絵本『アフリカの音』にちなんでアフリカン・ドラムのミニ・コンサートも行われていて、演奏後に"ジャンベ・ミニ講座"そして全員参加でジャンベを叩いたり歌ったりで楽しいひとときでした。両手の指が痛くなったけどね。グン・ドゥ・ドゥ・ッパ、グン・ドゥ・ドゥ・ッパ〜♪
Frank Zappa『Joe's Garage Acts 1.2&3』
 ついにジョーのガレージまで来たね。'79年作。「イースターのスイカ」だね!ギター・インストの名曲そして大名演ですよ。まったく素晴らしい!アルバムはどっちかと言えば歌モノ中心の渋い作品(歌詞に込められた物語が重要なんだそうですが・・・)で、だからラスト近くでこの「イースター・・」が始まると、ゾワゾワっと感動が背中を這い上がります。クリーンで艶っぽいギターの音色にウットリとしていたら夕方になってた。日が短くなっちゃったね。そうそうこのアルバムのドラムはボジオに代わりヴィニー・カリュータです。渋めなサウンドながらドラムはけっこう複雑。ザッパ・バンドのドラマーって大仕事だよねえ。


 10月6-7日 晴れ 体調・ふつう

 今日は小学校の校内マラソン大会。喜び勇んで娘の応援にでかけました。素晴らしい秋晴れでちょっと暑いくらいの中、子供達は元気に走っていました。小3のうちの娘は2キロ・コースをしっかり完走、がんばりました。
Frank Zappa『Baby Snakes』DVD
 昨日ザッパ'79年制作の映画『ベイビー・スネイクス』のDVDが届いたのでとりあえずeMacで鑑賞中。クレイ・アニメって言うの?粘土アニメがグロテスクでウヘ〜な感じ。'77年NYライブを中心に構成されているんだけど、本音を言えばライブだけを全編見たかったな。メンバーはザッパとテリー・ボジオ、ロイ・エストラーダ、エイドリアン・ブリュー、エド・マン、パトリック・オハーン、トミー・マーズ、ピーター・ウルフ。歌うドラマー、ボジオ君のアイドルなルックスを再確認。衣装は黒の水パンいっちょ(笑)、ハデに叩きまくって流石です。ブリューは女装でヘンな踊りを披露(笑)。ザッパは上半身裸で煙草スパスパでトークが長い、毒舌!(笑)。てな風にけっこう笑える映画なんですねえ。お〜っと、ザッパがSG抱えた時には要注意!ソロ・プレイが凄いよ〜。でも、もっと弾いてもっと弾いて〜、っておねだりしたいくらいにソノ・プレイは短いんだよ。なんか欲求不満だ!あ〜もっとライブ映像が見たい!


 10月5日 曇り 体調・ふつう

 ヒラリー・ウォー『愚か者の祈り』読了。'50年代アメリカ、NY近郊都市の郊外住宅地が舞台のビンテージな雰囲気のミステリ。読んでいてスウエーデンの有名な警察小説マルティン・ベック・シリーズ(マイ・シューヴァル&ペール・ヴァルー)を思い出した。所謂警察捜査小説。部下を罵倒しまくるサル警部のキャラは好きになれないなあ。登場人物に魅力が無いので、謎解き中心パズラー派でない俺にはちょっと物足りなかった。次も翻訳物で行こう。大好きジョー・R・ランズデールの『モンスター・ドライヴイン』。こちらも'50年代郊外住宅地っぽい感じ。なので音楽はサバービアな感じでこの2枚。本年度お気に入りの2枚です。
John Hiatt『Master of Disaster』
Ry Cooder『Chavez Ravine』
 サバービア(郊外住宅地)とかわかってないの想像した雰囲気で選曲(笑)。ただこの二人の音楽はいつでもアメリカ民衆(民衆いろいろながらも)のど真ん中にいるように感じているので、小説読みながら彼等の曲を思い浮かべました。ほんとライ・クーダーの『チャベス・ラヴィーン』なんか、サバービア・ミステリー映画のサウンドトラックに最適だと、今気付いた。


 10月3-4日 晴れ/雨 体調・ふつう

 娘は昨日からバス下校。うちの地区の小学生だけ冬期間だけってことのバス下校です。どうせなら登校もバスにしてくれよ!通年バス通学にしてくれよ!
Henry Threadgill & Make A Move
    『Everybodys Mouth's A Book』
 おっ" 悪魔が来たりて笛を吹く " タッチのスリラーなフルートが。なんだか妖しいムード、静謐ながら緻密なアンサンブル。2曲目一転エネルギッシュにサックスが吠えリズムが躍動。いいぞいいぞ!本盤は2001年録音。メンバーはスレッギル(as.fl)、ブランドン・ロス(g)、ブライアン・キャロット(vib.marimba)、ツトム・タケイシ(b)、ダフニス・プリート(ds)。在NY日本人ベーシストのツトム・タケイシは最近注目の逸材ですね。スレッギルはロフト・ジャズ・ムーヴメント後の頃エアーを聴いて以来のファンだし、ロスは去年から(笑)大ファンだし、そこにツトム・タケイシだから聴き逃せないよね。思ったとおりのシャープで知的で素敵なアヴァンギャルド・ミュージック。唸りながら聴いてます(笑)。明日からまたザッパ漬け。


 10月2日 雨/曇り 体調・ふつう

 ウィリアム・K・クルーガー『月下の狙撃者』読了。大満足!シークレットサービス捜査官vs暗殺者。大統領とファーストレディ。ホワイトハウス中枢に巣くう悪のネットワーク。こうした題材、この手の小説に目新しくはないけど、登場人物達の造形が良く、一気に物語に引き込まれた。ハードボイルド・ミステリーの翻訳物、続けてヒラリー・ウォー『愚か者の祈り』へ向かおう。
Frank Zappa『Lather』
 CD3枚組。やっぱこれ良いねえ。『シーク・ヤブーティ』より好きになるかもね。難産の末日の目を見たアルバムと言えるんだろうか。と言うのは'77年に『レザー』という4枚組BOXで発売予定だったのがレコード会社に拒絶され、「ザッパ・イン・ニューヨーク」「スタジオ・タン」「スリープ・ダート」「オーケストラル・フィバリッツ」の4枚に分けてリリースされたんですね。もちろんザッパは不本意だったわけだ。ザッパはこの4枚組BOXに絶対的な自信があったから。確かにここには素晴らしい音楽が詰まってるよね。ザッパを中心にジョージ・デューク、ルース・アンダーウッド、チェスター・トンプソン、エディ・ジョブソン、パトリック・オハーン、テリー・ボジオ、ブレッカー兄弟達によるザッパ流ジャズ・ロック〜ミクスチュアー・ミュージックは万華鏡のようにカラフルに変化しスリリングな音楽を展開してまったく飽きさせないよ。時折間に挟まるドゥワップも効果的だね。そして鬼神のごときザッパのギター!凄い凄い凄い!!!


 10月1日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 10月はいいね。いいはずだね。でもほんとにいいかな?楽しみとしよう。
さて音盤日記、未聴盤が切れたところで再びザッパに戻りましょうか。
Frank Zappa『Sheik Yerbouti』
 砂塵を巻き上げ唸りを上げるザッパの昇竜ギター!ってなもんだ。'79年作、屈指の名作と誉れ高い『シーク・ヤブーティ』です。K.C&サンシャイン・バンドのヒット曲「シェイク・ユア・ブーティ」をパロったタイトル、ジャケットにはアラブの族長に扮したザッパの濃い〜顔がドカン。サウンド的にはロック度の高い作品です。相変わらず高密度だけどね。そして相変わらずのエロい歌詞。真面目にスケベを追求する真摯な態度に惹かれます(苦笑)。ホントは歌詞を意識したことはありません。訳詞読んでも判らないことが多すぎてね。まあ歌詞を理解出来なくてもザッパの音楽は十二分に楽しめるから。そうそうエイドリアン・ブリューがデイランの物真似(ハーモニカ付き)で歌っているとこが笑えますよ。このアルバム、ライブ音源にスタジオで魔法をかけるというザッパお得意の手法で出来上がったものなんだよね。難解だとか変態だとか言われてしまうザッパだけど、ライブは絶対に楽しませてくれたはず。だから見たかったよね、ザッパの生ライブ。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps