●2006●

 5月31日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 川上弘美『夜の公園』読了。リリと親友の春名は共に35歳。リリには夫が居て春名は独身教師。二人には若い恋人がいる。その若い恋人ふたりは兄弟。春名はリリの夫ともホテルに行く仲。今回の川上さんはこんなお話し。乾いているなあ〜って感じ。
スライマングース『TIP OF THE TONGUE STATE』
 あっけらかんと楽しいインスト・ミュージック。このバンドは初めて聴きます。写真をみると全員ベテラン顔。リリー・フランキー氏の推薦文付き。曰く「...を聴くとイマジネーションが槍のように降ってくる。最強にして、最上のヴァイブス。最高の刺激と最良のエクスタシー。」ともの凄く誉め上げられております。俺が1日聴いていて感じたのは、これはとても心地よいリズム・マッサージだねえってこと。ああ日が暮れてきた。


 5月29-30日 曇り/雨/曇り 体調・ふつう

 雫井脩介『クローズド・ノート』読了。ヒロインの死(の予感が)が物語り中併走しているというのに爽やかな読後感。二人のヒロインから放たれる爽やかさかなと思う。素晴らしい警察ミステリーだった『犯人に告ぐ』と同じ作者なんだよね、びっくり。ヒロインのひとりは小学校4年生担任で、その教師と生徒達の描写が繊細で温かくてとても惹かれた。うちの娘も小4だし、子供達に細やかに接してくれている先生達も身近な存在だからかな。雫井さんの担任教師とその生徒達に対する温かい眼差し、その謎が解けたのは後書きを読んだ時。雫井さんには不慮の事故で亡くなられたお姉さんがいて、小学校の教師をしていた。そのお姉さんの遺品の中に教え子からの手紙や卒業文集そして連絡帳や学級通信などがあり、雫井さんは亡き姉を偲びそれらを読んだ。そしてこの小説冒頭の学級通信「太陽の子通信」には、そのお姉さんの文章が使われているとのこと。この小説は、亡き長姉への想いと共に書かれた、だから温かくちょっと切なくなのに爽やかなのだと感じた。
CASSANDRA WILSON『thunderbird』
 新作です。彼女のアルバム、気になるので出る度に聴いています。でもその都度イマイチ感で充たされない。この新作、ある意味ロックより、というかジャズじゃない、かもしれない(笑い)。ま、どっちでもいいんだけどね。プロデュースはTボーン・バーネットでドラムは我等が(笑)ジム・ケルトナー!つまり、ぐぅ〜っと俺っちの土俵に近づいた感じ。お気に入りはギターとのデュオ2曲。コリン・リンデンのスライド・ギターを伴いディープにトラディショナルを歌い、マーク・リーボウとは二人でなにやら妖しい雰囲気。ダークなムードに浸かりたい時にまた聴こう。


 5月27-28日 晴れ/雨/曇り 体調・ふつう

 昨日は小学校の運動会。娘(小4)は応援団員としてみんなに前でがんんばっていました。ほっぺを真っ赤にしてね。『クローズド・ノート』を読んでいたら万年筆に興味を覚えた。イラストに万年筆を使うって話しが出てきて、今聴いてる『sunday clothes』のジャケットに描かれた西脇さんの素敵な素描画に目が行く。
さかな『sunday clothes』
 日本人男女二人組が続きます。サンタラ!いいじゃんいいじゃんと喜んでいたら、こっちはもっと喜ばせてくれました。憂いを秘めてほのかに甘く、ベテランの凄みをさらりと見せつけてくれます。これはさかなの新作です。さかなのアルバムは久しぶりに聴きました。アレッさかなってこんな感じだっけ?が第一印象。こんなにくっきり明瞭じゃなかった気がするんだけど。アコギ主体で贅肉をそぎ落としたって感じの演奏でシンプルなれど力強い(しなり強い)。西脇のボサノヴァ風のギターに大野由美子のスティール・パンが寄り添う「たとえば」「ありったけの」あたりのムードはほんとに素敵で、これぞ大人の贅沢です。


 5月25-26日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 小路幸也『東京バンドワゴン』読了。4世代同居の賑やかさ、しかも女性陣は美人揃いときた。も〜テレビドラマ化してくれ〜って感じミエミエの小説だなと読み終えた。巻末に「あの頃、たくさんの涙とお笑いをお茶の間に届けてくれたテレビドラマへ。」とあり、なるほど全編オマージュなのか!寺内貫太郎なわけだ。ああ面白かった!。つぎは雫井脩介『クローズド・ノート』。泣かせる話しなの?
サンタラ『WAIT, CATCH & RUN』
 なんでサンタラ?年輩ロック・ファンなら間違いなくサンタナのコピー・バンドかと思っちゃうよね。サンタラは日本人男女二人組、若手です。京都の大学出身です。これが2作目です。ジャケット&中身写真はアメリカン・ロード・ムービー風です。アメルカン・ルーツ・ミュージックに根ざしたサウンドながら歌から漂ってくる雰囲気には歌謡曲の感じもして、とっても俺好み。田村キョウコさんの歌がいいなあ。毅然としていて色香があって歌詞がはっきり伝わる歌声がね。しかも彼女、ブルース・ハープも吹くんだよね。素敵だなあ(笑)。それと詞が良いね。べつに読まなくても、歌としてすぅーっと入ってきて、こうゆう歌って嬉しいんだよね。日本語なのにワケわからん歌が多いから。サンタラのこのアルバム、売れそうな感じがするんだけど、売れてる?


 5月24日 晴れ/曇り/小雨 体調・ふつう

 天気いまいちもこみち、このまま梅雨入りするのなんかイヤだよう。
DONALD FAGEN『MORPH THE CAT』
 これは嬉しい"想定の範囲内"。大好きなドナルド・フェイゲンの新作はやっぱり最高です。このシンコペーション、このテンションの効いたハーモニー、クールでファンキーでジャージーでダンディーな音楽。スティーリー・ダンから一貫してるこの音楽性が俺のツボにジャストフィット。相変わらず誰に代わっても冴えたギター・プレイを披露してくれてるしね。9.11の恐怖、母親の死がこのアルバムに影響を与えているらしい。けど俺にはその辺のとこはよくわからない。対訳がないし。サウンド的には初期の頃から都会の哀愁を漂わせていたし、難しそうな顔していたしね(笑)。


 5月22-23日 晴れ/曇り/雨 体調・ふつう

 箸休めに(笑)奥田英朗『マドンナ』を読みました。職場に現れたマドンナへの浮気心を読まれまいとヒヤヒヤドキドキ小心者の中年男に親近感(笑)。お次は小路幸也『東京バンドワゴン』。冒頭の登場人物紹介だけで、なにやら胸躍る。今朝"ふちがみとふなと"の渕上純子さんよりメール届く。ますます胸躍る。
船戸博史『LOW FISH』
 ふちがみとふなとの船戸さんとコンポステラの関島と中尾さんによる船戸さんのソロ・アルバム。とうぜん何々風であるとかジャンル分け無用な音楽。コンポステラの音楽ががコンポステラとしか名付けようがなかったように、船戸さんの『LOW FISH』は『LOW FISH』。コンポステラは故篠田昌巳の笑顔だったと思う。笑顔のウラに反骨とアヴァンギャルドがあったと思う。このアルバムにも、それと気付かれないようにやはり反骨とアヴァンギャルドがあるように感じる。俺が " 反骨とアヴァンギャルド好き " だから勝手な思い込みかもしれないけど。「AEC」はアート・アンサンブル・オブ・シカゴとことかなと勝手に思い込んで聴いている。AECの音楽は色彩的で時に極彩色が乱舞する。この「AEC」はそんなAECへのトリビュートが感じられる曲で、3人がいろんな楽器を持ち替え、骨のあるフリー・ジャズをやっています。


 5月20日 曇り/雨/曇り 体調・ふつう

 ようやく北方謙三の『黒龍の柩』上下巻を読み終えました。ラスト、なるほどそうきたか(笑)。土方歳三を主人公としたこの作品、なかなかスリリングで面白かった。薩摩の間諜と戦いながらの慶喜逃避行、中村半次郎との対決とかね。けど俺が北方謙三に期待した方向とは少しずれていました。男しかいない小説、だからかな...。
友部正人『Speak Japanese, American』
 友部さん、充実してますね。21世紀に入っても衰え知らず(NYマラソン完走だもんね)、その旺盛な音楽活動は頼もしいかぎりです。このアルバム、すでに此処で何度か書いてるので内容がダブリそうだけど、演奏陣のサポートが素晴らしいんです。特にライダーズ武川さんによるバイオリン、トランペット、マンドリンのプレイは、友部さんの歌声とすごく相性が良いです。またこのアルバムには爽やかに哀感をたたえた曲が多く、しみじみとした気持ちになります。「スピーク・ジャパニーズ...」や「トランペットとトレイン」のようなゴキゲンな曲もあって、それもまたヨロシイのですよ(笑)。友部正人、21世紀の名作です。


 5月19日 曇り/雨/曇り 体調・ふつう

 読書好きのうちの娘(小4)、ついに近視が始まったようで病院の眼科で診察してもらった。まだメガネの必要はないということでした。そこで先生に、これ以上近視が進行しないようにするにはどうしたらいいでしょう?と尋ねたら、お父さん近視ですよね?遺伝ということもありますから...と言われました。遠くの景色を見なさいとか目玉をクルクル回しなさいとか、なんかあるだろ〜、と尋ねたのに遺伝とは...。親子3人メガネ家族ってのは避けたかったんだけど。
ふちがみとふなと『ヒーのワルツ』
 友部正人さんが今年に入って度々このふちふなさんとご一緒してるそうです。この前いただいた手紙にもそのことが書いてありました。ふちふなさんの音楽は以前から好きだったので、友部さんとの交遊を知り、より身近に感じます。不思議といえば不思議な音楽ですね。個性的なのに人懐こい音楽です。ほのぼのシンプルだけどヤワじゃない。まさに「京都の宝」です。


 5月17日 曇り 体調・ふつう

 昨日は午後から酒屋の総会。今月は町商工会総会やらたばこ組合総会やら食品衛生協会総会やら、忙しい人は忙しい忙しいと言いながらその忙しさに慣れていく。俺はそういうことにまったく興味が湧かない。うちの父や亡くなった祖父さんは、そうした組合仕事に熱心で真面目に関わって来たけど、そんなことが我が家の家業の為になったとはまったく思えない。
PATTI SMITH GROUP『EASTER』
 パティ・スミスのように吠えていたい。だけど吠える勇気も才能もない。かっこよくロックンロールしたいよな、といつでも思ってるけど、周りを見回してもロックンロール・バカなんかいそうもないし。つまらんなあ。このアルバムは彼女の代表曲(ヒット曲だから)「ビコーズ・ザ・ナイト」が入っていて有名かもしれないけど、ここはやはり「ロックン・ロール・ニガー」をフロントに置きたいね。この激しさこそパティ・スミスだ。フジ・ロックで見た彼女、鋭い眼差しと突き出した唇でロックンロールを掃射していた。フジ・ロックで見て初めてパティ・スミスの偉大さに気付いた俺でした。


 5月15日 晴れ 体調・ふつう

 昨日は小雨降る中、早朝からゴミ広い〜花壇作り〜道普請〜共同アンテナ整備とボランティア・サンディーでした。半日のことなんだけどね、忙しかった。今日は天気良し。W杯代表メンバーが決まったね。久保の落選以外は予想どおり、意外性はなし。ここまできて意外性を求める気もないけど、松井は見たかったな。
PATTI SMITH GROUP『WAVE』
 ♪hi hi hey hey 〜の「Frederick」がトップに歌われるアルバムがこれ『WAVE』。'79年の作品でしたね。久しぶりに聴く『WAVE』は思ってたより穏やか。すでにパティ・スミスの歌声には静かな深みとワイルドな迫力が同居してるし、レニー・ケイのギターは知的でそして鋭くていかしてるね。プロデュースはトッド・ラングレン。シンセのピコピコは彼のアイデアだと思うんだけど、そこだけ時代を感じさせちゃうね。バーズの「ロックン・ロール・スター」はハードにぶっ飛ばして爽快!。写真はロバート・メイプルソープ。まさにニューヨークだなあ...いいなあ...(笑)。


 5月13日 雨/曇り 体調・ふつう

 雨、寒い。晴れ、暑い。寒い、暑い、寒い、暑い...天気も忙しい。読んでる本は北方謙三『黒龍の柩』。新撰組、土方歳三モノです。
MC5『The Big Bang! 』
 ♪hi hi hey hey 〜昨日の鈴木祥子「Frederick」、もちろんパティ・スミスの曲で、そのFrederickとはパティの最愛の人Fred"Sonic"Smithのこと。で、MC5を聴いてるけど、激しい!客が来たらヴォリューム絞り、誰もいない時にでっかく聴いてます。やっぱり大きな音で聴きたいバンドだからね。元祖パンク〜ガレージ、みんなに聴かれ評価されるのが遅すぎたバンドだよね。俺もきちんと聴いたのは彼等が解散したずっと後だったから。映像は持ってたんだよねLDで。ロブ・タイナーのド迫力ヴォーカルを中央に、その左右にこのバンドの"飛び道具" フレッド・スミスとウェイン・クレイマーがギターで聴衆を掃射してる。コワイ不貞不貞しいバンドだと思ったよ。やっぱ'70年頃にコレは聴けなかったなと思う。自分が弱すぎて。今聴いて感じるのは凄く純粋だということ。クールに荒れ狂ってる。おおなんと!土方歳三みたいじゃん。


 5月12日 晴れ 体調・ふつう

 昨日は " 希望を抱かせる結末(小説)が好きです " と書いたけど、希望もゴールも見えない小説もまたスリルがあって良い。永井するみ『唇のあとに続くすべてのこと』をいっき読み。恋愛小説というか中年官能小説なんだけどミステリーでもある。引き込まれました。まあ世間的に言えばイケナイ男女の物語なんだけど、古今東西、愛は善悪の範疇とは無縁てことなのかな。
鈴木祥子『鈴木祥子』
 デビューの頃、20代の頃の作品のように、誰にでも薦められる作品じゃない気がするけど、俺はこの40代の鈴木祥子が好きだな。若い時の歌より今の歌の方が素顔に近い、そんな感じがしてほっとけないんです(笑)。彼女はニール・ヤングが出演したフジ・ロックに来ていたらしく、だから同じ日のパティ・スミスも見ていたはず。そのパティ・スミスの曲「Frederick」をカーネーションをバックに♪hi hi hey hey 〜って歌うロックな祥子も素敵です。カーネーションと鈴木祥子を一度に楽しめる、そんなお得なライブがあったら行きたいなあ。


 5月10-11日 晴れ/雨/曇り 体調・ふつう

 10日は暑かった〜。上越では33°!。おいおいいきなり暑くなるなよ、と思っていたら今日は寒い(苦笑)。瀬尾まいこ『図書館の神様』読了。瀬尾さんの小説には、ヒロインの傷ついた心のコリをさりげなく解してくれる優しいサポーター男がいつも登場します。兄弟であったり、たまたま出会った青年であったり。そしてヒロインが新しい第一歩を踏み出すところで物語は終わります。希望を抱かせる結末が好きです。
V.A.『アンソロジー・オブ・ザ・ディランズ・ブラック・ルーツ』
 鈴木カツさん監修、タイトル通りの内容です。メンフィス・ジャグ・バンド、ブッカ・ホワイト、ブラインド・レモン・ジェファーソン、カーティス・ジョーンズ、ブラインド・ボーイ・フラー、レッドベリー、ミシシッピ・ジョンハート、サニー・テリー&ブラウニー・マギー、ビッグ・ジョー・ウイリアムス、ロバート・ジョンソン、アーサー・クルーダップ、ジョッシュ・ホワイト、チャーリー・パットン、ロニー・ジョンソンが登場。まさに巨人達の宴。フォーク寄りの曲や有名曲が多いので、デイランうんぬんを抜きにしても気軽に楽しめる好コンピュレ盤。単独盤で持っていないジョッシュ・ホワイトに惹かれました。今度買おう。


 5月9日 晴れ 体調・ふつう

 天気良し。木彫家具職人の山田さんはTシャツ一枚で飲み物を買いに寄りました。俺も今日は長袖のTシャツ一枚。だんだん薄着になりますねえ。本は瀬尾まいこ『図書館の神様』へ。
V.A.『TWANG ! A TRIBUTE TO HANK MARVIN & THE SHADOWS』
 聴き応え満点のギター・インスト集です。この前シャドウズ聴いたから、これもまた聴いたみたくなりました。'96年作品です。参加ギタリストはリッチー・ブラックモア、ブライアン・メイ、トニー・アイオミ、ピーター・グリーン、マーク・ノップラー、ピーター・フランプトン、アンディー・サマーズなど英国勢に混じってなんとニール・ヤング、そしてひとりバンジョー弾きのベラ・フレックと、超豪華な顔ぶれ。そのうえトリビュートされてる御本人ハンク・マーヴィンも元気いっぱい。というかハンクのギターが一番エキサイティングで若々しい!


 5月8日 小雨/晴れ 体調・ふつう

 ロバート・マキャモン『少年時代』ようやく読了。楽しかった〜!!これぞ読書の醍醐味です。ミステリー、ファンタジー、ホラー、探偵、冒険、恐竜、恋愛、家族、成長、悪漢、ガンマン...などなど、あらゆるタイプの物語が詰まっていて、それぞれが味わい深い短編小説でもあるのです。少年の目と心を通して書かれた物語。だから好奇心がキラキラと輝いています。ああいいものを読んだ。幸せだ。
MARC BENNO『MINNOWS』
 邦題『雑魚』としてそのジャケットと共に有名(一部でw)な'71年作品。見開きの紙ジャケ・リイシューでオマケ・カード付き。レオン・ラッセルなどのスワンプ人脈の中にいた人なんだけど、ライナー読んでみたら興味深い人物でありました。彼はテキサス生まれで、アイドルはライトニン・ホプキンス!L.A.でロック・ミュージシャンをしながら、ふらりと故郷のテキサスに戻ってはマンス・リプスカムやライトニン・ホプキンスの伴奏ギタリストをやってます。根っからのブルース好き、なんだけどレコード会社A&Mは彼をジェイムス・テイラーのようなシンガー・ソングライターとして売り出したかったんだってね。曲作りの才能はあるしルックスもいいし。商業的な成功は得られなかったけどミュージシャン'ズ・ミュージシャンとしてクロウト衆には人気の人でした。マーク・ベノによれば「『MINNOWS』にはジェシ・エド・ディヴィス、クラレンス・ホワイト、ジェリー・マッギー、ボビー・ウォマックといったギタリストが参加してくれた。バック・ヴォーカルはリタ・クーリッジとレイレッツだ。これ以上のメンバーはちょっと考えられない。」とあります。ベースはカール・ラドル、ドラムはジム・ケルトナー、ニック・デカロはアコを弾いています。ほんと、良いアルバムですよ。


 5月7日 雨/曇り 体調・ふつう

 昨日は善光寺参り、今日午前はPTAの環境整備。小学校も豪雪の影響で雪消えが遅く、まだ手を付けられない場所もあり、屋外遊具や立木にも雪の被害が多く見られます。この雪消えの遅さは異常だよね。困ったなあ。
THE OVATIONS『GOLDWAX RECORDINGS』
 The Ovations featuring Louis Williams です。読んでいるロバート・マキャモンの『少年時代』がようやくクライマックスで、その物語の舞台'60年代中頃のアメリカ南部にタイムスリップできたなら、ラジオからはビーチボーイズに混じってオヴェイションズの塩辛いサザン・ソウルも聴けたんだろうね。リード・シンガーのルイス・ウイリアムズはサム・クックをちょっとワイルドにした歌い方のシンガーで、やってる音楽もサザン・ソウル・バラードよりR&B〜R&Rに近い感じですね。LP盤も昔かったやつがあるけど、こっちのCDは曲数が多いから得かなと思って...、でもLP収録の曲だけでも俺には充分でしたね(苦笑)。バックはもちろんチップス・モーマンのアメリカン・スタジオ。ギターはレジー・ヤングとクラレンス・ネルソンですかね。白人コンビのダン・ペン&スプーナー・オールダムの曲にはサザン・ソウルらしい" 甘さ " があって好きです。


 5月5日 晴れ 体調・ふつう、ちょっと風邪

 ゴールデンウィークってことで、こんな田舎町でも行き交う車が多いね。こっちは配達で店から出ようにも車列が途切れなくて普段より時間がかかります。
浅川マキ『灯ともし頃』
 田村仁の写真良いね。LP サイズだと様になるんだけどCDだと小さいな。これは'76年、マキさん7枚目の作品。ドラマがある、彼女の歌には。もちろんそれは灯ともし頃を過ぎてからの物語。バックは当時の若手、つのだひろ、近藤俊則、向井滋春、吉田建、荻原信義、白井幹夫など参加メンバーはまだ20代半ばで、坂本龍一は23歳だったんだ。カバー曲にはオーティス・クレイの「Trying to live my life without you」、ロッド・スチュワートの名唱でお馴染みの「それはスポットライトではない」、ロニー・レインの「Just Another Honky」などがあって、このへんのセンスは流石です。とくに「...スポットライト...」はマキさんの日本語詞が見事にはまり素晴らしい情感を生んでいるし、つのだひろのサイド・ヴォーカルも熱くそして演奏もノッてますね。「Trying...」も「Just...」も、マキさんはカバー曲に自分で日本語詞を付けて歌っていて、その歌詞の良さと個性的な歌唱で、オリジナルと区別なく当たり前のように浅川マキの歌となっています。
 日本の音楽界で「浅川マキ」という1ジャンルを築き上げたマキさんなのに、今はベスト盤しか買えないようです。全てのオリジナル盤紙ジャケリイシューをお願いしますよ東芝さん。


 5月4日 晴れ 体調・ふつう、鼻炎ぎみ

 今日明日はムラの春祭り。と言っても神社をお祭りモードに飾り付けるだけで祭り行事があるわけじゃないんですが。昨夜は里帰り中のドラマー・ザ・ヒロシと角万で飲み食いした後、Chamky-Studioで軽くセッション。俺のギブソン5Wフルチューブをフルテンでドライヴさせて弾きまくった。ギターもギブソンSG。すんごい気持ち良かったよ。
浜田真理子『mariko』
 まりこ☆クアトロ・ツアーの成功を店の前の神社に祈りながら聴いてます。とか(笑)。このファーストの後、数枚のスタジオ盤、ライブ盤、シングル盤がリリースされ、そのどれも良いアルバムで大好きだけど、この『mariko』には特別な愛着があります。『mariko』の中でしか感じられない" 何か " があるから。それは" 魔法 " なんだね。" 何か " を意味付けしちゃうと愛が薄れるから。未だ『mariko』の魔法に囚われている俺。
 『mariko』にはPLANKTONE盤と美音堂盤があって、俺は両方持ってます。'98年に島根出雲のインディーズ、PLANKTONE RECORDSよりリリースされ、そして2002年に現在所属の美音堂より再リリースされたんですね。美音堂盤にはまりこさんとプロデューサー因幡氏のサイン入り。このサインは2002年渋谷シアターコクーン・ライヴの打上で頂いたのだったな(回想..)。初対面でまりこさんにサインくださいって言ったら、「チャンキーさんは " n " じゃなくて " m " だね」と言いながら書いてくれたんですよ。嬉しかった〜。打上会場には俳優の寺島進さんも来ていたし秘密博士も因幡修二さんもいましたね(回想..)。
 夕方、街灯に灯がともる頃になって、いよいよ『mariko』が艶っぽくなってきた。


 5月3日 晴れ 体調・ふつう

 ゴールデンウィークです。俺にはカンケイないけど(ちぇ)。例年のこの時期、農家は春耕で忙しいんだけど、今年はまだ雪が残っていて周りの田畑は静かですよ。
THE SHADOWS『APACHE〜SPRING IS NEARLY HERE』
 良いお天気。春が来たって感じ。だから「春がいっぱい」を聴いてます。のんびりふわふわした感じが心地いいです。シャドウズはというかハンク・マーヴィンは良いね。その端正で流麗なギターを聴いていると「初心に返れ」という心境になります。ギターの練習がしたくなります(笑)。ハンク・マーヴィンと言えばバディ・ホリーと共に" メガネとストラトの似合う" 2大スターなわけですが、シャドウズ初期のヒット曲「アパッチ」の頃はもっぱらグレッチ・カントリージェントルマンを弾いていたようです。確かに聴いてみるとグレッチだなあって気がします。初期の曲では、サイド・ギターがアコギなんですね。サイドがアコギだからグレッチの方がサウンド的に収まりが良いって選択かな。それで後期はバーンズを弾いていて、ハンク=赤いストラトってイメージはいったい何処から来たのやら。


 5月1-2日 曇り/雨 体調・ふつう

 娘のほっぺが赤く湿疹のようになったので皮膚科で診察してもらったら「ああ、" 草まけ " ですね」と言われた。言われたんだけど後で娘に「先生は" 草まけ " って言った?」ときいたら「" 草まけ " だって」と言った。" 草まけ " ってわかるんだけど、正式な病名があるんだと思っていた。せっかく病院の皮膚科まできたんだから、たんなる" 草まけ " じゃなくて立派な病名が欲しかったな、とか。でもたんなる" 草まけ " くらいで良かったんだけどね。娘のほっぺ、もう治ってきたから。
WOODY GUTHRIE『DUST BOWL BALLADS』
 '40年に発表されたウディ・ガスリーの代表作ですね。古い歌なのに古びてない。このシンプルさがいいね。大恐慌時代を生きた労働者や農民達や、名もない民衆の生活や出来事が歌われているんだけど、ウディの歌声は暗くも悲痛でもない。飄々としたユーモアがあり温かい。人懐っこい。俺の世代には馴染みの歌も多いね。高田渡が♪ゼニがなけりゃ〜と歌った「Do Re Mi」、シバが歌った♪いくら歩いても〜は「Blowin' Down The Road」とそっくりだ。ライ・クーダーの名演「Vigilante Man」もウディの曲だし。このアルバム、ジャケットがリイシューの度に変わるようで、この今聴いてるやつ、ウディのちょっともの憂げな表情が大きく使われたジャケットが一番いいね。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps