●2010●

 1月31日 晴れ/曇り  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 ようやく1月が終わる。長かったなあ1月。大雪があった上に親戚の葬式が2軒。10日からは腰がずっと不調だった。2月をスルーして早く3月が来ないかなあ。
V.A『HOW FUNKY CAN YOU GET?
    heavy funk blues & super funky soul from 1960-1970
 お馴染みブルーズ&ソウル・レコーズ誌付録CD。今回はファンク・ブルース。俺がブルースにがっぽりハマリ込んでた'70年代のその時代のモダンなブルースがファンク・ブルースだったから、俺にとっては馴染み深いブルースですね。日比谷野音で聴いたウエストロード・ブルース・バンドも当然ファンク・ブルースを得意としていたしね。'65年にジェイムズ・ブラウンが「パパのニューバッグ」でファンクの狼煙を上げて以来、ファンクは黒人音楽の大きな潮流となったわけで、ここで聴かれるブルースもその大きな流行に乗っているわけだ。ただそれ以前にもニューオーリンズにはジェシー・ヒル「ウー・プー・パ・ドゥ」のようなファンク感覚なR&Bがあり、ファンク発祥の地とも言われているんだよね。さて本盤、ローウェル・フルスンがトップとトリを飾ります。トリのナンバーはもちろん「トランプ」。スカしたかっこよさが最高。ZZ.ヒル、リトル・ジョニー・テイラーのようにディープ・ソウルもブルースも高く評価されてる実力者も収録され、リトル・ジョー・ブルーやボビー・ラッシュ、スモーキー・ウィルソン、ラリー・デイヴィスなど、ノリノリなナンバーがこれでもか!と入ったお得盤ですよ。気持ちいい〜!


 1月29-30日 曇り/晴れ/曇り  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 雪の降らない日が2、3日も続くと、もうそれだけで嬉しい。店のお客さんの表情も明るいしね。雪国の暮らしはほんと雪に左右される。
JO MAMA『JO MAMA』
      『J IS FOR JUMP』
 キャロル・キングからシティと聴き続けたので、ここはダニー・クーチつながりでジョー・ママと行きましょう。ダニー・クーチとチャールズ・ラーキーがキャロル・キングとのシティを解散した後に結成したジョー・ママ。'69年から'71年の活動期間にリリースされた2枚のアルバムがこれで'70年盤と'71年盤です。俺の記憶ではこのジョー・ママのアルバム、'75年頃の東京の輸入盤屋にカット盤でよく見かけた音盤でした。もちろん俺が持ってるLP盤もカット盤です。ファンキーでちょっとスワンプ風味なロック・サウンドで、特に『J IS FOR JUMP』はデラニー&ボニーを感じさせるほど南部のホワイト・ソウルの香りが濃厚です。Dr.ジョン絡みが2曲もあるしね。そんなアーシーなサウンドの中でも、ダニー・クーチのギター・プレイは都会的なジャージーなセンスで突っ走り、その都会派スワンプ・サウンドがジョー・ママの特徴だったと思っています。所謂当時のロック・ギターからちょっと浮いた感じのダニー・クーチのプレイ(チョーキングを多用しないんだよね)、そしてクルセイダーズやスティーリーダンのアルバムで超かっこいいソロを聴かせていたラリー・カールトン、ダニー・ハサウェイのライヴ盤でファンキーなプレイを渋くキメてたコーネル・デュプリーとフィル・アップチャーチなど、こうしたロックやソウルやジャズに跨ったプレイをするギタリストが気になっていたあの頃、そしてその数年後にフュージョン・ブームってのが訪れたんだよね。


 1月28日 雨  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』読了。初期中短篇が4篇収録。動物園から消えたシンリンオオカミとその檻の前のベンチに夜寝る元飼育員を巡る話。山奥の村に今も伝わる人身御供の話し。売れないロック・バンドと正義の味方を巡るクロニクルっぽい話し。気の良い空き巣達の思わぬ人情話。なんかどれもちょっとヘンだけど着地点が巧いお話しで、伊坂の仕掛けの巧さを楽しめる作品集。なれどやはり初期なんだよね出来映えが。
THE CITY『NOW THAT EVERYTHING'S BEEN SAID』
 キャロル・キングを聴き続けていたら俄然これが聴きたくなった。彼女がソロになる直前に組んでいたバンド、シティの唯一のアルバムで'68年リリース盤。メンバーはキャロル(vo,p)、ダニー・クーチ(g)、チャールズ・ラーキー(b)。アルバムでドラムを叩いているのは売れっ子セッション・ドラマーだったあのジム・ゴードン。1曲目、ワルツタイムのリズムがかっこよく、このバンドの新しさが伝わってくる。曲が進むに連れ、曲の良さに伴う冴えたハーモニー感覚、ダニー・クーチのジャージーなセンスなど、どこか垢抜けた都会のロックとしてとても新鮮。とその素晴らしさが判ったのは後になってからだけど(笑)。たしかにシュガー・ベイブには、このアルバムをお手本にしたフシがあると納得できる。あの時点でこのアルバムに注目してた山下達郎達のセンスも凄かったってことです。


 1月27日 晴れ  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 今日は文句なしの快晴。だけど寒い!朝、娘を学校まで送って行ったけど、道路が滑りそうで恐る恐る運転した。
Carole King『The Carnegie Hall Concert』
 1971年6月18日のライヴ。『Tapestry』と共に故郷ニューヨークへ、まさに凱旋公演。ソングライターとしては不動の地位を築いたキャロル・キングが、ソロ・シンガーとしてスターに登り詰めるその瞬間の輝きがここにある。オープニング、彼女の弾む気持ちは「空が落ちてくる」のダイナミックに弾むピアノに表れている。"...わたしはブルックリンに生まれた。だからNYに帰ってくるのは、わたしにとっては家に帰ってくるってことなの " と話し歌い出す「ホーム・アゲイン」も印象的だ。竹内まりやが歌いそうな、ポップで爽やかなメロディーを持つ「ソング・オブ・ロング・アゴー」も好きな曲だ。ダニー・クーチがロサンジェルスから駆けつけギターを添える「イッツ・トゥー・レイト」。クーチのジャージーなソロがかっこいいよ。控え目に優しく奏でられるストリングスにはデイヴィッド・キャンベルも加わっているらしい。彼はあのベックのお父さん。そんな仲間達の温かいアンサンブルに囲まれてコンサートは進行し、そこで登場したのがジェイムス・テイラー曲はもちろん「君の友達」なんて素晴らしい共演タイムマシンに乗って聴きに行きたいよ(笑)。


 1月25-26日 晴れ/雪  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 日曜月曜と雪が小休止で気分もほぐれたので、友人がやってる居酒屋へと飲みに出かけた。楽しく飲み食いして店を出たら、やはり雪が降っていた。
Carole King『Tapestry』
 Laura Nyro『Live/the loom's desire』
 さて館内BGM候補、リクエストされた女性ピアノ弾き語りとなればやはりこの二人は外せない。けど俺はこれをBGMでは聴けないしなあ。聴き入っちゃうもんね。『タペストリー』はスペシャル・エディション盤で、アルバムと同じ曲順のライヴ・ヴァージョンが1枚プラスされていて、今回の候補はその弾き語り盤。ローラ・ニーロのもピアノ弾き語りのライヴ盤を選んでみた。こうしてピアノ弾き語りという、" 裸の歌 " に近い状態の曲を聴いていると、ふたり共、マーヴィン・ゲイやダニー・ハサウェイなど70年代ニュー・ソウルに近い感じがしてなるほどと思う。背筋のシャンと伸びた歌声とピアノ、やっぱBGMでは聴けないなあ。


 1月24日 晴れ  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 ずっと読んでいた船戸与一だけど、彼が小説家としてデビューする前に『ゴルゴ13』の原作を書いていたってのは、ファンならよく知る話し。それでって訳じゃないけど、近く本屋さんで『ゴルゴ13』の単行本があったので買って読んいた。2005〜2006年の作品が収録されていたけど、久しぶりのゴルゴがまったく変わっていなくて嬉しかった。ゴルゴが歳をとって能力に翳りが見えたり、人生をふり返り物思いに耽ったりしてるのは見たくないなと思った。息の長いシリーズ物小説だったら、その登場人物達の成長や豊かな老いなどを歳月の流れと共に楽しめたりするけど、ゴルゴ13のようなスーパーマンは変わっちゃだめだよ(笑)
ナラ・レオン『美しきボサノヴァのミューズ』
 伊集加代『リヴィング・スキャット』
 昨日から続いてボサノヴァ。久しぶりの晴れの雪景色を眺めながらのボサノヴァは気持ちも穏やかになります。館内BGM候補ナンバーワンかな?昨日書いたけど、BGMに堕ちる音楽じゃだめなんだよ。BGM音楽としての品格(笑)が必要なわけだから。ナラ・レオンは71年パリ録音で、たしか亡命中だったかな。内容はボサノヴァ名曲集で、さすがにアントニオ・カルロス・ジョビンの曲が多い。「ワン・ノート・サンバ」のあのサビのクスグリはいつ聴いても最高にお洒落だね。「シェーガ・ジ・サウダージ(想いあふれて)」では異国のエトランジェ感にうっとり(そんな経験皆無なのに)。
 伊集さんは定番ですね。日本ポップス界の縁の下の力持ちとして長く君臨したこのヴォーカル力には脱帽し拍手喝采です。日本人なら誰もが耳にしてる素敵な歌声、たとえばネスカフェ・ゴールド・ブレンドのCMで流れていたあのダバダ〜のスキャットとか。ルパン3世のテーマ・ソングの出だし♪ルパン・ザ・サード〜も彼女の声だし、あの「11PM」のスキャットもそうだったよね。かの大瀧詠一もシンガーズ・スリーとしてコーラスに頼んでいたしね。このように伊集さんの歌声は巷に蔓延しているのですが、彼女の名を知る人はほとんどいない。声はすれど姿なし、これぞBGMの華といえるのではないでしょうか。


 1月23日 雪  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 近所の親戚の葬儀でばたばたと忙しかった。船戸与一『灰塵の暦 満州国演義5』読了。日中戦争も北支、上海そして南京へと拡大。その凄惨さにページをめくるのが苦痛だった。戦争というのは人が人でなくなる場なのだ。
ナラ・レオン『美しきボサノヴァのミューズ』
 マリーザ・モンチ『アモール、アイ・ラヴ・ユー』
 伊集加代『リヴィング・スキャット』
 温泉旅館を営む友人から、玄関ロビーや館内で流すBGMで女性ヴォーカルが入った良いのがないか?と相談され、いろいろと聴いてるところ。トゲのある、やドクのある、やハードでヘヴィーで大音量、やフリーキーでアヴァンギャルドな音楽を選曲する方が得意な俺なんだけど...(笑)。それで先ず思いついたのがスキャットとボサノヴァ。ヴァシュティ・バニヤンやアン・ブリッグスなんかのブリトラ系も考えたけど、すこし暗いかなとか。ブロッサム・ディアリーみたいな軽めなジャズはどうかな?とか。友人のリクエストには女性ヴォーカルでピアノ弾き語りもあったので、おおそれなら日本を代表する浜田真理子も思い浮かんだが、♪ いか〜あないで〜 じゃあ妙な尾を引きそうだし。それにBGMって、日本語の歌じゃない方が軽く聴き流せるってのもあるみたいだし。だからと言ってただただ聴き流されるんじゃ、選曲のしがいもないからな。「おっ、女将さん、この音楽シャレてますね。なんという人ですか?」とか言わせたいじゃん。じゃん..じゃん..


 1月20日 晴れ  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 浅川マキのエッセイ集『こんな風に過ぎて行くのなら』を読み返していたら、昨日の日記で「時代に合わせて呼吸をするつもりはない」をマキさんの言葉のように引用してしまったけど、この言葉は原田芳雄が言ったとしてこの本に登場していた。しかしかっこいいな「時代に合わせて呼吸をするつもりはない」だってさ。
浅川マキ『浅川マキの世界』
 70年リリースのデビュー・アルバムだけど、今聴いてるこのCDは廃盤となっている。何故かと言えば、CD化されたアルバムを聴いた浅川マキが、その音の悪さに廃盤を指示したということらしい。たしかに安易なCD化は酷い音質の数多くの音盤を量産したものだった。まあ俺のように店のチープなステレオ・セットで聴いてるぶんには、このCDでも文句ないのだが。この廃盤の件は彼女の音楽への拘りの強さを伺わせるエピソードだ。
 彼女の訃報を知り、俺の頭にすぐに浮かんだ曲が、このアルバムにある「ふしあわせという名の猫」だった。寺山修司作詞、山木幸三郎作曲だ。劇作家・詩人・歌人・演出家として活躍した寺山修司は、マキが出会った60年代後半には演劇実験室・天井桟敷を結成し時代の寵児だった。山木幸三郎は当時ビッグバンドとして最も先鋭的な演奏を行っていたニューハードの作・編曲家として注目を集めた俊英だった。そんな男達のバックアップで世に出たこのアルバム、60年代的な雰囲気を残しつつ、それでも古さを感じさせないスタンダードな貫禄がある。
 「かもめ、かもめ、笑っておくれ、娼婦に恋した成り上がりの男のうた.....私は自分の感情の全てを排して歌う。すると、「かもめ」の世界は、生き物のように暗闇の客席を漂ったかもしれない。そして、地下の劇場が閉ざす黒い壁に澱む。...アンダー・グラウンド、わたしと云う歌手の中に変わることなく連綿と在る。」(浅川マキ「こんな風に過ぎて行くのなら」より)


 1月19日 晴れ  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 文化的にアンダーグラウンドを志向するとは、商業主義・権威主義・保守的主流派への文化的抵抗だった。カウンターカルチャー=対抗文化として60年代後半のアメリカでそして日本でも若者を中心に叫ばれたアンダーグラウンド志向。その一番の旗手はもちろんロックだった。そしてアメリカン・ニュー・シネマやポップ・アート、そして日本では唐十郎や寺山修司などのアングラ演劇や松竹ヌーヴェルヴァーグ、ATGの映画、そしてURCなどのフォークももちろんそれを標榜した。
 60年代後半に歌い始め、日本のアンダーグラウンド・ミュージックを牽引した第一人者浅川マキが17日に亡くなった。寂しさをかみしめる。
浅川マキ『DARKNESS W』
 浅川マキが逝ってしまった。浅川マキまで逝ってしまうなんて。「時代に合わせて呼吸をするつもりはない」デビュー時から一貫して独自の音楽世界と美意識を表現してくれた。ジャズでありロックでありブルースであり、それらはみななにより「浅川マキ」だった。どんなサウンドをバックに歌おうと、どんな猛者達のインター・プレイの渦中にいようと、浅川マキの存在感は絶対的だった。彼女は演奏者に愛された歌手だったことも重要だ。デビュー当時から彼女のバックには日本のジャズとロックの超一流かつ先鋭的なプレイヤーが演奏していた。プレイヤーにとっても、浅川マキと演奏することは自分の可能性に挑戦し感性を磨く絶好の機会だったのだろう。つづく


 1月17日 雪/曇り時々雪  体調・普通なれどまだちょっと腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 ようやく雪の降り方にもお慈悲が感じられるようになった。完全に埋もれていた車庫前(シャッター2枚分)も、昨日人力でヘトヘトになりながら1枚分開けて、妻の車を入れることができた。そして今朝、近所の友人正敏君が除雪機と共に登場し、残りの雪を飛ばしてくれた。これでようやく、店の前と車庫前の除雪完了。
 我が家は雪国仕様の地下一階地上二階住宅で屋根雪は落下式なので、このように大雪になると一階(地下を入れると二階なんだけど)の窓まで埋まりそうだ。カンジキ履いて外から窓を掘り出すんだけど、もうそこまでいくと、豪雪も災害だ。
LAMBERT, HENDRICKS & ROSS
 『Improvisation For The Human Voice』
 ランバート、ヘンドリックス&ロスって今でも有名なんでしょうかね。ジャズ史上こんな一世一代の名人芸は他になかったような気がするから。なにしろレコードに吹き込まれたジャズの名演(もちろん楽器)、アドリブ・フレーズなんかに歌詞をつけて、さらにコーラスで歌ってしまった3人組だからね。なにしろ巧い! LH&R を知ったずっと後年になってバブス・ゴンザレスやスキャットマン・クローザースのようなバップ・ジャズ・ヴォーカリストも聴くようになったけど、LH&Rの革新性、技巧、洗練さは群を抜いたものだと思った。本盤で興味深かったのはラストの2曲で、ルイ・ジョーダンとスリム・ゲイラードの曲をやっていること。LH&Rのジャズ・コーラス&スキャットの根本にジャイヴ・コーラスがあったのかな?など重いながら楽しく聴けました。そうそうミルス・ブラザーズなんていう先達もいたんだよね。 


 1月16日 雪/曇り/雪  体調・普通なれどまだ腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 船戸与一『炎の回廊 満州国演義4』読了。「自由というものはある意味じゃ厄介なものだ。....持て余して捨てたくなったら...自由よりずっと心地いい境地を用意します」「何なんだね、それは?」「国家への隷属ですよ。孤独でしょう、自由は?国家に隷属しさえすればすべてが赦されるんです、どんな残酷な犯罪も。一度、天皇陛下万歳と叫んでごらんなさい。あらゆることが一瞬にして救済されます」と、昭和9年満州で。そして昭和11年の日本は2.26事件により軍事国家が加速。第4巻は建国に湧く満州国から日中戦争(支那事変)前夜まで。船戸にしては人間ドラマが薄い気がするけど、う〜ん...。
LAMBERT, HENDRICKS & ROSS
 『Improvisation For The Human Voice』
 聴いてる時間がなかったのだ。つづく


 1月14-15日 雪〜吹雪/雪  体調・普通なれど腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 最悪のタイミングでドカ雪となった。13日の午後から商売関係の新年会、そして14日は新潟市での葬儀のため朝7時に出かけ帰ってきたのが夜の7時過ぎ。その間に降り積もった雪に、俺は為す術もなかった。普通なら積もればすぐに除雪するので、店の前も車庫の前も、雪を貯めることはないのだが、今回は参った。店の駐車場の端に停めて置いた店用自動車にはドンと1メートル程の雪が乗っかり、車自体が埋まっていたし、駐車場の上と下の出入り口も上の方は人力では手の施しようがない程積もっていた。とにかく車を掘り出し、下の出入り口だけは確保しようと夜9時半まで除雪作業。雪に閉ざされる恐怖心からか、腰の痛みも足の痙攣も気にせずどんどん雪をかたづけた。でも側溝の水が流れないこともあり人力では限度があった。そして15日朝6時、除雪機のエンジン音がするので窓の外を見たら、近所の友人正敏君が店の前を除雪機で雪を飛ばしていた。お〜神様仏様正敏様!昨夜一応頼んでおいたんだけど、こんな早朝に除雪に来てくれるとは、もう感謝しきれないよ。
 さて、今日15日はその存在が小さくなってしまったが小正月です。夕方6時から松焼きです。大雪の小正月となってしまったなあ。
LAMBERT, HENDRICKS & ROSS
 『Improvisation For The Human Voice』
 ヴォーカリーズ・グループの元祖として有名なランバート、ヘンドリックス&ロスの、各自のソロ作品も収録したコンピュレ盤。つづく


 1月12-13日 曇り/晴れ/吹雪  体調・普通なれど腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 腰痛には困った。いつもは軽く済んでたけど今回は少しキツイ。特に寝起きが辛い。10日からだから4日目、そろっと快方に向かってくれたらいいけど。お昼のニュースでは鹿児島で小学生が雪合戦をやっていたり新潟市でも猛吹雪と大荒れな日本列島だけど、なぜか今のところ津南は晴れている。今日はこれから商売関係の新年会そして明日は朝7時出発で新潟市での葬儀がある。このまま雪が降らなきゃいいのだが。なんて思ってたら、一転にわかにかき曇り...吹雪と相成り候。
相対性理論+渋谷慶一郎『アワーミュージック』
 『ハイファイ新書』が予想以上に楽しかった相対性理論の新作。渋谷慶一郎に関してはMM誌に少しだけ紹介があったけど、まあまったく知らない人。7曲入りミニ・アルバムの内最初の2曲が相対性理論+渋谷慶一郎で後はヴォーカルのやくしまるえつこ+渋谷慶一郎作品だった。素っ頓狂なハイパーポップだった前作の楽しさが、ここでは感じられず残念。


 1月10-11日 雪/晴れたり..  体調・普通なれど腰痛  アマゾン.com 自粛中!

 昨日10日は十日町のチンコロ市へ行ってきた。お昼近くだったのでチンコロは買えなかったけどそれなりの賑わいで楽しかった。楽しかったのはいいが、どうも腰痛だ。動きがいまいち。
シティ・ヌールハリザ『東方のともし火』
 マレイシアの歌姫シティ・ヌールハリザのふくよかでたおやかな歌謡美にうっとりだ。マレイシアの伝統歌謡復興の旗手だったシティが新たなサウンドに伝統音楽を乗せてリズミカルに軽やかに歌う。ストリングスの旋律がエキゾティックに絡み、ガット・ギターのような音色(楽器はなんだろ?)のオブリガードが巧妙だ。ペタペタした太鼓はインドを思わせたり、ヒュルヒュル鳴る笛は中国っぽかったりで、なるほどアジアの真ん中の音楽なんだと思わせる。せっかくの日本盤なんだし、歌詞の訳くらい付けて欲しかったな。


 1月8-9日 雪/曇り/雪/晴れたり..  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 船戸与一『群狼の舞 満州国演義3』読了。第三巻は昭和7年から。「国家の創出は男の最高の浪漫なんだから」、満州国建国で日本中が沸騰。軍部の独走に懐疑的で反発すら憶えていた奉天領事館の参事官敷島太郎ですら建国の興奮に酔う。しかし...「熱河の阿片は満人に売るんでしょう?満人に売って満人のこころを骨抜きにするんでしょう?」「五族協和だの王道楽土だのはもともと方便に過ぎんのだよ」...と満州国の闇の部分も露呈してくる。満州国の経済を支えたのは阿片の売買だったし、蒋介石の軍費も阿片によって支えられていた。戦争っていったいなんだろうね。
相対性理論『ハイファイ新書』
 このひとたち、youtubeで検索してもいまいちビジュアルがわからん。やくしまるえつこっていったいどんなひとなのか?この面白い曲を作ってる真部脩一ってどんなひとなのか、まったくわからん。カーネーションのドラマーだった矢部浩志のソロ・プロジェクト" ミューズメント " で安藤裕子が歌ってるあの感じとポップ・センスが近いかなとちょっと思ったけど、でもこっちの方がずっと計算された巧妙さがあるし。う〜ん謎だ。なにより面白い!


 1月6-7日 雪  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 大陸から大寒波襲来!かと騒いだわりにあまり雪は積もらずほっとした。でも少ないといっても水っぽくて重い雪だからイヤはイヤだな。今日も夕方1時間除雪。
相対性理論『ハイファイ新書』
 ミュージック・マガジン誌ベスト・アルバム2009の日本ロック部門で1位に輝いた本盤ですが、わたしゃまったくノーマークでした。くやしいので聴いたみたら、そうかそうかなかなかよろしい。なんかジィーシーフルーツがパフューム化したような、またその逆なような楽しさがある。MM誌の記事で「職人が作った快楽装置がパフュームなら、学生がガレージ・キットで作り上げた快楽装置(のようなもの)が相対性理論...」とあったが、なるほど言い得て妙だな。メンバーは、やくしまるえつこ(vo)、真部脩一(b)、永井聖一(g)、西浦謙介(ds)の4人。一昔前の天気予報のバックに流れたようなポップ・フュージョン・ギター(みたいな)が流れ、そしてキュートなちょっとウィスパーなちょっとなげやりな感じの歌声が登場。アイドル歌謡にも通ずる可愛らしさもある。おじさん、けっこう好みです(笑)。つづく


 1月4-5日 晴れ/雨/曇り/雪  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 川上弘美『これでよろしくて?』読了。オビを見ずに本編を読み終わり、オビにある " ガールズトーク小説 " が腑に落ちる。しかも『婦人公論』連載小説ってことで、どうも男の俺には分が悪い(笑)。川上弘美のニンマリした顔が目に浮かぶ。なんだかなあ...の「これでよろしくて?同好会」、日々の「?」なことをまな板に載せ語り合う会なんだけど、例えば " パンツ問題 " ってのがあって、「あの、わたしなら、パンツは脱がされたにしても自分で脱いだにしても、隙を見て自分側の枕の下にこっそり隠しておきます」「枕の下はいいけど、そこに隠していることがばれちゃったら、あたしなら恥ずかしいです、きっと」...とこんな会話が続くわけ。で読んでる俺は、こそこそと隠れ場所を探しつつ耳をパラボナアンテナにしてる(笑)。嫁と姑の静かなバトルがなかなか怖くて、男の俺は避難口へそっと....。
NORAH JONES『THE FALL』
 聴いていて心地よいのでつい流しっぱなし。ちょっとハスキーに鼻にかかった時の歌声が好きなんだよね。トム・ウェイツを意識してか、やさぐれた風情を醸し出しているけど、やはり素敵なお嬢さんキャラ。つながりの良い安定感のあるきれいなメロディーライン、やはり楽曲の良さも彼女の魅力。かつての日本の歌謡曲のような安定感だよね。Jポップの特に女子の、あの脈絡なくピョコタン上下動し切れ目の判りづらいメロディーラインにウンザリしている初老な俺には、ノラ・ジョーンズの無理のないメロディーが歌の桃源郷に思える。


 1月3日 雪  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 雪の正月。今年から元日と2日を休んで今日3日から営業としたんだけど、結局昨日も店を開けてました。祖母ちゃんの性分だからしかたないか。雪は降り続くから大晦日から毎日除雪に汗をかく日々で、いいかげんうんざりだなあ。宝くじが当たったら南国へ移住しなくちゃ(笑)
NORAH JONES『THE FALL』
 まるでデビュー作の大成功から逃れるように、一作ごとに脱ブルーノート(脱ジャージー)路線を押し進めてきた感じのノラ・ジョーンズの新作。ウーリッツァーがラウドなリフを奏でる「イッツ・ゴナ・ビー」のようなタイプは初めて聴く。なんでもノラさんはトム・ウェイツの『ミュール・ヴァリエイションズ』が大のお気に入りとのことで、だから本作にマーク・リボーとスモーキー・ホーメルといったトムの相棒ギタリスト達を呼び寄せ、そのうえプロデュースをトム絡みのジャックワイア・キングに任せてるわけですね。エッジのある音色とそれを包むザラついたサウンドなど、なるほどトム・ウェイツっぽい。でもメロディーのなめらかさとノラのアンニュイでリラックスした歌声は相変わらず魅力的で、それがサウンドと調和すると、今まで以上に深くリアルな歌の世界が立ち上がってくる。


 1月1日 雪  体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 雪の元日だ。朝9時から神社でムラの正月行事そしてそのまま公民館で年始会。降り積もる雪をほおっておけず、やむなくカッパ着て除雪作業に、やれやれこれから出動だ。....で1時間半の除雪作業を終えて家に入った。外は荒れてる。雪も間を空けて降ってくれたら少しは楽なんだけどね。正月からパッとしない話題だなあ(笑)
NEIL YOUNG『Harvest』
 ♪ ぼくは生きたい ぼくは捧げたい ぼくはずっと美しい心を掘りあてようとする鉱夫だった 〜 2010年最初の音盤はニール・ヤングの『ハーベスト』。先ずは文句なし!リマスターの威力がはっきりわかる素晴らしい音質でじつに気分いい。
 で、雪を掘りながら考えていたんだけど、俺が飽きもせず音盤を漁り聴き続ける理由は、♪ ぼくはずっと美しい音楽を掘りあてようとする鉱夫なんだ〜 ってのはどうかな?(笑)そして ♪ I'm getting old 〜 (ギター)ズンチャッチャッチャッ〜 てな人生でいいじゃないすか。


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ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps