●2008●

 1月30-31日  晴れ/雪  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 今朝、TVの芸能ニュースで山下達郎の話題が写真を伴って映し出された。「え〜これが山下達郎!?やだぁイメージくずれる〜」とうちの娘。ちぇ、まったく失礼な娘だ。頭髪が後退してるくらいで男の価値を下げるんじゃない!ぱしっ!
STEELY DAN『aja』
 スティーリー・ダンを代表する傑作、ロックの名盤と呼ばれる『aja』、だけど俺は当時も今もそれほど好きじゃないんだよね。ジェイ・グレイドンやスティーヴ・ガッドの名演もあるけど心躍らないし。洗練されすぎたせいかロック感バンド感に乏しくて、覇気のないフュージョンがAORに堕ちたって感じがする。もちろん悪くはないし嫌いって程じゃないけど残念なんだよね。大好きだったロック・バンドがAORフュージョンなんてさ。'77年は日本でもAORフュージョンが流行始めた頃で、それだから俺はパンク〜ニューウェイブの動きにより惹かれていった気がしている。


 1月28-29日  晴れ/小雪/小雨  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 山本幸久『渋谷に里帰り』読了。相変わらず面白くてぐんぐん読んでしまった。お仕事&青春小説として『凸凹デイズ』と背中合わせの小説ですね。渋谷か〜回想〜十代の終わり'74〜'76年頃の渋谷は俺が一番親しんだ街でした。(小説は今の渋谷が舞台ですよ)道玄坂のヤマハと宇田川町のシスコと公園通りのディスクユニオン、そのまま原宿まで歩いてメロディハウスそして表参道のキディランド、青山通り歩いて渋谷に戻る、これが俺の渋谷デイズでしたね。シュガーベイブや渡辺香津美のライブをタダで楽しんだのも渋谷だったし、なんか懐かしいな。それでこの『渋谷に里帰り』だけど、NHK出版なんですね。だからTV化されたらいいね。人物造形が上手くTV向きな小説だと思うし。
STEELY DAN『THE ROYAL SCAM』
 〜気を入れて、シティ・オブ・グラスのストリートで自分達を根本から建て直さないかぎり。〜と、L.A.から生まれ故郷のN.Y.を意識するフェイゲン&ベッカー。そしてL.AとN.Y.を股に掛けたレコーディングとあいなった本作は'76年の作品であります。バーナード・パーディとリック・マロッタのドラムにチャック・レイニーのベースとドン・グロルニックのキーボードとはいかにもN.Y。素晴らしいノリのリズム隊にこれまた素晴らしいラリー・カールトンのギター(「キッド・シャールメイン」のソロは屈指の名演!)。コーラスではマイケル・マクドナルドやティモシー・シュミットがクールにハーモニーをきめているし。ああやっぱりこのスティーリー・ダンが一番すきだな。


 1月27日  雪/曇り  体調・ほぼ普通  アマゾン禁止令発令中!

 ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』読了。(たとえば、会話がひとつもないような探偵小説をいったい誰が読みたがるだろうか?)と後書きでナボコフ自身が書いてますね。たしかに探偵小説を含めエンターテイメント小説を中心に読んでいる俺のようなお手軽読書派にとって会話の少ない小説は苦手なんです。この『ロリータ』も読み始めから中程までツラかった〜。第二部、ロード・ノベルというかロード・ムービーとして物語がイメージ出来てきてからようやく面白味を覚えました。巨匠というのは表現が豊かというより豊か過ぎて溢れ出てくる人なんでしょうね。ちょっと言葉の奔流に溺れそうになりました。というかまあほとんど溺れていて、ようやく岸にたどり着いた読書でしたねえ。
Steely Dan『Katy Lied』
 ギターのジェフ・バクスターが「俺はライブ・バンドの方が好きだぜ」って感じでライブ嫌いなフェイゲン&ベッカー組に別れを告げてさっさとドゥービー・ブラザーズに入団。ドラムのホッダーも抜けて替わりに入ったのがジェフ・ポーカロとマイケル・マクドナルド。ジェケット裏に写真も載っているから正式メンバーだったと思うけど、この頃のダンはフェイゲン&ベッカーとプロデューサーのゲイリー・カッツそしてエンジニアのロジャー・ニコルズによるプロジェクトのようなものだったらしい。一流スタジオ・ミュージシャンを湯水のごとく使い出来上がった極上のそのサウンドはフュージョン・ブームに先駆けていたってことがエライと思う。いつになくハード・ロライヴィンなギターを聴かせるベッカー。相変わらずニヒルでハードボイルドに歌うフェイゲン。ヒネリの効いた美メロ。ジャージーでポップ。'75年のスティーリー・ダン。


 1月25-26日  雪  体調・首を激しく回すと痛い  アマゾン禁止令発令中!

 除雪で重いスノーダンプ振り回したり堅い雪にガツンガツンとやってた時に肩というか首の付け根の筋か筋肉をヤッタらしく、昨日から首の回りが悪い。
STEELY DAN『PRETZEL LOGIC』
 「我々のコンセプトは " もしもウラジミール・ナボコフがシンガー・ソングライターだったら " である」とダンのフェイゲンは語ったそうだが、只今その『ロリータ』を読んでる俺にはナボコフもダンの歌詞も揃って難物である。まあダンの場合は詞よりサウンドが大好きで聴いてるからそれで満足ですが。この'74年の『プレッツェル・ロジック』が俺が最初に買ったダンのアルバム。当時ようやくアメリカン・ロック、特にウエスト・コースト勢に注目が集まり初め、雑誌などではスティーリー・ダンとドゥービー・ブラザーズが組で取り上げられることが多かったように思う。L.A.で活動していたダンだけど中心人物のフェイゲンとベッカーはN.Y.及び近郊の出身。だからかな、ダンとドゥービーって持ち味はずいぶんと違っていたんだけどね。ダンのサウンドは最初からインテリな感じが漂っていたし、ジャージーなのにポップでその上ハーモニーが洗練されていて、まったく新しい感じのロック・バンドだという印象だった。大ヒット曲「リキの電話番号」から始まるこのアルバムで特に印象的な曲が「イースト・セントルイス・トゥードゥル・オー」。初期エリントン楽団のテーマ・ソングだった曲で、ベッカーがワウ・ギターでミュート・トランペットをそしてバクスターがペダル・スティール・ギターでトロンボーンを、それぞれの原曲フレーズを絶妙に模していてかっこよかった。当時最先端のロック・バンドがこういった試みをやることの新鮮さと遊び心に感激したのを思い出す。この曲のおかげで初期エリントン楽団そしてアーリー・ジャズに興味を持つことになったのでした。ではしばらくは短期集中スティーリー・ダンとゆきましょうか。


 1月24日  雪/大荒れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 朝から久しぶりの大荒れで吹雪いてます。今のところ降雪量はそれほどじゃないかな。でも夕方までに一度雪かきをしないとね。吹雪に立ち向かう俺(笑)。ナボコフの『ロリータ』は...うっううっ...妄想の奔流というかとにかく饒舌。まあ面白いけど...うへぇ長いなあ。世紀の名作とか呼ばれる小説には過去に何冊か挫折してるけど、コレはラストまでいけそうだね。
ミューズメント『Random Access Melody』
 吹雪を眺めながらコズミック・サーフィン・ミュージック。昨年リリースされた日本音盤の中でとくに気に入った1枚です。カーネーションのドラマー矢部浩志のアルバムなんですね。サーフィンぽいインスト曲とポップな歌モノからできています。きれいなメロディーで良い曲を作るよね。そしてそれを女性シンガーに歌わせる。そのシンガーが揃って素敵!安藤裕子、鈴木祥子、武田カオリ。鈴木さん以外はこれで初めて聴いたんだけど、その声と雰囲気がとても良くてつい単独CDまで買ってしまいましたよ(昨年のことだよ)。ロックな直江とポップな矢部と、カーネーションてやはり頼もしいバンドなんだよね。


 1月21-22日  曇り/晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 『テヘランでロリータを読む』という本が読みたくて探してたらその前に文庫本の『ロリータ』があったので買ってきて読み始めた。久しぶりに字がめいっぱい詰まった小説に向かいます。
 昨日は同業者の新年会があって出席。まあみごとに不景気話しばかり。戦後の日本の貧しさには先行きに夢を見いだせたけど、新たに生まれる気配の貧困に今の日本人は夢や希望を見出せるのだろうか、とああなんか暗くなっちゃったなあ。
V.A.『エディターズ・チョイス2007 ブルース&ソウル・レコーズ
 ブルース&ソウル・レコーズ誌おまけ盤ですよ。編集長が'07年の話題盤から厳選した14曲だそうで、さすが良い曲揃い。先ずはシカゴ・ブルースの女王ココ・テイラーに驚いた。なんと78歳の新作!パワフルな歌声に脱帽。和田アキ子も裸足で逃げ出すよ(笑)。囁き声なのにド迫力なのはライトニン・ホプキンス。弾き語りのギターもいかしてます。そしてロックでサイケなマディー御大、この辺のマディは初めて聴くけどデープな迫力にキャプテン・ビーフハートも逃げ出すね(笑)。初めて聴いたアラバマ・ディープ・ソウルのビル・ブランドンも素晴らしいね。これは単独CDが欲しいな。バレルハウス・バック・マクファーランドの枯れたバレルハウス・ピアノと歌声に和んでいつのまにか夕方ですよ。


 1月18-19日 時々 曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 小正月も過ぎて当店は一年中で一番暇な時期になります。雪のドカ降りもなく積雪はまだ1mまでいってないし今のところ楽な冬です。気も弛みがちでこの日記もさぼりぎみ。
吉育『桃源楽 trans-PARADISE MUSIC
 オフ・ノートから届いた吉育という人、京都で活動するブルースハープ奏者だそうです。でもブルースやってるわけじゃなくて沖縄モノ。沖縄の音楽をブルースハープでインストしています。プロデュースは関島岳郎。我等が船戸博史と中尾勘二といったオフノートお馴染みの強力激渋演奏陣や渡辺勝、大工哲弘などこれまたお馴染みの人達が演奏で参加しています。緩く温かく優しいこの音楽にすごく良く溶け合っているのが浅田実可のマリンバ。雪国で聴く南国情緒。


 1月15-16日 時々 曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 島本理生『クローバー』読了。とっても面白かった。以前読んだシリアスな『ナラタージュ』とは表情が違ってこちらはユーモアと明るさがある。作者に言わせると恋愛・青春小説というより " モラトリアムとその終わりの物語 " だそうだ。ふり返って思うに、(とりあえず俺の)青春なんてかっこわるかったな。恥ずかしくみっともないアレヤコレヤはたくさん思い出せるよ。でもあの時期がなけりゃ今の自分はないと思えるし。え〜い青春のばかやろ〜(笑)
サンタラ『Dream Diver』
 サンタラの前作『WAIT,CATCH&RUN』はハンバート・ハンバートと共に車載音楽としてヘヴィーローテーション中です。そのサンタラが昨年だしたミニ・アルバムがこれ。歌謡っぽいメロディーと田村キョウコの歌声が好きだな。歌詞が明瞭なとこも好き。ヤサグレ加減がちょうどいい感じなアッパーな曲。アンニュイでちょっとザラついた感じなミディアム・テンポの曲。どれも表情豊かでよろしいです。


 1月13-14日 時々 曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 まったくオカミはけしからんね。俺達子供の頃からいやそれより昔から14日は鳥追いで15日小正月は松焼きと決まっていたもんだ。それをオカミがいじったもんだから小正月行事は日にちがバラバラになっちゃった。まったく余計なことしやがって。小正月15日を再び祝日に戻して欲しいものだ。
 そして夜8時、子供会行事の鳥追いを終えて帰宅。
RADIOHEAD『IN RAINBOWS』
 スーパー・ファリー・アニマルズに続いてこれまた今時のブリティッシュ・ロック、レイディオヘッドの新作。CDに先行して去年10月に公式ブログにて発表。専用サイトからMP3でダウンロード販売され、しかも代金を客自らに決めさせる方式を採り話題になっていました。初日だけで120万回ダウンロードという噂もあり、金額にして12億円!の売上があったとも...。いよいよ音楽商売のありかたが変わるのかな。そんなことはまあおいといて、この新作は良いね。新作の度に新しいサウンドを打ち出し、そしてそのどれも素晴らしかったレイディオヘッド。'90年以降にデビューしたバンドで俺が新作の度に買うのは彼等くらいなものだ。電子音、ノイズ、音響的実験などにまったく抵抗感がないし新しい音楽的試みには共鳴していたいし、そんな欲求を満足させてくれるバンドのひとつがレイディオヘッドなんですね。さてこの新作はといえば、ワイルドにギターが鳴りバンド感が増していて今まで以上にロックっぽい。かと思えば、電子音の海に漂う妖しいフォーキーな歌声であったり。相変わらず気の抜けない面白さだね。


 1月11-12日 曇り/雨/みぞれ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 1月11日は父の命日。一年前の夜に父は突然逝ってしまった。一年経ってみて、バタバタと忙しかった記憶があり、そしていつの頃からか父のいない生活に慣れてきていた。親が先に逝くということは人生のバトンタッチなのだ。そう思って周りを見れば20代でバトンタッチした友人も数人いる。つくづく親に楽をさせてもらったと思う。感謝そして合掌。
SUPER FURRY ANIMALS『Hey Venus ! 』
 ミュージック・マガジンのベスト・アルバム2007英ロック部門第一位がこれでした。聴いてなかったので即耳へ。思っていたとおりのブリット・ポップだけど、思っていた以上にカラフルなサウンドで曲も美メロで良いね。ビートルズ、ビーチ・ボーイズを想い出すと共にムーンライダーズがやりそうな曲もあってニヤリ。何度か聴き返す度に面白くなってきた。エレキ・ギターの音をサウンドに埋め込む加減が巧いなあと思う。よし参考にしよう。


 1月10日 晴れ/曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 上橋菜穂子『精霊の守り人』読了。「今でも絵地図の入った本が好きだ」と俺が思ってたことを文庫本解説の恩田陸が書いていたよ。これは異世界ファンタジーです。絵地図を眺めてその世界を想像するところからスタート。そういえば小野不由美『図南の翼〜十二国記』も児童文学の扱いだったため知らずにいて損をした気分だったけど、この『精霊の守り人』も今まで知らずにいてもったいないことをしました。こんな面白い本がシリーズで出ていたなんてね。ヒロインのバルサの造形がいいなあ。女30歳、短槍操る用心棒稼業、大柄ではないが筋肉引き締まった柔軟な身体つき、長い脂っけのない黒髪をうなじでたばね、化粧ひとつしていない顔は日に焼けてすでに小じわがみえる、黒い瞳には驚くほど強い精気がある、アゴはがっしりしている、容易に手玉に取れぬ女である、など...。そんなバルサが皇国の皇子を助けての冒険譚だ。ストーリーの面白さだけでなくアクションシーンの描写が素晴らしいよ。さあて続編どんどん読むぞ!
LED ZEPPELIN『W』
 あらためて驚くのは(俺的に)このアルバムが'70年12月からの録音開始だってこと。俺の中では'74-5年頃にみんなが聴いてた印象があったから。それ以降はもちろん堂々たるロック・クラシックとなった。'70年録音とわかれば納得できるのが「The Battle of Evermore」と「Going To California」で聴かれるバッファロー・スプリングフィールド〜CSN&Yに似た感じのコーラス・ハーモニーと米西海岸サイケデリック。ツエッペリンというバンドは'60年代後半のロックのマグマをずっと抱えていたバンドだと思う。ある意味その最終にして最強のランナーだったかもしれない。と、今にして思えるのであった(笑)。想い出されるのは'70年代後半、産業ロックのシンボルとしてパンクの連中から非難を浴びたのもツェッペリンだったよね。


 1月8-9日 曇り/晴れ/雨  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 海野弘『陰謀の世界史」読了。フリーメイソン、ユダヤ、ロスチャイルド、CIA、KGB、モサド、ヴァチカン、マフィア、ナチ・第四帝国、エイリアン・UFO...これらなくして陰謀謀略小説は始まらないってほどの有名どころが登場。本書は陰謀史観=コンスピラシー・セオリーについての本なのです。コンスピラシーの本場はアメリカだとあります。アメリカでは陰謀史観が大衆文化となっているんだとか。身の回りに起こる不思議なできごとはきっと誰かの陰謀に違いない、と考えることの好きな国民らしいです。そういえばこの前新聞に「06年のギャラップ社の世論調査で、米国人のほぼ半数が「人類は過去1万年以内に神によって現在の姿に創造された」と回答した。」というのが載ってました。キリスト教の影響なんでしょうかね。宗教に限らず、何処の国の建国神話もじつに手前勝手に出来ているようです。「はじまりがあって今があるのでなく、今から逆にはじまりがつくりだされる」からでしょうかね。
ROBERT PLANT & ALISON KRAUSS『RAISING SAND』
 その復活ライブが話題となったツェッペリンのロバート・プラントがモダン・ブルーグラス界を代表する歌姫アリスン・クラウスとアルバムをリリースしたことを、特に驚きはしません。プラントのフォーク・ミュージック好きはツェッペリンの頃から有名だったから。それでもまさかロリー・サリーの名曲「キリング・ザ・ブルース」を唄うプラントを聴けるとは思わなかった。優しく切々と歌うプラントは素晴らしいです。T・ボーン・バーネットがプロデュースし、マーク・リボーが参加したこのアルバムが明快なフォーク・アルバムであるはずがなく、セピア色の情景が深いドローンとトレモロにより朧に揺れるような、そんなサウンドに包まれてアリスン・クラウスとロバート・プラントが優しい哀感を込めて唄っています。曲はロリー・サリーの他はジーン・クラーク、エヴァリー・ブラザーズ、トム・ウェイツ、タウンズ・ヴァン・ザントそしてペイジ&プラントなど渋めの曲が並び、中でもサム・フィリップス「シスター・ロゼッタ・ゴーズ・ビフォア・アス」のクラウスの美しくキュートな歌声に心うたれました。歌の後ろでフィドルとバンジョーが悲しげに旋律を奏でます。聴けば聴くほどスルメのように旨味が増してくる、そんなありがたい音盤なのです。


 1月7日 曇り/晴れ  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 月日の経つのは早いもので元日からあっという間に1週間で平成もあっという間に20年だ。この時間の流れをもうすこし緩やかゆったりにしたいと思うのだがどうしたらよいのやら。そうそう大晦日の紅白、何も期待しないで酒飲みながら惰性で見ていましたら...最後の4曲にやられてしまった。歌の力にぞくぞくって身震いして聴き惚れた。「あの鐘を鳴らすのはあなた」「北の蛍」「津軽海峡冬景色」「契り」。昭和の歌謡曲、阿久悠の世界でした。
和久井光司『ディランを唄う』
 明快ですね和久井ディラン。知らないで聴いていたらディランのカバー集だとは気付かないほど和久井の音楽になっている。彼のつけた日本語詞とメロディーの結び付きも明快で心地よい。俺も唄ってみたくなった。難波弘之の弾くオルガンが吉田拓郎初期のアルバムのバックの音に似ていて、そこだけ妙に懐かしかった。ジャケットの絵はディラン仲間の浦沢直樹。


 1月3-4日 雪/曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 カトウコトノ『将国のアルタイル』講談社月刊シリウス連載中。1月号は巻頭カラー!やったね〜。'07年9月から連載開始したファンタジーな漫画でまだ物語が動き出したばかり。先が楽しみです。カトウさんは俺の知り合い加藤さんの娘さん。加藤さんは友部正人の大ファンで、十日町でのライブには毎回来てくれます。それも職場のある新潟市から。一度小さな娘さんを連れて来たことがあり、その娘さんがカトウコトノさんとなったのですね。立派です。ぱちぱちぱち
V.A.『ERIC CLAPTON GUITAR FESTIVAL 2007』DVD
 ギター好きにはたまらないギタリスト満載のフエスティヴァル。スライド勢が特に充実で、サニー・ランドレス、デレク・トラックス、ジョニー・ウインター、ロバート・ランドロフそしてジェリー・ダグラスと、ロック、ブルース、カントリーのスライド名人が勢揃い。ジェフ・ベックは若いお嬢ちゃんベーシストを従えやけにニコニコご機嫌。このお嬢ちゃん、シドニー出身21歳のタル・ウィルケンフェルド、ベックと共演するだけあって実力充分でしかもノーブラ(笑)。さてフェスのホストであるクラプトンですが、ここではクラプトンとスティーヴ・ウインウッドの共演がクライマックス。ブラインド・フェイスの再現ですよ。これは素晴らしかった。衰え知らずの両巨人の凛とした立ち姿には清々しさも漂っていました。クラプトンのギター・フェスだけにブルース勢も豪華。相変わらずクールなロバート・クレイ。相変わらずハイ・テンションなバディ・ガイ。枯れてジェントルなヒューバート・サムリン。そして貫禄の歌とギターのB.B・キング。他にはアルバート・リーの高速ピッキングにニンマリですね。新年早々DVD2枚組ではらくっちぇ〜(腹いっぱい)。


 1月1-2日 雪/曇り  体調・ふつう  アマゾン禁止令発令中!

 小池真理子『望みは何と訊かれたら』読了。本書の初めに英詩の一節があり、唄ったマレーネ・ディートリッヒとシャーロット・ランプリングの名前、そして映画『The Night Porter』が記されていた。映画は邦題『愛の嵐』でレザー・ディスクで持っているけど、でも内容もその歌も忘れてしまったので、ちょっとネットで調べてみたらこの詩の訳が載っていた。切なく素敵なので引用します。(匿名でした)
   『望みは何と訊かれたら』の一節
  望みは何と訊かれたら 小さな幸せとでも言っておくわ
  だって幸せすぎたら 悲しい昔が恋しくなってしまうから

 この小説は以前読んだ『恋』『無伴奏』に連なる作品です。小池さん自らの青春とも重なる時代'70年代前半とそれを回想する現在が舞台。学生運動、過激派、闘争、愛と退廃を絡め、あの時代に生きたひとりの女性を描きます。どうしてもこれを書きたかった小池さんの熱さに圧倒される思いです。ヴァニラ・ファッジの「キープ・ミー・ハンギング・オン」が " 俺を解き放ってくれ!" と歌い、それを聴きながら男女は二人だけで繭の中に籠もる。ほんとに欲しいものは何?と訊かれたら....。
 大晦日から本格的な降雪で元日午後から店と車庫の前を除雪。積雪60センチをスノーダンプで除雪。元日から疲れてぐったり。
Joe Henry『civilians』
 2日仕事始め。店内には昨年一番素晴らしく感じたジョー・ヘンリーの『シヴィリアンズ』が流れています。ライ・クーダーの『マイ・ネーム・イズ・バディ』でも良かったなと思いながら。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps