●2009●

 6月29-30日 晴れ/曇り/雨/  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 北方謙三『血涙 上下巻』読了。「...剣技がどうのという段階では、もはやない。技のぶつかり合いではなく、意地のぶつかり合いでも、生命そのもののぶつかり合いでもない。強いて言えば、哀しみと哀しみのぶつかり合いだった。」武門に生きる楊家の兄弟達が宋と遼二国に別れぶつかり合う。楊家将の続編であり、水滸伝から楊令伝へと繋がる英雄達のクロニクル。
LDK(友部正人ふちがみとふなと)『二つの午後』
 アット・ホームな録音なのですね。NYの友部さん宅とそして京都のふちふなさん宅キッチンでの録音。ちっちゃなデジタルレコーダーと付属のマイクによる録音だそうです。集音された音楽からは、お三方の生活におじゃましての生身のヒソヒソ感や秘密のタクラミまで見えてきそうなそんなミニ・アルバムです。シリアスかユーモラスかで言えば(大雑把で失礼ですねw)、友部さんの歌世界はシリアスだし、ふちふなさんの歌世界はシリアスとユーモラスが同居してる、そんな3人が一緒に作る音楽ってどんなんだろ?友部さんがユーモラス路線の名曲「ゆうれいなんていかしてる」や「ガーディナーさん」のような曲をふちふなさんと歌うのも楽しいなと想像したり。で、出来上がったアルバムですが、シリアスですね。「歌う人」のような真面目な歌世界。お馴染みの曲が多くて、どの曲もとても丁寧に歌われています。何処かにふちふなさんらしい " 楽しさ " が加味されていたらとも思うのですが、それは欲張りでしょうかね。さあて来る8月30日の共演ライブに期待大ですよね。


 6月27-28日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

『FUKUYAMA MASAHARU 20th ANNIVERSARY
  WE'RE BROS. TOUR2009 道標』
at 朱鷺メッセ
 芸能界のトップスター福山雅治のコンサートへ行って来た。娘が福山の大ファンだし、福山のツアー・バンドなら俺も生で聴いてみたかったからカミさんと家族3人で見参したのだった。新潟市朱鷺メッセはひどい会場だったけど、内容は流石と思わせるものだった。
 甘いマスクに甘い声に甘いメロディーと三拍子揃って、売れてるワケが骨身に沁み込む程存分に判った。ギター姿もかっこいい!(ちくしょ〜)。このテの(芸能人アイドル)コンサートはなんとキャンディーズ以来だった。たとえばボブ・ディランやローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなど、世界的にみれば福山など足下にも及ばない大スターのコンサートには数多く行ってるけど、日本の芸能界スターのコンサートに於けるこの一種宗教じみた熱狂は正直ちょっとコワイ。一万人が一緒に同じく手をうち振るのって俺にはどうもね。まあ皆さんそれぞれの楽しみ方について深入りはよそう。
 さてバンドのメンバーだけど、すぐわかったのがキーボードでバンマス(キャプテンだそうだ)の井上鑑、そしてギターは小倉博和と鎌田ジョージ、ベースは井上富雄だったしパーカッション三沢またろう、あと紹介で判明したのがドラムの鶴谷智生(新潟明訓高校出身)、トロンボーンはなんと村田陽一(元じゃがたら、ソリッドブラス!)、そしてコーラスにはあの「おどるポンポコリン」の坪倉唯子がいたし、まだヴァイオリンとサックスとトランペットがいたが名前は聞き取れなかった。とにかくゴージャスな編成で凄〜く巧い。あの有名なTV「ガリレオ」のテーマなんかブラスが効いていて超かっこいい。
 福山の曲だけど、年の功なのか昔の曲より今の曲の方が深みが感じられた。予備知識も思い入れもないから、それぞれに面白かったけど、若いときの曲は"若造"な感じがプンプン匂ってやはりアイドルって感じが強い。比べて今の曲は落ち着きがあるけど、ただ回想モードが逆に気になる曲もある。ヒット中の「化身」のような♪我は愛のケモノ〜なんちゅう歌詞はスターじゃなきゃ恥ずかしくて歌えないよな、と実感(笑)。


 6月25日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 浦沢直樹×手塚治虫『プルートウ 08』別冊ふろくが2冊付いてついに完結!ああ凄面白かったなあ。原作は俺が『鉄腕アトム』の中で一番印象に残っていた「史上最大のロボット」で、この印象深さは俺と同世代のアトム・ファン共通であったらしい。その原作をよくぞここまで膨らませて楽しませてくれた浦沢直樹にブラボーだ。アトムとプルートウが泪を流しあうシーンの悲しみ、「憎悪からは何も生まれないよ」と話し跪き倒れるゲジヒト。ロボットの哀しみは人間の醜さにより作り出された。手塚治虫がアトムで表現したヒューマニズムは浦沢直樹にしっかりと受け継がれていた。それにしても剛腕ウラサワナオキ
パンタ&HAL『マラッカ』
 「まるでラリー・カールトンじゃん!」('79年当時最高のホメ言葉)と言わしめた「マラッカ」のソロを弾いてるのは当時若干21歳の若武者今剛。今剛の新作につい手が出ちゃうのも、このマラッカのソロゆえ。このアルバムは冒頭の「マラッカ」そして「つれなのふりや」と「裸にされた街」の3曲が入ってることで俺の中では超名盤。プロデュースが鈴木慶一ってのも当時としては意表を衝かれた感じだった。ただムーンライダーズも一番尖っていた時期だったから、このパンタ×慶一の組み合わせは成功だったんだ。ちょうど'79年か'80年のライダーズのライブに行った時、客席後方で黒い革ジャンのパンタとすれ違ったよなあ(回想)。とにかくこのアルバム、若々しさが勢いとなったような爽快感がいい。パンタも若いけど逞しいアニキだ。♪俺の舟にのりたいかっ、俺と海をわたれるかっ、俺に舵をまかせるかっ...と歌われると、まるでパンタの逞しい腕でグイグイとひっぱられる快感を覚える。パンタの歌声って逝っちゃったキヨシローと一緒で、日本語を明確に歌うんだよね。ほんとに伝わるように歌う。一見ぶっきらぼうだけど実に誠実な歌声で♪浮気な時間はいつだって 勝手に流れをかえちまう...と歌われると、切ない気持ちといっしょに鈍色の空の隙間からほんのりと陽がさし始める気配も感じらる。ほんとうの優しさが歌声にこもっているからだよ。


 6月24日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 そのまんま東のような " みえすいたオトコ " がイヤでしょうがない。
パンタ&HAL『マラッカ』
 
  祈りをわすれたシスター
  ことばを失くした詩人
  笑いを拒んだ子供たち
  叫びを捨てた Rockn' Roller

  浮気な時間はいつだって
  勝手に流れをかえちまう
  ことわりもなしに突然に
  追いかけても無駄なことだよ

   裸にされた街に
   渇ききった風が 砂ぼこり舞いたて
   愛しすぎてた街に
   色とりどりの朝がまたくる
   ........中村治雄「裸にされた街」より


 6月23日 曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 今日は姉の27回忌だった。50過ぎの見事にオッサン化した弟を見たら、29歳で逝ってしまった姉は指差して大笑いするかもね。
JIMI HENDRIX『ELECTRIC LADYLAND』
 最初に聴いたジミヘンのアルバムがライブの『イン・ザ・ウエスト』だったし、なんと言ってもあのモントルーのライブ映像が衝撃的で、だから俺の中のジミヘンは1にライブ・2にライブだったわけよ。 ワリを食ったのがこの名盤の誉れ高いスタジオ盤『エレクトリック・レディランド』。聴いたのが70年代も中頃だったせいか、そのサイケ風味がちょい古いじゃんて感じだった。ジミヘンのバンドでギターが2・3本も鳴ってるのに違和感を憶えたりもした。だってライブのジミヘンしか聴かなかったからね。でもね、おかしなもんで、今久しぶりにコレ聴いていて思うのは、ぜんぜん古くないじゃん!てことなんだよね。'60年代後期に花開いたロック・ムーヴメントの先頭を走っていたジミだったけど、雰囲気に呑まれることなくじつにクールなのだ。サウンドにぶっとい軸があり、各プレイヤーも生き生きとしている。最先端を突っ走る意気込みがある。だから古臭くなるなんてことは絶対になかったのだ。サイケで古臭いと感じてしまったあの時の俺こそが、60年代サイケの幻想に囚われていたのだった。
 ジミ・ヘンドリックス! フォロワーらしき人達も少しはいたけど、ジミの音楽と似ることはなかった(できなかった)。あの瞬発力と破壊力はロック界随一だと今でも思う。まだ聴いていないんだけど、クラプトンとウインウッドが共演した昨年2月のライブでは、ジミの曲が3曲も演奏されたという。クラプトン、ウインウッドというまさに60年代ロックのスターふたりが、今ジミを歌う。彼等にとってジミ・ヘンドリックスは盟友でありまたアイドルだったのかもしれないね。


 6月21-22日 晴れ/曇り/雨  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 北方謙三『楊令伝 九』読了。「疾駆しながら、童貫は何度も喜びに襲われた。...勝敗にこだわってはいなかった。...こうやって駆けられる日を、ただ待っていた。...童貫。闘っている。同じ戦場を駆け回り、お互いを求め合っている。」「...楊令の心はふるえていた。...自分がどう動いたのか。まだ、雷光の上にいた。...童貫の馬。馬だけだ。」.....嗚呼....ふぅっとため息。衰退する王朝があり、芽生えたばかりの国がある。スピィーディーでスリリングでスペクタクルな合戦描写は超怒級。至福の読書だった。
JIMI HENDRIX『ELECTRIC LADYLAND』
 マツダのTVCMから「クロスタウン・トラフィック」が流れてきた時、そのあまりにクリアなサウンドから今時の誰かによるカバー・ヴァージョンかと先ず考えたが、それにしてはヴォーカルがジミに似すぎているし...、と思いながらCMを見ていると小さくJIMI HENDRIXとクレジットが出た。やっぱ本人か。これってCM用にイコライジングなどしてサウンドをかなりシェイプしたに違いない。世紀を越えてもジミ・ヘンドリックスは変わらずにカッコイイな。つづく


 6月20日 晴れ/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 娘の学校の運動会だった。津南中等高の運動会は始めてだったけど、あのグラウンドは懐かしかったな。高校の3年間サッカーに明け暮れたグラウンドだったから。当時はサッカー部、野球部、陸上・スキー部が場所を分け合って使う窮屈なグラウンドだったけど、雨が降るとサッカー部独占状態となり、サッカーをフル・コートで使うことができた。放課後雨が降っていると急に生き生きとグラウンドに飛び出す俺達。雨のゲームになるとめっぽう強いから、対戦相手から「雨の津南」と恐れられたって話しは俺達の頃すでに伝説だった(笑)。
今剛『2nd ALBUM』
 ファースト・コールの呼び声も高いギタリスト今剛のソロ・アルバム。よく練られたギターの音色と昨日書いたけど、エフェクトの使い方がこなれているからソレと判らないところが巧い。あくまでもギターの最上の音を引き出してる感じが老練だね。ギター好きにとって嬉しいのは、一曲ごとの使用ギターとアンプ・エフェクトの説明が載っていること。しかもギターの写真も添えてあって。「マンドリン・ドリーム」という曲があって成る程と思ったのは、今剛がアコギはもちろんペダル・スティール・ギターを弾くのを知っていたし、また彼がカントリーやブルーグラスのファンでマンドリンも得意だってことも知っていたからだ。そうなんだよね、彼はセッション・ギタリストには珍しく「黒人系」の薄いプレイヤーなんだ。なんかこのへんから今剛のオリジナリティーの源が見えて来そうな気がする。セッション・ギタリストのソロ・アルバムとしては上々の出来。巧すぎて俺なんかの参考にはならないけど(笑)。


 6月19日 晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳『さよなら、愛しい人』読了。やっぱりこれは最高だ。久しぶりにしかも村上春樹の新訳で、もうそのキレのいいセリフにシビレながら読みましたよ。私立探偵フィリップ・マーロウがムース・マロイにでっくわす冒頭があり、マーロウと ミセス・グレイルの艶っぽい中盤があり、そしてマーロウ、グレイル、マロイによる結末がある。グレイルとマロイが物語の中心なのに、このふたりが登場する重要な場面は先の3回だけ。この3場面をつなぐシャープな展開と脇役達の人物描写の素晴らしさ、そして常に繰り出されるマーロウのワイズ・クラック(へらずぐち)。好意を寄せてくれる女性に「何かにつけその手の言いまわしをしなくちゃ気が済まないのね」と呆れられ、「シェークスピア的タッチと言ってもらいたい....」と返すマーロウ...(笑)。楽しかった!至福の読書だよねえ。
今剛『2nd ALBUM』
 ギタリスト今剛、この男もすっかり古強者となった。パンタ&HALの'79年作『マラッカ』で初めて聴いて、新鮮なリード・プレイを披露してくれた今剛は以来ずっと俺の中で要注意人物だった。いまでは大物ミュージシャンのバックにはいつも今がいるって程の超売れっ子ギタリスト。そんな彼の29年ぶりのソロ・アルバムだ。先ずはギターの音色が抜群に良いね。クリアーでぶっとい、じつによく練られた音色だよね。つづく


 6月14-17日 曇り/晴れ/雨/曇り..  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 気忙しい日々に埋没する日記。Macの前にはいるんだけど他の仕事が多くてね。8月30日に決まった友部正人さんとふちがみとふなとさんの津南ライブのポスター&フライヤーを作るのが最優先だったのでした。じきにWEBにも載りますので大いによろしくお願いします。
青山陽一『HOME FEVER』
 青山陽一が鈴木博文宅湾岸スタジオで録音したアルバム。青山のメトロトロン時代だから初期の作品だったかな。たしかこのアルバムでブレイクしたんだよね。小ブレイクだけど、俺もこれ初めて聴いて青山陽一はなかなかヤルな!と思ったもんね。彼ひとりの多重録音がすべて基本になっている宅録の見本のような出来なんですね。軽くソウル寄りなロックってのがかっこいいと思う。ベースもグイグイとノリノリでいいね。青春のロックだなあ。


 6月10-13日 曇り/晴れ/雨/曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 小川糸『喋々喃々』読了。ヒロインは東京谷中でアンティック着物の店をやってる推定28歳。先ずはこの舞台が良い。谷中、根津あたりから浅草界隈がおもな舞台。美味しそうな食べ物屋がたくさんあり、酒も旨そうだ。俺もこんな町の住人になりたかった。祭りも多いしね。かつての恋人雪道君のエピソードが泣けるね。じいんときたよ。そして今の恋だけど、北上次郎の指摘に同感で不倫関係じゃなくてもよかったと思う。その上この男が身勝手な甘えん坊に見えてくるとこが、同姓のおじさんとしてはツライのだな。もちろんこの男の気持ちはわかるけど...。ただこの物語の澄んだ空気感と小春日和な雰囲気に不倫は似合わないなあ。
鈴木博文『THE DOG DAYS』
 ずうっとこれ聴いてました。1987-2007のライヴ音源から選曲された2枚組。カーネーションやグランドファザーズなど博文さん周辺の人達がバックについていて、バンド演奏も充実していますよ。このアルバムからふり返ってみると、鈴木博文というムーンライダーズのベーシスト&ソングライターが、旺盛な他流試合を重ねるライダーズの中にあっても、ソロ・シンガーとしてはもっとも多くの(慶一よりも多い)活動を行ってきたことがわかる。思っていた以上に(当然ながら)その歌声は力強く言葉は饒舌だ。博文さんは工場の町羽田に住む街の詩人だと思う。付け加えてロック詩人。ビル、煙突、コンクリート、川、橋、塀、防波堤....そして月。街のリアリティを感じさせてくれる博文さんの歌はロックそのもの。ムラでロックはツライっす。


 6月8-9日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 椰月美智子『るり姉』読了。三姉妹と看護士の母親、そしてその母の母がいて、看護士母の妹(るり姉)がいて、男はアッシー君として登場するるり姉の夫だけ。いよいよ家庭小説から男がいらなくなったと実感できた。カトウコトノ『将国のアルタイル 3-4巻』読了。異世界の地図を見ていると冒険心が湧いてくる(冒険する勇気ないくせに)。セントロ(央海)の北にルメリアナ大陸があり、主人公マフムートの国トルキエ将国と強大な軍事力で領土拡大に進むバルトライン帝国があり、海洋都市国家ヴェネディックやポイニキアがある。セントロを挟んだ南の大陸にはサロス王国というのがあるらしい...。これがこの漫画の世界だ。犬鷲の将軍(犬鷲使いなのだ!)マフムートの冒険譚にワクワクなのだ。
キリヒト『QUESTION』
 初めてのバンドだけどMM誌で素晴らしく評判が良かったので聴いたみた。素晴らしく楽しかった(笑)。ギター竹久圏とドラム早川俊介のふたり組で9年ぶりの新作ってことだからキャリアは積んでる人達らしい。ミニマルでテクノでファンクで、で人力で..." トランス・ファンク " って表現もされてる。なんか妙に楽しいサウンドだ。自分で宅録で遊びたくなる感じで、こんなオート・ワウのかかったようなギターを重ねたり交錯させたり面白いだろうな。ドラムはバスドラなしのスタンディング・ドラムだし、ギターは足元のカシオ・トーンを踏みつけながら演奏するらしい。フジ・ロックあたりで見てみたいな。サイバー・パンク(ニューロマンサー!)な雰囲気も...とか書くと、古臭いと言われそうな今は21世紀なのだ(笑)


 6月6-7日 曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 ハラハラさせやがってサッカー日本代表、昨夜敵地タシケントでの対ウズベキスタン戦で勝利し4大会連続W杯出場を決めた。あのドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜がついこの前のように想い出された。監督も選手も話してたように、ここをスタートに世界の4強を目指すのだ! 頑張れ日本サッカー! 
 午後からちょっと店を抜け出して個展をふたつ鑑賞してきた。ひとつは20代からの知り合い尾身伝吉さんの木版画『雪国の四季 故郷のこだま展』。眺めていると時間がゆったりと流れ出すような風景画を見て穏やかさを憶えた。久しぶりに伝吉さんと談笑した後、次に「なじょもん」で開催中の『Element -菊地歩の世界』を鑑賞。前回の大地の芸術祭で、そのビーズによる作品が大評判となった菊地さん。今回はビーズを使った作品だけでなく児童の靴を使った作品やマニキュアで描いた作品などが楽しめた。
 関祐二『蘇我氏の正体』に続いて岡田英弘『倭国の時代』と坂本勝『古事記と日本書紀』を読了。まとめて感想を書くつもりだったけど、同時代モノ3冊読んだら頭がコンランしてきたのでやめた。だって3人の主張がそれぞれ違っていて(予想通りなんだけど)いちいちそれを書くのもめんどくさいじゃん(笑)。
JONI MITCHELL『DON JUAN'S RECKLESS DAUGHTER』
 『ドンファンのじゃじゃ馬娘』'77年アルバムです。そしてあのジャコ・パストリアスとの共演盤ですね。'77年当時の小倉エージのライナーを読んでみたら...なんだよジャコとも!? 今更ながら恋多き女ジョニ・ミッチェルを再確認。考えてみると..デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュ、ニール・ヤング、ジェイムズ・テイラー、レナード・コーエンなどの大物シンガー・ソングライター達と浮名を流したジョニ。このアルバムではドラムのジョン・ゲランも恋人といわれていたから、カレシふたりがリズム・セクションという濃いい音盤? それほど美人ともグラマーとも言えないジョニ・ミッチェルがどうしてこれ程モテるのか...。思うところ、彼女はつきあってきた男達に音楽的な影響を与えているようなので、その素晴らしい才能が男達をトリコにしたのだろうか? ウ〜ム...恋は音楽の肥し...なのか、やっぱり。


 6月4-5日 曇り  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 走る軽トラックの荷台のバーに掴まって風を浴びながら嬉しそうな声をあげてる小学生の女の子達(交通違反だけどないしょね)。埼玉の狭山市から農業体験ホームステイ(なのかな)で訪れている子供達だ。水田で泥んこになって遊んでる男の子達もいたね(笑)。みんな楽しんでくれてるかなあ。子供達の遊んでる光景はいいものだとつくづく思った。
JONI MITCHELL『SHADOWS AND LIGHT』DVD
 名作としか言いようがない'79年ライヴ映像。ジャコ・パストリアスとパット・メセニーがバンド・メンバーだったことでも有名。他にドン・アライアス(ds.perc)、ライル・メイズ(kbds)、マイケル・ブレッカー(sax)、そしてゲストでザ・パースエイジョンズが参加。ジャコにとって、ジョー・ザビヌルやウェイン・ショーターより以上にやり甲斐があり仕え甲斐のあるリーダーがジョニ・ミッチェルだったと思える。その独創的なジャコのプレイは、ジョニとのコラボレーションで一番の成果を上げているからだ。ジョニというジャンルを超越した才能に対し、天才的な閃きで応えたジャコとフレットレス・ベース。独創的でありながらもポピュラー・ミュージックとしての親しみを感じさせるところがジョニ・ミッチェルの素晴らしさなんだけど、ポピュラーでありながらも彼女の音楽はワン・アンド・オンリーなのだ。ジョニが弾くオープン・チューニングされたギターから溢れ出すまさにオープンなコード感に包まれて、嬉しそうにプレイする若きジャコとパット。このライヴ映像が残されたことに感謝山盛りなのだ。


 6月1-2日 曇り/晴れ  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 「甚だぶあいそな前口上でいけないが、しかし、こんなぶあいそな挨拶をする男の書く小説が案外面白い事がある。」とは太宰治。今朝の新潟日報に載っていた作者の言葉にありました。昔の文士には強烈な「上から目線」の人達が多かった気がします。その自堕落な生活態度はおいといて、とにかく文士はエライのだ、という態度がナイスです。そしてそんなエライ文士に「上から目線」で物申されると、マゾヒスティックな快感を憶えるわたしであります(笑)うそうそほんと...
『秋山郷の民謡』
 友人の羽鳥君がおいていった信州秋山郷(隣村)の民謡集。ちろんCDです。地元の民謡を歌える元気な歌い手がいるうちにこうしたCDを録音制作しておいた信州栄村と秋山郷の人達はえらいなあ。「熊引き歌」「外川節(そとかわぶし)」「下甚句(しもへじんく)」「三階節」「のよさ節」「秋山よいやな」「烏踊り(からすおどり)」の7曲入り。津南では「烏踊り」は今でも歌い踊られる民謡ですが、「下甚句」と「三階節」はもう歌も踊りも忘れられているようです(ね?)。他4曲はまったく馴染みのない民謡で、ほほう〜となり村ん衆はこんな歌をうたってらんかい、てな感じで歌詞から溢れ出す生活感が楽しいんだよね。ところで「下甚句」の歌詞に " 遠く離れて会いたい時は 月が鏡となれば良い " という民謡には似合わないようなちょっと素敵な一節がでてきてアレッて思って調べてみたら、これは有名な都々逸なんですね。こうゆうシャレた唄が、いつの時代にどのような人達によって秋山郷に運ばれて来たんでしょうかね。音楽は世界を廻る。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps