●2008●

 8月29-30日 晴れ/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 篠田節子『ロズウェルなんか知らない』読了。可笑しくもありながら身につまされる町おこし小説。温泉も産業も歴史もない町、新幹線も高速道路も素通りし、スキー場には逃げられゴルフ場計画は頓挫し、2030年には人口ゼロと推計され安楽死を待つだけの群馬県(おそらく)の田舎町が舞台。破れかぶれに青年会(中年会だけど...)が仕掛けたのが日本の四次元地帯としてUFOや謎の古代遺跡による町おこし。なんか滅茶苦茶なんだけど、とりあえず成功、見返りの強烈なバッシング、そのうえ神社の御神体の鏡を持ち出したのがバレて逮捕拘留と、なんとも盛りだくさん。作者篠田さんが悪ノリで楽しんでる感じも伺え、こちらも楽しく一気読み。
THE BEATLES『RUBBER SOUL』
 トップの「ドライヴ・マイ・カー」が超かっこいい!ポールのベースがブンブン跳ねてる。モータウンの感じかな。「ノルウェーの森」はシタールが靄の中で鳴る元祖ワールド・ミュージック。そして「ひとりぼっちのあいつ」ジョン・レノン!想い出すのは20数年前、十日町松乃寿司のカウンターで中林久明さんと関口仁彦さんがアカペラ二重唱でこの曲のアタマを見事に歌ってくれたあの場面。なるほどビートルズ世代のバンド・マンはこんなことができるんだと感心した若輩者の俺でした。以来「ひとりぼっちのあいつ」はマイ・フェイバリット・ソングスの仲間入り。ポールの「ユー・ウォント・シー・ミー」とジョージの「嘘つき女」はともにキャッチーで親しみやすい曲で、そして「愛の言葉」はまたまたモータウン風ながら独自な世界。そしてそして「ミッシェル」、ポール・マッカートニー印の名曲ですね。ここまででアルバム半分!なんと質の高いまったくスキのないアルバムだこと。後半にはジョンの名曲バラード「ガール」、この歌声が好きなんだなあ。そして同じくジョンの「イン・マイ・ライフ」、センチメンタルもジョンの持ち味。ジョージ・ハリスンの「イフ・アイ・ニード・サムワン」も素晴らしい。バーズやCSN&Yの重要なルーツがここにあるんじゃないかな。ビートルズ'65年の傑作『ラバー・ソウル』は60年代ロックの金字塔にして21世紀の今でもまったく鮮度が落ちていない!。いやあまいったなあ、ずっと聴いていたいよ。


 8月27-28日 晴れ/曇り/雨  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 カトウコトノの『将国のアルタイル』もついに第二巻です。見附市の知り合いの娘さんが漫画家デビューと知ってからあっという間の感じでしたが、新人漫画家として毎月の連載を積み重ねてのコミックス2巻目ですからね、拍手拍手、まだ先は長いねきっと。『将国のアルタイル』は異世界ファンタジーといっていいのかな、トルキエ将国史上最年少の将軍マフムートの成長の物語。隣接し敵対するバルトライン帝国あり、女だけの旅の一座あり、密偵組織に赤蛇の教団ありと、次々に展開する面白い物語。外の世界を知るために旅に出たマフムートを待っているのは...。このつぎもモアベターよ!
THE BEATLES『HELP ! 』
 アーティスティックになりはじめた'65年のビートルズ。ロックの革新に向けてギアをシフト、アイドル顔からミュージシャン顔に脱皮途上のビートルズです。ジョンがビートルズの曲で一番好きだったという「ヘルプ」に始まり、「涙の乗車券」のギッツンバッタンなおかしなドラムにニタリとしながら、リンゴ歌うのほほんカントリー・ロック「アクトナチュラリー」になごまされ、そして世紀の名曲「イエスタデイ」にしんみり....。雨の日の寂しい店内に「イエスタデイ」はこたえるなあ...(笑)。


 8月25-26日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 鉄と人民、北京五輪閉会式に現れた鉄と人民によるバベルの鉄塔。多くの感動ともらい泣きのオリンピックだったけど、国家的動員という中国の有り様を見せつけたオリンピックだったような気がします。
 井上荒野『切羽へ』読了。直木賞受賞でクローズアップされるまでずっと井上光晴の息子だと思ってたら娘さんだったのね(笑)。『しかたのない水』『誰よりも美しい妻』を読んだ時に、女性に対して冷やっとした一瞬を書く人だなと思っていましたが、女性として同姓に向ける視線だったのかな。この『切羽へ』もやはり女性同士の冷やっとした視線のやりとりがでてきました。" 切羽 " ですが、文中に「トンネルを掘っていくいちばん先を、切羽と言うとよ。トンネルが繋がってしまえば、切羽はなくなってしまうとばってん、掘り続けている間は、いつもいちばん先が、切羽」という台詞として説明されています。これを男女の関係に重ね合わせたのが本作なのかなと思いました。秘められたエロチシズムで巧に描かれたセックス描写のない官能小説。巧い!
THE BEATLES『A HARD DAY'S NIGHT』
 これも'64年のビートルズ。「アイム・ア・ルーザー」、ボブ・ディランを意識したジョンがいます。これはフォーク・ロックの先駆けかな。ジョージはリッケン12弦からグレッチ・カントリー・ジェントルマンに持ち替えカントリー風なフレーズを聴かせています。R&Rのカバー曲を再び取り上げ、中でもチャック・ベリーの「ロックン・ロール・ミュージック」は完璧です。R&Rやるとメチャクチャ上手いビートルズです。俺的にはバディ・ホリーの「ワーズ・オブ・ラヴ」もお気に入りです。


 8月24日 雨  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 朱川湊人『かたみ歌』読了。昭和40年代、東京下町アカシア商店街、丁寧に描かれるその街の佇まいに懐かしさを憶えてしまったら、もうこの物語の一員ですよ。街のお寺覚智寺境内の石灯籠の火袋は黄泉の国と繋がっていると言い伝えが...そう、これは幽霊の物語でもあるのです。幽霊モノでも、怖いというより切ない気持ちにさせるというのは、あの浅田次郎の『鉄道員』に似ているかな。亡くなった人ともう一度会いたいという切ない気持ち。静かに胸に沁み入る連作短編集でした。
THE BEATLES『A HARD DAY'S NIGHT』
 ビートルズの'64年は「抱きしめたい」を全米No.1に押し込みまさに世界のアイドルとなった年でした。日本でのデビューもこの年だったそうで、なんと1年間で13枚のシングルがリリースされビートルズ旋風でした。このサード・アルバムはカバー曲無しの全曲オリジナル。バンドの好調さがサウンドに乗っかって1曲目の「ア・ハード・デイズ・ナイト」からラストの「アイル・ビー・バック」まで快調にツルツル聴き通せます。このツルツル聴けてしまうポップスな感じがちょっと苦手なんですね。ジミヘンとかオールマンに逃げたくなります(笑)。


 8月23日 曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 悲願だったんだ、悲願。北京五輪の女子ソフトボールの金メダルに続き、昨夜は陸上の男子四百メートルリレー決勝で日本が銅メダルを獲得。連夜のもらい泣き(笑)。陸上の短距離で日本人が表彰台なんてありえないと思っていたから、ほんとに感動した。夢の舞台、どこでやろうが、やはりオリンピックは素晴らしい。
THE BEATLES『with the beatles』
 ビートルズの初期、俺的にはこれ、〜 yeah,yeah,yeah ♪〜 と ooh ♪〜 の元気いっぱいなヴォーカル・ハーモニー。これは'63年のセカンド・アルバム。もちろんヒット・チャート1位。ビートルズのデビューは俺がやっと小学校入学頃で、ロックに目覚めた'70年にはすでに解散していた。'70年当時の俺にとってはビートルズ、クリーム、ジミヘン、ツェッペリンなど時間軸に関係なく同時に聴くことになった。同時に聴いてるとクリームやジミヘン、ツェッペリン、パープルなどヘビーなロックのほうがかっこよくて、ビートルズはサイモン&ガーファンクルやカーペンターズに近く誰もが知ってる人気者だったので天の邪鬼な俺には "まあ聴かなくてもいいか..." 的なバンドのひとつになっていた。その後黒人音楽が好きになりハマリ込んだりしたから、ここでカバーされている「プリーズ・ミスター・ポストマン」と「ロール・オーバー・ベートーヴェン」は原曲の方を先に聴いていたはずだ。後でこのビートルズ・ヴァージョンを聴き、あれっこっちの方がかっこいいじゃん、と気付いたんだけどね。「オール・マイ・ラヴィング」は大好きな曲で、甘いメロディーにジョンの3連刻みリズム・ギターが効いてるよね、お見事!


 8月22日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 地方とくに山間地では医師不足が深刻で総合病院でも閉科が相次いでいて、そんな特集をTVでやっていました(ちょっと前のこと)。そこに登場した我が町の小林町長、医師不足への対応を尋ねられ、「病気にならないことです」と応えました。思わず吹き出しました。でもこれはとても真剣な発言だったのです。今日うちの隣の空き地に町の看板が立ちました。『町民ぐるみ健康づくり宣言』!!! 食育・丈夫な体・豊かな心を育んで、病気にならないことを宣言します! でもこれって、病気になるのはオマエが悪いとオカミに指摘されるってことかよ。ひぇ〜つらいねえ。
THE BEATLES『PLEASE PLEASE ME』
 「ちょっと前にはみんなが聴いてるから俺はビートルズは聴かないっていう人がいましたよね、でも、これは聴かないとバカだっていうのがみんなわかったと思うんです。」これはレコード・コレクターズ誌上における杉真理の発言である。それで、みんなが聴いてるから俺はビートルズは聴かない、って態度で強がってた俺がいたわけなんだが...バカだと言われちゃ引っ込んでられないんで久しぶりにビートルズをきちんと聴こうと思います。俺だってビートルズ、一応全部持ってますし。レココレ誌はここ3号ぶっ続けでビートルズ特集なんだよね。ネタ切れ?それとも未だ衰えぬビートルズ人気に便乗ですか?まあともかく、ビートルズが「語られ」だしたのは'70年以降、つまり解散後だし、そして21世紀の今ではジョンもジョージもあの世の人へ逝っちゃったから、ファンの人達のビートルズへの想いはどこか崇高なものになってるんだろうね。先の杉さんの発言のように。まあそれはともかく...
 数多いビートルズ映像の中で一番好きなのは初期のもので、マッシュルーム・カットにお揃いのスーツ姿、フロントにジョンとポール、ジョンが歌う「ツイスト&シャウト」とポールが歌う「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、これがとにかく理屈抜きにかっこよくて大好きです。ロックン・ロールよ永遠なれ!なのです。


 8月19-20日 曇り/雨/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 北方謙三『替天行道-北方水滸伝読本』と緑川ゆき『夏目友人帳 5-6巻』を併読中。自著解説本とマンガ本ですがどちらも面白い。『夏目友人帳』は妖怪が見えてしまう少年夏目貴志が主人公だけど、その亡き祖母夏目レイコが隠れ主人公。レイコは妖怪が見えてしまうがゆえの疎外感からか妖怪達に八つ当たり、妖怪達に勝負をふっかけ、負けたら子分になれという契約書を作り次々に妖怪達を子分にしていった、その契約書の束が「友人帳」。その「友人帳」を受け継いだのが貴志で、それ故妖怪に狙われたり、契約解除の返名行為とバタバタ忙しい。妖怪物だけどこれは怖くなくどちらかと言えば楽しい妖怪物マンガです。とにかく設定が奇抜でレイコのことがますます気になる。
 娘が夏休みに入ってから毎日欠かさず(えへん)参加してる朝のラジオ体操、お盆前と後で季節の変わりを感じるね。影の位置もかわったし風も涼しくなった。
V.A.『THE POCKET DICTIONARY OF SOUL』
 『ポケット・サイズ・ソウル辞典』ブルース&ソウル・レコーズ誌付録CD。こうしたオムニバス盤は昔から大好きで音楽の枝を広げるのに役立ててきました。Z.Z.ヒルが歌っているのはサム&デイヴの「僕のベイビーに何か?」で、これは好きな曲です。レディ・ソウル、トミー・ヤングが歌っているのはオーティス・レディングそしてO.V.ライトの名唱で名高い「この強き愛」で、これは大好きな曲です。ジョニー・テイラーは貫禄のソウル・バラードだし、おやっと意外だったのはリトル・リチャードで、絶叫ロックン・ロールではなくてスロー・ブルースで、これがまたじつに味わい深い。いつものように楽しませてもらいました。


 8月17日 曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 山本幸久『カイシャデイズ』読了。あの傑作『凸凹デイズ』に続く会社&仕事仲間小説。物語は内装工事会社で働く社員&社長の悲喜こもごもをユーモラスに描きながら、ダメ社員のささやかな成長ぶりに仕事の楽しさを感じさせる、その明るさが読んでいて気持ちいい。俺なんか母とふたりの個人商店だから、こんな仕事仲間がいる会社が羨ましいよね。この面白小説のおかげで、休み無しでつまらないお盆の日々を読書に逃げて過ごせましたよ(笑)。
V.A.『blues drum masters』
 お馴染みブルース&ソウル誌オマケCD。今回は沼澤尚選曲によるブルース・ドラム名演集。ドラム方面からブルースを聴くってことがなかったから、これはなかなか楽しい企画盤です。ブルース・ドラマーで出てくる名前といったらニューオリンズのアール・パーマーは別格として、後はシカゴでジ・エイシズのフレッド・ビロウ、エルモア・ジェイムズのバックで活躍したオディ・ペイン、BB・キング・バンドのリーダーだったソニー・フリーマンくらいな俺だから、これはちょっぴり勉強になります。と言いながらもギターと歌に耳が行ってしまうんですが。登場ブルース・マンもオールスター勢揃いでお得感は二重丸。


 8月16日 曇り/晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 なでしこジャパンにしびれた!凄く逞しい戦いぶりだった。北京五輪女子サッカーの対中国戦、完全アウェーを逆手に取ったかのようなしたたかさだった。攻めては全員良く走り、短いパスを巧く繋ぎ、積極的にシュートを撃った。守っては球ぎわに厳しくプレスを効かせ、守備ラインの上げ下げも巧に、相手方の良い面を封殺した。テクニック的にも戦術的にもそして精神的にも中国を圧倒していた。久々のスカッとした夜だった。
ハンバートハンバート『まっくらやみのにらめっこ』
 ハンバートハンバートは前作『道はつづく』の後、友部正人さんと接近していく。一緒にライブや詩の朗読をやったりなんだけど、それより前に佐藤良成が雑誌のインタビューで友部正人の歌や詞に惹かれていると言ってたので、そんなことがあっての共演だったのかなと思った。また彼等は高田渡を好きだったりする。そんなこんなで、このアルバムは言葉を大切にしているように思う。時にシュールに、また生活に寄り添った朴訥な詞で歌いかける。佐野遊穂も歌声はふわっとしたものから生々しいものに変わっている。佐藤良成のヴォーカル・パートも増えている。佐野と佐藤による2人組だけど、今回はベースに松永孝義、オルガン&アコーディオンに近藤達郎とベテランが、そしてドラムには佐藤貴子参加している。新生ハンバートハンバートもヘヴィーローテーションとなりそうだ。


 8月15日 曇り時々遠雷/雨  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 北方謙三『楊令伝 二』読了。梁山泊崩壊から5年、李俊と史進が話す 〜 ...童貫はもう六十に達しよう...おまえは(史進は)もう三十八か。燕青だって四十になってる。そして俺(李俊)は四十五だ...林沖だって生きてれば四十八さ...。〜 皆あっというまに歳をとる(笑)。かつて梁山泊の棟梁だった宋江は、宋を倒し新しい国を作るには一代では難しく、二代三代とかかるだろうと考えていたらしい。梁山泊の英傑達も歳をとり、楊令を筆頭にその息子達が次々と登場、北に金が台頭し江南に方臘の乱といった史実をふまえて、なんだかこの『楊令伝』も長編大河小説となる予感がするなあ。
ハンバートハンバート『まっくらやみのにらめっこ』
 前作『道はつづく』は去年一番聴いたアルバムで今でも車載ヘヴィー・ローテーション盤ですが、そのハンバートハンバートの新作がこのアルバム。あのほんわかした清々しいハンバートハンバートは何処へ行ったのか。写真に写るふたりの雰囲気も以前と違っているし。でもね、これはこれで良いね。聴き返す度にだんだんと馴染んできた。歌詞とサウンドがより鋭角的になった感じ。う〜ん、つづく。


 8月14日 雨/曇り  体調・ちょっと二日酔い  アマゾン.com 自粛中!

 暑かったり二日酔いだったり忙しかったりで、この日記もさぼっちまったぜ。そして今日も北島が金メダルをとった。北島のターンした後の水中姿勢にキュンとなるわたしである(笑)
MOSE FANFAN『BAYEKELEYE』
 この数日ずっと聴いてるモーズ・ファンファンの'04年アルバム『バイェケレイェ』、こんな素敵な音楽はそんじょそこらにあるもんじゃないよ。コンゴの音楽なんですが...おおっクラーベの五つ打ちが聴こえるぞ。そうそう想い出すじゃないですかザイーレアン・ルンバ。キューバ音楽の影響を受けたザイール(コンゴ)音楽が一世を風靡した時代があって、その大スターだったのがフランコ&OKジャズ。そのOKジャズのギタリストだったのがこのモーズ・ファンファンなんですよね。ギターとコーラスのアンサンブルを聴いてると、脳内が優しくマッサージされてる感じがしてなんとも心地よい。


 8月10日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 宮本昌孝『夏雲あがれ 下巻』読了。友情あり活劇ありミステリありの青春時代小説。直情型の若き藩士筧新吾と老剣客鉢谷十太夫の絡みが楽しかったし、蟠竜公と建部神妙斎の凄味満点の悪役ぶりが物語の陰影を際立たせていた。悪役の造形って大事だよねえ。
V.A.『TAMBURITZA!
   FROM THE BALKANS TO AMERICA: 1910-1950』
 昨日も聴いていた、バルカン半島からアメリカに移住した人達によるストリング・バンド集です。故国から持ち込んだポルカやワルツやジプシー系の曲が多いのは当然だけど、当時すでに世界的なポピュラー・ヒット曲だった「ラ・パローマ」を演奏していて、このへんは流石大衆楽団と納得。驚きはジャンプ・ミュージックのカバー曲で、ジャンプ楽団のアレンジをストリングスでやっていて、コレがなかなかの味わい。間奏にはお決まりのサックス・ブロウ入りで、これもバルカンのラッパ吹きが吹いてるんだとしたら凄いバンド・マン魂だ。アルバム全般にトレモロ奏法によるストリングス演奏が多く、この辺は地域性なのかどうか興味が湧きます。


 8月8-9日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 北京五輪の開会式を見たけど...中国ってのはとにかく人が多いんだな、が第一印象。とにかく人間はいくらでも動員できるんだね。人海戦術本家本元の凄みを感じたな。チャン・イーモウの演出は所々素晴らしかったし、あの色彩とスペクタクルは映画人らしいと思った。が、前回アテネ五輪の地味さが、行き過ぎた五輪商業主義への少しばかりの鎮静剤となったと感じていたのに、商業より前面に国家が登場した。北京五輪は、誰はばかることなく中国共産党演出による国威発揚の場となるだろう。これほど国家色を全噴射した五輪開会式は初めてだ。ずっと見ていたら胃がもたれてきた。
V.A.『TAMBURITZA!
   FROM THE BALKANS TO AMERICA: 1910-1950』
 タイトルどおりバルカン半島からアメリカに移住した人達によるストリング・バンド集です。ジャケット写真に写るコントラバス・ギター!?がじつに可笑しい(笑)。ギターにブズーキにマンドリンのそれぞれとビミョーに違った弦楽器の数々に興味津々です。先ずは弦楽器の調べに和んでます。和んでだら〜っとしてます。つづく


 8月7日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 宮本昌孝『夏雲あがれ 上巻』読了。去年買った文庫本で何故か読み忘れていた。読み始めたらすんげえ面白い!青春時代劇。只今下巻読んでます。今日も暑いぞ。
V.A.『THE BEST OF EXCELLO RECORDS』
 暑気払いには蒸し暑さ満点ルイジアナ・スワンプ・ロッキン・ブルースでバイユーの熱風を。スリム・ハーポ、ライトニン・スリム、ロンサム・サンダウン、レイジー・レスターの誰が呼んだかルイジアナ・ブルース四天王を始め、ルイジアナ特有な甘〜いバラードやポップでグッド・ロッキンなR&Bも収録されたとっても耳にお得な音盤です。'50年代中頃から'60年代中頃のルイジアナR&Bシーンの充実ぶりが素晴らしい。イナタさとモダンがジャンプしてるかっこよさ。リズムのハネぐあいはお隣ニューオリンズから、ディープなロウダウン・ブルースはこれもお隣ミシシッピ・デルタと共振し、それでこんなに豊穣な音楽が生まれたんですね。


 8月6日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 4-5日と新潟市で舟に乗ったり水族館でイルカの芸に驚嘆したりと楽しんできました。新潟市の循環バスにはドカベン号と犬夜叉号があって、そして水族館の入り口でもドカベンと犬夜叉が迎えてくれました。俺的にはアブさんとルキさんのコンビが良かったな(笑)。水島新司と高橋留美子に代表されるマンガ王国ニイガタ。赤塚不二男さんも少年期からマンガ家志して上京するまでを新潟市で過ごしたんだよね。
Ry Cooder『I, FLATHESD』
 ライ・クーダーはこのアルバムを作る前に先ず小説を書いた。それは輸入盤にブックレットとして付いているらしい。俺も欲しいけど英語じゃ読めないしな。在りし日のカリフォルニア、失われたカリフォルニアをもとに書いた小説らしいが、先ず小説を書きそのサウンドトラックのつもりで作ったのがこのアルバムだということだ。ライとパーカッション他の2〜3人で演奏された曲が多く、ホーン・セクションが入っても控え目な演奏で、でも音楽はサウンドはけしてシンプルではない。いぶし銀に磨き込まれたサウンドで音像はふくよかだ。深みとふくらみがある。とーぜん、青二才には創り出せない音楽だが、とーぜんながら地味。俺は前作の方が好きだな。


 8月2日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 エルモア・レナード『ホット・キッド』読了。舞台は1920年代アメリカ中西部、ローリング・トゥエンティーズ、ジャズ・エイジ、禁酒法に大不況、そしてディリンジャー、マシンガン・ケリー、ボニー&クライドなどが大活躍した銀行強盗黄金時代。主人公は連邦執行官補で早撃ちカール・ウェブスターと全米一のアウトローを目指すジャック・ベルモントのふたりのホット・キッド。スティーブン・キングの賛辞のとおり、ウエスタンと都会派の犯罪小説を巧に融合し、そしてヒーロー物とピカレスク物をも巧に織り込んだ極上のエンタテイメント小説です。まあレナードならではの、いつもの面白さですよね。
Ry Cooder『I, FLATHESD』
 20年代アメリカ大不況時代のバラッドを多く歌っていたライ・クーダーがこの数年取り組んでいるのが戦後の " ありし日の " カリフォルニア。所謂カリフォルニア3部作のこれが完結編らしい。タイトルのフラットヘッドとはフォード社のV8エンジンのことだとか。カバー写真には、俺達が子供だった頃に「自動車の世界最速記録樹立」のあの場所と車を想わせる写真が使用され、あれもひとつのアメリカン・ドリームだったことを思わせる。たしかあの場所は南カリフォルニアのソールトフラットという真っ平らな場所だったと覚えているが...。在りし日のカリフォルニア、失われたカリフォルニアを音楽にしたというライ・クーダーだが、今日は暑すぎるのでこのへんで...。つづく


 8月1日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 毎朝子供達がラジオ体操をする神社の軒先の板のすき間に蜂が巣をかけたようでキケンなので蜂駆除をしてみた。それは昨日の夕方、雨合羽上下に長靴ゴム手袋そしてヘルメットにネットを被りとりあえず完全装備で蜂の巣に向かった。こちらの武器は「ハチ・アブ・ウルトラジェット」。直撃10mだ!これなら巣に近づかずとも大丈夫だろうと。ちょうど蜂の帰宅時間らしく出入りが頻繁で正直こわい。何度か巣に向けて噴射してみた。凄い噴射力だ。ただし近視とネットのせいで蜂の動きがわからない。ほんとにやつけたのだろうか?ウルトラジェットを使い切りとりあえず退散。そして今朝、蜂がかなり少なくなっているのは確認できた。もう少し様子を見よう。
スペース・サーカス『ファンタスティック・アライバル』
 '79年リリースのセカンド・アルバム。前作に比べるとぐっとメロディアスになりフュージョンというよりプログレで、スペーシーなハード・プログレなサウンド。ベーシスト岡野ハジメのプロダクション・ノートによると、この当時すでにベース弾きまくりに面白味を感じなくなっていてシンセなどを使った実験的な事に興味が移行していたそうだ。金があったらテクノ的になっていただろうと書いている。彼はベース・プレイヤーというより、よりアーティスティックな音楽家なんだと思う。だからこの後、あのホッピー神山がいたピンクに参加し、その後プロデューサー業に精を出すようになるわけだ。このスペース・サーカスだけど、良い意味でアマチュア臭いと思う。非常に巧いアマチュア・バンド。当時ならもう少し洗練されたフュージョン・スタイルを目指してもいいものを、わざわざ武骨にロック度を増した演奏をしている所が俺的には二重丸だな。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps