●2008●

 9月29-30日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 麻生の空威張り所信表明演説で胸焼け。だいたいコイツの失言とかいうのはたちが悪い。ただの失言じゃないからだ。この麻生なんて人は戦前階級社会をそのまんま生きてる人なんだ。自分は支配者階級の人間だから下々の国民には何を言っても良いんだと、いたって気楽に暴言してるだけなんだね。自覚がない。だからタチが悪い。なんだか田中角栄が懐かしいよ。
フリクション『ZONE TRIPPER』
 ストイックなメタリカを聴いたときにふとフリクションのこのアルバムを思い出した。飾らない剛直なサウンドが共通してる感じがした。これはフリクションの'95年盤で、その後新作は登場していないと思うけど。この頃のメンバーはレック(b,vo,g)、サトウミノル(ds)、イマイアキノブ(g)。レックは'70年代後半のNYパンク〜ニューウェイヴ・シーンに身を投じ、その熱気を東京に持ち帰った人で、フリクションは'78年に結成、東京ロッカーズの一群の先頭を突っ走った。ソリッドでシャープでクールってのがフリクションのイメージ。パンクにしては知的な感じで演奏も上手かったので、逆にそこがヒンヤリとコワイ感じもした。そして今聴いてもやはりかっこいい。


 9月28日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 朝は1時間ほど子供会の廃品回収。ビールの空ビンと日本酒1.8の空ビンだけの回収ですが、年々減ってきているのが実感できます。ビール類は缶に移行してるし清酒はだんだんと飲まれなくなってきてますね。
 高橋克彦『天を衝く 三』読了。ようやく全三巻読了です。一二巻でつまずいたせいで読了が遅れていました。武士の美学の身勝手さに辟易したのと策に溺れすぎじゃないの?て感じでどうも読んでいて面白くなかった。ところがこの第三巻でようやく合点がいった。これは面白い!秀吉軍10万に対する南部九戸政実勢5千の胸のすくような籠城戦。「天を衝いて雷雨を呼び寄せようと思っており申したが...秀吉という天はなかなかしぶとい。小雨程度しか降ってくれ申さぬ」天下人秀吉に対し義を持って対抗する政実。落城し炎上する本丸を眺めながら「あの火は、いずれ秀吉の思い上がりを糺す大きな炎の種火となろう」と政実。本作は前九年の役、後三年の役を舞台とした『炎立つ』、アテルイを主人公とした『火怨』に続く高橋克彦「陸奥三部作」の最終章。東北のアイディンティティーを謳いあげた気合いのこもった作品群でした。
「YUME日和」「崖の上のポニョ」
 小学校の文化祭でのPTA合唱の曲です。ちゃんと聴いて覚えなきゃならんとです(笑)


 9月27日 雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 昨日は親戚の葬儀に参列。近しい親戚のおじさんとして大変お世話になった人なので寂しい気持ちがこみ上げた。お斎ではご住職様の隣に座らせられてアセッた。これも経験だね。
GUNS N' ROSES『APPPETITE FOR DESTRUCTION』
 ビートルズの「ヘルター・スケルター」から突如メタル〜ハード・ロックが聴きたくなってメタリカ、アイアン・メイデンときて今日はガンズ・アンド・ローゼズ。ガンズって見かけに寄らずポップなハード・ロック・バンドだったと思うんだけど、ローリング・ストーンズからエアロスミスと続く流れを感じさせながら、そこにキッスのポップさも持ち合わせているってのかな。この'88年のヒット・アルバムをあらためて聴いてみると、そのワルっぽさと攻撃性を前面に押し出しながらも曲はけっこうポップで馴染みやすく、売れセンなハード・ロック・バンドだったと思う。'90年前後と言えばREMやソニック・ユースやニルヴァーナといったオルタナ〜グランジ・ロックが流行っていたけど、ガンズのようなまあ正統派ハード・ロック・バンドの人気を考えると、やはりギター・キッズ御用達なハード・ロックも不滅なんですな。


 9月25日 曇り/雨  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 昨夜は小学校文化祭恒例PTA合唱の第一回練習日でした。指揮者やるんだけど、ドラエモン「YUME日和」とポニョなんだよね(笑)まあ子供達が主役だから。帰ってきてTVを見てたらジュリーが歌っていた。還暦だそうだ。だよね、俺が小学生だったもんタイガースは。それで還暦ジュリーだけど、やっぱかっこよかった。なぜかほっとした。二人のギター弾きは元ジュリエットの柴山と元ルースターズの下山で、女ドラマーはグレイス。このアグレッシヴなバンド編成にジュリーの意気込みを感じた。
IRON MAIDEN『The Number of The Beast』
 さてと、メタリカの先輩メタル、NWOBHMのアイアン・メイデンの'82年盤。これだってちゃんと当時耳にしてるし嫌ってたわけじゃないけど、トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』の後では、ヘビメタやハード・ロックって古いスタイルに聴こえちゃったんだよね。非ロックな音楽に興味が移った'80年代だったからなおさらだね。久しぶりに聴いてるけど、やはりメタリカに比べるとブリティッシュ・ハード・ロックの香りがして懐かしい。ギターがサウンドの中心を成すロックってのが俺の好きなロックだから、ヘヴィー・メタルもスラッシュ・メタルもサウンドは好きなんだけど、どうにもケタタマしいヴォーカルが好きになれない(笑)。いっそインストだったら良かったのにとも思うよ。


 9月24日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 祭りも無事に終わり、身体も胃も疲れ気味。子供会地区長として自主制作(笑)した樽神輿も子供達が最後まで元気に担いでくれて嬉しかった。娘も奏楽に神輿の先導にと頑張ってくれました。
角田光代『八日目の蝉』読了。ラストに感動の再会などという甘い期待はうっちゃられましたが、明日への第一歩を踏み出した恵理菜=薫と踏み出す予感の希和子、ふたりのその先に余韻を持たせたラストはやはり巧者角田光代ですね。
METALLICA『DEATH MAGNETIC』
 そしてメタリカの新作。ギター・マガジンの表紙を飾ることは珍しくないけどレコード・コレクターズ誌で特集が組まれるとはびっくりだな。おかげで修行僧のようなストイックさを感じさせる高速リフの快感を久しぶりに味わった。エレキ・ギター用のマルチ・エフェクターのプリセット音にはオキマリとしてメタリカの分厚くメタリックに歪んだギター・サウンドが入っていて、このサウンドで勝手気ままにリフを弾きまくるのは凄く気持ち良いんだよね。それにしても速いなあ。この2ビートな感じは、まるでブルーグラスの高速ランのようだ。この高速ビートを一瞬もだれることなくバンド一丸で押し通すとこなんかやっぱり凄いね。プロデュースはリック・ルービン。リックといえばジョニー・キャッシュのアルバムを思い出して、あれっメタリカ!?って感じがしたけど、もともとビースティー・ボーイズなんかのハードコアで名をあげた人だからね。ともあれエレキでロックな人間にとってこれはやはり快感だ。自分で弾く方がもっと快感だけどね。空耳スラッシュ・メタルとか(笑)。


 9月22日 雨/曇り/晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 卯之木の秋祭りです。弟は名古屋から帰ってきます。天気は不安定でちょっと心配。明日は娘が参加する奏楽と子供神輿があるので晴れて欲しい。なあ...
METALLICA『MASTER OF PUPPETS 』
 昨日のビートルズ「ヘルター・スケルター」だけど、ずっと昔にこのタイトルだけ知った時、てっきりローリング・ストーンズの曲だと思っていた。ヘルター・スケルターなんてストーンズなイメージだし、ましてこれがポール曲だとは知ってびっくりだった。まさに天才ポール・マッカートニー。当時ポールはザ・フーのようなうるさいロックを意識して「ヘルター...」を作ったというし、ジョンの「ヤー・ブルース」は当時台頭してきたブルース・ロックを意識して作ったらしい。共に " 俺達だってこれくらいできちゃうよ " 的なノリが感じられ、そのスタイルに縛られないところがジョンとポールとビートルズの凄いところだったと、今にして思う。そこでまた「ヘルター・スケルター」だけど、この曲はいつの頃からか元祖ヘヴィー・メタルと称されるようになった。ハード・ロックでなくてヘヴィー・メタルとは?俺的にはブルースとの距離って気もするんだよね。ハード・ロックってブルース・ロックがハードに展開したもので、ヘヴィー・メタルにはブルース臭が稀薄だってことかな。あとギターのサウンドが、ハード・ロックはクラプトン開発の甘いディストーションが基本だけど、メタルは甘くない(笑)まさにメタリック。と考えるとやはり「ヘルター...」はヘヴィー・メタル的で'68年当時としては凄く先鋭的なロックだったと思う。前フリが長くなった、約20年ぶりにメタリカを聴いている。スラッシュ・メタルだ。裏ジャケット見たら'86年作だった。大好きだったわけじゃないけど、このヘンは押さえとこってノリで聴いてたと思う。三十路突入で若者に混じってヘッドバンギングするのもこっぱずかったしね。でもその後もメタリカを忘れなかったのは何故かと考えるに、タモリ倶楽部の「空耳アワー」のおかげだと思い至った(笑)。


 9月21日 雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 昨夜からの雨でいきなり寒くなった。明日明後日の秋祭りに向けて昨夜は傘鉾作りと、なんかそわそわばたばたです。
BEATLES『The BEATLES 』
 「ビートルズは聴かないとバカだシリーズ」今日はホワイト・アルバム。苦手な『サージェント・ペパーズ...』に続く'68年作で通称『ホワイト・アルバム』ですが、こちらは大好きなアルバムです。初めて聴いた時のオメアテは『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』のエリック・クラプトンのギター・ソロだったはず。ところが聴いてみたら聴き所満載だった。前作で鳴りを潜めていたロック度がよりヘヴィーに復活し、ツェッペリンにも聴こえてしまう「ヤー・ブルース」や「ヘルター・スケルター」など、俺達だってこれくらいは朝飯前サって余裕をぶちかましてる。前作がポール主導だったのに対し、ここではジョンが負けじと対抗しジョージも我が道を行くって感じでお互いのライバル意識が良い方向に作用し、まるでスキのない2枚組アルバムが出来上がった。そしてやはり俺のベスト・トラックは『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』。この哀愁はジョージの持ち味ですね。


 9月19-20日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 和田竜『のぼうの城』読了。のぼう様の容姿から松本大洋『竹光侍』の瀬能宗一郎を連想したら後の登場人物も竹光侍調にイメージ出来てしまった。『のぼうの城』のストーリーが劇画っぽいからなんだよね。なるほど映画化されるわけだ。人物造形というよりキャラ立ち、これが見事で即物語に引き込まれる。秀吉の小田原攻めに際し、北条家の支城のぼう様成田長親の城を攻める石田三成の大軍という大きなストーリーはあるんだけど、この物語の良さは人物の面白さ。痛快時代劇でした。
 娘の作品が展示されるというので十日町・中魚沼郡児童生徒発明工夫模型展へ行ってきた。なんと会場入り口に娘の作品が展示されていてその上大きな金の札が付けられていました。娘は大喜び。今回の作品は初めての共同製作でした。保育園からの仲良し3人娘で夏休みの毎日寄り集まってせっせと作り上げた作品でした。テーマは「縄文時代の衣食住」。直径90センチの縄文の村に川が流れ住居があり、そこで布を編む人、土器を作る人、狩りや魚をとる人、子供や老人などが生き生きと暮らしている様を作り上げました。子供達だけで楽しんで作った感じも作品に表れていて、温かくユーモラスな縄文人が楽しいです。3人娘に拍手拍手拍手。
BEATLES『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』
 「ちょっと前にはみんなが聴いてるから俺はビートルズは聴かないっていう人がいましたよね、でも、これは聴かないとバカだっていうのがみんなわかったと思うんです。」このレココレ誌上における杉真理発言に刺激されて聴き返したビートルズも前期を終えて中断が入り今日から後期ビートルズへGO! GO! 先ずは苦手な'67年『サージェント・ペパーズ....』。トップの「サージェント・ペパーズ...」から3曲目「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイアモンズ」まではおっいいぞ!と思うんだけど、あとはだんだんと気力が萎える。退屈しながら聴き続けラストの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」でああ終わったと安堵。リリース当時に聴いた人と違い、'70年代中頃に聴いた俺にはただただ退屈だった。今聴いてもやはり退屈だな。ポール主導の本作なんだけど、そのポップな成熟ぶりより、同時代ならフランク・ザッパ「フリーク・アウト」の耳障りの悪さの方に俺は惹かれるんだな。


 9月17-18日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 北方謙三『楊令伝 三』読了。風雲急を告げる!北に遼を圧倒する金が興り、江南に方臘の乱。勅命下りついに禁軍童貫の遠征が始まる。史実としても宋、遼、金の国盗り物語は面白いけど、そこにフィクションとして梁山泊がどう絡んで行くのかが『楊令伝』の楽しみでもある。そうそう今回は楊令の里帰りがありました。ここは温かいシーンだった。再会から帰った楊令がついに梁山泊軍と合流、頭領となり次巻へと続く。コノツギモモアベタアヨ 
CLARE & REASONS『The Movie』
 ジェフ・マルダーの娘がバンドを組んでの最新作。ハードボイルド映画のポスターのようなジャケットといい、甘く切ない弦楽の調べにムーディーなコーラス。ロマンティックでノスタルジックな映画のような作り物、そういかにも作り物っぽさが楽しい。これは確信犯ですね。クレアのベイビー・ヴォイスも意図的で効果的。とてもよく作り込まれているので聴き飽きない。こうゆう趣味性の高いポップスは大好きです。でも次作は何処へ行くのかな?まあそれも楽しみだね。


 9月15-16日 晴れ/曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 川上弘美『風花』読了。不器用なふたりがタイミング良く結婚できたのだが、やはりぎこちない結婚生活。お互いが求めているものに確信が持てずに漂う生活。曖昧な感じが最後まで...う〜ん、川上弘美にしてはいまいち。ただし、こうゆう曖昧な感じの男女関係を、その体温まで感じさせてくれるような繊細な描きかたは、やはり川上弘美の巧さだと思い感心。
おおはた雄一『music from the magic shop』
 古いギブソンを抱えたシンガー・ソングライターおおはた雄一はギターの腕もなかなかだ、と噂には聞いていたが、彼のアルバムを聴くのは初めてだ。ジェシー・ハリスがプロデュースに加わったN.Y.録音ということでやはり聴かねばなるまい。良い曲があるし、詞も好感がもてるし、歌声もどちらかと言えば好きなタイプ。フィンガー・ピッキングの優しいタッチのギターも良い感じ。良い感じ..良い感じ..。音楽を聴いて癒されたい人ってけっこういるみたいで、だからこうゆうタイプのシンガーや歌が好まれてるのかな。俺も良いなあとは思うけど、物足りない。もっとエグ味が欲しい。アコースティックなインストだって、もっとイッちゃって欲しい。なんか...おさまりの良すぎる音楽って感じがする。悪くないんだ。どちらかといえば好きなんだけどなあ.....。


 9月13-14日 雨/曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 瀬戸内寂聴『奇縁まんだら』読了。寂聴さんの文に横尾忠則の絵が付いて満足度2倍3倍。いやあ面白かった〜ほとんど男女の艶聞(笑)。「この世で同じ世代を生き、縁あってめぐりあい、言葉を交わしあった人々の俤(おもかげ)が、夜空の星のように、過ぎて来た過去の空にきらめいている。」と寂聴。そんなふうに出会った作家達へ慈愛を込めの想い出語り。登場するのは島崎藤村から水上勉まで誰もが知ってる21人の文士達。たとえば左翼反体制の闘士と名高い荒畑寒村さん。寒村さんは90歳の時に40歳の人に熱烈な恋をして原稿用紙20枚もの恋文を1日に3度も出したことがあったという(わお〜!)。そして「この恋は肉欲が伴わないのがせめてもの救いだが、それだけに嫉妬は5倍です」と涙を浮かべて瀬戸内さんに告白したとか。大作家芸術家という人達はハートの質量がばがでかいんだな、と再認識。続編に期待大です。
Crosby,Stills,Nash,Young『Deja Vu LIVE』
 おっ!クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの新作だ!え?ほんとに??とワケもわからず飛び付きました。ちょうど車載カセット(古いねw)で毎日「サザン・マン」を聴いてる日々なので、もしかして再結成CSN&Yのライブで「サザン・マン」「キャリー・オン」などの再演が聴けたら...などと勝手に興奮したり。で、聴いてみたら " 昔に名前で出ています " 的なアルバムではなかったです。その辺はちょっと残念だけど、現在進行形現役バリバリの彼等に会えたのは嬉しかったね。このアルバムは'06年にCSNYが行ったフリーダム・オブ・スピーチ・ツアーの模様をドキュメントした映画のサントラ盤ということです。内容は反戦・反ブッシュ。デビュー時も反戦を歌い、そして40年ほど経った今現在も反戦を歌わずにいられない彼等。アメリカは常に世界のどこかで戦争をしているし、相変わらず多くの国で紛争が絶えないし、地球環境の危機より国益優先の政治家ばかりだし、なんか考え出したら辛くなった。


 9月10-11日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 ジェイムズ・ティプトリー・Jr『たったひとつの冴えたやりかた』読了。SFファンでプリンセス・プリンセスのファンなら誰でもピンときてしまうこのタイトル。プリプリのいかしたロック・ナンバー『19 GROWING UP』の歌詞に♪〜盗みだした 彼にも秘密の 女同士 少しヤバイ計画 合言葉は「冴えたやり方」 いつだってパイレーツ気取りだったよね 〜 とあるでしょ、これってこの小説の気分そのままだと思ったんだよね。本書は改訳新装版ということなので読んでみましたが、じつは以前に読んだつもりでいたんだけど、読んだつもりが読んでいなかったことに気づきました(笑)。とにかくこの邦題を考えた人(訳者浅倉久志さん?)に二重丸いや花丸を差し上げたい。もちろん小説にも。未知なる物への無垢な好奇心と冒険心、これぞ名作宇宙SFですね。
Amos Garrett『GET WAY BACK』
 エイモス・ギャレットお得意のパーシー・メイフィールド物。パーシー・メイフィールドってブルース・シンガーより作曲家としての方が有名かも、な人なので先ずは曲が素晴らしい。そしてこのブルーでムーディーな曲調はエイモス・ギャレットにとても合ってます。エイモスのギター・プレイが一番冴える曲調なのかもしれませんね。洒脱な歌声も良いけど、なによりギターのソロ・プレイが素晴らしい!ため息でちゃいますよ。歳を重ねてより艶っぽく唄うエイモスのギター。こんな年寄りになりたいけど、歌もギターも段違いに格下なもんで....(笑)。


 9月9日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 坂東眞砂子『傀儡-くぐつ』読了。坂東作品は郷愁を感じさせるほの温かい初期ホラーから『山妣』のような凄絶な愛憎劇など感心しながら読んでいましたが、本作の舞台は鎌倉時代の鎌倉とその周辺。ストーリーもさることながら、そこで暮らし行き交う人々への眼差しがあの網野善彦をおもわせる、と思っていたらあとがきに「中世の歴史認識においては網野善彦氏の幾多の著作、研究に負うところが多大にあります」とありました。非定住の人々である漂泊民の世界を明らかにした網野史観、網野の『異形の王権』読んだことで日本史の風景ががらっと変わった俺だからこの『傀儡』も興味深く読めました。あと鎌倉仏教を絡めたあたりも面白く、仏教が貴族中心から武士・一般庶民へ広がって行った鎌倉期、禅宗に浄土真宗、踊り念仏あり辻説法の日蓮ありと勉強になりました。すぐに忘れちゃうんだけどね(笑)。色即是空...南無阿弥陀仏...南無妙法蓮華経...ぶつぶつぶつ...。
Amos Garrett『GET WAY BACK』
 大好きなギタリスト、エイモス・ギャレットの新作は a tribute to PERCY MAYFIELD 。パーシー・メイフィールドは'50年代に活躍したクールでムーディーでダンディーでバラードが得意なブルース・マン。エイモス・ギャレットとパーシー・メイフィールドと言えばベター・デイズ時代の「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ」が有名ですね。ジェフ・マルダーの絶唱とエイモスの渾身必殺ギター・ソロが印象に残る名曲名演でしたが、ここではヴォーカルもエイモス自身でこれがまた良い味わいです。しばらく浸っていたいので...つづく


 9月6-7日 曇り/雨/曇り...  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 空模様が不安定で行事を催す人達は大変だ。昨日は長岡で大きな野外ロック・フェスが大雨と雷のため途中中止となった。今日も近隣各所で大きな運動会や消防演習が行われる。参加の皆さんはご苦労様ですね。俺も今日午前中はムラの道普請でしたが雨が降り出す前に作業が終わりました。
V.A.『ROCK EVERYBODY 〜 ボ・ディドリーに捧ぐ』
 ビートルズは前期を終えたところですこし中断。そのビートルズが人気絶頂でアメリカを訪れた時の記者の質問「アメリカで何がみたいですか?」に対して「ボ・ディドリー!」と答えたところ、質問者は「それはどこにあるんですか?」と聞き返したとか。ローリング・ストーンズにも似た逸話があったね。'64年だったかに彼等が憧れのチェス・スタジオ(シカゴ・ブルースの総本山)に訪れた時、一番会いたかったマディ・ウォーターズはなんとスタジオのペンキ塗りをしていたってお話し。60年代、イギリスの若きロック・スター達が熱心に聴いて真似をしたアメリカ黒人のロックンロールやR&Bやブルースだけど、当時のアメリカ白人社会ではほとんど聴かれていなかったし知られてもいなかったというお話し。さて本盤は6月に亡くなったボ・ディドリーに捧ぐという企画盤。冒頭の2曲、ボの代表曲「ボ・ディドリー」「フー・ドゥー・ユー・ラヴ」が断然かっこいい!ボ・ディドリー・ビートだよね!チャック・ベリーのギター・リフと共にR&Rギターの2大発明(笑)。セル縁メガネに四角いギターといったファッション・センスも強烈でしたね。合掌...


 9月5日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 気が付いたら9月で、9月に入ったとたんに暑さがぶり返した。
THE BEATLES『REVOLVER』
 つづく...なのにほったらかしでした。ちょっと忙しかった。店内では流れてるんだけどね。「アンド・ユア・バード・キャン・シング」がごきげんです。この曲はノーマークだったな。ロックンロールを卒業した後のビート・ナンバーとして新しい感じ。ポールのベースがブンブンうなってかっこいい。「ゴット・トゥー・ゲット・ユー・イントゥー・マイ・ライフ」の元祖ブラス・ロックぶりも凄い。そしてレズリー・スピーカーでうねるジョンの歌声「トゥモロー・ネバー・ノウズ」...なんとも凄い!エフェクトかかりまくりのサイケデリック・ロック。テープ・ループや逆回転(?)などテープ・エフェクトを駆使したロック史に燦然と輝く実験作。もう♪ アウォナホーリョーヘーン〜のビートルズじゃなくなった1966年作。クラウス・ヴーアマンによるイラストと写真のコラージュ・ジャケットが斬新だったけど、CDでは小さすぎ(笑)。ビートルズを前期後期に分けると、例えば赤盤・青盤だけど、この『REVOLVER』までが前期赤盤時代でしたね。


 9月1-2日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 熊谷達也『荒蝦夷』読了。古代東北アテルイ物なので読んでみました。族長達の腹黒さはどこか痛快だし、なにより大地にすくっと立った男達の躍動感が素晴らしい。面白かった。翻って現代日本人の、そして政治家や指導者のダメさはここに極まった感がある。福田首相の辞任。世界では良くも悪くも命がけで政治を司っている人達がいる、そんな血を見ている指導者達に日本の超ひ弱な首相が立ち向かえるわけがない。外国からは見下され、国内的にはポイ投げされる首相の座。そういえば1年前にソノ座から逃亡したアベシンゾウはまだ政治家をやっている。しかも「美しい国日本」なんていう講演をしに十日町に来るらしい。いったいどうゆう神経をしてんだろ。呼ぶ方も呼ぶ方だ。どうせ青年会議所とかのお膳立てだろうが、こんなもたれ合いが政治をダメにしているのが、まだわからないのだろうか。政治家がダメなのは選挙民が愚かだからだ。組織やしがらみから離れ、冷静に政治を考え投票して欲しいよな。書いてたらますます腹が立ってきた。
THE BEATLES『REVOLVER』
 せっかくのビートルズが福田へのムカムカで台無しだな。「タックスマン」税金取りの歌に笑えない。でもポールのへんなインド風リード・ギターにニヤリと感心。「エリナ・リグビー」はエレキの無いロックなんだなあと感心。タブラとシタールが活躍の「ラヴ・ユー・トゥー」のラーガ・ロックは元祖モンスーンかな? ああもう時間がない...ラストが超問題作の「トゥモロー・ネバー・ノウズ」だからねえ。実験的野心作なんだけど...つづく


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