●2009●

 5月29-30日 曇り/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 関祐二『蘇我氏の正体』読了。一緒に岡田英弘『倭国の時代』と坂本勝『古事記と日本書紀』を買ったので後でまとめて感想を書いてみたい。日本の古代史が楽しいのは何といっても『古事記』『日本書紀』という頭抜けたトンデモ本があるからで、これが官撰の史書であるってのが面白さに拍車をかけるわけです。ウソ八百の記述の中から珠玉の真実を見つけだす楽しさこそ古代史ロマンなのであります(笑)。今朝の新聞に奈良の箸墓古墳近辺発掘調査により築造期が推定され、それが邪馬台国の卑弥呼の死亡時期に近いことから卑弥呼の墓の可能性が極めて高くなったとありました。当然そんなことで北九州説を唱える人達が納得するはずもなく、いやあまったく面白くなってきました。古墳近辺の発掘とわざわざ書いたのは、古墳本体は宮内庁にがっちりガードされていて中を覗けないんだよね。他の大きな有名な古墳も皆同じ。これは古墳の中を調べられては困るナニカ(天皇家に関するナニカ?)があるのかなと勘ぐるしかないわけで、これも又古代史を面白くしている要因ですね。隠せば隠す程トンデモ古代史は増殖し我々を楽しませてくれるってわけです。
E.T.Mensah、Bobby Benson etc
  『MARVELLOUS BOY / Calypso From West Africa』
 『マーヴェラス・ボーイ/西アフリカのカリプソ』。まったり店で流れています。西アフリカのパームワインやハイライフといえばあの軽やかでカラフルなギターが思い浮かぶんだけど、ここではブラスが多用されていて、これが'50年代ハイライフの特徴なようです。ポピュラー・ミュージックの伝播のしかたを聴いていると楽しくて、同じアフリカのフランス領だった中央部にはキューバ音楽の影響を受けたザイレアン・ルンバが流行りそれが国民的音楽にまでなっています。考えてみれば、日本の国民音楽歌謡曲にアメリカのジャズやポピュラー・ソングが大きな影響を及ぼしたのと同じ事が世界中でおこっていたわけですね。音楽は世界を廻る。


 5月27-28日 雨・風・雷/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 平岩弓枝『小判商人...御宿かわせみ33』読了。大川端町の旅籠「かわせみ」に寄らせてもらってます。馴染みの人達に会えて、面白い話しを聞かせてもらい、ほほう〜そんなことがあったのかい、なんてね(笑)落ち着きますねえ。子供達が会うたびに(読む度にだけど)大きくなっていてびっくりで、年に1〜2度文庫本で会うだけだからその成長が楽しみだったりする。でも時代はいよいよ維新に近づき、かわせみの皆さんにどんな明治が待っているのか心配だったりする。
E.T.Mensah、Bobby Benson etc
  『MARVELLOUS BOY / Calypso From West Africa』
 『マーヴェラス・ボーイ/西アフリカのカリプソ』2009年、英オネスト・ジョンズによる'50年代モダン・ハイライフの編集盤。俺はこの中ではガーナのE.T.メンサーしか知らなかったけど、なるほどまったり面白い音楽が詰まっている。あ..時間がない。つづく


 5月25-26日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 鈴木カツ『クラシック・カントリー&フォークを創った180人』をパラパラ読み。以前『ハート・オブ・アメリカ〜カントリー・フォーク決定盤』の名で出ていたけど絶版になっていた本で、俺も一時古本で探してました。再発されてよかった。
EMMYLOU HARRIS『SPYBOY』
 
整理しようと眺めていたVHSテープの中に『SPYBOY』があったので、ちょっとと思い見始めたらハマってしまった。ちょうバディ・ミラー夫妻の新作を聴いていたこともあってグッド・タイミング。'98年のライヴなんだけど、何がかっこいいってそりゃバックの演奏だよ。もちろんエミルー姐さんの素晴らしさは言うまでもないけどね。若い頃の清楚な歌声からちょっと鼻に掛かったハスキーな声に変わり、その泣きはらした後のような歌声がドラマチックで、この当時51歳の歌声も好きですねえ。それでバンドだけど、エミルー・ハリスと言えばカントリー・クイーンなわけで、ある意味アメリカの保守的白人社会の人気者なわけです。そんな彼女がカントリーのステージにふたりの黒人ミュージシャンとオルタナ・カントリー男と共に登場したわけで、これはやはりちょっとした冒険というか正統派カントリーからの離脱宣言なわけで、その定位置に安住しない彼女のアグレッシヴな姿勢にロック・ファンは拍手を贈ったものでした。それでバンドだけど(笑)、凄腕ギタリストにして本作のプロデュースにも名を連ねるバディ・ミラー、そしてベーシストのダリル・ジョンソンとドラマーのブレディ・ブレイドという2人のニューオリンズ黒人男。彼等のしなやかで力強いグルーヴは所謂カントリーのビート感とは違うけど、でもエミルー姐さんはまったく違和感なくバンドのグルーヴを乗りこなしてる。流石です姐さん!


 5月23-24日 晴れ/曇り/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 高城高『凍った太陽』読了。昭和30年代初期の日本ハードボイルド黎明期の名作とあるけど、たしかに暗い情感を乾いたタッチで描きリアルな味わいを持つハードボイルド小説集だった。巻末のハードボイルドについてのエッセイ「われらの時代に」ではヘミングウェイについて述べ、第一次大戦に参加し、戦争の無意味さと名誉とか犠牲とかの抽象的な言葉の虚偽を知り深い傷を負った " 失われた世代 " からハードボイルドは生まれたとしている。それでは第二次大戦後の日本に " 失われた世代 " は生まれたか?と考察し、日本では終戦というより敗戦の衝撃が大きくて、戦争ボケであったり伝統と因習への盲従という無気力感が世代を覆ったと高城は書いている。でも俺はこの昭和30年代のハードボイルドを読んで思うのだが、やはり俺達30年以降に生まれた世代とは明らかに違った暗く酸っぱい人間臭さを感じる。兵隊として戦場で行ってきた男達、米軍の空襲に襲われた銃後の民衆、そんな多くの日本人は " 死と暴力 " が身近にあった人達だ。そんな日本人が生きた敗戦後の日本には「りんごの歌」の明るさの裏には、俺にはうかがい知れない心の暗部があったと思う。だから俺はこの高城のハードボイルドが持つ暗さと酸っぱさにリアルな怖さを感じてしまう。とか書きながらも印象に残ったセリフはといえば、...男が電灯のスイッチに手を伸ばす...女はスーツのボタンを外しながら...「つけておいて...」「消したらほかの男と同じになってしまうわ。あんたの顔、見ていたいのよ」。こんな女と出逢えるのもハードボイルドの愉しみなんだよね。
BUDDY & JULIE MILLER『Written In Chalk』
 ロバート・プラント、エミルー・ハリス、パティ・グリフィンも参加している渋〜いアメリカン・ロック。ザ・バンドに似ていたりで聴くほどに味わい深い。エミルー・ハリスのスパイボーイで名を上げ、ロバート・プラント&アリソン・クラウスのツアーにも参加している玄人好みのギタリスト、バディ・ミラー。彼と奥さんジュリーのデュオ・アルバムを聴くのはこれで2枚目だが、やはりどこか慎み深く美しい音楽だと思う。世の流行に流されず、自分の大切な音楽を丁寧に作り続けるこうした50〜60代の人達がいることがロックの本家たるアメリカってことですね。


 5月21-22日 晴れ/曇り/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 店番の暇つぶしに萩原健太の『ロック・ギタリスト伝説』をぺらぺら拾い読みしている。萩原は俺と歳が同じなので、様々なロック・ギタリストを語る時のロックの時代風景が同じ感じなので読みやすい。その上ギタリストでもある萩原なので、そのミーハーぶりも楽しめる。
寺尾紗穂『愛の秘密』
 シュガーベイブのベーシストだった寺尾次郎の娘なら、まんざら他人でもない?シュガーベイブは生で2回見てるから(笑)。ストレートの長髪を真ん中分けした彼女のモノクロ・ピンナップを眺めながらこのアルバムを聴いていると、'70年代の渋谷の街を想い出す。道玄坂から百軒店あたりの坂を颯爽と髪を揺らせながら降りてくる彼女がそこにいる。おやおやそれはよく見ると大貫妙子だったり。実際山下達郎や大貫達シュガーベイブがその坂を降りてくるのに遭遇したことがあったっけ。このアルバムの主人公寺尾紗穂の歌・ピアノ・曲から大貫妙子や吉田美奈子や矢野顕子や金延幸子達の影響が聴き取れるのは確かだけど、それは彼女達が'70年代最良のシンガー・ソングライターであったということで、良い音楽同士が似てくるのは不思議じゃない。寺尾の清涼かつ端正な歌世界に、大貫の柔らかさと矢野の大胆さが加わればより楽しめる気がするけど、これはこれで今時の草食系男子に受けそうな気もする。Jポップに充満してる " 日本語のムダ使い " が彼女の詞にないのも救いだな。


 5月19-20日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 恩田陸『ブラザー・サン シスター・ムーン』読了。読みながら、恩田陸のことだから突如ホラーになったり、またミステリが顔を覗かしたり、気が付けばパラレル・ワールドだったり...何か小説の中に仕掛けがあると思っていた。ところが素直な私小説風青春小説だった。これはこれで楽しい。ここに出てくるジャズ研は早稲田大学モダンジャズ研究会のことだと思うけど、このレギュラー・コンボに関する話しは面白いから、これだけで一遍の青春ジャズ小説が生まれても良いように思えた。
カーネーション『ジェイソン』
 新生カーネーションの第一弾シングル盤。まあ相変わらずといえば相変わらずな男臭いロックだ。で、男臭さの中から美メロが涼しい顔してすーっと溢れ出すから油断できないぞ。ドラムの矢部浩志が抜けたのはとても残念!彼のダイナミックなドラミングと曲作りにみせる上質なポップ・センスに注目していたからね。持病の椎間板ヘルニアの治療に専念するための活動休止ということですが、全快して再びカーネーションのステージに立って欲しいと切に願う。


 5月17日 雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 雨の中、みんなが田植えに忙しそうだ。夜になるとカエルの鳴き声が賑やかで、俺も負けずにボトルネック・ギターを弾いてみる。ビンテージ・ミステリの名作、ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』ってやつを読んでみた。こうした探偵(本格)推理小説は相変わらず苦手だと再認識した。TVでやってる『名探偵の掟』みたいなパロディに笑えるのは、ひとえにこうした本格ミステリの名作があったればこそ、なんですね。
『P-FUNK GUITAR ARMY/Tributes To JIMI HENDRIX vol.1』
 P-FUNKの導師ジョージ・クリントンのプロデュースによるジミ・ヘンドリックス・トリビユート'94年盤。ジミ・ヘンの曲がひとつもないトリビユート盤とはなんと気高い(笑)。P-FUNKの看板ギタリスト、エディ・ヘイゼル、マイケル・ハンプトン、ブラックバード達が " 俺のジミヘン " をオリジナルで聴かせる熱い魂の音盤だ。ギターが唸るギターが吠えるああやっぱり気持ちE〜なあ。


 5月15-16日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 ♪ずっと夢をみて 今もみてる 僕はデイ・ドリーム・ビリーバー そんで彼女はクイーン
ザ・タイマーズ『THE TIMERS』
 ♪〜 Hey Hey We're THE TIMERS ! timerを持ってる いつでもどんな時も timerを持ってる〜 って、おいおいまったくやんちゃな先輩だぜ、と楽しませてくれたヤツがいた。ヤツが亡くなって、ヤツの歌う姿が見たくてYou Tubeを漁ってたらタイマーズのTV生出演てのがあった。れいのあのヘルメット姿でヤツに似たZERRYが歌っていた。♪〜FM東京 政治家の手先 このおまんこラジオ!〜 って、おいおいまったくパンクな先輩だぜ!と懐かしくてまた悲しくなった。すっかり名ばかり肥大しカリスマ化した矢沢永吉や、ヒットの連発に疑問も感じず大衆歌謡となった桑田佳祐、まして松山千春がヘビメタ化したようなX JAPANにヒイヒイうるさいだけのB'zなど、そんな名ばかりの日本ロックにガツンと一発臭い屁を浴びせて♪〜 気がつきゃ軽いサウンドばかりじゃござんせんかい 何を歌ってんだかよくわかんねぇ 英語だかなんだか聞きとれねえ様な サウンドばっかりでごぜえやす 〜 俺はしがないロックンローラー 義理も未練もありゃしねえ〜 と歌うヤツ似のZERRY。ヤツは死んで " 反骨・反権力のロッカー忌野清志郎 " とマスコミに呼ばれたけど、まてよおい!と俺は思ってた。ロックもフォークも反権力なんて大前提なわけで、そんなことわざわざ言うなよ書くなよ、と思ったよ。でもじっさいは媚びたロックや仲良しフォークだらけの世の中でございましてね。つまんねえなあまったく。政治や社会を痛烈に諷刺したこのアルバムから出たヒット曲が元歌モンキーズとなる「デイ・ドリーム・ビリーバー」。もちろん曲が良いし清志郎の(おっとZERRYの)詞も歌も素敵だからヒットしたんだけど、ここの出てくる「夢」は今流行りの " 夢を持とうよ、夢はきっと叶うよ " みたいな馴れ馴れしい気軽さとは違う。これはロックの夢なんだ。60年代ロックのラヴ&ピースを信じたかったそんな夢。だからロックがわからない奴等にはこの「デイ・ドリーム・ビリーバー」の苦い甘さはわからないだろ?まあいっか、俺もなんだかわかんなくなってきたよ(笑)。まいっか♪〜まいっか♪〜by上戸彩


 5月14日 曇り/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 13日は小売酒販組合の総会で半日つぶれた。で、エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』。探偵小説や推理小説を含めた所謂ミステリの創始者がポーだと意識したことはなかった。たしかに「モルグ街の殺人」は推理小説だし探偵小説でもあるしね。なるほどなあ。19世紀前半に書かれたことを想えばまさにヴィンテージ・ミステリの味わいだよね。しかもこの犯人このオチは怪奇さは19世紀的で楽しい。「黄金虫」の暗号解読と宝探しもやはり19世紀的でそこがまた面白い。ポーはミステリ小説だけでなくゴシック・ホラー小説でも有名だしもちろん詩人としても有名なんだけど、この文学的多才さは彼が雑誌編集者だったことに関係があるという説に興味が湧いた。ミステリというジャンルは雑誌の興隆と無縁ではなかったのだな。
MELODY GARDOT『MY ONE AND ONLY THRILL』
 本作プロデューサーのラリー・クラインは以前ジョニ。ミッチェルの年下旦那だった人で、当時は " ジョニの七光り " と呼ばれていた(笑)。でも立派にプレイヤー&プロデューサーとして才能を開化させ今日に至る(超簡単な経歴 W)。メロディ・ガルドーのメジャー第一弾となるセカンド・アルバム、メジャーなだけに、いきなり甘美でゴージャスなストリングスから始まります。ストリングスとアコギとボサノヴァが本作の特徴かな。やたら長い歌詞とそのリズムの乗せ方にボサノヴァを感じさせる曲が印象的。だがトータルな雰囲気はJAZZY not JAZZ。売れセンでありながら楽曲とサウンドのクオリティは高い。彼女の曲作りとクラインのサウンドがある種の緊張感も漂わせながらも見事に融合していて思わず引き込まれる。ただし3日もずっと聴いていたので、そろっと違った刺激が欲しくなってきた(笑)。


 5月12日 曇り/  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 さぼってます。あれやこれやもろもろばたばたで日記さぼってます。エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』はとうに読み終えてますが。
MELODY GARDOT『MY ONE AND ONLY THRILL』
 メロディ・ガルドーの新作をずっと聴いています。やけにオトナの音楽なのに、彼女まだ24歳だってさ。つづく


 5月8-9日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 今日は娘の学校行事チャレンジウォーク30Km。8:40分に津南中等高を出発して信濃川の左岸右岸を歩いて十日町市土市で昼食して折り返し、国道117で学校へ帰って行くルート。午後3:35分ようやく娘が我が家の前を通過、けっこう尻の方だった(笑)。でも表情からは余力が伺えたので一安心。夕方、足を引きずり顔を赤くした娘が完歩賞7時間42分の賞状と共に帰ってきました。父は娘に約束したビーフシチュー(豚肉入り)を作ってあげました。
矢野顕子『akiko』
 マーク・リボー絡まりで矢野顕子'08年の新作。T・ボーン・バーネットのプロデュースでマーク・リボーやジェイ・ベルローズといったクセ者達を迎えてのアルバム。結局一番のクセ者はアッコちゃんだったという結末が痛快。瞬発力溢れるメロディーに独自のシンコペーションを持つピアノの前にT・ボーン達もややおとなしいかな。でもアッコちゃんがとても伸びやかに歌えてると言うことは、バックがそれだけ頼もしいってことだからね。はい良いアルバムです。


 5月6-7日 曇り/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 嶽本野ばら『下妻物語』読了。おじさん胸があつくなったよ(笑)。ヤンキーちゃんとロリータちゃんのお笑い満載(思わず吹き出すよ!)の青春友情小説なんだけど、解説の吉田伸子が指摘するように、異端であることの孤高を重んじる精神の気高さ(おおっ高尚だ!)に拍手を贈りたくなる物語でした。ぱちぱちぱち。続編も文庫になったら読もう。
TOM WAITS『RAIN DOGS』
 '85年のトム・ウェイツ。初期の酒場の酔いどれビートニク詩人がジャージイに唸るって風情から、ここではさらに迫力が増してその叫びはハウリン・ウルフかキャプテン・ビーフハートのごとき。ダーティーでデカダンでストレンジ(我ながらいいかげんな表現だなあW)なサウンドに一役も二役も買っているのはマーク・リボー、キース・リチャーズ、ロバート・クイン、クリス・スペディング、G.E.スミスといったクセ者ギター弾き達。特にマーク・リボーのストレンジな単弦プレイは耳に残る。少ない音数でズバッと曲の情景を切り取る様は、俺が名付けるに「HAIKU・ギター」だな。俳句ギター(笑)。饒舌に繰り出されるウェイツの言葉をネイティヴに味わえないのがじつに残念だ。


 5月5日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 ゴールデン・ウィークも残すところ1日だ。といっても俺は休み無しに働いている。仕事が好きだからじゃない。なんとなく休めないのだ。我が家の完全休業日は元日だけ。年に1日の休みだぜ!何故こうなったかと思うに、うちの両親は店を休むということに罪悪感のようなものを持っていたからだ。これに対して俺がいくら「休んでもいいんだよ」と諭してもまったく効果なく今日に至る(笑)。必要以上に世間体を気にする家に生まれ育った俺がロックに目覚めるのは必然だった。ロックを愛する事情は人それぞれだろうが、俺が今でもロックから離れられないのは、いつもどこかに不満や不安を抱えているからだと思う。志は高く、目線は低く。少数派を厭わず、常に権力を疑う。忌野清志郎は反権力のひとだった。だから日本では信じられる数少ないロックンローラーだった。
Ramblin' Jack Elliott『A STRANGER HERE』
 ランブリン・ジャック・エリオット、77歳の新作は戦前ブルースのカバー集。ジイサンになった清志郎のブルースを聴きたかったなと思い切なくなる。さてエリオット、ウディ・ガスリーとボブ・ディランとを繋ぐ最重要人物こそランブリン・ジャック・エリオットだと思っているのだが、そんなフォークの神様がオール・ブルースのアルバムを吹き込んだと言うんだから、しかもプロデュースがあのジョー・ヘンリーだと知ればコチトラの血が騒がないわけがない。アメリカのダーク・ビターな心象風景を見事に音像化する才人ヘンリーが組む相手としてエリオットはまさに適任だった。この見事な出来映えのアルバムがその証拠だ。ブラインド・レモン・ジェファスン、レヴァレンド・ゲイリー・デイヴィス、ロニー・ジョンソン、ブラインド・ウィリー・ジョンソン、ミシシッピ・ジョン・ハート、サン・ハウス、タンパ・レッド、ファリー・ルイス、リロイ・カー、ウォルター・デイヴィス、この偉大なブルース・マン達が残した曲を力むことなく深く味わいのある声で歌うエリオット。彼もまたフォーク・シンガーとして偉大な彼等に連なるひとりなのだ。ここで主人公エリオットを支えるミュージシャンも素晴らしい。シンプルで豊潤なサウンドを演奏するのはヘンリー・プロデュースの常連グレッグ・リース、ジェイ・ベルローズ達とロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴそしてあのヴァン・ダイク・パークス。ラスト・ブルックリン・カウボーイが21世紀に残した極上のブルースだ。ありがたく聴くしかない。


 5月3-4日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 福井晴敏『Op.ローズダスト』下巻読了。緻密なうえに凄いヴォリュームで活字に溺れそうになりながらもようやく全3巻を読み終えた。長すぎた物語に、良いシーンやエピソードが埋もれぎみに感じられた。ひとりひとりの奮戦が冴えていただけに、長ったらしい " 思考 " の部分に邪魔されてそれが残念だった。面白い物語なだけに...。
『RESPECT! KIYOSHIRO IMAWANO』DVD
 あんなヤツが逝ってしまった盟友チャボならそういうだろうか。日本の生んだ偉大なるソウル・マン日本の生んだ偉大なソング・ライターキング・オブ・ロックンロール最高のヴォーカリストフロム中央線国立
 サンキューあんなヤツ忌野スウィート・ソウル清志郎!!!
♪悲しい気分なんかぶっとばしちまえよベイビー ドカドカうるさいR&Rバンドさ〜
....ってさ、清志郎が逝っちゃってこんなに悲しい気分になるとは思ってなかったよ。♪ずっと夢見させてくれてありがとう 僕は Day Dream Believerそんで 彼女が クイーン〜.... いかしたロックンロールなアニキだったんだよな。ちくしょー

 そして佐藤進君、同じ2日に逝きました。20代の頃、十日町市民会館で何度も一緒にライブをやったバンド仲間だった佐藤君。交通事故という突然の死、まだ50歳だった。俺ほんとうにたまらなく悲しいよ。ご冥福をお祈りいたします。合掌


 5月1日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 鯉のぼりが目に付きだす今頃の季節が一年で一番いいかもしれないね。我が家のブナ林へ行ってきたいし、たまには林の手入れもしなくちゃなあ。
小川美潮、浜田真理子、ううあ、吉田美奈子、サンディー他
  『にほんのうた 第三集 春のうた』
 日本の童謡・唱歌のカバー集第3弾は春のうた。歌い手と曲は小川美潮「花のまち」、サンディ「うれしいひなまつり」、ショーン・レノン「櫻」、加川良「靴が鳴る」、ううあ「春が来た」、真城めぐみ「花」、曽我部恵一「荒城の月」、吉田美奈子「早春賦」、ムッシュかまやつ「春の小川」、bird「月火水木金土日のうた」、浜田真理子「春の唄」の11曲。まずは「花のまち」が美しい。作詞江間章子が敗戦後昭和22年のガレキの町に立ち " 私の幻想の街 " を思い作ったとあります。♪七色の谷を越えて 流れていく 風のリボン 〜。小川美潮の素直な発声が曲の美しさ悲しさをよく表しています。そして真城めぐみ+片寄明人+小暮晋也のロッテンハッツ組による「花」は作曲瀧廉太郎21歳の才気を感じさせるモダンな曲と再確認。アメリカのフォーク・ソングのような演奏に好感が持てます。bird歌う「月火水木金土日のうた」の作詞谷川俊太郎はこの詞で1962年のレコード大賞作詞賞を受賞とあります。本盤で唯一知らない歌でした。良い歌だからもっとみんなに歌われたらいいのにね。本盤中一番アヴァンギャルドな演奏なれど可愛く元気のいい仕上がりです。浜田真理子の歌う「春の唄」は昭和12年の"国民歌謡"だそうです。歌い出しの♪ラララ〜がとても素敵です。彼女のキレイな発声によって歌に羽が生えて軽やかに空の舞っている、そんな感じに胸がきゅんとします。昭和12年といえば日中戦争(支那事変)が勃発し、戦時体制となっていく時代。そんな世相にこの歌がどのように歌われたのか、しばし考えてしまった。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps