●2006●

 3月30-31日 雪 体調・ふつう

 真冬に逆戻り。でもここまで来たら、と楽観的。フキノトウも食べたしさ。明日から4月ですよ。
Richard Thompson
『A Celebration Of The Life And Music Of Richard Thompson』
 CD5枚ってのは聴き応えがある。雄々しく雄弁なRTの歌とギターは大好きだけど、これだけ聴いてるとさすがに他のが聴きたくなってきた(苦笑)。こんなに旺盛なライブ活動を行っているんなら、また日本に来て欲しいな。5枚目のラスト曲は「Dear Janet Jackson」。これは例のオッパイ・ポロリ事件を歌っていてお客さん大爆笑なんだけど、ああクヤシイなあ(ツボがわからん)。


 3月29日 雪 体調・ふつう

 T・ジェファーソン・パーカーの『サイレント・ジョー』を読んでます。不幸な生い立ちとその傷跡を背負い生きてきたジョー・トローナ。ラジオ番組に引っぱり出され「あと2秒残っているから、自分のことを単語ふたつで表現してみて」とせかされ「needs Improvement(改善の余地あり)」と答えたジョー。さて物語は...。
Richard Thompson
『A Celebration Of The Life And Music Of Richard Thompson』
 昨夜見たトラフィックのライブDVDの中で、ウインウッドがアコギを弾きながらトラッドの「ジョン・バーリーコーン」を歌っていて、その哀感ってイギリスのロッカーに共通のものかな?とか考えていました。リチャード・トンプソンの音楽に漂う哀感とやはり似ているし、RTが歌うピート・タウンゼントの曲(もちろんザ・フーの曲)にもそれを感じることができます。ツェッペリンにもクラプトンにも感じることのできるこの哀感こそブリティッシュ・ロックのソウルなのだ!と...決めつける事はいたしませんが(笑)。


 3月28日 晴れ/曇り 体調・ふつう

TRAFFIC『THE LAST GREAT TRAFFIC JAM』DVD
 嬉しいなあ、こんな映像が見られるなんてね。'94年再結成ツアー。オリジナル・メンバーはウインウッドとキャパルディのみだけど、サウンドはトラフィックそのもの。シンプルなれど雄弁なギター・ソロを弾きまくるウインウッドも最高。「ディア・ミスター・ファンタジー」ではジェリー・ガルシアがギターで客演。サイケの神髄を披露。アコーステイックで奏でる「ジョン・バーリーコーン」ではウインウッドの歌声に酔いしれて、「ギミ・サム・ラヴィン」は思いっきりなグルーヴィーに興奮。あらためてウインウッドはそしてトラフィックは素晴らしいなと感動しました。ウインウッドのライブは、'80年代にソロ・アーティストとして世界的成功を収めた頃のワールド・ツアーでの東京ライブとこの前のフジ・ロックの2回見ているけど、どのライブも真面目にソウルフルなスティーヴィーがいて素晴らしいものでした。やはりスティーヴィー・ウインウッドは偉大なロック・レジェンドですね。


 3月26-27日 晴れ/曇り/雨/晴れ 体調・ふつう

 どうも花粉症が始まったようだ。今年は花粉症対策としてひと月くらい前から「べにふうき緑茶」を飲んでるけど、さて効果の程は...。昨日はムラの区長渡しと役員慰労会。地震と豪雪と大変な2年間だった。
Richard Thompson
『A Celebration Of The Life And Music Of Richard Thompson』
 すごいヴォリュームのボックス・セットCD5枚組。hiroさんから取り寄せてもらいました。RTのソロだけでなく、フェアポート・コンヴェンション、アルビオン・カントリー・バンド、リチャード&リンダ、RTバンドなどRTの全キャリアを網羅した内容で、しかも収録音源の多くが未発表のものだそうだ。時間がないのでつづく。


 3月24-25日 晴れ 体調・ふつう

 良いお天気でした。土色した雪の間からフキノトウが咲き誇っています。美味しそう。
senti toy『how many stories do you read on my face』
 ああっ!すっげえいいよ!センティ・トイ『私の運命線』。ジャジー&フォーキーで、そうジョニ・ミッチェルに似た音楽。1曲目のタイトル曲♪how many stories do you read on my face〜の歌い出し、素晴らしくキャッチーな、まるでイチローのように効果的な1番打者だね。ノラ・ジョーンズのファーストのような感じで売れるかも。オーガニックなグルーヴとリラックスした歌声が心地良いね。そもそもこのセンティ・トイ、ヘンリー・スレッギルの妻ということでピッときて、アルバムの参加メンバーにブランドン・ロスがいるってのでピピッときて、その上フェルナンド・ソーンダース、トニー・セドラス、カルヴィン・ジョーンズなどN.Y.ダウンタウン派(前衛ジャズ系?)がバックアップとくりゃもうビビビビッ、っと即買い。御大ヘンリー・スレッギルは不参加なんですね(残念)。さらにセンティ・トイ、彼女の生い立ちがじつにドラマ。ライナーで知ったんだけど、彼女はインド人です。でもナガランドというミャンマーと国境を接する深東北部山岳地帯の出身です。だから顔の感じは日本人ぽいです。彼女のひいおじいさんまでは首狩り族で、父は若い頃日本の東芝で研修したためミスター東芝と呼ばれていたそうです。そして自ら姓をトウシバと名乗ったのですが、発音しにくいのでトイとなったそうです。面白いね!そして彼女は地元の高校卒業後、ボンベイ(今はムンバイ)の大学へ、大学卒業後は音楽プロダクションで仕事を始め、そして歌い始める。そしてインド公演に来たヘンリー・スレッギルに見初められ結婚。'94年にN.Y.へ移り住んだとさ。で、プロフィールが面白すぎて音楽二の次なんてことはありませんよ。聴いてみたら、その素晴らしさに引き込まれますよ。インド人パーカッショニスト、シヴァマニのプレイはスパイシーで効いてますね。ロスのギター・バンジョー・プレイもシブく効いてます。そうなんだね、イナセな演奏なんだ。いいなあ〜。


 3月22-23日 晴れ/雨/曇り 体調・ふつう

 喜国雅彦『本棚探偵の冒険』を楽しみ中。喜国の漫画は単行本で1冊持ってるけど内容は忘れた(笑)。パロディ物だったような...。そんな彼がこれ程の古書道楽者だとはね。なんかねマニアな気持ちって分かる気はしてたけど、収集が目的な人達はハタから見たら異人変人て気がしてきた。愛すべきマニアの世界だね。俺だって「ドラゴンボール」や「ドラエモン」の作者として印税生活できるんなら、マニア的収集道に邁進するんだけどねえ(笑)。
友部正人『カンテ・グランデ』
 サウンド・ディレクターは近藤達郎だったんですね。'84年作品で、これもLPで持ってます。ジャケット画はスズキコージさん。LPはサイズが大きかったからこのジャケットを部屋に飾っていたこともありました。「ボロ船で」...言葉に羽が生えていろんなところへ飛んでいきます。言葉が想像の翼を持って飛び交う様が凄いです。わかるわからないの問題じゃないんだよね(苦笑)。「ロックン・ロール」はジョン・レノンを引き合いに、自分が歌うことについての真っ直ぐな表現が目にしみます。友部さんは飾らずにいつもそこにいて、だから飾ってる自分が恥ずかしいと思う時があります。


 3月21日 晴れ/雨 体調・ふつう

 Gibsonオール・チューブ5ワット出力のギター・アンプを入手。コントロールはヴォリュームのみで超シンプル。さっそくフルテンで鳴らしてみました。ふ〜んそうか、まあこんなもんだよな。パワー管のみの歪みだから潔いとも言えるサウンドでした。
 『思い出の作家たち』終章は司馬遼太郎。「...愛国的な熱意によってでなく、日本人であることの、歴史を通じた冷静な認識によって、彼の著作は国民全体を鼓舞したのである。...市井の最も平凡な人々の人生さえもが賞賛に値するものなのだと説いて、日本人を慰撫し、勇気を与えた。」とある。司馬さんは国家主義を嫌悪しました。そして国家を持たぬバスク民族が固有の言語と文化を誇りと共に堅持する様を熱く見つめるのでした。
友部正人『ポカラ』
 妻有我楽多倶楽部として初めて友部さんのライブを主催したのは'86年でしたね。その時に友部さんからポスターに使ってくださいと送られてきたのが「ポカラ」のポスターだったので、ずっとこの『ポカラ』は'85-'86年頃の発売と記憶していました。'83年だったんっですね(笑)。記憶ちがいでした。でも記憶違いはそれくらいで、このキラキラしたサウンドと田島征三の力強いジャケット画と「遠来」の真っ直ぐな歌声は記憶どおりでホント素晴らしい。ギターが鈴のように鳴っているんだよね。デジタル・リマスターのおかげでいっそう綺麗に響いています。アレンジのせいもあるけど一番ポップなアルバムかな。プロデュースは伊藤銀次。


 3月20日 雪/曇り 体調・ふつう

 『思い出の作家たち』三島由紀夫の章で、三島は公然と太宰治への激しい嫌悪を露わにした人で、「仮面の告白」を例に、太宰は自分が周囲の人達と違うから仮面を被って彼等と同じ人間であるように振る舞い、三島は選んだ仮面に自分を作り替えることができ、そしてその仮面を被ったまま死んだ、とあった。三島の作品はどうあれ、あの最後はメイワクな死に様だと思う。ひとりで静かに自決すればよかったのだ。
THE LITTLE WILLIES『THE LITTLE WILLIES』
 ニューヨークに集った若者達による南部音楽風ルーツ・ロックで、それをノスタルジックに楽しんでる、そんな感じがする。トゥワンギーなギターがちょっとヤカマシク感じる時もあります。このスタイルのギター・プレイは好きなんだけどね。'70年代のノスタルジー歌姫はマリア・マルダーだったけど、マリアのバックはもっと手練れが揃っていて音楽的に深いものがあったな。ま、若者が気楽に古臭いロックを楽しんでるんだなこれは。そしてノラの歌声はやはり魅力的です。


 3月19日 雨/雪 体調・ふつう

 ドナルド・キーン『思い出の作家たち』を読んでます。谷崎・川端・三島・安部・司馬という五人の作家について書かれています。さてこれからムラの役員会です。
THE LITTLE WILLIES『THE LITTLE WILLIES』
 ノラ・ジョーンズの新作じゃなくてリトル・ウイリーズのファースト・アルバムだったんですね。こうしたバンド・サウンドを聴いてると、ノラはあのファースト・アルバムのイメージから離れたいのかなと思えたり。彼女はセカンド・アルバムや近年のライブDVDそして去年の東京LIVEでもルーツ・ロック好きが伺えていたから驚きはないけどね。時間がないから、つづく。


 3月18日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 彼岸の入りということで店も忙しい。栗田有起『ハミザベス』読了。なんかわからんお話しながら読みやすくてあっという間に読めました。あんまりスーっと読めたのでナニカ読み残しがないか心配(笑)。
バートン・クレーン『バートン・クレーン作品集』
 良いねえこのクルーナー・ヴォイス。今日も聴いてます。青い目の紳士がクルーナーで歌ってる、アメリカの流行歌をヘンテコな日本語詞で歌ってるってのが可笑しいんだよね。演奏はジャズで、これもモダン。モダンと言えば「モダーン100万パーセント」なんて曲もあり(作詞はクレーンさん)♪彼女はモダンで乙だよ 何でも知っていて素敵だよ あまり知り過ぎていて やりきれぬくらいだよ〜なんて歌ってる(笑)。淡谷のりこさん(初々しい)とのデュエットがあったり伝説の(俺的にw)宮田東峰の宮田ハーモニカバンド五重奏団(バックにバンジョーも聞こえる!)の演奏も聴ける。「おいおいのぶ子さん」ではスチール・ギターのソロがあるけど、まさかディック・ミネじゃないよね?とにかくこのお茶目なアメリカ人に感謝です。茶目でなく青目なんだけどね。そしてなんと言ってもこの企画を立ち上げ音盤化に漕ぎ着けた石川茂樹氏に拍手喝采!


 3月17日 雨/曇り 体調・ふつう

 明日は彼岸の入りなので、我が家のお墓を掘り出してお迎えの準備です。70センチ位掘ってようやく石塔の天辺が顔を出しました。まだ雪は多いけど、もうお彼岸ですからね。
バートン・クレーン『バートン・クレーン作品集』
 歌を聴いた後でジャケット見ると「欧米か!」とツッコミたくなるよ(笑)。じつに面白い世界だな。エノケンとあきれたボーイズは大好きでLPもCDも持っているし、細野晴臣のトンチンカン路線も大好きだったので、当然このバートン・クレーンさんも大好きですよ。みなさんコミカルでそのうえ永遠のモダン・ボーイなんですよね。ここに収録の歌が録音されたのは戦前の日本、昭和初期で、だからエノケンやあきれたボーイズとは時代がダブってる。時代そのものがモダンだったとも言えそうです。京都の宝" ふちがみとふなと " のアルバム『ヒーのワルツ』の中に「威張って歩け」「ニッポン娘さん」というコミカルな歌があって、このオリジナルがバートン・クレーンだということが書かれてあり興味を覚えていたら、タイミング良くこのCDがリリースされたのでした。ライナーによると、クレーンさんは'25年秋に新聞記者として来日、'36年秋まで11年間滞日。当時日本蓄音機商会(コロンビア)社長だったホワイトが、宴席で英語の歌に珍妙な日本語詞を付けて歌っていたクレーンさんを発見!さっそくレコード吹き込み、となったんだって。聴けば聴くほど可笑しい歌ばかり(笑)。かのサトウハチロウもこの歌詞にはお手上げ。でも可笑しさだけじゃないんだよね、観察眼、ジャーナリストなればこその日本人に対する観察眼が優れていたから、こんな歌を作って歌って、みんなを喜ばせることができたんだよね。


 3月15-16日 晴れ 体調・ふつう、なれどセキは止まず

 広谷鏡子『花狂い』、もう他人事でない世界かなあ...などと色々考えながら読んでいる。初老小説でしかも情痴小説で...老醜..老臭(笑)。え〜い他人事だ、他人事他人事...(苦笑)。
友部正人『6月の雨の夜、チルチルミチルは』
 '87年盤、吉野金次のリマスターにより待望の復活!プロデュースが矢野誠ということもありバック陣もクセ者ぞろいだね。なかでもウード奏者ハムザ・エル・ディンにはびっくり。「6月の雨の夜...」「ジョージア・ジョージア・オン・マイ・マインド」「ふあ先生」「愛について」などの代表作も収録されていますね。どの曲も弾き語りで聴き慣れているせいか、きちんとアレンジされた演奏が付いた曲を聴くと、また違った表情が見えてくるね。友部さんて女性ファンが多いんだけど、このジャケット写真を見ると肯けます(笑)。名作です!


 3月14日 曇り/晴れ 体調・ちょっと風邪ぎみ

 上原隆の『雨にぬれても』にはやられたな。彼の作品をどんどん読んでみたい。短編小説集かと読み出したんだけど、一話一話がやたら短い。その短さに、最初は物足りなくノレないなって感じながら、どんどん読み進める。そしたら、ああそうか、面白いんだ、と病み付きになる。どの話しにも結末っぽいものがない。オチがないんだよね。だからそれぞれの小さな物語の登場人物が、読み終えた後になっても、そのへんに生きていてナンカ気になるんだな。こうした作品、ルポルタージュ・コラムと上原さん自身が命名している。ノンフィクションだったんだ!現代日本の市井の物語。するどい!
友部正人、谷川俊太郎、他『LIVE! no media 2004』
 友部さんプロデュースのポエトリー・リーデイング・シリーズの4作目。今回は詩集の出版を専門とする思潮社からCDブックという形でのリリースです。この形、本屋さんにも置いてもらいたいということでの事だそうです。友部ファンであり本好きでもあるので、CDブックとは願ったり叶ったり。1作目の『no media 1』は詩の作者の生活環境で録音されたもので、街のノイズ・生活の音がバックに聞こえていて、俺はそれが画期的な試みだと思い、ポエトリー・リーディングをとても身近に感じることができました。そして今回はライブです。詩人から放たれた言葉があり、耳をすまし、言葉に身を委ね又掴み取ろうとする聴衆がいます。ライブならではの緊張感はあるはずです。そんな中、飄々とおおらかに「なんでもおまんこ」を歌う谷川俊太郎さんの存在感はさすがです。出演者は田辺マモル、町田直隆、オグラ、谷川俊太郎、宮沢和史、知久寿焼、水谷紹、工藤直子、三宅伸治、平井正也、尾上文、田口犬男、石川浩司、友部正人。まだまだ味わい足りないからiPodに入れて耳をすましてみようか。


 3月12-13日 雪/大雪/晴れ 体調・ふつう

 11日夜はムラの除雪隊解散式と慰労会。昨日は津南町&栄村有志による「豪雪反撃コンサート」。そしたらとたんに寒気も反撃に出ましたよ。真冬に逆戻り(苦笑)。
 今日13日は娘9歳の誕生日。なのに風邪ひいて病院へ行って来ました。でも熱はないので元気です。名古屋のおじさんおばさん(笑)、バースデイ・カードありがとう!
DORIVAL CAYMMI『SAUDADES DA BAHIA』
 ドリヴァル・カイーミ『バイーアの郷愁』。カイーミはバイーア音楽の父なのだそうです。バイーアっていう土地はジャズで言うところのニューオーリンズなんだそうです。ブラジル・サンバの源流、バイーアで産声を上げリオ・デ・ジャネイロで発展したのがサンバなんですね。ボサ・ノーヴァのジョアン・ジルベルト、トロピアリア運動(ブラジルのニューウェイヴかな?)を牽引したカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、 ガル・コスタ達はみんなバイーアの出身です。それで、ブラジルの音楽は大好きで色々と聴いてきたつもりでしたが、ドリヴァル・カイーミをまとめて聴くのは初めて。'39-'67年の作品が収録され様々なブラジリアン・ポピュラー・ミュージックのスタイルを楽しめます。ブラジルの歌姫カルメン・ミランダやクアルテット・エン・シ(ガールズ・フロム・バイア)との共演などポップで華やかな曲が多い中、ギター弾き語りによるカンソーン・プライエイラ(海をテーマにした物語歌)の男臭い郷愁を感じさせる曲がじつに良いです。こうした港町の歌には、ポルトガルのファドと共通したなにかがあるように思われるなあ。と、しみじみ降る雪を眺める...。


 3月11日 晴れ 体調・ふつう

 昨夜は我楽多倶楽部6名でホテル・ベルナティオにて「新年会&豪雪慰労会」。泊まりは別棟のコテージだったのでギターやらiPod&iPod Hi-Fi やらシングル・モルトやら西表古酒やら懐かしの歌本やら持ち込んで楽しく遊んできました。もちろん温泉にも入ったよ〜。
keletigui diabate『sandiya』
 リチャード・ボナのDVDによれば、彼は幼い頃からバラフォンに親しんでいたそうだ。ボナの柔軟で流れるような音楽とこのケレティギ・ジャバテのバラフォンは似た感じがする。そしてサリフ・ケイタ。このアルバムを聴いてるとサリフ・ケイタの歌声を思い出す。サリフの節回しとバラフォンの調べはやはり似ている。ボナもサリフもそしてケレティギの音楽も素晴らしく魅力的だ。そして彼等から流れ出るメロディとリズム、ず〜っと繋がっているような小節の単位を感じさせない、空気と一緒に漂っているような音楽...なんか自由なんだなと思う。


 3月9-10日 晴れ 体調・ふつう

 ああいいお天気。と店番していたら迎えの洋一君が早々登場。じゃあちょいと山のホテルまで出かけてきます。
keletigui diabate『sandiya』
 ケレティギ・ジャバテ『サンジャ』です。ようやく手に入れました。去年リリースされたアルバムなんですが国内盤より輸入盤の方が高く、アマゾンには輸入盤しかなくて日本盤発売元メタ・カンパニーでは品切れで、年をまたいでようやく手元に届きました。待った甲斐がありましたよ。素晴らしいアフリカン・ミュージックです。サリフ・ケイタ、トゥマニ・ジャバテ、ティナリウェンといったワールド・ミュージックを賑わせているミュージシャンを輩出したのがアフリカのマリで、ケレティギはその国で" マリの宝もの " " 隠れた英雄 " と呼ばれているそうだ。現在75歳、'98年からはアビブ・コワテ&バマダのバラフォン奏者としてワールド・ツアーに同行している。バラフォンはアフリカの伝統楽器の中で一番好きです。瓢箪を共鳴体とする木琴ですがビリビリとしたサワリ音がするように細工がしてあります。なんとも心地よい音色がします。


 3月8日 曇り 体調・ふつう

 『椿山課長の七日間』、「献杯」佐伯知子の純愛に感動してジ〜ンとし、椿山の父さんにまたホロリ。まったく椿山ったら(怒)、お前には邪淫の罪が相応しいぞ。とか...。まだ物語途中です。
Atomic『The Bikini Tapes』
 覚えづらい名前5人組はノルウェー3人とスウェーデン2人でした。以前聴いたノルウェー人ベース・マン、マッツ・アイレットセンの『トゥランガ』が凄く良くて、そこに参加していたのがこのアトミックのフレドリク。今、ノルウェーのジャズって異常に良いとこに来てる感じ。それ以前に知っていたノルウェーのジャズと言えばブッゲ・ヴッセツトフトとニルス・ペッター・モルベルで、その両者のジャズを好きになれなかったので、一時北欧離れしておりました。そこへ音盤仲間のA1氏が『トゥランガ』を持って現れ、そしてこの『ザ・ビキニ・テープス』を颯爽と渡され、聴いたとたんに一目惚れ(笑)、素晴らしさに圧倒されておりますよ。アコースティックによるポスト・フリー・ジャズの動きとして思い出されるのがロフト・ジャズ。ヘンリー・スレッギルがいたエアーとかね。また作曲重視という点でデイヴィッド・マレイとアーサー・ブライスが吹いていた頃のジャック・ディジョネット・スペシャル・エディション。このアトミックはそんなロフト・ジャズの発展系なのかな?と思ったり。とにかく才能溢れる人達ですね。


 3月7日 晴れ 体調・ふつう

 浅田次郎『椿山課長の七日間』を読んでます。〈邪淫の罪〉か...俺も逃れられないよな...。『蒼穹の昴』『壬生義士伝』と同じ作者が『プリズンホテル』や『椿山...』も書く。小説家ってのは凄いね、というか浅田次郎が凄いんだな。本屋に寄ったら『20世紀少年』の最新巻があったので持ち帰りさっそく読んだ。ラスト・スパートか!?
Atomic『The Bikini Tapes』
 こりゃあ凄い!最高だ!今のジャズを聴きたい人は迷わずこれを聴くべきだ。ノルウェーのジャズ・クインテット、ライブ3枚組CD。アコースティックなある意味ストレートなジャズでありながら、その音の表情は真新しい。メンバーはフレデリク・ユンクヴィスト(sax.cl)、マグヌス・ブルー(tp)、ホーヴァル・ヴィーク(p)、インゲブリクト・ホーケル・フラーテン(b)、ポール・ニルセン・ラヴ(ds.per)の覚えづらい名前5人組。ボリュームたっぷりなので明日も聴かなきゃ。


 3月6日 雨/曇り 体調・ふつう

 4-5日は雪祭りと後かたづけなどがあり音盤を聴いてる暇がなかった。そして今日は普通の月曜日。J・トンプソン『おれの中の殺し屋』読了。強烈だった。もう読みたくないな。殺人者が一人称で語る小説なので人格が壊れている(壊れていく)様がいっそう恐い。もの凄く周到に作られた巧い小説だからこそ、読者に何とも言えない(イヤな)読後感を押しつける。スティーヴン・キングが熱い賞賛の解説を寄せている。世に恐い物好きって多いよね。
ROD STEWART『ATLANTIC CROSSING』
 このアルバムを聴いていて、その " 程良さ " が素晴らしいと思う。名曲揃いだし熱唱だし、だけど全体の印象は程良いんだよね。だからいつでもどんなときにも聴いて楽しめる。ヘッド・アレンジなのか、ムリのない演奏がここでは好感が持てる。凄く良い感じで演奏してるんだよね。聴いていて嬉しくなってくる。ここの曲の中では「セイリング」が一番有名かと思うけど、俺的には他の曲がみんな良くて「セイリング」は下の方かな。悪くないけど、他の曲の方が断然良いものね。アッパーなロック・チューン「スリー・タイム・ルーザー」「ストーン・コールド・ソウバー」はロックのツボをビンビン刺激してくれるし、「明日なきさすらい」はオリジナルを越えたソウルフルなナンバー。「もう話したくない」「それはスポットライトじゃない」「ジス・オールド・ハート・オブ・マイン」「スティル・ラヴ・ユー」と続くバラード・メドレーはロック・アルバム史上屈指の充実ラインナップだと思う。特に元クレイジーホースの故ダニー・ウイッテン作「もう話したくない」は素晴らし過ぎて泣けてきます。


 3月4日 晴れ 体調・ふつう

 今朝 iPod Hi-Fi が届いた!速い!昨日、衝動で《カートに追加》をクリックしたばかりなのに、もう聴けてます。さて今夜は津南の雪祭り。ここ卯の木でも盛り上がってる様子。天気も良いよ。夕方はスノーキャンドルの設置と点火でムラ回りです。
ROD STEWART『ATLANTIC CROSSING』
 『トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男』という映画が公開されるそうだ。トム・ダウドはアトランティック・レコードのエンジニア/プロデューサーとしてジャズ、ソウル、ロックなどの多くの傑作に関わり生み出してきた巨人です。そしてこのロッド・スチュワート'75年アルバムもトム・ダウドのプロデュース作品ですね。「アイム・セクシー」以前のロッドは大好きでした。以降のゴージャス路線にはついて行けませんでしたが...。これはフェイセスを離れ単身アメリカに乗り込んで、というよりメンフィス・マッスルショールズに乗り込んで作ったアルバムで、心機一転、初々しさも感じさせるロッドの歌声と南部のダウン・トゥ・アース(懐かしい)なサウンドが見事に解け合った極上のロック・アルバムです。ああ時間がない。つづく。


 3月2-3日 小雪/曇り 体調・ふつう

 奥田英朗の『ガール』は30代独身キャリア・ウーマン達の涙あり笑いありもちろん嫉妬ありの愛しい短編小説集。俺はこんな職場がうらやましい!だって会社努めの経験すらない俺だもの、こんな愛しいガール達のいる職場は夢の世界だな(笑)。次はJ・トンプソン『おれの中の殺し屋』。読み始めてちょっと後悔...ノワール、悪い奴の話。『ガール』の次にこれはないよな...。
はちみつぱい、ハース・マルティネス、トム・ウェイツ、エルビス・コステロ、ルイス・フューレイ、ムーンライダーズ、ロッド・スチュワート、リチャード・トンプソン、友部正人、もりばやしみほ...
 昨日今日といろんな音盤をとっかえひっかえ聴いています。理由は(ふふふ)...今は内緒。コステロの「オール・モスト・ブルー」がアルバム『オール・モスト・ブルー』に入っていないなんてすっかり忘れていました。コステロがデビュー当時所属していたスティッフ・レコードの玄関入って正面の壁にはグラム・パーソンズの写真が飾られていた、なんて話しもすっかり忘れていたし。レコードを真剣に聴き始めた'70〜'76年頃に聴いてた音楽の事は鮮明に思い出せるのに、'80年以降の事となると聴き方接し方が軽くなったのか?忘れている事が多いみたい。久しぶりに聴いたトム・ウェイツのセカンド・アルバム、声が若いよねえ、当たり前だけど。初めて聴いた当時は老成したヤツだなと思ってたけど、今より声も若くて溌剌としていたんだよね(笑)。Hi-Posi(もりばやしみほ)の「身体と歌だけの関係」はいつ聴いても刺激的だね。


 3月1日 雨/曇り/雨 体調・ふつう

 3月は奥田英朗『ガール』からスタート。桃色のタイトルが春っぽくていいな。
Charlie Christian『The Original Guitar Genius』
 ブルースのエモーショナルにスクゥイーズするギターには人間の泣きや叫びを感じ、熱くのめり込んだ時期があって、その頃はジャズ・ギターっていうと奥歯に物が挟まったような長ったらしい説教を聞かされているような、テクを見せびらかしているだけのような感じで、ジャズは好きだけどジャズ・ギターはつまんないと公言してました(苦笑)。それがまた聴いてみる気になったのは、ジャイヴやアーリー・ジャズのテディ・バン、タイニー・グライムス、エディ・ラングそしてジャンゴ!なんかを耳にして、おっイナセだね!かっこいいね!と突然感じたわけです。なにが良いかって、それは " お勉強臭さ " が無いからなんですね。そしてチャーリー・クリスチャン、クールにホットです。挑戦者なんですね。天下のベニー・グッドマンに雇われて、バンマスを刺激し続け、スター・バンドにいたおかげでフレッチャー・ヘンダーソン始めクーティー・ウイリアムズ、ライオネル・ハンプトン、ジーン・クルーパなどの俊英や大物と共演する機会を得て、自身の音楽を磨き、よりホットなジャズを求めてアフター・アワーズ・ジャム・セッションを繰り広げていたクリスチャン。4枚目の数曲に収められたビ・バップな喧騒 は新しいジャズへの胎動です。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps