●2007●

 12月31日 雪  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 昨夜から降り始めた雪が正午で積雪20cm。大晦日でようやく冬景色。このまま少雪だと助かるんだけどねえ。
TRAFFIC『ON THE ROAD』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」ラストでその10。このトラフィック'73年ライブ盤が今年の最終プレイ。スティーヴ・ウインウッドのトラフィック。ブリティッシュ・ロックの名門だけど日本では地味な存在だったように思う。高校の頃にラジオのDJ渋谷で聴いた「アンインスパイアード」に泣けて、それでテープをいつも聴いてたことが思い出される。このアルバムの頃のトラフィックにはマッスルショールズのリズム隊ロジャー・ホーキンス(ds)、デヴィッド・フッド(b)とバリー・ベケット(kbs)が参加していて、スティーヴはヴォーカルの他リード・ギターも弾いていて、長いインプロヴィゼーションの曲が多いのが特徴。だれる曲もあるね。俺が上京した'74年にはトラフィック来日公演が行われるはずだった。チケットも手に入れていた。しかし公演中止で幻のトラフィックとなった。だからこのライブ盤を聴くたびに幻のライブを想像してしまう。
 さてと、これで今年の音盤日記も大晦日。2007年音盤日記大賞はやはりジョー・ヘンリー『シヴィリアンズ』。つくづく残念に思うのは通販専門レコード店ビリーヴ・イン・マジックの閉店。その閉店によるダメージがボディ・ブロウのように効いていると実感できた1年だった。


 12月29-30日 雨/曇り/晴れ/雪  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 小池真理子『望みは何と訊かれたら』を読んでます。これが今年の100冊目。
WISHBONE ASH『BBC RADIO1 LIVE IN CONCERT』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その9。ウィッシュボーン・アッシュ'72のライブ。聴き親しんだ『百眼の巨人アーガス』リリースの年のライブだから馴染みの曲が並んでいます。フライングVを弾くアンディ・パウエルとストラトを弾くテッド・タナーによるツイン・リード・ギターがウリのバンドでした。あまりハードでなく、ブリティッシュ・トラッドを感じさせる哀愁のメロディをヴォーカル・ハーモニーとツイン・リードで聴かせるとこが新鮮だったし好きなバンドでしたね。これも最初はDJ渋谷陽一で聴いたんだっけ。


 12月28日 曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 今野敏『朱夏』いっき読み。面白かったあ。妻を誘拐された警察官、普段の冷静さを失う様がスリリングでちょっとユーモラス。警察小説でありながらラスト中年小説ってところでオジサンにんまり。「青春なんざ、くそくらえだよ。....青春の次には朱夏が来る。....燃えるような夏の時代だ。そして、人は白秋、つまり白い秋を迎え、やがて、玄冬で人生を終える。....もっとも充実するのは夏の時代だ。そして、秋には秋の枯れた味わいがある。....」こんな台詞が登場いたしまて、そうかそうか、ワシは今、真夏なのか(笑)。
King Crimson『Larks' Tongues in Aspic』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その8。高校時代のロック仲間ケンジが好きだったのがキング・クリムゾン。'70年代前半の日本でロックといったらブリティッシュ・ロックでそれもハード・ロックとプログレが二大勢力だった。月刊明星のグラビアに郷ひろみが『クリムゾン・キングの宮殿』のLP盤を持ってるのが載ってたり。そんな頃に友人ケンジから聴かされたクリムゾンのファーストからサード・アルバム。『...宮殿』は好きになれたけど、あとの2枚はぜんぜん良いと思わなかった。やっぱ俺はプログレ向きじゃないなと思っていた。そんなある夜、ラジオでDJ渋谷陽一がクリムゾンの新譜から1曲といってかけたのが「太陽と戦慄パートU」。ザッザザッザザ〜と繰り返される無機質で硬質なリフに脳がジンジンしてきて、なんかニヒルでかっこいいと感じた。目指したい音楽ではなかったけど神棚とか目に付く所に置いて、いつでも気にしていたい音楽だった。プログレは嫌いだと言いながら、『...宮殿』と『RED』とこの『太陽と戦慄』は今でも大好きです。


 12月26-27日 曇り/晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 良いお天気で積雪ゼロ・センチ。いいのかなあこんなんで...。助かってはいるんだけどねえ。北方謙三『水滸伝 十五』読了です。官軍20万を相手に負けなかった梁山泊。ここでついに高求登場。北方版ではこれまで青蓮寺の影に隠れていた悪の代表高求がようやく表舞台に登場し、ここから物語のトーンが変わるのかな?
RORY GALLAGHER『LIVE! in Europe』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その7。高校の頃持っていたのはこれじゃなくてロリーが'70年まで組んでいたテイストのライブ盤。若々しいブルース・ロックで好きだったけど、やはり印象に残っているのはこの'72年『LIVE! in Europe』。この真っ直ぐな感じが爽快で純情とも言えるブルーズン・ロックン・ロール。アコギやマンドリンのアコースティック・セットによるブルースは当時のロック・シーンでは珍しかったと思う。テイストの頃から評判だったスライド・ギターがここでもワイルドに熱く吠えてる。高三の頃、俺のギター・ヒーローは間違いなくロリー・ギャラガーだった。ロリーは今でもちょくちょく聴いてるから懐かしはないけど、もう一度生ライブを見たかったな。


 12月25日 曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 ジェフリー・ディーヴァー『クリスマス・プレゼント』読了。名手デイーヴァーのミステリ短編集。どんでん返しがじつに巧い。攻守立場がするりと逆転するスリルが読書の喜びを加速します。表題作はこの短編集唯一の書き下ろしで、しかもあの人気シリーズ、リンカーン・ライム物。スリル&サスペンス。巧さに唸りますよ。
Deep Purple『in Rock』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その6。高一の頃聴いたラジオで流れていた「ブラック・ナイト」のかっこいいこと!さっそくシングル盤買いましたよ。B面は「イントゥ・ザ・ファイア」でこれもかっちょよかった!その頃まだガット・ギターしか持ってなくて、それでイントロ・リフを真似て弾いてた。ツェッペリン以上にキャッチーで分かり易く、ロックのかっこよさはこれだ!って感じだったな当時。コピー・バンド続出も肯けるよね。俺も21歳の時、パープル系ハード・ロックにすでに興味を失ってた頃、入れてもらった十日町の先輩達のバンドがまさかのパープル系コピー・バンドだったので「スピード・キング」やら「チャイルド・イン・タイム」などガンガンやったこともありました。俺達バンドとして上手かったとは思えないけど、アマチュアがとりあえずそれらしく聴かせられるのがディープ・パープルの曲なんだよね。この『イン・ロック』久しぶり(30年ぶり?)に聴いてるんだけど、うん良いよね(笑)。素直に嬉しい。俺達の時代のロックは良かったなと。


 12月23-24日 曇り/雨  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 クリスマス・イブ。今年のケーキは自分達で作るんだよと娘は張り切ってます。娘あっての我が家のクリスマスです。サンタさんで喜んでもらえるうちは楽しいね。
Led Zeppelin『Led Zeppelin U』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その5。ツェッペリンで最初に持っていたのが「移民の歌」シングル盤。だけどLP盤は前のアルバムだったセカンドを買いました。サードが出た当時でもツェッペリンならセカンドだっていう評判だったんですね。「胸いっぱいの愛を」が入っていたし。ジミー・ペイジ " ケチ伝説 " はすでにありました(笑)。俺が高校の頃ってまだまだロックは少数派で、音楽誌もフォーク系はあったけどロックはミュージックライフのようなグラビア中心の雑誌くらいしかなくて、ロック・ギターを弾きたくても手掛かりを探すのに苦労していたんだよねド田舎だし(笑)。その頃ヤマハが出版していたライトミュージックが唯一洋楽ロックの演奏そのものを記事にしていました。そこで「胸いっぱいの愛を」と「移民の歌」のイントロ・リフだけが譜面で紹介されていて、例の成毛滋エイトビート・ピッキングなんですが、それを一所懸命練習したんだよね。これが俺のロック・ギターのとっかかりだったと思う。'72年頃の津南の高校ではエレキと言えばまだベンチャーズで、高校の文化祭ではフォークとベンチャーズ。古いなあかっこわるいなあと思ってたわけ。でもロックやろうにも仲間がいないし、それでも仲の良かった連中と組んだバンドでやったのがキャロルとチューリップ。有名になる一歩前だけど旬だったからね。旬な音楽をやりたいってのはその頃から思ってた。それでバンドの練習の合間にツェッペリンのリフとかクリームのリフとか弾いてひとりで発散してたんだよね。ツェッペリンって後年CDで聴き直して感じたのは、サウンドが思ってたより軽かったってこと。ミックスのせいなのかな。もっと重く太かった印象があったんだけどね。時代の空気のせいかな。


 12月22日 曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 茅野裕城子『ミッドナイト・クライシス』読了。更年期小説なのに元気な更年期ガール小説とも言える、か?(笑)。「ミッドナイト・クライシス」は「ミッドライフ・クライシス」をもじっていて所謂中年の危機!ぎゃ〜思い当たる(笑)。いや笑えない...。本作は47歳女性トリオの物語だけど、これが50歳男性トリオだったらどうなるんだろ?とはあまり考えたくはないな。
JEFF BECK GROUP『JEFF BECK GROUP』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その4。ジェフ・ベックで初めて買った音盤は「監獄ロック」シングル盤。ヴォーカルはロッド・スチュアートで所謂ベック・グループ第一期。で俺が好きだったベック・グループのアルバムは第二期のこれ。スピーディーでファンキーなソウル風味のベック・グループ。'72年でこのサウンドは新しかったと思う。俺が上京した年に解散してしまった俺にとって幻のバンドがスモーキー・メディスン。チャー、金子マリ、鳴瀬喜博、佐藤準、藤井章司という凄いメンツのバンド。レコード・デビューまで行かなかったし生でも聴けなかったけど、当時雑誌のインタビューや記事から想像するに第二期ベック・グループのサウンドに似ていたらしい。その後、チャーや金子マリ&バックスバニーの演奏の中に俺は第二期ベック・グループの匂いを感じることがあった。ベックがこの後に結成したのがスーパー・グループBB&Aなんだけど、二期ベック・グループに比べ古いハード・ロック・トリオって感じで逆戻りした印象が強かった。だからこの二期ベック・グループのアルバムはBB&Aを飛び越えて'75年の『Blow By Blow』に繋がってる。「デフィニットリー・メイビー」の繊細なタッチこそ、クラプトンともペイジとも違うまさにギターだけの男、ギター侍ジェフ・ベックの真骨頂だ。


 12月21日 雨/曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 藤原伊織『名残りの火』読了。ハードボイルド&ミステリーは魅力的な(好き嫌いはともかく)悪役が登場しないと物語がつまらないと思っているので、その点本作はいまいちな感がありました。ただ主人公の脇にいる人達が面白いからまあいいか。作者藤原伊織は本年5月に逝ってしまい、続編が読めないことが残念です。大好きな作家打海文三も10月に逝去。合掌
HUMBLE PIE『PERFORMANCE ROCKIN' THE FILLMORE』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その3はハンブル・パイ。ロニー・レインと共にイースト・ロンドンの小さな顔役だったスティーヴ・マリオット。そのマリオットが'69年に結成したのがハンブル・パイ。もちろんギタリストはピーター・フランプトン。直情ロックンロール・バンドとして人気がありました。マリオットの激しいシャウトはスモール・フェイシズの頃から評判だったけど、パイではハードなロックに乗ってさらに黒くエネルギッシュに叫んでます。これは'71年のアルバムで俺はLP持って無くてカセットテープで聴いてました。ラジオで耳にした「ハレルヤ・アイ・ラブ・ハー・ソー」がかっこよくてギターのリフを真似してましたね。久しぶりに聴いてみると、フランプトンのギター・ソロが良いね。キャッチーなフレーズがソロになってからの大成功を予感させてたりね。


 12月19-20日 曇り/晴れ/雨  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 石破茂防衛相は'57年生まれなので俺の一学年下だから当然ウルトラマンや怪獣達に胸をときめかせた少年だったんだろうな。今日TVを見ていたらその石破茂防衛相が記者会見で「ゴジラやモスラがやってきた時、自衛隊が出動してたけど、あの法的根拠は何かを議論する人がいない。災害出動なのか領空侵犯なのか...」みたいなことを話していました。なるほどなあと感心。石破くんのマニア的真面目さは面白い。いかなる事態も想定しておくって大事なことですからね。
BLIND FAITH『BLIND FAITH』
 「俺のブリティッシュ・ロック時代」その2。神様クラプトンと天才児ウインウッドの二枚看板にジンジャー・ベイカーも加わった当時のスーパーグループ。その活動は半年しかもたなかった。このアルバムは'69年リリースだけど俺がラジオで初めて聴いたのは高二頃。あの頃って輸入盤が即聴ける時代じゃなかったし即日本盤で発売とかもなかったから、英米リリースから2.3年後って別にタイムラグを感じることはなかった。俺のブリティッシュ・ロック時代は'70〜'73年、中三から高三頃と短く、それはミュージックライフ読者でもあった頃。MLがつまらなく感じたのとブリティッシュ・ロックに興味をなくしたのも同じ頃。ブラインド・フェイスの「Sea Of Joy」を聴いたのは渋谷陽一DJのラジオだった。間奏部リック・グレッチのヴァイオリンの後に入ってくるウインウッドのヴォーカルに鳥肌が立ったのを憶えている。アルバム「ブラインド・フェイス」はウインウッドのヴォーカルを中心としたもので、当時クリームの強烈なインプロヴィゼーションを期待した人達からは評判が悪かったらしい。でもクリームみたいなバンド(インプロヴィゼーションが目的化したようなバンド)に嫌気がさしていたクラプトンが天才ヴォーカリスト、ウインウッドと組んで歌ものアルバムを作ったのって、その後のクラプトンの活動を見てみると自然な流れであったわけですね。'69年ブラインド・フェイスのアメリカ・ツアー中にスワンプ・ロック白人デュオ、デラニー&ボニーの音楽に一目惚れして彼等のツアーに参加してしまう。これが後の『レイラ』に繋がるんだよね。アコギ・ソウル「Can't Find My Way Home」はまさにフリー・ソウルで新しい感覚だったし、「Presence Of The Lord」はクラプトン・スタンダードの先駆けでしたね。現在のクラプトンは勿論現役で大スターなわけだけど(スーツ族御用達の)、若い頃語っていたように今でもアンチ・ビッグ・ビジネス・ミュージック主義者なんだと思う。謙虚に自分を「ブルースの一継承者にすぎない」と言ってみたり。もうツアーは行わないと言ったり。で武道館で70数回歴代3位のライブ回数を記録中なのである(笑)。そうそう'74年10月の日本初公演もちろん武道館へは勿論行きましたよ。かるーく肩すかしを喰らったライブでした。


 12月17-18日 雪/曇り/雨  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 垣根涼介『君たちに明日はない』読了。リストラ面接官村上真介をめぐる連作短編集。続編も出ていて人気シリーズとなるのかな。いかにもTV化されそうな面白サラリーマン小説です。登場人物のキャラ立ちが良いから配役の妙もあるし。体毛剃った男がまた登場して垣根涼介は女にマメだな(笑)。File4「八方ふさがりの女」登場のディッキー先輩!名古屋トヨハツ自動車直属コンパニオン日出子さんの物語が単独続編で読みたいと思った。
 昨日は十日町に新しくできた映画館十日町シネマパラダイスで荻上直子監督『かもめ食堂』を鑑賞。ロハスでピースでスローライフな感じってこれなのか?小林聡美のニュートラルな演技がとても良かった。
CREAM『LIVE CREAM VOL.2』
 ツェッペリン再結成ライブが話題になっていて、俺も俺ロックの原点だったブリティッシュ・ロックを当時を想い出しながら聴いて行こうと思う。題してジャ〜ン「俺のブリティッシュ・ロック時代」(笑)。高校入学の年、'70年のミュージックライフ新年号をとりあえず元年としましょう。意識的にロックにはまり込んでいったのがこの頃。中三の後半てことだけど、俺ロックの媒体はラジオとML誌だけだった。当然LP盤をバンバン買えるお金などなく、シングル盤がやっと買える程度。パープルの「ブラック・ナイト」とツェッペリンの「移民の歌」はシングル盤で聴いていたな。高校何年だったかな、NHKヤング・ミュージック・ショーでクリームを見たんだよね。夢のようだった。クラプトンが動いてるんだから!クラプトンが"ウーマン・トーン"の説明する場面があったりして感激だった。今のロック青少年諸君にあの時の感動を伝えるのは難しいね。このクリームのLP盤はそれこそ擦り減る程聴いていた。「ホワイトルーム」も「政治家」も「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」もこのアルバムのバージョンが体に沁み込んでいる。今聴いてもやはり音が熱い!クリーム自体は'68年末に解散していて、俺がこれに熱中し、クラプトンは神様だと崇めていた頃、当の本人はコカイン中毒真っ最中だったんだよね。それで例の復活祈願レインボー・コンサートがあったんだから。高名なジャズ評論家油井正一氏が当時クラプトンのプレイを激賞していたのも「ステッピン'アウト」の火の出るように熱くフレーズが途切れない流麗なアドリブを聴けば肯ける。この時エリック・クラプトンはほんとに神様だった。


 12月16日 雪/曇り/雪  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 天気予報に雪だるまがあったので警戒していたけどたいして降らなかった。このまま少雪だと助かるな。佐世保の散弾銃乱射事件はショックだった。銃器か銃弾の個人管理を止めさせたらいいのにと思う。今日本で銃を使う環境って射撃場か狩猟期間とか決まってると思うんだよ(よく知らないけど)。だったら必要なときだけ弾丸を申請して受け取るとかね。許可済みだけでも20数万丁の銃器が日本中の家庭にあるなんてゾッとするよね。
WILCO『SKY BLUE SKY』
 THE NELS CLINE SINGERS『draw breath』
 しばらく京都近辺(音楽)で和んでいたので、ちょっとガツンとくるやつが聴きたくなった。ネルズ・クラインのギターを聴こう。古武士のような風貌のネルズ・クラインはウイルコにとってはまたとない飛び道具。三船俊郎の用心棒だな(笑)。ドスッっとした切れ味のギター・プレイが甘く切ない歌メロを力強く支えている感じ。西海岸アヴァン・ジャズ・ギターの侍、ネルズ・クラインの活動からは目が離せないね。東海岸の雄マーク・リボーはどうしてる!?


 12月14-15日 雨/みぞれ/雪  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 森絵都『カラフル』読了。森絵都読んだ順に「永遠の出口」「いつかパラソルの下で」「風に舞いあがるビニールシート」「DIVE!!」と、つまりこの「カラフル」が未読だったし文庫化されたので大喜びで読みました。変化球ながら瑞々しい感性、思春期を描かせたら巧いね。その上両親の造形も良いし。俺もこの歳になって思うけど、若かった頃は親の内面までは思いが行かなくて、ただ目の前にいる親に反発していたし、まあ何事もなければそんな親子関係は普通なんだとも思うけどね。本を読むって、なにか知らない気付かないことに目を向かせてくれるから、だから本読みは止められないやね。
かえる目『主観』
 おっさんの体にユーミンが宿る!のだそうです。気持ちはわかります(笑)。かえる目(もく)とは首謀者かえるさんこと細馬宏通(vo.g)と宇波拓(g)、木下和重(vln)、中尾勘二(cla.perc)によるグループ。細馬は学者さん(と思う)で後の3名はプロの音楽家。音楽家といってもフォークやロックの人達じゃなくてフリー・ミュージック系だからどちらかと言えばインテリだな(笑)。インテリがユーミンを唄うってどこか休息だよね。ジョー・ヘンリーの『civilians』に感激した後にコレだと、もっとマジメにやれ〜と言いたくなる。いや、言いたくならないんだな。だって楽しいもの(笑)。学者さんの余技と言われたら本人達は怒るかもしれないけど、この見事な脱力感はやはり余裕のなせるワザと思います。ただ面白いのでなくもちろん知的だしね。♪ 奈良時代の作とされるこの梵鐘は 昔、俵藤太秀郷が寄進したのよ それを弁慶が奪って比叡の山に引き摺り上げ 撞いてみると響いたのは「いのーいのー」(関西弁で帰りたいの意味)〜♪「あの寺に帰りたい」です。お見事知性溢れるユーミン・ソングになってます。ユーミン唱法が秀逸ですよまったく(笑)。ちなみに細馬さんは琵琶湖湖東の畸人とあります。ハセケン、オクノ、細馬と京都関係が3人続きました。先ずはこのかえる目、まずはともあれ耳にしてケロ。


 12月12-13日 曇り/晴れ/雨  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 『八代目 桂文楽』読了。アバラカベッソンもベケンヤも知らなかったけど、子供の頃テレビで見た覚えはある文楽さんです。上品なお爺さんてな感じでしたね。その落語を憶えていたわけじゃないです(笑)。カミさんが落語好きなのでうちには落語のCD全集がけっこうあって、この文楽さんの本もCD全集の付録。付録といっても豪華装幀本、書いてる人達がこれまた豪華。その道の偉い人達から永六輔、小沢昭一、ビートたけしといった馴染みの人達の気の利いた文章が楽しめました。CDはまだ聴いてませんが(笑)。落語「ちりとてちん」は「酢豆腐」だったんだと気付きました。そうかそうか。
オクノ修『街角の唄たち』
 うっかり新譜かと買ってみたら'79-'81年のライブ音源集でした。オクノさんの『唄う人』が大好きで、その流れの新作かと思っていたからアレレな感じは...(笑)。でも若き日のオクノさん、こんな感じで音楽やっていたんだね、と知っただけでもいいかな。


 12月11日 曇り/晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 ベンシャーン絵、アーサー・ビナード構成・文『ここが家だ ベンシャーンの第五福竜丸』を読み返したのは松本大洋『竹光侍』のペンの表情にベン・シャーンを思ったからです。ベン・シャーンはアメリカの画家でユダヤ系アルメニア人です。ペン画が特に好きなんですが、彼の力強い確信的なタッチは若い頃リトグラフ工房の石版工として、石の抵抗に負けず迷いもブレもなく線を彫り込む修行をしたことが生きているのだそうです。庶民の視線で社会を直視する反骨の画家でした。'54年3月、マーシャル諸島ビキニ環礁で操業中にアメリカの水爆実験により被爆した第五福竜丸23人の漁師の悲劇は人類の悲劇でもあるのだとベン・シャーンは訴えています。「原水爆の被害者は、わたしを最後にしてほしい」といって船の通信長久保山さんは亡くなりました。それなのにその後も原水爆実験が止むことはありません。
長谷川健一『星霜』
 今日も聴いてます。ファルセットを使った高音な歌声だけど不思議に太く深い魅力的な歌い方です。ヘンに感情を込めずニュートラルな歌声が良いです。言葉を大切にきちんと歌うとこも好きですね。どこかオクノ修さんに似た感じもします。同じ京都だしね。シンプルでもわっとしたサウンドが歌をまあるく包み込んでいるような感じもするね。俺の師走に落ち着きと潤いをいただいた気がします。ぶらぼ〜ハセケン ぶらぼ〜フナト


 12月10日 曇り/晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 松本大洋『竹光侍 三』の絵は漫画を越えてるね。確信的な強い線。時に書家のような剛胆な筆使い。それでいて繊細な表情や仕草でも惹きつける。絵だけ見ていても充分に面白い。勿論ストーリーも良いけどね。
長谷川健一『星霜』
 京都のシンガー・ソングライターの新作です。何故かと言えば船戸博史プロデュースだから聴いているのです。勿論初めて耳にする人です。いきなり重厚なストリングス、船戸さんのコンバスとチェロです。それに溶け込むように長谷川さんのソフトなヴォーカルが始まりました。ハデではないけど存在感のある歌です。キリッと冷えた日曜日の朝にアラジン・ストーブで身体を温めながら聴いているような錯覚を憶えます。もちろんストーブの上には湯気の立つヤカンが載っています。へんな感想(笑)。静かなんですよ。心地よい静けさ。そして心地よく沁み込んでくる。つづく


 12月8-9日 晴れ/雨/みぞれ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 重松清『カシオペアの丘で 下巻』読了。「 命の星が、いくつも夜空に輝いている。もうすぐ終わってしまう命がある。それを見送る命がある。断ち切られた命がある。さまよう命がある。悔やみ続ける命がある。思い命を背負った命がある。静かに消えた命もある。...どの命も傷つき、削られて、それでも夜空に星は光つづける。」 とありました。家族、友達、愛、葛藤。泣かされました。親しい人達と最後の時を過ごす...。1月に亡くなった俺の父親は事故で突然逝ってしまいました。だからこの物語のような最後の迎え方がすこし羨ましいと思いました。
Joe Henry『civilians』
 素晴らしい!なにがどうのどこがどうのと書き表すのがもどかしい。とにかく素晴らしい傑作。半月程前に聴いたラウドン・ウェインライトの新作、ジョー・ヘンリーがプロデュースしたあの傑作とは兄弟のような作品ですね。共に音楽のど真ん中に歌があります。素晴らしい曲と歌声があります。シンプルながら深い余韻を残すバックのサウンド、特に二人のギター奏者ビル・フリーゼルとグレッグ・リースの絡みは絶妙で印象深く、2曲でピアノを弾くヴァン・ダイク・パークスはそのプレイでロックン・ロール以前のポピュラー・ミュージックのセピア色に輝く世界を表現してみせます。リースの弾くマンドリンはノスタルジーな雰囲気たっぷり。前作『タイニー・ヴォイシズ』同様、郷愁の物語を感じさせる素晴らしいカバー写真にも惹きつけられました。本年度のベスト盤かな。


 12月6-7日 晴れ/曇り/晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 重松清『カシオペアの丘で 上巻』を読み終えた。柴田俊介は39歳で同い年の妻と小学校4年生の息子がいる。俊介は肺ガンで余命3ヶ月。故郷北海道には俊介が小4の時、3人の友達と夜空の星に胸を高鳴らせたカシオペアの丘があった...。悲しい話しは苦手だしあまり読みたくはないけど、重松清が悲しいだけの話しを書くはずがないからと読み始めた。物語にぐっと引き込まれた。下巻へ行けばきっと泣くなあ俺。
LINDA LEWIS『Lark』
 橋本徹コンピュレ・シリーズ「FREE SOUL」のことを雑誌で読み、その概念らしきものを知った時に俺が思い浮かべたのがこのリンダ・ルイスの'73年アルバム。このアルバムは発売当時まったく話題にならず売れなくてそのまんま廃盤となっていたから、当然日本の洋楽ファンの間でもほとんど知られていなかった。そんな頃にこのアルバムを強力に誉めていたのが当時ニュー・ミュージック・マガジン編集長中村とうよう氏だった。そのせいもあってかリンダ・ルイス『Lark』は聴きたくても聴けない幻の名盤となっていました。このアルバムが当時売れなかった理由はおそらくこのミクスチュアー感覚にレコード会社も音楽ファンも付いていけなかったのだと思います。英国の黒人アーティスト(ジャマイカ系)である彼女の音楽にはソウルもロックもそしてカリブ音楽やボサノバなど多様な音楽が同居し、それがシンプルにソフィスティケートされていました。しかも全曲彼女の作詞作曲。若くして才能全開なれどすこし時代の先を行ってしまったリンダ・ルイスの不遇な名盤でした。彼女のキュートで伸びやかな歌声も最高ですよ。


 12月4-5日 雨/雪  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 昨日夕方からまた雪が降り始め、朝の積雪は15センチ。まあたいしたことはないとあなどっていた。そして夕方の除雪。店の前と車庫前を1時間かけて除雪したんだけど、今冬初のスノーダンプ作業のうえ重い雪なのでとても疲れた。さてと山本兼一『火天の城』読了。戦国時代物なれど合戦物に非ず。築城物なり(笑)。安土城築城を総棟梁岡部又右衛門とその息子を主人公として語ったものだが、その安土城と織田信長が二重写しに描かれることで新しい視点から信長を見せてくれた感じが新鮮だった。それにしても壮大奇抜な安土城!ひと目見たかったなあ。
PAUL WELLER『FREE SOUL.the classic of PAUL WELLER』
 英ロックの兄貴と呼ばれる(んだっけ?)ポール・ウェラーです。これはかの橋本徹コンピュレ・シリーズ、FREE SOULが満を持してリリースしたものだと確信します。ウェラーはもちろんパンクの雄ジャムの出身だけど、俺が興味を持ったのは'84年スタイル・カウンシルの『Cafe Bleu』から。振り返って思うに'80年代ってロックに興味が薄かった時期で、ワールド・ミュージックなど非ロック系音楽を主に聴いていたんだけど、ロックの新しい動きにはアンテナ張っていたからそんなことからスタイル・カウンシルを聴いたんだと思う。正直ピンとこなかった。都会のおしゃれな若者の音楽って感じで、これは俺には必要ないなって感じていました。ポール・ウェラーをほんとに好きになったのは'97年のソロ・アルバム『HEAVY SOUL』からかな。おそらくスティーヴィー・ウインウッドとの近似性に気付いたからなんだけどね。ウインウッド大好きだから、なるほどウェラーっていいじゃんって気付いたわけ(笑)。もっとこの良さに早く気付いても良かったのにと悔やまれた。ソウルマンなんだよね、伝統のブリティッシュ・ソウルを若返らせた男。「80年代のモータウンたらん」と自主レーベルを設立したほどの男ウェラーのフリー・ソウル・コンピュレーション。悪かろう筈がない、というより最高です!


 12月2日 晴れ/曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 今日も晴れてる。朝7時に店のシャッターを開けると、近所の家の屋根の煙突から煙が勢いよく出ていた。灯油がどんどん値上がりしているから、薪ストーブもいいなあ思うけど、あれって薪集め薪作りも大変なんだよね。俺が小さな子供だった頃はまだ薪や炭で暖を取っていてそれが普通の生活だったんだけどね。テレビも冷蔵庫も洗濯機もなかったし。まるで「三丁目の夕日」だったねえ。
RICHARD & LINDA THOMPSON『in Concert 1975』
 アルバムは「I Want To See The Bright Lights Tonight」で力強くスタート。R.T.のオリジナルの他、ブリティッシュ・ダンス・チューン、ハンク・ウイリアムス、バック・オウエンスの曲などが演奏されています。要はもちろんリンダとR.Tの歌そしてR.Tのギターです。ソロ・アルバムでのR.Tの歌はダークな一本調子になりがちだけど、ここではリンダが入っているだけに華やかな柔らかさも感じられます。が、R.Tのギターは鋭いですよ。ほんとワン・アンド・オンリーな輝きのギターですね。フレージングも独特だけど、もう鳴り方そのものがR.T印ギターなんですよね。その個性的なことにかけては英国のR.T、米国のエイモス・ギャレットが双璧って感じがします。まったく良い音源が日の目を見ましたね。


 12月1日 晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 いよいよ12月。今朝お墓へ行って冬支度をしてきた。次にお墓へ行くのは春のお彼岸で、その頃には冬の終わりなんだけどね。
RICHARD & LINDA THOMPSON『in Concert 1975』
 こんなライブ音源があったんですねえ。リチャード&リンダのライブ盤、嬉しいなあ。しかもバックにはデイヴ・ペグ(b)、デイヴ・マタックス(ds)、ジョン・カークパトリック(acc)という最良の顔ぶれ。地味ながら変幻自在な演奏で、ここにフィドルでも入れば即フェアポート・コンヴェンションになっちゃうね。つづく


前月の音盤日記(白地は音盤BANBAN)
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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps