●2006●

 12月31日 晴れ 体調・ふつう

 大晦日、といってもこうして相変わらず店番しているし、正月2日から初売り営業開始だし、つまり休みは元日1日のみだし、まったく年末年始なんかつまらない。
VASHTI BUNYAN『JUST ANOTHER DIAMOND DAY』
 心静かにバシュティ・バニヤンです。'70年作でジョー・ボイドのプロデュース。バックにはフェアポート・コンヴェンションやインクレディブル・ストリング・バンドのメンバーも参加しています。ブリティッシュ・トラッドと言えるかも知れませんが " 敷居の低さ " が感じられます。シャーリー・コリンズのようにピンと背筋が伸びた感じもなく、穏やかな自然体の音楽。清涼というよりはくすんだ感じなのに清々しさがあります。いつ聴いてもどこか不思議な、そして人懐こいアルバムなんですね。バシュティはなかなか興味深い女性です。'60年代中頃にはロンドンのミュージック・シーンにいまして、そこに幻滅して、馬と馬車を買いアイルランドへ向けて旅に出ます。2年も旅を続け目的地に到着。その後ロンドンへの帰途'69年に録音されたのがこのアルバム。その後再びロンドンを離れスコットランド〜アイルランドへと移り住んだようです。このアルバムは当時まったく話題にならずその後も忘れられていたようですが、耳の良い人はいるものでいつしかカルトな存在に。そして去年(だっけ?)ついに2枚目のアルバムをリリースとなったのでした。今年はこのへんで。


 12月30日 雪/曇り/雪 体調・ふつう

 北方謙三『水滸伝3』読了。これで今年読んだ本は112冊。初めて目標の100冊を突破しました。読み始めると面白いからどんどん読んじゃうけど、やはり眼が慢性的に疲労しています。もっと頑丈な目玉が欲しかったな。
コーネリアス『SENSUOUS』
 コーネリアス=小山田圭吾。松山晋也のインタビューで、小山田「..無責任でいることを、真剣にやっていた、みたいなあらゆるものから逃げるというか、そういう意識でやることが新しいというか珍しかった。...」、松山「無責任、遊び感覚というのは、90年代以降の日本のミュージシャンの大半に言えることだと思います。善し悪しではなく。」、小山田「70〜80年代には、真剣に音楽やバンドをやろうとしていた人達はたくさんいたと思う。だから、僕のような遊び感覚でやっていたのは、それまでとは明らかに違っていたと思う。」、松山「ミュージシャンというよりは、音楽大好きな人達、ヘヴィーなリスナーが音楽をやっていた...リスナーが自分で音楽を作ちゃったのが90年代だった。その象徴が小山田さんだった。」、小山田「プロという意識は実は今でもあまりないんです。」...とありました。プロ意識が音楽に必要かなんて聴く側にはどうでもいいことで、自由な遊び感覚でこれだけの音楽が作り出せるんなら、そのままでいいじゃん、だよね。まさに才能の成せるワザなんだから。ラストの曲「Sleep Warm」の暖かさが窓の外の雪景色にぴたりとはまってます。そしてチリリ〜ンと鈴の音、暮れるなあ。


 12月29日 雪/曇り/雪 体調・ふつう

 ようやく雪が積もった。20センチくらいかな。夕方初除雪作業。少ない雪だけどやはり疲れます。
コーネリアス『SENSUOUS』
 アナログ・シーケンサーでモノ・シンセを鳴らしたり、マイクとデンスケでSE採集したり、それらを素材に多重録音で遊んでいた頃のことを思い出します。楽しかったし、もちろん今でもやりたいとは思っているんだけど。このアルバムは俺のそんなツボをつんつんと突いてくるんだなあ。音が良いよね。音が一粒一粒キラキラしてる感じで。やっぱ才能あるやつは凄いね。ポップでBGMにも使えるくらいなのに、めちゃくちゃ刺激的。つづくっ!


 12月27-28日 曇り/雨/曇り 体調・ふつう

 昨年12月は記録的な大雪でした。昨年今頃の日記には「大雪でうんざりな今年のクリスマス、娘の笑顔と女子フィギア日本選手権に救われた感じです。〜相変わらず雪が降り続いてますよ。明日は公民館他集落施設の3度目!!!の雪下ろし。まいったなあ。〜この年末は雪との格闘(苦笑)に明け暮れて、腰は痛いし両腕は酷使にガチガチだし、寒い場所で肉体労働して温かい家に帰って来て聴きたいと思うのはこんな音楽なんだなあ、〜朝シャッターを開けたら1メートルの積雪が!一晩で1メートルは参るよな。ほぼ休みなしに降り続いているから、みんなの表情も暗くなってくるよね。」こんなことを連日書いてましたね。比べて今年は楽だわ〜。積雪ゼロだから。でもこれからが冬本番、降り始めるとあっというまに2〜3メートルだからねえ。今夜は雪になるようだし。
坂田明『ひまわり』
 "かるぼなり"洋一氏が置いていった音盤です。制作は日本チェルノブイリ連帯基金で2006年作品。このCDの収益金はチェルノブイリとイラクの子供達の医療支援に使われると書いてあります。知らなかった。知ってたら俺も1枚買っていたのに。さて坂田明。かつては瞬発力のひとでした。フリーキーなサックスから義理人情を吐き出していたひとでした。元祖大衆芸能フリー・ジャズのひとでした。と俺は思っていました。そしてこのアルバムでは、フェビアン・レザ・パネ(p)、吉野弘志(b)、ヤヒロトモヒロ(perc)を伴奏に、ヘンリー・マンシーニの「ひまわり」やいずみたく「見上げてごらん夜の星を」、中村八大「遠くへ行きたい」、武満徹「新だ男の残したものは」他、スタンダードなナンバーを、メロディーを崩さず綺麗に情感たっぷりに歌い上げています。こんな坂田明も好きです。


 12月25-26日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 北方版『水滸伝2』読了。第二巻は武松から始まりました。武松と潘金蓮の話しって『金瓶梅』なんだそうですね。物語とはそうやって伝承拡散されるわけか。第二巻ではついに晁蓋、林冲達が梁山泊に「替天行道」の旗を立てました、そして吸毛剣青面獣楊志も登場。まだまだこれからですよ。楽しみ。
NEIL YOUNG & CRAZY HORSE
   『LIVE AT THE FILLMORE EAST 1970』
 '70年のニール・ヤングのライブだなんて嬉しいよ〜!ニール・ヤングの未発表音源集アーカイブ・シリーズの第一弾だそうです。今後のリリースも楽しみだな。'70年3月といえば既にCSN&Yの時代で『デジャ・ヴ』('70年3月)、『4ウェイ・ストリート』('71年4月)と、そんな頃で、だから平行して行っていたソロ活動の記録なんですね。だからここでのニールのギターは『4ウェイ...』の「サザン・マン」そっくりな感じです。この時クレイジー・ホースを率いていたのは故ダニー・ウィットン(名曲「I Don't Want To Talk About It」の作者です)でした。リズム隊はお馴染みビリー・タルボット(b)とラルフ・モリーナ(ds)。なんとピアノにはジャック・ニッチェが参加しています。ニールの叙情性をシンプルでラウドなロック・サウンドで押し出すバンドがクレイジー・ホース。武骨な機関車クレイジー・ホースは今でもニールを乗せて突っ走ってるんだよね。


 12月23-24日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 クリスマス・イヴ。素直にはしゃぐ娘がいるから父ちゃんも嬉しいよ(笑)Merry X'mas!
Bonnie Raitt『Green Light』
 レココレ誌のサディスティック・ミカ・バンド特集を読んでいたら小原礼が参加したこのアルバムが出ていました。懐かしいので引っぱり出して聴いてます。ボニー・レイット'82年の作品で、あまり聴いていなかったやつですね。当時はあまりにシンプルなロックンロール・サウンドに物足りなさを感じてました。ロックンロールとしては良いんですよすごく。ただ当時は求めていた音楽が少し違っていたんですね。バックはフェイセズの鍵盤奏者だったイアン・マクレガン率いるバンプ・バンド。小原礼はこのバンドのメンバーとしてアルバムでプレイしています。ン十年ぶりに聴いてますが、ストレートさが気持ち良いです。とくにイアンのピアノがまさにロック&ロールでごきげんです。
『A CHRISTMAS GIFT FOR YOU FROM PHIL SPECTOR』
 
そしてクリスマスの定盤。プロデューサー:フィル・スペクター、アレンジャー:ジャック・ニッチェ、エンジニア:ラリー・レビン、スタジオ:ゴールドスター・スタジオ。ドリーミーなアルバムですね。なれど、我が家のコタツの居間には似合わないなあ(笑)。だからドリーミーなのかな。Merry X'mas! 


 12月21-22日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 ローレンス・ブロック『すべては死にゆく』読了。待望マット・スカダーの新作です。期待どおりに面白かった。が、凄惨な場面はこの頃イヤになったな。読むのがツライ。それにしてもスカダーさん、68歳ですか!俺が20代の頃に出会った探偵さん達、スペンサーとかね、彼等もいまでは老人の域に達してるんですね。作家もしっかり彼等に年を重ねさせていて、本作ではスカダーが過去の事件や人々を回想するシーンが多くなったのが気になりました。シリーズの終幕が予感され残念なんだけど、スカダーもエレインも満身創痍、もう楽させてあげたいって気にもなりましたね。
浜田真理子ほか『元気ですか』
 真理子さんが参加してるってことで買った中島みゆきのカバー・アルバム。中島みゆきのファンでもなかったしまともに聴いた曲もないけど、さすが中島みゆき、ここに入ってる曲のほとんどは聴いたことにある曲です。中島みゆきはポプコンの出身で、俺の中の連想ではポプコン〜コッキーポップ〜ヤマハ〜健全音楽→キライ。ってことでキライなカテゴリーに入ってたので、いわば聴かず嫌い(笑)。まあ彼女くらいメジャーになれば、わざわざ聴かなくても耳に入ってくるわけで、こうした人を積極的に聴きたいとは思わない、これが俺の態度(エラソ〜)。ヘンクツだなあ(笑)で、彼女本人には間近で会ったことがあります。「時代」「アザミ嬢...」がヒットした後、'77年頃に十日町でライブをやったんですね。弾き語りで。その時、俺はライブのスタッフをしていました。会場の市民会館は満員で、隣りの市民体育館で公演していたドリフターズの志村けんが後ろの立ち見席で熱心にタダ見してたのが思い出されます。あらためて彼女の曲を(中島みゆき抜きの楽曲として)聴いて思うのは、ピンと背筋の伸びた力のある曲だってこと。同時代の男達のナヨっとしたニューミュージックに比べ、彼女の曲は凛々しかった。怨念じみた曲でもシャンとしてる。たしかに中島みゆきは立派だ。「世情」なんていう反骨の歌を作る人なんだからね。 


 12月19-20日 晴れ 体調・ふつう

 恋愛小説アンソロジー『LOVERS』読了。9人の女性作家による短編集。やはり川上弘美、唯川恵、江國香織、島村洋子の作品がアタマ1つ良かった。
浜田真理子『夜も昼も』
 真理子さんを聴きながら静かな時間を過ごしています。とか(笑)店が暇なだけなんだけど。ライヴも終わって、ゆったりしていたかったから、だからこれを聴いています。簡潔で押しつけがましくないけど、じっと聴いてるとそっと迫ってすぅっと目の前に来ています。おっと寄り切られました(笑)今まで以上にナマな女を感じさせる歌が多いせいかな。大人の女の恋の歌。上の短編集よりアタマ二つ抜き出た凄い恋愛小説集だと思います。♪ばかね 今愛することだけが あなたの存在の証明なのに〜♪とか♪観念するのね もう逃さない あなたはわたしもの そうわたしだけのもの〜♪とか、怖さにも磨きがかかってるしね。♪朝はいらない あなたと夜だけ〜♪とか♪鏡にうつる わたしの爪は いろくれないの おどって ゆれて あなたの 背中で散る花びら〜♪とかはエロ恐い(笑)。で、最後に♪出会ったのは なにかの ご縁ですね でもお別れも またご縁なのです〜♪ う〜ん...オトナだなあ。俺もだけど(赤面...)。 


 12月18日 雪/雨/雪 体調・ふつう

 昨日はライヴでした。見るんじゃなくてヤッタのです。あ〜終わった終わった。清々した(笑)。PA機材の積み込み〜搬入〜PA立ち上げ〜バンド・リハ〜受付〜ステージ演奏〜PA撤収〜打上宴会とまあ忙しく肉体疲労な一日でありました。演奏の出来はまあ良かったんじゃないかと思います。小さなミスはいくつかあったけどね。お疲れさまでした〜俺。
V.A.『銘器の音』
 アコースティック・ギター・マガジンの付録CDです。巧い人達が様々なアコースティック・ギターの音を聴かせてくれます。渡辺香津美、中川イサト、坂崎幸之助、吉川忠英、石川鷹彦、高田漣、山崎まさよし、押尾コータロー、南澤大介という名だたる名ギタリスト達。ギター・サウンドの聴き比べが趣としたCDなので、それぞれの1曲は短いです。それでも巧い!とわかります。アコギはごまかしが効きません。だからアコギの名手ってのはほんとに巧い!俺の35年のギター歴が悲しい!(泣)


 12月15-16日 曇り/晴れ 体調・ふつう

 明日はライヴです。見るんじゃなくてヤルんです。うへぇ〜。山ほどの言い訳を今から用意しています(マジ)。自分達だけでライヴを行うってのは裏方まですべてをやるんだよね。力仕事なんだよね。疲れそうだなあ。うへえ〜。早く終わんないかなあ〜。終わればクリスマスに正月が待ってるよ。あっその前に年賀状書かなきゃあ。うへぇ〜。
ミュージックヘアー『ザ・ピリーソウル』
 あんまりだよなあ。「下の毛が生えそろったR40指定の熟女バンド」「酸いも甘いも知り尽くした人生多毛作な女の吐息」だとか(笑)。彼女達の雑誌記事に盛り込まれたこれらの表現。しかしまあ彼女達自身が最初のバンド名を「女だら毛」としていたり自ら熟女バンドと名乗っていますからねえ。和製フィリー・ソウル女性6人組。濃い〜です。ソロ・アーティストでもある大西ユカリ、長見"マダム・ギター"順。様々なバンドやセッションで活躍の柴草玲、かわいしのぶ、あのゆかり、グレースによるミュージックヘアー。揃って黒人音楽系の実力派ですね。全員が曲を作り、全員が歌う。個性の違いも楽しめ、遊び心も満載で文句なくイイ〜ネッ!和製ソウルの名(迷)曲「ヨコハマ物語」もやってます。


 12月14日 雨/曇り 体調・ふつう

 『無人島レコード2』読了。6年ぶり第二弾です。6年前に俺が選んだ「むじレコ」はザ・バンドの『...ビッグ・ピンク』でしたね。一人になってじっくりとあのサウンドの魔法を解き明かそうなんて考えてのことだったけど、誰も聞いてくれる人もいないのに解き明かしても虚しいかなあと考えました。やっぱ気楽に楽しめるもの、想い出に浸りながら過ごしたいかな。ということで、歌謡曲のコンピュレ物がいいかな。黛ジュンから松田聖子まで、「天使の誘惑」から「天使のウィンク」までのヒット曲集に決まり!(あったらの話しだけど)。
原みどり『恋☆さざなみ慕情』
 ミニ・アルバムです。ゲストも豪華。松本治、大友良英、ホッピー神山をアレンジャーに迎え、ビッグ・バンド・ジャズで幕開けで、なかなかゴージャス。「月光価千金」、雰囲気でてますね。エノケンのもミネさんのも好きだけど、『上海バンスキング』劇場初演当時の吉田日出子と余貴美子(彼女のリリー役が一番良かったね)がデュオで歌った「月光価千金」が一番好きです。原みどりのこのアルバムは今年1月に亡くなった父親に捧げられています。「テネシー・ワルツ」「クライ・ミー・ア・リバー」など'50-'60年代にカバー曲が日本でもヒットした曲に加え、石川県の民謡「山中節」が収められています。お父さんが好きだった曲でしょうか。3曲目、大友さんのノイジーなギターがいい感じ。


 12月12-13日 曇り 体調・ふつう

 杉浦日向子『一日江戸人』読了。杉浦さんによる江戸風俗紹介本です。TV「お江戸でござる」の中で、もう江戸人について語るのが嬉しくてたまらないって感じで喋る杉浦さんが好きでした。日本酒と蕎麦が大好きだったんだよね。彼女は漫画家として青林堂『ガロ』誌上でデビューした人だから馴染み深かった。『合葬』『ゑひもせす』『百日紅』などの漫画で俺は「江戸」の風俗に興味を持つようになった気がしている。もっともっと長生きをして楽しい江戸咄を聞かせて欲しかった(俺よりも2歳下)。合掌。
ムーンライダーズ『NEW DIRECTIONS OF MOONRIDERS vol.1』
 ♪〜ボクヲヒトリニシナイデホシイ 晴れた空から ガラスの気球 光を浴びて はかなくこわれた 何度も"通信"していたらしい 僕は知らなかった〜'82年「気球と通信」は想い出深い曲です。この年に姉が突然事故で亡くなった。突然の死というのはその直後よりひと月くらい後からその不在が悲しみを募らせる。心にぽっかり穴が空いた感じになって、そんな時にこの歌を口ずさみ感傷的になっていたのだった。...でした(笑)。「ニットキャップマン」はアッコちゃんの声がなんともふんわりしてて良いねえ。こうしたベスト盤はドライブ用に持ってこいなんだけど、せめて「髭とルージュとバルコニー」と「スカーレットの誓い」の2曲は入れて欲しかったなあ。ベスト・オブ・ベストは「Sweet Bitter Candy」だね。今の俺的には。


 12月11日 曇り/雨 体調・ふつう

 そして西川美和『ゆれる』読了。映画を見た後で読もうと思ってたんだけど、ちょっと読み始めてみたらぐいぐい引き込まれた。それでも我慢して半分で止めといて、そして映画を見た後で最後まで読んだ。登場人物がそれぞれ一人称で語る構成は芥川龍之介の『藪の中』に似ているなと思っていたら、作中に「藪の中」というのが出現!もしやこの構成はソレを意識してのことかな。映画のノベライズ本かなと軽く考えていたら、いやいや小説としてじつに立派。西川さん、小説家としもお見事です。芥川賞、直木賞も夢じゃない!
ムーンライダーズ『NEW DIRECTIONS OF MOONRIDERS vol.1』
 つくづくロマンティックなおじさん達だ。♪〜いつの日か 苦い思いは ロケットに乗せて 飛ばせるような 男になる〜ときたよ。「Sweet Bitter Candy」いいです!
 あ〜でもでもでも時間がない。つづく。


 12月10日 曇り/雨 体調・ふつう

 昨夜の映画『ゆれる』は素晴らしかった。心を揺さぶられる映画だった。恐くもあり切なくもあり、そして監督の西川美和さんはチャーミングだった。小説『ゆれる』にサインをいただいた。嬉しい!
ムーンライダーズ『NEW DIRECTIONS OF MOONRIDERS vol.1』
 「百万人のムーンライダーズ〜リスナーズ・ダイジェスト〜ALL TIME BEST」な内容の30周年記念盤です。素晴らしいです。文句なし!俺もライダーズと共に30年だから。♪君にラブレターくうれた〜とかっこよく韻を踏む「あの娘のラブレター」から30年だ。20世紀少年もジジメタル・ジャケットの風情だ。CDは2枚組で、'76年『火の玉ボーイ』から'82年『青空百景』から選曲されたdisc1に、より愛着を覚える。つづく。


 12月9日 曇り/雨 体調・ふつう

 今夜東京では浜田真理子さんのライヴ、この町では映画『ゆれる』ロケ地特別上映会。西川美和監督の挨拶があるというので行ってみます。
吾妻光良『Play The Blues Guitar』
 なんてこたあない教則本の付録CD。今更ギターの教則本なんか買わないいんだけど(なまけものだし)吾妻光良の本だからね。彼、文章も面白く巧いから読み物としてもなかなか良い本でしたよ。それでこのCDだけど、もちろん吾妻氏が期待通りに弾きまくってます。エルモア・ジェイムス、ロバート・Jr・ロックウッド、ヒューバート・サムリン、ジョニー・ギター・ワトソン、ゲイトマウス・ブラウン、オーティス・ラッシュ、アルバート・コリンズのそれぞれのリード・スタイルを弾いてみせるんだけど、これが特徴をつかんだプレイでじつに巧いし教則本なのに味わいがあります。


 12月7-8日 雨/曇り 体調・ふつう

 関川夏央『女流〜林芙美子と有吉佐和子』読了。はやしふみことありよしさわこは一発変換だね。関川はこの二人について、才能があって過剰なまでに個性的、生命力に溢れすぎた...後進ギアを持たず、エンジン冷却装置に構造上に難点があった..人間関係の円滑さより自分の仕事の方をはるかに重く見る...と書いた。この本を読む限り、この二人を凄い人達と思いはするけど、近くには寄りたくないとも思う。有吉佐和子はあの " まるまる有吉佐和子 " だった「笑っていいとも」に出演した数ヶ月後に亡くなったんだよね。それはよく憶えている。
富樫雅彦カルテット『WE NOW CREATE』
 「なんで俺が明けても暮れてもジャズ・ビートでスイングしなきゃいけないんだ?俺は俺の音楽をやりたいんだ。それがジャズでないと言われても構わないよ。」と、当時の富樫は語っている。'69年録音。富樫雅彦(ds)、高木元輝(as,cornpipe)、高柳昌行(g)、吉沢元治(b,cello)という日本フリージャズ第一世代による演奏。ジャズのスタンダードをディナー・ミュージックのように聴くことをジャズ・ブームと謳っている今日より37年前の熱い志を感じさせるジャズ。時間の流れに乗った音楽じゃなく、空間に出没する音楽。高木の笛の音とか富樫の太鼓の鳴りとか、日本的なサウンドを意識しているのが感じられる。ギターというより弦をプレイする高柳に耳が行く。芸能臭い音楽が好きな俺だけど、こうした音楽も週イチ位には聴きたくなるんだよ。店にお客さんがいない時に。


 12月5-6日 雨/曇り 体調・ふつう

 12月に入り師走師走と囁かれ始めると、きまって俺が口にする台詞「シワアスだなあ〜僕は君といる時が一番シワアスなんだ〜」と言う加山雄三調タモリ節。男を師走な気にさせる女ってどんな女?とあれこれ想像してみる。
ORNETTE COLEMAN『AT THE GOLDEN CIRCLE vol.1』
 オーネット・コールマン・トリオ、ストックホルム'65年ライヴ録音盤です。まるで北欧の空気のように(想像w)冷たく澄み切ったジャズ。鳴っている音が少なく、騒々しさがない。コールマンは吹きまくっているけど、そのプレイには節度を感じる。ベースはデヴィッド・アイゼンソン(北欧人?)、ドラムスはチャールズ・モフェット。暖炉の中で妖しく揺れる炎を眺めている感じがする。ジャケットは最高だね。


 12月4日 雨/曇り/雨 体調・ふつう

 しまった!なさけない!5-6日の日記を書いてる時に間違って4日の日記を削除してそのままUPしてしまった。くやしいからもう一度思い出しながら書いてみる。
 2-3日はTDRで遊んでました〜。と書いたんだな。" イッツ・ア・スモールワールド " 。舞浜駅のホームに降り立つと聞こえてくるメロディ。娘が赤ちゃんだった頃、いつもオルゴールでこの曲を聴きながら添い寝していた。だからこの曲を聴くと幸せのスイッチが入るんだよね。
 遊び疲れて帰ってきたら、そこはすっかり雪国でした〜。

DUKE ELLINGTON『MONEY JUNGLE』
 なに書いたっけ(笑)。エリントンとしては珍しいピアノ・トリオによる'62年録音盤。メンバーが凄い。ベースのチャールス・ミンガス、ドラムスのマックス・ローチ。共に一国一城の主だ。それでもエリントンとの年齢差は20歳以上で、この二人にとってエリントンは神様のような存在(想像w)だったらしい。エレガントでクレバーなエリントンをイメージしているとビックリするよ。そのピアノ・タッチの力強さとメロディの雄弁さ。一発で好きになったよ。シンプルで雄弁なメロディってミンガスに受け継がれているんだなと感じた。御大の熱く確信に満ちた荒技を、堂々と受け止め投げ返すミンガスとローチ。素晴らしい!


 12月1日 雨/曇り/晴れ 体調・ふつう

 12月だわ〜。この週末は雪が降るとか予報が出ちゃったから店の前に消雪ホースを備え付けました。もう車はスノータイヤだし、スノーダンプも新調したし、冬よいつでも来い!って気構えです。でも大雪はカンベンしてくれ。豪雪の町なんかで紹介されたくないよ。
VELVET UNDERGROUND『White Light/White Heat』
 '67年リリースのセカンド・アルバム。あのバナナのファーストに隠れちゃって存在感が薄いアルバムかな。いや、今では「シスター・レイ」の入ったヤツとして定盤だったり。ニューヨーク・パンクの御本家だもんねえ。21世紀に聴いてもやはりかっこいい。と言うより、当時より今の方が受け入れ易いかもね。パンクやグランジ〜オルタナなんかを聴いた後の耳には違和感がない気がする。いや、その後発の奴等に負けてない!ってのがホントの凄さなのだ。キリキリと身体にねじり込まれるサウンドを快感とするかどうかが、好き嫌いの分かれ目だね。ノイジーなファズ・ギターが古いのに新しい。時代は廻るのかな。あらためてこの人達、写真写りに長けてます。かっこ良すぎ。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps