●2006●

 2月28日 晴れ 体調・ふつう

 2月が終わる。早かった!1月が長く辛かったからよけいに2月の短さが嬉しい。トリノ・オリンピックも終わったね。閉会式で担がれて満面の笑みで手を振る荒川がいて、一人で帰国した村主がいて、村主は勝負師だからね、いいじゃんこれでと思ったよ。
Charlie Christian『The Original Guitar Genius』
 4枚組BOXです。改めて1939-1941年という短い活動歴が惜しまれるなあ。ジミヘンもそうだけど発展途上改革半ばでプツンと亡くなったもんだから、生きていたら...と想像は膨らみます。そしてジミヘンもそうだけど、でかい足跡を後世に残したことは確かですね。つづく。


 2月27日 小雪/ 体調・ふつう

 スペイン・リーグで「最も危険なダービー」と呼ばれているのがアンダルシア地方セビリアを本拠とするセビージャFCとレアル・ベティスのゲーム。最初のダービーは1916年だそうだ。この2つのクラブ、セビージャは裕福なブルジョワで民主党支持、ベティスは貧困なワーキング・クラスで労働社会党支持、というような色分けがなされているらしい。野沢尚『龍時02-03』に書いてあるんだけどね。サッカーが町の文化と繋がっている。こうしたヨーロッパにはよくある市民と地元クラブ・チームとの深い関係っていうの、日本じゃ考えられないよね。想像できないよね。ヨーロッパにあるサッカーへの熱狂、羨ましいような恐いような。
JAYBIRD COLEMAN『1927-1930』
 &The Birmingham Jug Band. Complete Recorded Works In Chronological Order という長いタイトル。ジェイバード・コールマンはひとりでハーモニカ吹き語りをする芸人さんです。黒人だけどブルースマンというよりやはり芸人です。バーミングハム・ジャグ・バンドの方ではマンドリンとハーモニカの掛け合いが楽しいね。京都の音盤屋「Hot Disc」の土山さんによるとこのバンドのきわどいエロ歌が南部で大受けだったそうです。歌詞が理解できたらニヤリと笑えたかもね。


 2月25-26日 小雨/曇り 体調・ふつう

 野沢尚『龍時02-03』はサッカーを愛するすべての人達に読んで欲しい小説です。去年『龍時03-04』を読んで、作者のサッカーに対する愛情と物語の面白さに魅せられました。そして残念なことに、作者野沢が亡くなったことで、龍時が日本代表としてW杯で戦うという物語を読むことができなくなりました。でもね、作者が亡くなった今でも龍時はスペインで戦ってるんだよね。『龍時』の愛読者それぞれが龍時の戦いを思い描いて行けるわけだからね。
ムーンライダーズ『Moonlight Recital 1976』
 ライダーズの兄貴達、惚れ直したぜ。まあたしかに初期のライダーズの音楽性は大好きなんだけど、ここで聴かれるライブでの逞しい演奏力には改めて脱帽です。'75年に結成され'76年1月に『火の玉ボーイ』をリリース。同年5月に初のホール単独リサイタルとなり、その模様がここに収録されています。初々しいです。で、すでに音楽性が高く演奏も巧い。" はちみつぱい " を経てスタジオ・ミュージシャンやらアグネス・チャンのバック・バンドなどを経験し、バンドとしての練習量もピークだったこの時期ならではの完成度の高さ。素晴らしいです。'76年は俺が二十歳でライダーズの面々が20代中頃で細野晴臣がそのすこし年上で、俺はこの兄貴達からビンビン刺激を受けながら音楽を楽しんで今日まで来たと(笑)。そうなんですねえ。「髭とルージュとバルコニー」は俺がやってたバンドのテーマ・ソングだったしね。


 2月24日 曇り/晴れ 体調・ふつう

 素晴らしい一日。荒川静香が金メダルに輝き、風のハルカが誕生日だった朝、俺は50歳になったのだ(ふっふっふ)。荒川静香は美しかったな(うっとり)優雅な演技には大人の色香が漂っていたね。
『まるまるぜんぶ ちびまる子ちゃん』
 俺と娘の愛唱歌は「アララの呪文」です。幸せな歌は大切です。まる子ちゃん歴代のテーマソングはみんな好きだし、このアルバムにはよりマニアックな「藤木ひきょうのテーマ」「オレはカメラマン」「山根くん/胃腸のマーチ」「ヒロシ天涯孤独のテーマ」「おいぼれじいさんのテーマ」それに「佐々木のじいさんの木の生命力をたたえる歌」なんてのも収録されているのです。面白くて楽しくてちょっぴり切なくてそして心温まるアルバムです。「ひきょうのテーマ」は秘密博士に歌わせたいね(笑)。敬老会には「すばらしいおじいちゃん まる子心のうた」をぜひ(笑)。
♪〜迷って 悩んで 涙あふれ出しても 明日は お日様 もっと輝いているよ〜♪ 親子合唱(笑)。


 2月23日 曇り/雨 体調・ふつう

 民主党は情けない、不様だ。与党はあんなで野党がこんなで国民はなんとなくスサんでいて、日本はいったいどうなるんだろ。
Ollie Nightingale『Sweet Surrender』
 これは'73年に出たアルバムで初CD化。メンフィスの、そうサザン・ソウル。1曲目の「ヒア・アイ・アム・アゲイン」を聴いただけで、もうこのアルバムの素晴らしさが伝わってきました。バラードでは優しく哀愁を帯び、アップな曲ではハリのある高音で、ゴスペルで鍛えた歌声には抜群の存在感があります。プロデュースはジーン・ミラーとジェイムス・ミッチェル。リズム隊はハイ・リズムのハワード・グライムズとリロイ・ホッジスそしてギターにはあのクラレンス・ネルソンといわば鉄壁の布陣。'60年代後半に白人スタジオ・ミュージシャン達によって生み出された頃のサザン・ソウル・サウンドは甘くてまろやかでそして土の香りがしていた。この'70年以降の黒人だけで作られたメンフィス・サウンドはよりタイトでブルージー。サザン・ソウルはやっぱりいいなあ。


 2月22日 晴れ 体調・ふつう

 泣けた泣けた。『アジアンタムブルー』にもらい泣き。" 水溜まりの写真 " に惹かれました。イメージ湧いてくるんだよね。ラスト近く、...「私は幸せだ」。彼女の短すぎる人生で見つけた、それが最後の水溜まりだったのかもしれません。...良い物語でした。解説文は無く、すんなりと物語の余韻に浸ることができました。
The Fieldstones『Mud Island Blues』
 メンバーにクラレンス・ネルソンの名を見つけたのでゲット。ネルソンは'60年代メンフィスのアメリカン・スタジオなどでプレイしていたセッション・ギタリスト。ジェイムズ・カーなどサザン・ソウルのバックでいかしたオブリガートを聴かせていた人です。さて同一人物かどうか?このアルバムは'80年代メンフィスのブルース・バンドの初のCD。ローカル・バンドって感じで、とりたてて凄いところは無い(笑)。ヴォーカルもギターもイマイチで、ちょっと残念。


 2月21日 曇り/晴れ 体調・ふつう

 読みたいと思っていた大崎善生『アジアンタムブルー』。本屋さんにあったので買ってきて読み始めた。喪失、エロス、'70sロック...さてどうくるか?
JESSE HARRIS『Mineral』
 ジェシー・ハリスは良いムードに包まれた曲を作る人です。そしてこの新作はよりムーディーな感じ。彼の歌とギターの他はキーボードとドラム。ベースレス・トリオによる靄のかかったような演奏が曲のムードによく合ってますね。ライナーで渡辺亨さんが書いてるように、ニューヨーカーである彼の音楽には、'50-'60年代のグリニッチ・ヴィレッジのコーヒー・ハウスの香りがします。つまりフレッド・ニール、ティム・ハーデン、ローラ・ニーロ、ポール・サイモンそしてボブ・ディランそしてまたジャズ・マンやビートニク詩人、そんなグリニッチ・ヴィレッジ文化を継承している人なんだと思います。ただ今回はまろやかすぎて、前作の方が好きかな、今のところ。


 2月20日 曇り/雨 体調・ふつう

 月曜日は香取慎吾の西遊記。堺正章の西遊記の方が面白かったな。
WILD JIMMY SPRUILL『SCRATCH'N TWIST』
 N.Y.のアブナイおっさんワイルド・ジミー・スプルーイル。なんと無謀にもレスポール・レコーディング・モデルのボディ上下を切り落として改造した凄くかっこ悪いギターを抱え、舌をベロッと垂らして得意げにギターを弾いてますよ。ここで聴かれるのは'50年代後半〜'60年代前半にかけてのN.Y.ハード・ドライヴィンR&Bです。セッション・ギタリストとして活躍した人だから、その仕事を集めた単独CDはこれが初めてなようですね。見た感じワルっぽいんだけど、ギター・プレイはシャープでワイルドでかっこいいよ。それにしてもこの改造ギター...悲しい〜。


 2月19日 晴れ 体調・ふつう

 日曜日だけど町小学生のスキー大会のため娘は学校です。でも選手じゃないから半日で帰ってきました。天気予報から雪マークが消えて、春が見えてきた感じです。
BUDDY GUY『BRING 'EM IN』
 いったいバディ・ガイはいくつになったんだ!?去年リリースされた新作は現役バリバリなアルバムですよ。ほんと衰えを知らず妙に脂ぎらずに素晴らしいブルース・マンです。'60年代中頃のバディの映像見たら、細身のスーツをぱりっと着こなしストラト抱えてまさにジミヘンの原型ここにあり!ってほどかっこ良かった。その頃からロック・ファンにも受けるモノを持ったブルース・マンだったよね。このアルバムのプロデュースはスティーブ・ジョーダン。ドラマーとしてはもちろんプロデューサーとしても注目の人。ここではストレート・ブルースは少なくてソウル・ナンバーが多くそしてボブ・ディランの曲までやってます。ゲストも多彩で、サンタナ、トレイシー・チャップマン、ジョン・メイヤー、ロバート・ランドルフ、キース・リチャーズ達が参加。バックにはジョーダン、ウィリー・ウイークス、ダニー・クーチ、バニー・ウォレルといったキャリア豊富な凄腕達が参加。カン高くシャウトするバディのイメージが強かったから、リキまないのヴォーカルって以外なんだけど、ソフトなバディも良いですね。素晴らしいブルーズン・ソウル・アルバムです!


 2月16-18日 雨/雪/晴れ 体調・ふつう、ちょっと二日酔い

 荒山徹『十兵衛両断』はとんでもなく面白い。柳生一族vs朝鮮半島からきた妖術師。奇想天外ぶっとびな伝記小説です。
WILCO『Kicking Television LIVE IN CHICAGO』
 ウィルコ'05年のライブ盤。ジェフ・トゥイーディの曲と歌声=ウィルコなんですね。もの悲しい感じで。ルーツ・ロックっぽさの加減もちょうどいいしね。そしてこのアルバム、俺がどうしても聴きたかったのはギタリスト、ネルズ・クラインが参加しているからです。アヴァン・ジャズ系の素晴らしいギター・アルバムをリリースしてる鬼才クラインがウィルコでどんなプレイを聴かせるのか?興味たっぷりだったけど、案の定彼のギターがやはり良いスパイスとなってますね。


 2月14-15日 曇り/雨 体調・ふつう

 ...くすぶったような快感が私を襲う。だが、快感は花開かない。行き止まりの袋小路に追いやられ、それはやがて悲しみに取って代わる。...小池真理子『恋』より。セピア色の悲しい恋物語が終章のマルメロ登場で鮮やかに色づきます。ああそうだったのか!とため息が。
JOHN MAYER TRIO『TRY !』
 人気者ジョン・メイヤーがトリオでブルース・ロックやってるライブ盤が出たというのでさっそく聴いてみました。ベースがピノ・パラディーノ、ドラムがスティーヴ・ジョーダンという超売れっ子凄腕リズム隊と聞けばなおのこと聴かねばと思いまして。ロック・トリオといえばジミヘン・エクスペリエンス!クリーム!ベック、ボガード&アピス!、そしてポリス!ニルヴァーナ!これら先輩パワー・トリオに比べたら劣るけど、ジョン・メイヤーの潔さは良いです。トリオのフロントで嬉々として歌いギターを弾きまくる快感。これはロッカーなら誰しも夢見ることですからね。


 2月13日 晴れ 体調・ふつう

 快晴そして寒い。イトー楽器のおばさんが亡くなられたという知らせが届いた。二十歳の頃からだから30年お付き合いさせていただいた。最初に買ったのはグレコのテレキャスターとヤマハのアンプで、面識のない長髪髭面の津南から来た青年に快く月賦させてくれた伊東のおばさんだった。娘の誕生祝いにはカワイのトイピアノをプレゼントしてくれた。この正月には年賀状もいただいていたのに。笑顔の素敵なおばさんでした。ご冥福をお祈りいたします。
V.A.『HITS & MORE! VEE-JAY SINGLES 1953-1964』
 雑誌の付録にしては超充実のCDです。ブルース&ソウル・レコーズ誌はPヴァインと同じ会社だから、こんな豪華な付録ができるんですね。これは名門黒人レーベルVee-Jayのコンピュレ盤です。ジミー・リードとジョン・リー・フッカーの名盤がすぐに思い出されるけど、ここはドゥー・ワップやゴスペルの宝庫でもありますね。聴いてて一番嬉しかったのはロスコー・ゴードンの「ジャスト・ア・リトル・ビット」。オリジナルを初めて聴いたよ。かっこいい!しびれる〜!あとインプレッションズの「フォー・ユア・プレシャス・ラブ」。この名曲のオリジナル・チューンも初めて聴けたしね。ジョン・リー「アイ・ラブ・ユー・ハニー」のイナセなブギー。ジミー・リード「オネスト・アイ・ドゥ」なんか聴いてると南部の夕焼け眺めながらバーボンを飲みたくなるね。ステイプルズのパパ " ポップス " ステイプルのギター、トレモロがぐわんぐわん鳴ってるあのギター・サウンドは、姉妹の歌声と共に凄く味わい深いね。ありがたい音盤です。


 2月12日 雪/曇り/晴れ/雪 体調・ふつう

 小池真理子『恋』もやはり回想する形のようです。時代は'70年、浅間山荘事件のちょうどあのころ。さてどんなお話しか。
Richard Thompson『GRIZZLY MAN』
 リチャード・トンプソンが大半の曲を作曲し勿論彼のギターをメインとしたサウンドトラック。深い残響を伴うギターの演奏には厳かな雰囲気が漂う。カイザーとオルークが出しゃばってる2曲が少し異質で、これは無くてもいいな。RTのギターだけ聴いていたいからね。ヘルツォーク監督作品は『フィツカラルド』が好きで、ちょうどジャーマン・ニューシネマの時代だったかな、シュレンドルフ『ブリキの太鼓』、ペーターゼン『Uボート』、ヴェンダース『パリ・テキサス』とか話題になったあの頃 。その『パリ・テキサス』の音楽を担当したのがライ・クーダーで、そのシンプルでディープなギター・サウンドは映画音楽としては凄く斬新だったし、その後の映像のサウンド・トラックに大きな影響を与えたと思っているんだけど、このRTの『GRIZZLY MAN』はその流れにあると思うし、純音楽的には『パリ・テキ』より良いと感じた。肝心の映画を見てないから心許ないんだけど(苦笑)。


 2月11日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 杜の都の激しく狂おしい恋をセピア色で語る恋愛小説。小池真理子『無伴奏』を読んだ。'60年代後半の若者文化が懐かしく想い出される。学生運動、反戦フォーク集会、制服廃止闘争、ジャズ喫茶、バロック喫茶...。内容に比して穏やかに感じられるのは一人称で回想という形がとられているためかな。大人の小説ですね。次は『恋』に行きましょう。
Richard Thompson『GRIZZLY MAN』
 ヴェルナー・ヘルツォーク監督映画『グリズリー・マン』のOST。サントラのプロデュースはヘンリー・カイザー。ジム・オルークも絡んでます。一言お見事!
 雪掘りに出るので明日につづく。


 2月10日 晴れ 体調・ふつう

 快晴!でもすごく寒い。こんな日にノルッデイック授業だった娘に「寒くなかった?」って訊いたら「ぜんぜん」だってさ。子供の方が強いね。というか年々寒さに弱くなってる俺。
Otis Rush『All Your Love I Miss Loving』
 Live At The Wise Fools Pub CHICAGO 1976 です。邦題は" 激情ライヴ!" 。その入魂のヴォーカルと伸びやかなスクイーズ・ギターが最高。男盛り精力モリモリって感じです。特にスロー・ナンバー、「ギャンブラーズ・ブルース」などはグイグイ盛り上げて凄い凄い凄い。歓声も良い感じで臨場感たっぷりです。本盤は今までお蔵入りだった音源だそうで、怒っていいのか喜んでいいのか、もちろん大喜びですが。今までに聴いたどのラッシュのアルバムよりもギターが艶っぽいね。


 2月8-9日 曇り/雪 体調・ふつう

 今朝の積雪は20センチくらい。重い雪だった。朝の雪かきがこの程度だとまだ楽だけどねえ。ちょっと思い出したいことがあって「渡辺武信詩集」を読んでいる。19歳の時に買った詩集。友部さんが言っていたけど、'60年代から'70年代中頃までは詩集がよく売れてた時代なんだそうだ。たしかに俺が詩集を買っていたのも二十歳前後のあの時期だったな。
『Count Basie + Lester Young
  Benny Goodman + Charlie Christian』
 オムニバス盤。レスター・ヤングとチャーリー・クリスチャンのプレイって感じ似てるね。レガートを中心とした滑らかなフレージングで。ジャズを聴き始めた頃、この二人の演奏は好きじゃなかった。フリー・ジャズから入ったから。もっとパワフルでシャープでスリリングなプレイの方が好きだったから。だから二人の良さが身に沁みるようになったのは30過ぎてからかな。BGセクステットによる「フライングホーム」はジャイヴな雰囲気の演奏がかっこいい。BGオーケストラ「ソロ・フライト」ではクリスチャンがメインで弾きまくり。ホーン・ライクなソロが新しかったんだよね。彼の活躍期間て'39〜'41と短かく、若くして亡くなったのがほんとに惜しまれる。レスター・ヤングのソロには色気があるね。こもったような暖かい音色で良く歌うソロが素晴らしい。'30年代後半のベイシー・コンボそしてBGのピックアップ・コンボ、共にメンバーは最高だし、ほんと気持ちの良い音楽だね。


 2月6日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 瀬尾まいこ『優しい音楽』を読みました。前に読んだ『幸福な食卓』が好感度抜群だったし、これも期待どおりの良いお話しでした。『優しい...』も『幸福な...』と同様に食卓小説なんですね。とにかく食卓に集うわけです。で音楽はどうなんだ、と読み進んでいくと、きちんとキレイに音楽でオチをつけてます。瀬尾さん巧い。座布団三枚。音楽が「ティアーズ・イン・ヘブン」てのがなるほどーだよね。女子大生の父だったら俺くらいの歳で、だったらクラプトン知ってるしギターが弾けてもいいし、ポピュラーな存在だから20代が知っていても不思議じゃないし、しかもこのお話しにピッタリなんだよね。感心しきり。座布団もう二枚!
あがた森魚『20世紀漂流記』
 〜さみしかったわどうしたの〜♪どい〜んとあがた森魚です。今朝聴きたくなって棚から引っぱり出して来た。ベスト・アルバムだからもちろん「赤色エレジー」です。" 付録としてアノ時代が付いてます!" そんな歌だよね。高校の頃に流行ったんだよね。中沢洋一氏の十八番でしたねえ。これでヒット曲なんだからすごいね(笑)。TVの歌謡番組に出演して、ピアノが鈴木慶一でバイオリンが武川雅寛だったね。まだ " はちみつぱい " だった頃。あがた森魚と鈴木慶一・はちみつぱいって音楽兄弟って感じで、ムーンライダーズ初期の音楽にも濃厚にあがた・慶一ロマンチック路線が薫っているんですね。LOVE&PEACE〜ウッドストック・ジェネレーションの残党。素敵なアニキ達。


 2月4日 雪/曇り 体調・ふつう

 節分寒波に襲われながらも今日は立春。一歩ずつ春に近づいてる。『バッテリーW』読了。この第4巻はバッテリーの危機なんですね。中一のバッテリー巧と豪を中心に、チームメイト、ライバルといった野球仲間達を爽やかに活写。仲間小説って良いね。
Hal Willner produced
 『LOST IN THE STARS THE MUSIC OF KURT WEILL』
 『〜星空に迷い込んだ男〜クルト・ワイルの世界』。'85年ハル・ウイナーのプロデュースによるクルト・ワイル作品集ですね。クルト・ワイル〜 ベルトルト・ブレヒト、三文オペラ、ロッテ・レーニア、'20年代ベルリン・アバンギャルド、ローリング・トゥエンティーズ、ジャズ・エイジと連想。「マック・ザ・ナイフ」「セプテンバー・ソング」「スラバヤ・ジョニー」「アラバマ・ソング」はすぐに思い浮かぶワイルの有名曲。このアルバムはリリース時に買ったんだけど、ワイルへの興味よりその出演者に惹かれてのことで、当時ハル・ウイナーも良い仕事していたし、とにかく聴かねばと思ったんだ。ウイナーのプロジェクトはとにかくジャンル横断で豪華なメンツで演奏陣も凄いのが揃っていて楽しめます。マリアンヌ・フェイスフル歌う「兵士の妻は何をもらった」なんかハマリ役だし、ルー・リードによる「セプテンバー・ソング」なんかルーのオリジナル・ロック・チューンみたいにかっこいい。スラップ・ハッピーのダグマー・クラウス歌う「スラバヤ・ジョニー」も迫力だね。トッド・ラングレンの打ち込みにゲイリー・ウィンドのサックスが被さる「墓穴からの叫び」はハイパー'80'sロックでこれまたかっこいい。トッドのマルチぶりに脱帽!あとスティング、トム・ウェイツ、ヴァン・ダイク・パークス、ヘンリー・スレッギル、カーラ・ブレイ、チャーリー・ヘイデンなどが参加。ジョン・ゾーンの「神の小さき僕」ではいきなり女性の日本語で " まだそんなこと歌っているの だめでしょ " なんてセリフが出てきてびっくり。とにかく満腹なアルバムです。


 2月2日 曇り/雪 体調・ふつう

 田原総一朗・岡本行夫『「外交」とは何か、「国益」とは何か』を読んだ。岡本は知っての通り政府の外交顧問・補佐官をやってる人で田原はニュートラルを意識した現実主義者(と思っているけど)。だから反政府的な発言は聞かれない。小気味よく小泉首相を叱って欲しいところだけど残念(苦笑)。中国に対する認識は興味深かった。例えば...「日本では、中国の脅威は労働集約的なローエンドな産業だ、なにしろ人件費が安いからこれは日本の脅威だという話しになっている。しかし...本当は、最先端のハイエンドのところで、中国は日本を圧倒する可能性がおおいにある。」というお二人のお話し。たしかにシリコンバレーにはインド人と中国人が凄く多いということだし、なんせ今の中国の若い政治指導者達の大半は理工系だってことだしね。
 政治の次は少年野球です。あさのあつこ『バッテリーW』。間あけたから前の話し忘れてるよ。と読み始めたら、すこしずつ思い出した。中学生、巧と豪のバッテリーだ。
カーネーション『Runnin' Wild Live』
 直枝政広って誰かに似てるなと考えてふと気が付いた。鬼太郎だ、大人になったゲゲゲの鬼太郎(笑)。このカーネーションの2005年ライブ盤はamazon.co.jpの独占限定盤だというのでセカされるように購入。せかされる必要もなかったかな。この骨太ロック・トリオが大好きな俺としては買い逃すわけにはいかないからね。直枝のザッパ好きは有名で、「ぼうふら漂流族」はちょっとザッパっぽいかなってとこがありますね。ベース太田譲、ドラム矢部浩志というリズム隊が重厚かつ柔軟で、そんなボトムに支えられた直枝の武骨な歌声とロックなギター、今カーネーションは絶好調だね。ライブ・サポートとして中森泰弘(g,vo)、渡辺シュンスケ(kbd,vo)、鈴木祥子(vo,g)が参加。鈴木さんのハジけたコーラスがいかにも楽しそう。


 2月1日 曇り/雪 体調・ふつう

 2月になった。あとひと月のシンボウです。娘が熱心に読んでいた矢沢あいの『下弦の月』全3巻を楽しく読みました。ラストにもうひと工夫欲しいなって気もしたけどそれは欲張りってもんで。恩田陸が書きそうなお話しというか、小説として読んでみたい気がしましたね。
Bruce Cockburn『SPEECHLESS』
 寒い国の人ですね。暖炉のある暖かい居間でスコッチでも飲みながら聴いていたい。そんな怜悧さと暖かさが同居したギター音楽です。これはコバーンが今までリリースしたアルバム(34年間分!)からインスト曲だけを選んだ編集盤です。コバーンという人はシンガー・ソングライターであり又優れた超巧いギタリストでもあります。エレキもアコースティックもどちらもござれで、そういえばリチャード・トンプソン的とも言えますね。若い頃にバークレー音楽院でジャズも学んでいるんだけど、良い意味でジャズ臭くなく、フィンガー・ピッカーゆえのタッチを生かした繊細でインテリジェンスを感じさせ、なおかつ情感溢れるギター・プレイには孤高の美しさがあります。あらためて、ブルース・コバーンは偉大なり。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps