●2007●

 1月31日 曇り/ 体調・ふつう

 北方謙三『水滸伝 四』読了。武松を従え旅を続ける宋江。官の諜報機関「青蓮寺」と悩める幹部李富。ついに林沖の騎馬隊も出撃。まだまだこれからだね。なんせ全19巻!
 それにしても雪が降らない。積雪20センチくらいかな。もちろん道路や歩道に雪は無し。異常気象で異常事態とも言えるけど、去年の豪雪の記憶が生々しいだけに、雪のない暮らしに安堵感もあります。

Gabriel Faure『La Musique De Chambre』
 ガブリエル・フォレの室内楽全集を聴いています。今日は二つのピアノ四重奏曲。官能的です。演奏はフォレと同じフランス人で、ピアノのジャン・ユボー、ヴァイオリンのレイモン・ガロワ=モンブラン、ヴィオラのコレット・ルキアン、チェロのアンドレ・ナヴァラといったフランスを代表する人達。フォレの音楽ってメロディーが厚いっていうかハーモニーでメロディーを形作ってる感じで、その中を優雅に駆け時に哀感たっぷりにふるまうピアノがあり、そしてその全部がまた大きなメロディーの流れを感じさせるんです。なんのことやら?(笑)。フォレの音楽って大好きなんですよ。重すぎも軽すぎもせず雄弁でもなく、でも凛とした艶やかさがあって、綺麗な女性がアゴをちょっとあげてキリっと遠く前方を見据えているような感じ。なんのことやら?ですか(笑)。


 1月27日 曇り/雨 体調・ふつう

 雨宮処凛『バンギャル ア ゴーゴー』上下巻ようやく読了。'90年代、Xに代表されるビジュアル系バンドのおっかけ少女=バンギャルの実録物語って感じ。ブレーキなしの底抜け感にクラクラした。自身をこんなにも傷つけてしまう彼女達が切なく感じました。が、彼女達は元気に立ち直りそうです。若いからね。面白い物語だけど、上下2巻は長すぎるんじゃないかな?あと、ロックに思い入れのない人にはつまらないかも。
 相続関係で提出しなければならない書類がたくさんあるんだよね。ため息でちゃうよ。

Martha Argerich,Mischa Maisky
  『Schubert/Sonata for Arpeggione
   Schumann/Fantasiestucke Op.73』
 マルタ・アルゲリッチとミッシャ・マイスキーによる小品集。シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」、良いですよ。ジャンル的には「憂いを秘めてほのかに甘く」ですね(笑)。気ぜわしい日々が続いているので、こうした気持ちの休まる音楽はありがたいですね。ギターの形をしたチェロ " アルペジオーネ " という楽器、見てみたいしどんな音がしたのか聴いてみたかった。ヴィオラ・ダ・ガンバのように古楽器アンサンブルで使用されることはないのかな?


 1月22日 晴れ/雨 体調・ふつう

 決算用に棚卸帳を書かなければならないし、商売上の父名義を変更する様々な手続きなど、儲けにならない忙しさが続いている。雪が降らないのが唯一の助けかな。読んでる本は雨宮処凛『バンギャル ア ゴーゴー』の下巻。こんな時にまったくそぐわない本だけど、父の事故前に読みだしたから。こんな時だからなかなか進まないんだけど、面白い本です。バンギャル=昔ならグルービーだよね。思春期から青年期にかけての親との価値観の衝突って俺にもよくわかるな。
Martha Argerich,Mischa Maisky
  『Schubert/Sonata for Arpeggione
   Schumann/Fantasiestucke Op.73』
 世紀の巨匠ロストロポーヴィチとリヒテルによるチェロ・ソナタの次は、ロストロポーヴィチの弟子ミッシャ・マイスキーと大スター、ピアノのマルタ・アルゲリッチによる小品集。そうそう、幸運にも巨匠ロストロポーヴィチの生演奏を聴いたことがあります。しかも指揮は小沢征爾!すぐ目の前で!!。あれは15年程前のことでした(笑)。ふたりのマエストロが斎藤記念オーケストラのメンバーと共に志賀高原に合宿に向かう途中、山間の小学生に生の演奏を聴かせたいということで、いくつかの小学校の体育館で演奏会を開いてくれたんですね。しかも無料で。大人もOKだったのでもちろん聴きに行きました。会場の手伝いとかもして。そしてロストロポーヴィチ!驚くほど若々しく力強い演奏でした。まったく枯れていなかった。素晴らしい!のひとことでした。
 アルゲリッチとマイスキーによる「アルペジョーネ・ソナタ」。これも大好きです。また明日。


 1月20日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 葬式のあとも連日多くの人達がお参りに訪れます。素直で気の良い父は周りの人達にとても好かれていましたから。
Mstislav Rostropovich,Sviatoslav Richter
  『BEETHOVEN/The Sonatas for Piano and Cello』
 ベートーヴェンのチェロ・ソナタの第一番は僕がクラシックを好きになるきっかけとなった曲です。30歳から5年程クラシックを集中的に聴きました。それはTVでヨーヨー・マとエマニュエル・アックスによるこの曲の演奏に感動したことから始まりました。若々しい伸びやかなメロディーが素晴らしく、とくにチェロの音には相性に良さを感じました。友人達を誘い、町の公民館の協力を得てクラシックの演奏会を企画し公演を行いました。新ヴィヴァルディ合奏団、東京メロス合奏団、ピアノの森田佳子さん、ギターの荘村清志さんなど、5年間で10回(?)の公演を開催しました。森田さんと当時東京都交響楽団首席チェロ奏者だった苅田雅治さんにはこのベートヴェンのチェロ・ソナタ第一番を僕の要望で演奏していただきました。楽しかった想い出です。食わず嫌いだったクラシックを、好きになった記念の曲がこのチェロ・ソナタ第一番なんですね。


 1月17日 雨/曇り 体調・ふつう

 初七日。11日夜9時39分に父栄一が永眠いたしました。77歳でした。自宅前国道を横断中の交通事故でした。突然父を喪いました。父のいない家族4人の生活には、まだまだ慣れることはできませんが、少しずつ新しい生活を築いていかねばと思っています。昨日から店を再開しました。
PABLO CASALS『J.S.BACH / CELLO SUITES』
 カザルスによるバッハの無伴奏チェロ組曲です。つ〜んと冴え冴えした早朝の空気のような音楽です。


 1月11日 雪/曇り 体調・ふつう

 さっそく今年の読書目標を破って新年から新作単行本を続いて読みました。まあこれは昨年買った積読本だからしかたない。川上弘美『真鶴』読了です。またまた装幀が素敵。「真鶴」は女性の名前かと思っていましたら、あの熱海の手前の「真鶴」のことでした。川上調ですね〜。文体のなまめかしさは格別。妖しく不思議で深〜いお話しでした。
HOWLIN' WOLF『The Complete Recording 1951-1969』
 チェス・コンプリートBOXラストの7枚目はアウト・テイク集です。ウイリー・ジョンソンのアグレッシヴ・ギターが聴けるメンフィス時代のウルフもすごく良いです。サザン・ビートだよね。R&B調ブルースよりサザン・ビートで機関車のように突っ走るメンフィス・ブルースって俺は大好きなんだよね。もちろんシカゴのウルフも超強力ですが。


 1月10日 雪/曇り 体調・ふつう

 今年の読書目標。その1、できるだけ文庫本にする。その2、だから新しいものを追わない。その3、もう100冊も読まない。以上。
HOWLIN' WOLF『The Complete Recording 1951-1969』
 チェス・コンプリートの6枚目。'63年コパカバーナ・クラブのライブからスタート。ギターはバディ・ガイでピアノはオーティス・スパン。3曲目のスタジオ録音からはヒューバート・サムリンとラファイエット・リークに交替。サムリンのギターの方が新しいというかロックを感じさせるプレイです。あの得意なしゃくり上げるようなグリッサンドがロックっぽいってわけじゃないけど、ハネたビート感なんかは新しい感じがします。新しいといえばこのジャケット写真のウルフ。スーツを着た写真に馴染んでいたので、このラッパーの親玉(笑)のような姿にびっくり。すげえ怒迫力でかっこいいっす!。


 1月8-9日 雪/曇り/晴れ 体調・ふつう

 今日から小学校は3学期。娘はまだ薄暗い中集団登校で雪道を歩いて行きました。雪国で一番歩いているのは小学生だね。
ジビエ・ド・マリ『GIBIER du MARI』
 夏木マリのロック・バンドです。ジャニス・ジョプリンです。こうゆうのやりたくてしょうがなかったんだよね。嬉しい感じが伝わってきます。すげえオールド・ロックです。かっこいい! このロック・バンド「野獣とマリ」のメンバーは夏木マリ(vo)、バンマスの斎藤ノブ(perc)そして久米大作(key)、樋口晶之(ds)、イチロー(g)、高橋 "Jr." 知治(b,hca)といった日本ロックの古強者達。ジャケット写真の彼等、ちょいワルどころか、そーとうワルイおやじって感じで好感が持てます(笑)。それでも夏木マリの貫禄にはかなわないんだから、マリさんの凄みはホンモノです。そしてDVD収録「Blues」のマリさんはそうとうエロいです。エロさもまさに貫禄勝ち。


 1月6日 曇り/雨 体調・ふつう

 正月過ぎて5-6日は年末調整やって店の棚卸し。地味な毎日(笑)。雪掘りがないから今のところは楽だよね。
加藤英樹『Green Zone』
 アンダーグラウンドをうねりのたうつモノノケ・ヘヴィー・ロック。これも紙ジャケ10ミリ・ホールのdoubtmusic産です。加藤英樹(b, violin)のリーダー・アルバムでメンバーは大友良英(g)と植村昌弘(ds)。かつてのグラウンド・ゼロですね。グループ名" Green Zone " とはバグダッドの米軍管理区域の名称だそうです。ライナーで加藤が「映像のないドキュメンタリー映画のような作品といえる。ストーリーをリサーチしてから各タイトルに音楽をつけ、演奏はライブで収録するというアプローチをとった。」と記しています。のたうち苦悶する現代を音楽で表現したのでしょうか? う〜ん、ヘヴィーです。俺もギラギラとギター弾いてみたくなりました。


 1月5日 晴れ 体調・ふつう

 今年最初の読了本は小川洋子『海』と『AERA ニッポンのマンガ』。『海』は短編集で、「博士の愛した数式」を連想させる「ガイド」、そして謎の活字管理人が非常に気になる「バタフライ和文タイプ事務所」が特に良かった。『...ニッポンのマンガ』は手塚治虫文化賞10周年記念として大賞受賞作家の浦沢直樹、高野文子、吾妻ひでおなどヨダレの出そうな描き下ろし作品はじめ、爆笑「しりあがり寿vs西原理恵子、画力対決7番勝負!」など、漫画好きにはたまらない内容です。
梅津和時『Show the Frog』
 『 ショウ・ザ・フロッグ』とは!、シャレの効いたタイトルですこと(笑)。梅津和時の無伴奏バス・クラリネット・アルバムです。無伴奏バスクラってのは梅津さんにとって初の試みだそうですが、流石聴かせます。バスクラの独特な低音域は生活の音に良く馴染むようだし、梅津さんの歌心がそこに潤いを加味して、なんとも心地よい気分にしてくれます。さあてこの紙ジャケに10ミリ・ホールは沼田順さんのdoubtmusicですね。大友良英関連他数枚持っていますが、どれもジャブの効いた個性的な音楽作品ですね。今後とも目が離せないレーベルですね。


 1月3日 晴れ/曇り/晴れ 体調・ふつう

 2-3日は恒例初売り出し。3日午後からはこれまた恒例かみさん実家へ年始。娘は大好きな百人一首に大喜び。これで正月も終わり。
竹内まりや『Quiet Life』
      『Bon Appetit!』
 まりや先輩の'92年作品が『Quiet Life』。「家に帰ろう(マイ・スィート・ホーム)」というキラー・チューンがあるのでよく聴いたアルバムです。12弦エレキ・ギター(リッケンじゃなくてモズライト?)のイントロに導かれたウエストコースト・ロックを感じさせる大好きな曲「家に帰ろう」で始まるアルバム。久しぶりに見るとジャケットのまりやさんが寂しげな表情。この時期のまりやさんには女の迷いを感じさせる曲が多かったね。変わって21世紀『Bon Appetit!』のまりやさん。可愛い女は永遠なのよ!って感じの堂々たる輝き。ああこの神々しい輝きこそまりや先輩だわ!と何故か乙女のときめき☆キラリと感じた...わけじゃなかったけど、いつまでも綺麗な先輩がそこにいるのはとても嬉しいことでした。『Bon Appetit!』はエヴァー・グリーンなポップスを届けたい、そんな竹内まりやと山下達郎のポップスへの愛が、確固たる形となって出来上がっている、そんな素晴らしいアルバムです。達郎の名人芸としか言いようがないサウンド・プロダクションとポップスの女神竹内まりやによるまさにエヴァー・グリーン!


 1月2日 曇り 体調・ふつう

 あけましておめでとうございます。音盤日記、今年も出来る限りの更新を目指します。元日1日店を閉めただけで、本日より商売始めです。昨日は一日中酒を飲んで過ごしたので、今日はもう飲みたかないし、こうしていつものように店番しながらMacの前に立っているのが健康に良いのかもしれませんね。本日の箱根駅伝には5区山登りに津南の青年が出場します。その涌井圭介君の両親は俺の同級生です。今頃箱根の山で息子に声援をおくっていることでしょう。俺も、圭介ガンバレ!!
竹内まりや『Longtime Favorites』
 まりや先輩のこのアルバムは冬に暖かい部屋で聴きたいなと思っていました。しかし、現実はきびしい(笑)。いっこうに暖かくならない店内で店番をしながら聴いています。でもずっと聴いていると遠赤外線効果なのか、少しずつ身体が温かくなってきました。'60年代ポップスのカバー集です。「シンプルでストレートな歌詞とメロディーが生み出す魔法に、幼い日の私はどれほど心を動かされたことでしょう...」とまりや様が書いているとおり、俺も子供の頃、TVから流れる弘田三枝子や森山加代子が歌う、そして漣健児訳詞のポップスに心をときめかせていました。後年竹内まりやがデビューし、その歌にかつてのポップスの甘い記憶が甦り、彼女の歌にとても居心地の良さを感じました。以来ずっと竹内まりやは一番信頼するシンガーなのです。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps