●2007●

 6月29-30日 雨/曇り/晴れ 体調・ふつう

 共同通信によると久間防衛相が講演で、先の大戦での米国の原爆投下について「長崎に落とされ悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で、しょうがないなと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない....日本が負けると分かっているのにあえて原爆を広島と長崎に落とし、終戦になった」と語ったそうだ。東京大空襲を作戦指揮した米司令官に戦後になって勲章をあげたのも日本政府。慰安婦問題でいいようにこづきまわされているっちゅうのに自民党ってどこまでアメリカべったりなんだよ!謝ることはきちんと謝り、その上でアメリカの非道な大罪に対し謝罪を求めるべきなのに。
WILCO『SKY BLUE SKY』
 もはやオルタナ・カントリーのウィルコなんて紹介は無用な程ビッグになったアメリカン・ロック・バンドの雄ウィルコの新作です。カントリー・テイストを脱ぎ捨ててノイジーで暗い風情を醸し出していた近年の彼等(というよりジェフ・トゥイーディーがと言うべきかな?)でしたが、この新作にはオルタナ・カントリー回帰を通り越して(遡って)'70年代ウエスト・コースト&サザン・ロックな感じが曲作りに顕著に現れているように思います。すっきり明快なバンド感があります。オールド・ロック好きオヤジを泣かせる仕上げにもなっているわけですね。俺的に注目はギターのネルズ・クライン。言わずと知れた(俺的にw)アヴァン・ジャズ・ギターの凄腕です。そのネルズのプレイが泣ける程良いのですよ。無駄なくキャッチーなプレイです。素晴らしい!
 impossible Germany,unlikely Japan 〜♪ って曲については英語力不足でニュアンスわからずです(笑)。


 6月27-28日 曇り 体調・ふつう

 ようやく紫タマネギの収穫が終了した。いったい何百個あるんだろ?父が毎年そうしていたように親しくしている人達に配らなきゃならない。これがまた一仕事。
UA『Golden Green』
 UAの新作は荒涼としたホーンで始まりました。彼女の書く詞と彼女の歌声を一番良い形でみんなに伝えたいという気持ちが、このアルバムからは伝わってきます。この気持ちのこもった丁寧なサウンド・プロダクションは内橋和久、鈴木正人、藤乃家舞、ヨシダダイキチ、そして帰ってきた朝本浩文達によるもの。例えば内橋和久。即興系の猛者というか達人ギタリストとして俺はアルタード・ステイツで知っているんだけど、内橋はふちがみとふなととも関係が深く歌モノ好きでもあるんですね。トップのタイトル曲で内橋作曲の「黄金の緑」では絶妙な抑えが効いていて、思わず巧い!とつぶやいちゃったよ。良い曲揃いのアルバムだけど、ラストの朝本作曲「Moor」はほんとに胸を打つ素晴らしい1曲です。♪みんなもう気がついているのに 知らないふりだけ上手で るり色が灰色に燃える景色は 涙の量だけじゃ消せない〜♪ う〜ん!


 6月26日 曇り/雨 体調・ふつう

 ちょっと二日酔い。今日明日は休肝日に決定。
鈴木祥子『SHO-CO-JOURNEY』
 「優しい雨」のシングル・バージョンは初めて聴いた。小倉博和のエレキ・ギターが火を噴いてるね。小倉といえば佐橋だけど、佐橋佳幸は鈴木の初期アルバムのアレンジャー&プロデューサーなんだよね。「Swallow」のアコースティックの空気感を生かした鮮やかなアレンジが特に印象的。


 6月25日 雨/曇り 体調・ふつう

 週末は紫タマネギの収穫作業で忙しかった。" タマネギ名人" だった父の最後のタマネギです。
鈴木祥子『SHO-CO-JOURNEY』
 最新ベスト・アルバム2枚組です。耳に馴染んだ曲が多いけど、ベスト盤て好きなんですよ。とかしていたら熱血同級生が来て熱い話しで盛り上がる。掃除もしないといけないし、「じょんの喜5周年パーティー」の時間がせまってるし、時間がなくなりました〜。


 6月21-22日 曇り/雨/曇り 体調・ふつう

 『高田渡読本』読了。内容のほとんどに追悼の意が込められているのでシミジミと読んでしまった。シンガーとして最初期からの付き合いの遠藤賢司は「高田渡は本当に優しくて..いい奴だった。そして酒を飲まなきゃ..凄い歌手だった。」と記し。渡の一人息子の漣は「親父は最後まで僕と一緒に暮らせなかったことをすまないと思っていたんですよ。僕はむしろ反対で、心の底から一緒にいなくて良かったと思うんです。...一緒にいたら、たぶん自分は音楽をやらなかっただろう、と。...たまに会うからよかった...高田渡は気遣いの人、子供に対してまでもね。それで疲れ果ててしまった人なんです。」と記す。映画『タカダワタル的』の中で俳優柄本明が、高田渡は欲がないようなことを言われるがそうじゃない。他の人達と欲の場所が違うのだ。みたいなことを話していた。たしかにこの世の中、ありきたりな欲に縛り付けられた不自由な人達でいっぱいだ。俺もふくめて。
V.A.『Harry Smith PROJECT
   Anthology Of American Folk Music REVISITED』
 そもそもハリー・スミスの『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』とはなにか?それはSP盤コレクターであったスミス氏がコレクションの中にあった戦前のアメリカン・ルーツ・ミュージックの音源をLP盤にして残そうという企画をフォークウェイズ社に持ち込み実現、'52年にスミス編纂として発売されたものでした。収められた曲のほとんどが'30年代南部の音楽で、白人黒人そして両者のコモンストックを現した音楽などであり、'60年代のフォーク・リヴァイヴァルに多大な影響を及ぼしたということでも有名です。'97年にはCD化され、より若いリスナーにその" 奇妙で新鮮な音楽" が聴かれることになりました。
 さてそこでかの有名な仕掛け人ハル・ウイナーの登場です。セロニアス・モンク、クルト・ワイル、ニーノ・ロータそしてディズニー音楽などそれぞれを個性的な視点で捉えたトリビュート盤をプロデュースした男ハル・ウイナー。ハルに目をつけられたハリー。スミス氏の功績を讃えようということでプロジェクトがスタートしたのが'99年。ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスなどでコンサートが開催され、多くのミュージシャンが参加してスミス氏が編纂した昔のアメリカを現代に甦らせた、ということです。そしてそのライヴ盤が今聴いてるこれなんですね。
 ヴァン・ダイク・パークス、ジェフ・マルダー、マリアンヌ・フェスフル、ルー・リード、ケイト&アンナ・マクガリグル&エルヴィス・コステロと続くこのCD2もそれぞれ個性的で楽しいです。残念なのは英語が直にわからないこと。マーダー・バラッド(人殺しの歌)や不義密通の歌などイケナイ歌が大らかに歌われていたりして詞も面白いはずなんですがね。あっそれとリージョンコードの違いで見られないDVD2枚はどうしてくれるんだ!あっパソコンならOKかもね。トライしてみよう。


 6月19-20日 晴れ/雨/曇り 体調・ふつう

 永井するみ『カカオ80%の夏』読了。中年恋愛小説の旗手(じゃないとは思うけど、笑)永井するみによる青春ミステリー。彼女の『唇のあとに続くすべてのこと』に凄くよろめいてしまったので、以来永井作品がそこにあるとつい読んでしまいます。今回の新作は青春物でこれまた巧い。ライト・ミステリーで絶妙の軽さです。少女達の生き生きとした描写も良いし、母親や周りの大人達そして老人達まで描き方が鮮やかでその観察眼の確かさはお見事。
V.A.『Harry Smith PROJECT
   Anthology Of American Folk Music REVISITED』
 スティーヴ・アールとウィルコはそのヤサグレ感とホコリっぽさで、ある意味正統な後継者かもね。ベックだってけっこうアメリカン・ゴシックな感じの曲をやってきた人だからうまくはまってる。コステロは相変わらず大仰な歌い方だけど、このイカサマっぽさが"新しくも風変わりなアメリカ"を感じさせる。ケイト&アンナ・マクガリグル、ジェフ・マルダー、リチャード・トンプソン&エリザ・カーシーなども、こうした歌の世界はお手の物だ。RTはコステロより風格があるね(どうだ!)。同じ土俵だとよくわかる。ロズウェル・ラッド&ソニック・ユースは...う〜んオルタナティヴだなあ。さあてあと1枚は明日聴こう。


 6月18日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 宮下奈都『スコーレNo.4』読了。道具屋三姉妹の長女麻子の成長物語。帯に " 人生には、4つの小さな学校(スコーレ)がある。家族、恋愛、仕事、そして..." ...まあそんなお話し。〜「あのさ、昔から思ってたんだけど、朝目が覚めたときに聴きたい曲が決まってると、その日は一日いい日になる気がする」〜なんて言う茅野君はちょっと出来過ぎキャラだと思うな。キャラといえば麻子の家族がそれぞれに良くて、家族ひとりひとりを主人公にした連作短編家族小説を読んでみたいと思わせる程に素敵な小説でした。はい。
V.A.『Harry Smith PROJECT
   Anthology Of American Folk Music REVISITED』
 2CD+2DVDの豪華版。なれど、DVDの再生が出来ない!なんだよわざわざ日本盤買ったのに(泣)(怒)。気を取り直してCDその1から聴いてます。リチャード・トンプソンも登場してますからね。と、聴き始めたんだけど、タマネギおこしを始めたのでまた明日。じゃあ。


 6月17日 晴れ 体調・ふつう

 「父の日」である。カッコつきの「父の日」である。俺は忘れていたし世間的にも「母の日」ほどには盛り上がっていないようである。それでもちゃんと娘が「はいお父さん」とプレゼントを手渡してくれた。嬉しかった。弟は父のいる仏壇に花を贈ってきた。よくできた弟である。
『タカダワタル的』DVD
 こんなに絵になる顔はないよな。ほんと親しみが湧いてしょうがない高田渡の笑顔です。日曜日の店内のiMacで上映中です(笑)。もう素晴らしすぎる。こんな風に生きたいなと思いながらも、誰も高田渡のようには生きられないから、まさにタカダワタル的。この数日、高田渡の歌う「生活の柄」が鼻歌ソングだった。どうしてかと言うと、TVの歌番組で " 夢をあきらめないで、必ずかなうから〜"なんて感じのノーテンキな応援ソングが耳にくっついて、俺なんか素直じゃないし他人に言われるのが大嫌いな人間だから、こうしたオセッカイな歌は大嫌い。そこで思うんだけど、夢に破れた人、生活に疲れ果てた人、何をやっても上手くいかない人、そんな人達に " 夢をあきらめないで、もっとがんばって!" なんていう優しさのカケラも感じられない歌は傷口に塩をすり込むような歌なんだと。そんなことを思っていた時にふと「生活の柄」が口から出てきたんだよね。人間的に向上するってどんなことだろうってなことを考えながら。地べたに寝ころんで考えたわけじゃないけど(笑)。とりあえず、偉くなりたくはないな。


 6月15-16日 曇り/小雨/晴れ 体調・ふつう

 本の雑誌曰く " 日本文庫史上最高の「美しい書物」" 『鉄塔 武蔵野線』がすっごく気になる。10月復刊だってよ〜。早く見たいな読みたいなっときた。
joni mitchell『hits』
 ジョニ・ミッチェルをベスト盤ですませるなんてバチがあたる石が飛んでくるとか(笑)。まあね、ベスト盤が聴きたい時もあるんだよ。ジョニのようにキャリアの長いアーティストの場合は特にね。これ1枚に「青春の光と影」も「サークル・ゲーム」も「ウッドストック」も「チェルシーの朝」も「ビッグ・イエロー・タクシー」も入ってるし(笑)。店番が暇なので歌詞の対訳をじっくり読んでみました。短編小説集のようです。歌それぞれに物語が息づいています。巧いなあ。ジョニのほとんどのアルバムはセルフ・プロデュースだと思うんだけど、初期は歌とギター、歌とピアノだけってのが多く、'70年代中頃からのジャズ・フュージョン系の一流どころをバックにしたアルバムでも骨格はジョニの歌とギターで、バックが出しゃばることはなかった。ジョニのムダなく引き締まった背筋がぴんと伸びた歌世界なんだけど、風通しの良いんだよね。この風通しの良さこそが素晴らしく魅力的なんですね。ビルボード誌曰く「一言で言えば、ジョニ・ミッチェルは私たちのハートを教育してくれているのだ」。ぱちぱちぱち。


 6月13-14日 曇り/小雨/曇り 体調・ふつう

 「赤色エレジー」を浜田真理子さんが歌うそうだ。そうか。高校1〜2年生の頃に流行った歌だね。あがた森魚が下駄履いてTVの歌謡番組で歌っていたのを思い出す。バックには鈴木慶一のピアノと武川雅寛のヴァイオリンがついてたな。俺的には " ガロ文化 " のひとつだった気がする。
V.A.『A TRIBUTE TO JONI MITCHELL』
 こりゃあ敷居の高いトリビュート盤だわい。音楽性は高いし作家性は強いし。しかも「青春の光と影」「サークル・ゲーム」「ウッドストック」といった大好きな曲も「チェルシーの朝」「ビッグ・イエロー・タクシー」といった有名曲も入っていない。これはジョニ・ミッチェルの芸術性の方に焦点を当てた企画にに相違ない、と歌謡曲人間の俺は拗ねるのであった。プリンス、ビョーク、エルヴィス・コステロ、カエタノ・ヴェローゾ、カサンドラ・ウィルソンなど一筋縄ではいかない曲者揃いで聴き応えはたっぷりですが。一番敷居が低かったのはエミルー・ハリスで、彼女の歌声で一息つけました(笑)。ラストのジェイムス・テイラーは「River」を自身のオリジナル曲のような親和性で歌っています。さすがJT、普通に歌って好感度大なり。


 6月11-12日 曇り/晴れ 体調・ふつう

 福井晴敏『6ステイン』読了。解説のあさのあつこさん程には感動がなかった。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』といったスケールの大きな骨太小説で有名な剛腕福井の短編集。防衛庁情報局、いわば国内の秘密諜報機関で働く人々の暗闘とそれぞれの苦悩を語る六つの短編。6篇の中では女性を中心に据えた3篇が良かった。
Jeff Beck『OFFICIAL BOOTLEG USA '06』
 大好きなギタリスト、ジェフ・ベックのライヴ盤。期待ほどには良くなかった(しゅん...)。トーンがハイゲイン一本槍な感じで、持ち味の繊細なフィンガー・ピッキングが生かされていないと思う。「レッド・ブーツ」ではいきなりチューニングが狂ってるし(かっくん)。ベックには優れた片腕&プロデューサーが必要なんだよね。こうした、ただただギターを弾くベックのようなアルバムばかり作っていると、音楽的にもイマイチだし、ギター・マニアにしか聴かれなくなっちまうよ。俺はマックス・ミドルトンがいた第2期ジェフ・ベック・グループが一番すきだったな。そして『ブロウ・バイ・ブロウ』から『ワイアード』あたりが最高だよね。


 6月10日 曇り/雨 体調・ふつう

 父のムラサキタマネギは生で食べます。スライスして水にはさらしません。これは俺の大好物。
中山うり『Do Re Mi Fa』
 そして今日も話題の中山うり。プロデュースはs-ken。えっS-KEN!?あの東京ロッカーズの、帽子とメガネでパンクの洒落者、あのS-KENかあ。相変わらず感度の良いアンテナの持ち主だこと。バックにはアコギ、コンバス、クラリネット、フィドル、パーカッション。アコースティック・スウィング狙いの曲も数曲ありますが、多様な音楽性を感じさせます。若いのに落ち着いた哀愁を感じさせる曲が多く、それがアコの音色と溶け合って相乗効果を上げているんだけど、世界中のアコ音楽をかなり聴き込んだ上の、その哀感が曲に乗り移ってる感じもする。でも悲しい曲を歌っているわけじゃないんだよね。懐が深いってのかな(笑)。トランペットも吹くし、美容師さんだし、アコ弾き歌うたうソングライター中山うりに二重丸です。


 6月9日 曇り/晴れ 体調・ふつう

 父が遺してくれたタマネギ畑にあっという間にネギボウズがにょきにょき出てきて、よく見るとネギボウズが出たタマネギは玉が小さいようで、あっそうか〜ネギボウズを出しちゃいけなかったのか、と思い当たったしだいです。
中山うり『Do Re Mi Fa』
 そして話題の中山うり。i Tunes Store でロングセールス、" 配信の女王" だそうです。配信の女王ってね(笑)。口の中で丸められた声がふわ〜っと歌声となって流れ出すんですね。この歌声は魅力ですね。アコーディオンの音色にお似合いな感じです。おっいかした歌だね、と歌詞カードみたら「ばいばいどくおぶざべい」作詞作曲中島みゆきですね。ふ〜んさすがだ。あとは全曲中山うり作ですよ。不思議系歌謡曲な感じもして俺的には大満足。明日も聴こう。


 6月7-8日 曇り/晴れ/曇り/雨 体調・ふつう

 娘がトレセンから帰ってきた!。今夜はパーティーだ!
Joe Mooney『On The Rocks』
 中山うりって女性がTVにでていました。最近注目のアコーディオン弾き語りシンガー・ソングライターだそうで、なにやら面白い歌を披露していました。その中山さん、インタビューに答えて「アコーディオンといえばお馴染みの..」ときたので俺はああ横森良造さんね...と思ったら、「...お馴染みのCobaさん...」て話しになって...。ああそうか今時の若い人達にとってアコといえばCobaなんだなと思い知らされました。本盤のムーニーさんもアコ弾き蛇腹男(じゃばらまん)で'40〜'50年代に活躍したそうです。初めて聴きました。ジャズ・アコーディオンとあります。ジャズ・アコといえばかのデューク・エリントンに「アコーディオン・ジョー」なる曲がありましたね。でもこのジョーはムーニーさんではありません。さてジョー・ムーニー、アコも上手いけど歌が小粋でとてもよろしいです。バックの b、cl、g も達者な演奏で軽快にスウィングします。ジャイヴ風でもあり気分上々です。


 6月6日 曇り/小雨/曇り 体調・ふつう

 娘が学校行事のトレセンに行ってるので寂しい1日目。
TINY GRIMES with J.C.HIGGINBOTHAM『CALLIN' THE BLUES』
 本日もアフター・アワーズ・セッション(風)を楽しんでます。4弦ギターの王者タイニー・グライムス、'58年のリーダー・セッションです。彼はジャイヴ・グループのキャッツ&フィドルに在籍していたことから判るとおり芸能魂のある人です。その上、スラム・スチュワート(b)と共に"ピアノの神様" アート・テイタムのトリオでもプレイしていた凄腕なギタリストなのであります。そんなタイニーさん、ここでもごきげんにスウィングスウィング。でもそれ以上にレイ・ブライアントのピアノが颯爽と元気です。まあそんなところで...ごきげんよう。


 6月5日 曇り 体調・ふつう

 こんなことしてるけど、毎日けっこう忙しいんです。暇そうにみえますが(笑)。
NAT 'KING' COLE『AFTER MIDNIGHT』
 '40年代のジャイヴなナット・キング・コール・トリオは大好きです。クールで洒落っ気に溢れた歌と演奏はまさにかっこよさの見本のようでした。本盤は'56年録音で、ポピュラー・シンガーとして大スターとなったコールが吹き込んだ真っ当なジャズ・アルバムです。元々コールのトリオと言えばギターのオスカー・ムーア+ベース+コール=トリオだったわけですが、ここではジョン・コリンズ(g)、リー・ヤング(ds)、チャーリー・ハリス(b)が彼のトリオ。客演にウイリー・スミス(as)、ハリー"甘〜い"エディソン(tp)、ファン・ティゾール(tb)、スタッフ・スミス(vin)といったビッグ・バンドで名を馳せたスター・プレイヤー達。じつに安定感のあるジャズですが、スタッフ・スミスが時折アクセントとなっていて面白いですね。スタンダードをリラックスして演奏し、聴く方もリラックス。甘いヴォーカルも悪くはないね。と、逢い引き(笑)のBGMにも最適です。さすがナット・キング・コール!


 6月4日 晴れ 体調・ふつう

 ローリー・リン・ドラモンド『あなたに不利な証拠として』読了。昨年ミステリ・ファンのあいだで話題となった(らしい)小説です。が、これはミステリとか探偵・警察小説の重要な要素である謎解きや犯人逮捕を中心に据えた小説ではなくて、TVドラマ『ER』のような感じの職場・現場小説なんですね。一件落着の無い、仕事は続くよどこまでも〜の警察ドラマでした。そして短編各章のヒロインはそんなハードな業務をこなす女性警察官。けっきょくラストまでノレなかった小説でした。
宮沢昭『木曽』
 宮沢昭は凄いなあ。『いわな』とこの『木曽』で初めて宮沢のジャズをきちんと聴いたんだけど、このストロングなテナーにはキリッとした情感も加味されていて、豪快だけど繊細なプレイを堪能できる。俺の中での宮沢は、守安祥太郎との'54年『幻のモカンボ・セッション』の人、日本のモダン・ジャズ黎明期のテナー・マン、古いタイプのジャズ・マンというイメージがずっとあった。だから本盤のような'70年頃の諸作の素晴らしさを知った時はびっくり嬉しかった。時代もあったと思う。そして当時新進気鋭の佐藤允彦との出会いが宮沢に火をつけたらしい。ここでの共演者はその佐藤(p)、荒川康男(b)、森山威男(ds)。風通しの良いフリー・ジャズの流れの中、宮沢のテナーが自由に伸び伸びと吹き抜けて行く様がほんと心地良い。ドラムが前作の富樫雅彦から森山威男に代わっているせいか、リズムがよりダイナミックに推進力が増したように感じられる。富樫のドラムももちろん凄かったわけで、両者の持ち味の違いがまた面白い。


 6月2-3日 晴れ/曇り 体調・ふつう

 ローリングストーン誌の「The 100 Greatest Guitarists of All Time」ってのがありまして、
1Jimi Hendrix 2 Duane Allman 3 B.B. King 4 Eric Clapton 5 Robert Johnson 6 Chuck Berry 7 Stevie Ray Vaughan 8 Ry Cooder 9 Jimmy Page 10 Keith Richards ..がベスト10な人達。デュエイン・オールマンとライ・クーダーが入っているだけで大変評価できます俺的に(笑)。しかも19位には我等がRT=リチャード・トンプソンが選ばれています。凄渋ですRS誌。そしてザッパ、ヴァン・ヘイレンより上位の32 John Cipollina of Quicksilver Messenger Service !うひゃ〜この辺はさすがRS誌、西海岸ロック文化を先導した古参カウンター・カルチャー雑誌の気骨を感じます(笑)。
RICHARD THOMPSON『Sweet Warrior』
 さあて我等がR.T.の新作ですよ。エレクトリック・バンド・サウンド全開です。ベースには盟友ダニー・トンプソンも参加。フィドルは若手ブルーグラス・バンド、ニッケルクリークのサラ・ワトキンス。相変わらず骨格の太さを感じさせる音楽です。唯一無二なギター・プレイも相変わらずで、相変わらずに良いもんだから新作が出る度に聴かずにはいられないわけです。もうホメ言葉が見つかりません渋すぎて(笑)。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps