●2008●

 4月30日 晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 ガソリンが再び上がるってんで近所にセルフのスタンドに列が出来大賑わいでした。俺も今日ガソリン入れに寄ろうと思っていたんだけど、月末の忙しさですっかり忘れていました。暫定税率、財源としての必要性はともかく、自民党の"道路道路"というやかましいさは"土建屋土建屋組織票組織票"としか聞こえず、政治に対してムナシサを覚えるばかりです。
『Theme Time Radio Hour, with your host Bob Dylan』
 今日も『ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー』。ヴォリューム有りすぎ面白すぎです。ダイナ・ワシントン唄う「Big Long Slidin' Thing」ってエロいよね(笑)。スリム・ゲイラードやザ・キャッツ&フィドルといったジャイヴもラジオの常連でしたか。マール・ハガードやサンティアゴ・ヒメネスなどのカントリーやテックス・メックスと共にルイ・ジョーダンやボ・ディドリーといった人気黒人アーティストも収録されていてまったく飽きさせないところは流石ラジオDJボブ・ディラン。ディランがフォークウェイズの『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』の世界に多大な影響を受けていることは知られていることだけど、このDJ番組音盤ではディランが彼のラジオ・デイズにその若く尖った感性に愛聴されたポピュラー・ミュージックを披露しています。このラインナップもまたディランのバックボーンなんですね。なるほどね。まあともかくこの2枚組、普通に聴いて凄く楽しめる音盤でした。


 4月28-29日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 山口隆『叱り叱られ』読了。サンボマスターのフロントマン、あの丸顔メガネ小太りのギタリスト、なにか他人とは思えない(笑)山口隆の対談集です。対談の相手は山下達郎、大瀧詠一、岡林信康、ムッシュかまやつ、佐野元春、奥田民生。山口がロックンローラーとしてずっとリスペクトしてきたというこの人選が抜群に良い。この本は" このメンツ " を選んだセンスに尽きる。ナマイキな質問がちょっとスリリングで楽しめた大先輩方に比べ兄貴的な奥田になると和みすぎていて話しが深まらずつまらなかったね。1976年生まれの山口隆、俺が二十歳の時に生まれたこのロックンローラー、なにか生真面目なポジティブさが心配になるような...(笑)。それで岡林がやんわり諭すわけ、ビートルズの初期の曲、あのアホみたいな歌詞の歌が結局は革命を起こしたわけで、ジョン・レノンの「イマジン」のようなメッセージ性の強い曲はそこまで革命は起こせなかった。何かを訴えようとか世界を変えようと思って作った歌にはあまりろくなものがない、と元フォークの神様は語るのです。
『Theme Time Radio Hour, with your host Bob Dylan』
 『ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー』。disc oneに続いてのdisc two はアレサ・フランクリン「チェイン・オブ・フールズ」からスタート。哀愁スワンプのジョー・サウスからスカのアイルトン・エリス、そしてパンクのクラッシュ「トミー・ガン」。まるで騒がしいファッツ・ウォーラーのようにチャールズ・ミンガスが唄う「イート・ザッツ・チキン」のバックはローランド・カーク、ブッカー・アーヴィン、ジミー・ネッパー、ダニー・リッチモンド、ダグ・ワトキンス。このメンツでよくもこんなくだけた演奏を残したものだ。流石ミンガス親分。
 またつづく


 4月26日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 ♪ 世紀明けゆく西北の 山河新たに旭は映えて 県民二百五十万 希望に燃えてこぞり起つ ここぞ民主の新潟県〜♪ 俺はこの新潟県民歌を歌えるんだよ。何故なら保育園(正確には託児所)のお遊戯の歌として毎日これで踊っていたから(笑)。新潟県民歌、今では県民一般に広く知られているとは思えない日陰の歌になっている様子。俺はこの県民歌のおかげで新潟県には250万の人達が暮らしているとインプットされていたんだ、けどなんと現在の人口は240万人を切ったそうだ。どんどん減っているらしい。どうも東京が悪いらしい(それだけじゃないけどw)。昭和の人気TV番組『時間ですよ』の中の女中さんミヨちゃんは新潟から働きに来ていたし、とにかく東京一極集中はケシカランことだとなんだよ。なのにいつのまにか首都移転の話しなんか誰もしなくなった。まあここで人が少ないなりに、のんびり暮らせりゃあ満足なんだけどね。イシ腹の東京都なんか超過密に喘いでしまえってんだ。
 さあて明日27日は早朝から忙しいぞ。ゴミ拾い、花壇整備、廃品回収、神社ネット張り、これすべてボランティアで、そして午後からはムラ公民館主催のお花見でこれも商売絡みと(笑)。そしてもちろんすべて雨天決行!天気だけが心配です。
『Theme Time Radio Hour, with your host Bob Dylan』
 『ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー』。アメリカの衛星ラジオでボブ・ディランがDJをやったんだそうだ。くっそ〜聴きたかった〜字幕付で見たかった〜(むりむりw)。本盤はディランがラジオでかけた膨大な音盤の中から50曲を厳選した番組公認音盤です。ナッシュビルはグランド・オール・オープリーの人気者グランパ・ジョーンズ唄うゴスペルからスタートし、次は最も成功したブルースマンのひとりリロイ・カー。つかみはバッチリだね。ここでプレイされてる音楽はアメリカン・ルーツ&ポピュラー・ミュージック全ての範囲に渡り、レアな曲も多く俺にとって知らない曲だらけで、そのどれをとっても良い曲で、つまり宝箱のようなもの。そんな中、いきなりスタンリー・ブラザーズの純朴正統ブルーグラスが流れてきた時は懐かしく聴き惚れたよ。LP時代によく聴いたんだよねスタンリー・ブラザーズ。disc one の後半にはシスター・ロゼッタ・サープ、ビリー・ホリディ、ジェイムズ・カーと繋がる怒濤の選曲にコブシを握りしめ熱くなる(ちょっとおおげさ)。とにかく極上のコンピュレ盤ですよ。つづく


 4月24-25日 雨/曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 北方謙三『水滸伝 十九』読了。これで北方水滸伝全十九巻読了。淋し〜終わってしまった。けど終わってない。楊令がいるもんね(笑)。それにしても北方水滸伝..凄かったなあ..面白かったなあ..男男男..闘い戦い戦い...だったなあ。読み終えて思うのは、これってハードボイルドだったのかも。会話と行動と背負ってるモノで物語をドライヴさせてる。説明なんかしないんだよね。セリフとアクション。古典水滸伝を換骨奪胎してハードボイルド・エンタテイメントとして見事に甦らせた北方謙三の剛腕に拍手拍手!。原本のような、取り込まれ利用され衰え散っていく梁山泊の終焉にやるせなさを覚えていたから、この北方水滸伝の潔い終わりかたには満足です。さあてこれからは『楊令伝』だねえ。
上野茂都『上野茂都 あたま金』
 ♪ キャベツの芯は捨てないで 細かく下ろして餃子の具 レタスの外葉捨てないで しめじと炒めて片栗粉〜♪ 聴いて唄ってためになる上野茂都です(笑)「炊事節」。♪ 湯気は立てても具の芯までは 暖められないそんな世の中 転げて浮かべ煮汁の中で それぞれのワルツを踊ろうよ〜♪ まるで " おでんくん " のような「煮込みワルツ」が身に沁みまする(笑)。所属(?)の弱小レーベル(神谷さんごめんなさい)オフノートには律儀にエール♪ 指さす彼方に光る星 嗚呼オフノート 僕の音〜♪「嗚呼オフノート」。三味線を弾き語り、平成の演歌師かはたまた小唄唄いか、希有な存在感の上野茂都。鬼才な兄貴上野耕路がピアノで参加の他、船戸博史、中尾勘二、向島ゆり子などオフノートお馴染み楽団の応援参加もありますが、やはり聴こえてくるのは唄と三味線による流しの風情。お座敷でお酒を飲みながらみんなで楽しみたい音楽だね。


 4月22-23日 晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 東野圭吾『流星の絆』読了。東野らしい情感に溢れたミステリーですね。哀しみの有り様を描くのが巧いのかなあ。心のひだにミステリーが絡まっているから、微妙な心の揺れで物語りがどっちに転ぶかわからないスリル、こうした仕立てが東野ミステリーの魅力だと思う。
OSCAR ALEMAN『SWING GUITAR MASTERPIECES 1938-1957』
 ジャケットのギター、セルマーを見ただけで、ああこれはマヌーシュ(ジプシー)・スウィングかなと思える人はジャンゴ・ラインハルトのファンですよね。このオスカル・アレマンはアルゼンチンのギタリスト。30年代のパリでジョセフィン・ベイカーの伴奏者として有名になりました。もちろんジャンゴとも親交があり、40年代にはブエノスアイレスに戻り当地で活躍した伝説的なギタリストです。京都の音盤屋ホットディスクの土山和敏さんのブログにオスカルについてに面白い話しが載っていました。それはアノ巨人大宅壮一が1950年代に世界旅行をして書き上げた『世界の裏街道を行く』の中で、 南米を旅行中に立ち寄ったアルゼンチンはブエノスアイレスのナイトクラブでのことが書いてあり、「食事後、山本権兵衛の孫にあたる日本婦人につれられて、ゴングというナイトクラブに行った。そこでジョセフィン・ベーカーと共に五年間も舞台に出ていたというギターの名手とその夫人に紹介された。彼はオスカーといって、ギターを弾きながら歌いまくり、踊りまくって、南国的な気分を満喫させてくれた。夫人はキューバ生まれの混血で、黒豹のような感じの女である。」ということで、なんと大宅壮一はオスカル・アレマンの芸を堪能した日本人だったわけですね。大宅先生羨ますぃ〜!(笑)。キャバレーのジャズ、大衆芸能ジャズ、粋ですねえ。ギター・マニアに嬉しいのは、ナショナル・リゾネーター・ギターをシングル・トーンで軽快に弾きまくる演奏ですね。リゾネーター・ギターはブルースマンがスライドするってイメージが強いけど、もとは楽団の中でラッパ隊とかに音量で負けないギターとして開発されたものでした。つまりここでのオスカルのリゾネーター・ギターのプレイはそのネライに忠実だったわけです。この偉大な名人ギタリストのアルバムを編集したのはマンドリンの巨匠デヴィッド・グリスマン。名人は名人を知る、ですね。


 4月18-19日 曇り/雨/曇り  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 エルモア・レナード『キューバ・リブレ』読了。面白すぎる!流石エルモア・レナード!。レナードと言えば街の悪党、都会のピカレスク=悪漢小説が抜群に面白い作家として俺は大好きなんだけど、今回の舞台は19世紀末のキューバ。ヒーローはニューオーリンズ出身のカウボーイ、ベン・タイラー、ヒロインは行動的で勝ち気な美女アメリア・ブラウン。このふたり、かっこいいよ。主人公に限らず登場人物の意気の良さがレナードの巧さ。キューバ人、統治するスペイン、ちょっかい出すアメリカ、これらの人々が入り乱れ物語はダイナミックに突き進む。キューバなのにウエスタンな香りがスパイスとなって効いてるし、まさにエンタテイメント!。4万ドルの身代金に添えられた〈アメリア・ブラウン キューバ・リブレ(自由キューバ)のために〉の書き込みが、読了後意味深に思えてきた。まだ面白さを引きずってる(笑)。
V.A.『REMBETIKA』
 レンベーティカ。〈ギリシャのブルース〉と呼ばれ、現代のギリシャ大衆音楽のルーツともなったレンベーティカのビンテージ音源('30年代を中心とした)を集めた編集盤と帯にあるとおりです(笑)。レンベーティカのアルバムを聴くのはこれで2枚目、なんとも妖しい音楽です。トルコのレーベル〈カラン〉が復刻編集したとあるとおり、この音楽はたんにギリシャ音楽というよりトルコ及び西アジアと密接な繋がりのある音楽のようです。♪ウスクダラ 恋などできぬ町〜♪とムーンライダーズも唄ったトルコ民謡「ウスクダラ」のギリシャ語バージョンも収められています。弦楽器が好きなせいか、ジャケットに面白そうな弦楽器が写っていると無性に聴きたくなる質で、でこの『レンベーティカ』には濃い顔のおじさんに抱きかかえられた丸い胴で12弦の楽器が写ってるんですね。なにこれ?と、このジャケット見たときから気になりっぱなしでした。このレンベーティカには様々な弦楽器が使用されていて、バイオリン、ウード、ブズーキ、マンドリン、ギター、バンジョーなど馴染みなものから、リラ、ケメンチェ、サントゥール、カヌーンなど西アジアから地中海沿岸あたりで使われた民族楽器が使用されていたようです。楽器への興味から入った本盤ですが、ライナーノーツを読んでより興味を覚えた記述は住民交換についてなんですね。ギリシャ・トルコ戦争後1922年にギリシャ正教徒約100万人がトルコからギリシャへ、イスラム教徒約50万人がギリシャからトルコへ移住したとあり、レンベーティコの背景として重要な要素となっているとありました。さらに平行して約50万人のギリシャ人がアメリカに移住し、そこで強い望郷の念から大量のギリシャ民謡やレンベーティカを録音したとあります。本盤にもアメリカ録音が多いのはこのためですね。音楽は地球を巡る。なんですねえ。


 4月15-16日 晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 な〜んか忙しくて日記に向かう暇がなかった。店には居るしMacの前には立っているんだけどね。ようやく裏の田んぼが顔を見せ始めた。その先のブナ林ももうちょっとで新緑だ。桜もこれからで、そして春耕の季節となる。みんな忙しいよね。
 昨夜は浜田真理子のmariko plays 『mariko』ライヴ・ツアーが渋谷クアトロで初日だった。行きたかったけど、やはりだめだった。家を空けるのが億劫になってる。この生活なんとかしたいけどね。
TRIO BEYOND『SAUDADES』
 大好きなドラマー、ジャック・ディジョネットがジョン・スコフィールド(g)、ラリー・ゴールディングス(org)と組んだトリオ・ビヨンド。この1年ちょくちょく聴いてるお気に入りです。'04年11月ロンドンでのライヴ録音。所謂正統派ジャズとしては近年の傑作だと思います。ディジョネットのこの狙いも含めたセンスの良さが光るし、ジョン・スコも素晴らしいプレイで俺的に彼を見直したし、オルガン・トリオということでゴールディングスの時に煽りそしてバランスを取りそしてサウンドの陰影を際立たせたりとお見事で、とにかく素晴らしいトリオによる熱い演奏です。前にもこれを聴いた時に書いたけど、本盤はトニー・ウイリアムス&ライフタイムへのオマージュなんですね。ジャズの世界にあって常に革新的で有り続けた名ドラマー、トニー・ウイリアムスの精神をしっかりと受け継いだ演奏に熱さと清々しさを感じながらも、JAZZが"大人にたしなみ"に落ち着いてしまった日本のジャズ・ブームが悲しい。ジャズへの渇き、それは河野典生『いつか、ギラギラする日々』に強烈にジャズを感じてしまったせいかもしれないな。


 4月12日 雨/曇り  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 『本の雑誌』をパラパラやってたら、村上春樹が「...あとはレイモンド・チャンドラーのFarewell,My Lovely(訳題未定)をぼちぼち翻訳しています。」とありましたよ!。お〜なんかすごく楽しみだ!
RADIO HEAD『IN RAINBOWS 』
 このレディオヘッド目下の新作('07年作)は凄くロックだ。サウンドの情報量は多いのに、それをロックの幹に収束させてる。まったくかっこいいこのアルバムはMP3によるダウンロード販売で話題となった。これについての彼等のインタビューがサウンド&レコーディング誌に載っていた。それによると、以前のアルバムも発売前からWEB上に流出していたこともあり、それだったら自らWEBでダウンロード販売してしまえ、と考えたらしい。さらに、MP3はCDの安っぽい代替物でしかなく、サウンド的には比較にならない、と言っている。さらに、パッケージとしてのCDは最初から救いようが無く、工芸品と呼べる程のパッケージでなければ無用だ、と発言。そして「...どんなにMP3プレイヤーがカッコよくても、レコード棚の前を行き来して、お気に入りの1枚を取りだしてターンテーブルに乗せる行為とは大違いだ。」とあり、そのレコード愛に触れ俺も熱くなった(..ちょっとだけ)。たしかにレコード盤世代の俺はそう考える。そのサウンドも身体に染み付いている。若い人達、最初からウォークマンだったりMP3プレイヤーなんかで音楽を親しんだ人達にはどんな音楽風景が見えてるんだろうか?俺にはまったくわからない。あのちっちゃいヘッドフォンで音楽を聴く気にはなれないからな。


 4月10日 雨  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 永井するみ『ビネツ』読了。高級エステティック・サロンを舞台としたミステリー。ゴッドハンドと呼ばれたトップ・エステティシャンの謎の死がスリラーをも伴う。静かに流れるこの小説の背景には甘い香りとエステされているような心地よい触感がある。それでもヒンヤリと怖い。嫉妬が悪意に収束していく様のおぞましい感触。永井するみは巧いなあ。
ライフ・ゴーズ・オン『イエスタモロウ・ヴィレッジ 』
 岡田徹、上野洋子といった才人達がただただアコースティックにアコーディオン楽団を楽しむはずもなく、ここでは背中合わせにテクノが鳴り響きます。結構うるさく賑やかです。徳武弘文(g)も大活躍でギター・ファンもにんまり。でもこのアルバムで一番感心したのは楽曲の良さ。面白い曲が揃ってる。いかにも岡田徹らしいドリーミーな「雲の中のボリス・ヴィアン」、ポップで楽しい「東京ぬけ道ガール」、上野洋子唄う「Danshi Be Ambitious!」のオチャメなヌケ具合もお見事!。徳武弘文作のインスト曲「ダスビダーニャ」はテックスメックス〜ポルカ〜マリアッチな感じがごきげん。とにかくこのアルバム、ハッとしてハハッと微笑んでハハッと笑ってハッと耳をそばだてて、ほんと楽しい刺激に満ちてますよ。


 4月8-9日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 4月に入ってせかせか忙しいっす。Macの前に陣取ってのんびり店番とはいきまへん。
ライフ・ゴーズ・オン『イエスタモロウ・ヴィレッジ 』
 鈴木慶一に続いて同じムーンライダーズの音の魔術師ガース・ハドソンいやいや岡田徹。その彼が主宰するアコーディオン楽団「ライフ・ゴーズ・オン」の13年ぶりの新作です。これがまた極上ポップ。岡田徹、上野洋子、丸尾めぐみ、棚谷祐一、鶴来正基による5人の蛇腹隊、あらきなおみ(b,vo)、吉田孝(g,ウクレレ)、古島知久(ds,perc)、そして我等がDr.K.徳武弘文(g)による大所帯バンドですね。渚十吾も(Air)で参加してます。つづく


 4月5-6日 晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』読了。もちろん村上春樹訳。カポーティは二十歳の頃に『冷血』を読んで印象深く、『ティファニー...』はなんといっても映画でオードリー・ヘップバーンのイメージが染み込んでいて、だからカポーティと『ティファニー...』ってのが俺の中では結びつかなかった。初めて小説で読んでみて、なんて鮮やかでキレの良い小説なんだろうと感心した。ラヴ・コメディ調だった映画とはたしかに違う、だけどやはりシャレていてかっこいい。
鈴木慶一『ヘイト船長とラヴ航海士 』
 ジャケット見ながら聴いてるとまるで瘋癲老人日記だな(笑)。その極致が「煙草路地」で、これなんか瘋癲パンクだ。いやいや撃音ニール・ヤングと誉めましょう。パンクよりずっとヘヴィーだもんね。高等遊民ってのもあったね。なんだかこんな鈴木慶一が羨ましい。本作の相棒は曽我部恵一で20歳違いのケイイチつながり。たったふたりで作り上げたアルバムらしい。様々な楽器の1人多重録音と打ち込み、手触り感というか妙にリアルで楽しい。曲そのものはやはり鈴木慶一ジルシなんだけど、これはムーンライダーズではない、というとこも気に入った。ひと頃ヴォーカルの音程が不安定で心配もしたけど、今は逆にかつて上手かった頃より更に上手くなってるしね。とにかくこの鈴木慶一の冒険航海は痛快だ。50を越えて「Skanpin Again」を噛みしめるのだ。


 4月3-4日 晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 2日夜のTVで竹内まりやを見た。そのエヴァーグリーンな魅力とスタンダード感に圧倒された。ビートルズと'70年代前半のアメリカン・ロックとそして昭和の歌謡ポップスを華やかに継承している唯一のアーティストだと思う。50を過ぎてもやっぱり憧れの先輩竹内まりやでした。
ストラーダ『テキサス・アンダーグラウンド 』
 ウタタネからオフノートつながりでストラーダ'98年のアルバム。メンバーは中尾勘二(クラリネットほかいろんなサックス)、関島岳郎(チューバほかいろんなラッパとリコーダー)、桜井芳樹(ギターほかいろんな弦楽器)、久下恵生(ドラムスと打ち込み)の4人。もちろんインスト・バンドです。彼等はそれぞれコンポステラだったりロンサム・ストリングスだったりと活躍していた腕達者な人達。各自のオリジナルの他、インドネシア、韓国の民謡やクレツマー、そして打ち込みドラムがヘンに効果的なアイスラー・メドレーなど、幅広く楽しませてくれます。まあ俺的には桜井芳樹があの手この手と繰り出してくるギター、ブズーキ、マンドリン、バンジョー、ウクレレ、ペダルスティールがじつに楽しい!


 4月2日 晴れ  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 山崎ナオコーラの直木賞落選作『カツラ美容室別室』読了。以前そのペンネームの可笑しさと『人のセックスを笑うな』というタイトルについ吸い寄せられて読まされてしまった山崎さんです。今回もサラッとさっぱり系です。「男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎてる。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。」だそうですよ。友達以上恋人未満小説ですかね。
ウタタネ『kira kira - そっと夜の国 - 』
 佐井好子系関西巫女シンガーの遺伝子を継ぐ女性グループ " ウタタネ " 。と書きながらそれほど似てないなとも思う(笑)。佐井さんのクールな色気ってのがこっちには無いしね。でも、浮遊感というか漂ってる感じは似ている。レーベルがオフノートだしほとんどの曲が鈴木翁二だし、わかる人にはピンとくる歌世界・歌宇宙(笑)ですね。ウタタネは薄花葉っぱの下村よう子、宮田あずみ、坂巻さよ、そしてソロで活動する小暮はな、水晶の5人による京都女性グループ。演奏には関島岳郎、中尾勘ニ、船戸博史、渡辺勝、城間和広、山田吉育、ウエッコ、渡辺勝、上地一也といったオフノートお馴染みさんが参加。どこか春霞のような、とても和める音楽です。


 4月1日 雪/雨〜雷/曇り  体調・普通  アマゾン禁止令発令中!

 北方謙三『水滸伝 十八』読了。ついに初陣!麒麟児楊令、青い疾風となって戦場を翔る。しかし多くの英傑が散る中、まさかのあの人も白い世界に旅立つ。さあて次が最終巻だ。原典からは遠く離れた物語となった北方水滸伝、いったいどんなラスト・シーンに立ち会わせてくれるのか、今からぞくぞくする。
佐井好子『タクラマカン』
 佐井好子、覚えていますよ。その声も容姿も、良いとこのお嬢様のようだったシンガー・ソングライターでしたね。俺が二十歳の頃にアルバム・デビューした彼女の、なんと30年振りの新作で全曲オリジナル。昔聴いた憶えがあったというだけでもう忘れていたんだけど、この佐井好子の歌声はなかなか良いですね。押しつけがましさは無いのに、耳の中に居座るような魅惑的な歌声です。関西インディーズの雄、アルケミーのJOJO広重が彼女とアルバムを作ったってのは情報として知っていて、その時は、へぇ〜佐井好子ねえ懐かしいなあ、と思っていました。ところが今年に入りこんなアルバムがリリースされ、山本精一、早川岳晴、芳垣安洋、吉森信、柴山伸二、片山広明、JOJO広重といったダーク・サイドのボス連のような凄いメンバーが参加してると聞いてはほっとけないよね。もう興味津々だった。そして大満足。ピアノ・トリオによるジャージーな「ひらひら」から醸し出される歌世界は浜田真理子と共通のなにかを感じます。いっけん儚そうで強い歌なんですね。だから多彩なアレンジと演奏の中でも、佐井好子という存在が凛として立っています。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps