目下脱走中→


●2010●

 7月30-31日 晴れ 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 浦沢直樹『BILLY BAT 4』読了。面白い!「テキサス捕物帖ピストルヘアー荒野を行く」なんて笑っちゃうくらい素敵だ。まるでパラレルワールドのように多くの物語が複雑に絡み合って進行しているようで、前巻ではそれが少しとっちらかってる印象があったけど、ここではグッと締まった感じで、さらに引き込まれてしまった。いったいこのストーリーは何処へ向かって行くのか、楽しみなような怖いような(笑)。
SPENCER WIGGINS
 『Feed The Flame:THE FAME
AND XL RECORDINGS』
 
ゴールドワックス録音で親しんだサザン・ソウルのスペンサー・ウィギンス。そのウィギンスがGWの後'69〜'73年に吹き込んだフェイム、サウンド・オブ・メンフィス、XLの音源が登場。歌の巧さは相変わらずだけど、バックのサウンドがソリッドでブルージーな70sソウル的な新しさを感じさせ、ウィギンスもディープでありながらメリハリの効いた辛口な歌い方で上手くサウンドに乗っているようだ。フェイム・スタジオのサウンドは'60年代のロジャー・ホーキンス達白人中心からフェイム・ギャングと呼ばれる黒人ミュージシャン達がバックを受け持つようになったせいか、カントリー・タッチが独特な甘さを醸し出した'60年代に比べ、よりブルージーで黒っぽい。スタックスも'70年代には黒人中心となっていたし、ハイはもともと黒人中心だったから、サザン・ソウルのサウンドはこの'70年頃を境に変わっていったようだ。俺がそのどちらも好きなのは、サザン・ソウルがシンガー中心の音楽だからで、このスペンサー・ウィギンスも傑出した歌唱力ゆえに、サウンドのカラーが変わってもその歌の魅力が損なわれることはない。ただ彼のような偉大なソウル・シンガーが不運だったのは、そのレーベルがあまりに弱小だったためだ。埋もれている偉大なソウル・マン、ブルース・マンにもっと光があたって欲しいよね。


 7月27-29日 曇り/雨/曇り 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 レジナルド・ヒル『骨と沈黙』読了。この厚さに見合う圧巻な英国ミステリいや「偉大な英国小説」。警視ダルジールの人間的ブ厚さが凄いね。この威厳に満ちた強烈なユーモアと毒はイギリスならではと思う。これはちょっと快感。物語の主軸はミステリなんだけど、サッカーのフーリガン、失業問題、文学論、神学論争を絡めて、たんにミステリに留まらない内容豊かな小説となっているとこが「偉大な英国小説」たる所以か。もちろんミステリとして超一級ですよ。
PHIL MANZANERA『DIAMOND HEAD』
 CAFE JACQUES『ROUND THE BACK』
 PHIL MANZANERA,ENO...『801 Live』
 STEVE HILLAGE『 L 』
 
なんかザックリとソフトにプログレした英国のロックが頭に浮かびこんな音盤を聴いてました。どれも'70年代中頃の作品で、流行りからはズレながらも粋なセンスが感じられます。'70年代はまだロックが沸騰していた時代で、英国ではハード・ロックやプログレッシヴ・ロックがどんどん肥大化し、そんな商業ロックへの反発などからパンクが勃興するそんな派手な'70年代の英ロックの世界で、フィル・マンザネラのソロ・プロジェクトやカフェ・ジャックスのようなバンド、そしてカンタベリー派と目されたスティーヴ・ヒレッジの存在は、当時の日本では印象が薄かったかな。俺も彼等のアルバムを買って聴いたのはCD化された'80年代中頃以降のこと。もともとグラムにもプログレにも興味がなく、そもそも英ロックに不勉強な時期が重なったためだけどね。カフェ・ジャックスは鈴木慶一とライダーズ達が影響されたバンドとして名前は知っていたけど、なかなかアルバム(LP盤)が手に入らなかった。聴いてみて、まさにライダーズの『カメラ=万年筆』だと納得。ちょっと屈折したポップ・センス、サウンドの仕掛けが大仰でなくシャープでスマートなとこが良いな。フィル・マンザネラはロキシーミュージックのギタリストとして有名だけど、この2枚のアルバムはロキシー仲間だったブライアン・イーノを片腕として出来上がったもので、ポップで奇妙なプログレ・センスが光っていて好きなんだよね。スティーヴ・ヒレッジはカンタベリー派でゴングのギタリストであったらしいが、このへんも不勉強でフニャフニャです(笑)これはトッド・ラングレンがプロデュースし、彼のバンド、ユートピアが演奏に加わっているってことっで買ったのかな。歪んだ音でジャズっぽいフレーズを弾きまくるヒレッジが、いかにもプログレ・ギタリストって感じに思え、これも好きな音盤です。ドン・チェリーがトランペットを吹いていたりで、こんな感じもさらっとプログレだな。


 7月24-25日 晴れ/雨/晴れ 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 28日の人間ドックまでのカウントダウンが始まった感じで気が重いなあ。この歳にしては健康体なんだよ、体重・体脂肪を除いては(笑)。どうせ今年もそのへんをチクチク突かれるんだろが....。べつに見苦しいデブじゃないんだから(自称)いいだろ、と居直りたいけど、白衣の前では弱気な俺なのだ(笑)
GRACE POTTER & THE NOCTURNALS
 『GRACE POTTER & THE NOCTURNALS』
 
買った動機の八割方はジャケット写真に写る金髪ねえちゃんとその太股だった。でもその金髪太股ねえちゃんグレイス・ポッターがなかなか実力派なのだった。その歌声はハスキーでパワフルでソウルフル! まあサウンドはオーソドックスな骨太ロックなんだけど、シンガー・ソングライターとしての彼女が素敵な分、アルバムとして聴き応えがある。アメリカ中西部の気骨を感じさせ(彼女達の出身地は知らないけどw)ジャニス・ジョプリンの魂を受け継ぐロックがここにあるね。


 7月21-22日 晴れ 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 さて、行き詰まりつつあるこの音盤日記。何故かと言えばこのWEBサイトChamkyBoxの更新が旧Macの旧OSによって成されているからなんだ。主に使う目の前のMacではなく、サイドに追いやられたMac...。そろっとこの「音盤日記」のブログ化が頭をよぎる。
Jesca Hoop『Kismet』
 
「彼女の音楽は夜の湖を泳ぐようだ(Her Music is like swimming in a lake at night)」とトム・ウェイツのお墨付きを得たジェスカ・フープの2007年アルバム。なんとデビュー前の彼女、アルバイトとしてトム・ウェイツ家で子守りの仕事をしていたとか(笑)。彼女の生い立ちについては中川五郎さんのブログにその訳が載っていて、それによると「ジェスカは南カリフォルニアで五世代続く、厳格なモルモン教徒の家族の五人兄弟のひとりとして生まれ、幼い頃から家族全員で音楽に親しみ、古いフォーク・ソング、それもマーダー・バラッドや讃美歌などを、四声のハーモニーで歌っていた」とある。なにやら神秘的な環境。だけど普通に若者一般が聴く音楽も聴いていたとある。でもまあアメリカン・ミュージックというよりはビュークとかケイト・ブッシュに近い感じはあるね(何処かで誰かも指摘していたけど)。CDジャケットに添えられた絵の印象からか、子供の頃の夢に出てきたファンタジーやらホラーやらのイメージと彼女のエキゾティックな歌声が、ここで不思議で素敵な物語を創り出しているようだ。「Intelligentactile101」という曲では、日本の吉田兄弟が三味線を弾いてますよ。何でもありな、包容力の大きな音楽ですね。


 7月17-18日 曇り/雨/晴れ 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 18日。ついに梅雨明けして夏本番かな。宮原芽映『海の見える観覧車』読了。宮原さんとはツイッター繋がりで、お互いにフォローしあっている。彼女は'78年頃タイニー・パンプスとして歌手デビュー、その後は作詞家としても活躍、作詞のリストには渡辺はま子からレベッカそしてアニソンなどとじつに幅広い。そんな宮原さんが暮らしている横浜の街をエッセーとして書き綴ったものが本書『海の見える観覧車』。鶴見線海芝浦駅に向かう古いチョコレート色の電車のはなしが特に印象に残った。
JAMES CARR『The Complete GOLDWAX singles』
 CANDI STATON『CANDI STATON』
 CLARENCE CARTER『THE DYNAMIC』
 HOWARD TATE『Get it while you can』
 
16日夜帰宅してツイッターを覗いたらジェイムス・カーを聴いている人がいて、そしたら俄然サザン・ソウルが聴きたくなり、棚からこんなCDを引っぱり出して楽しんだ。ゴールドワックスのカーはメンフィス・アメリカン・スタジオの録音。ステイトンとカーターはアラバマ・マッスルショールズのフェイム・スタジオの録音。ともに南部のアーシーなサウンドが魅力。といっても一番凄いのは歌唱力なんだけどね。'60年代末頃のこれらメンフィス〜マッスルショールズのスタジオには白人ミュージシャンが多くて、だからサザン・ソウルは黒人と白人のフィーリングが混じり合って出来た音楽なんですね。ハワード・テイトは'60年代末録音だけど場所はニューヨーク。ディープな歌唱が素晴らしいシンガーですが、バックのサウンドは南部に比べるとタイトに締まっている。バックは黒人スタジオ・ミュージシャンです。ピアノがリチャード・ティー、ゲイルとデユープリーのギター、チャック・レイニーにジェリー・ジェモットのベースなど、こちらも素晴らしいメンバーですね。サザン・ソウルを聴き始めた二十歳頃はスタジオ(セッション)・ミュージシャンに興味を憶えるようになった頃なので、これらのアルバムを聴いていると、そんなスタジオ・マンのことを思い出します。


 7月15日 雨/曇り 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 樋口毅宏『さらば雑司ヶ谷』読了。樋口作品を続けて読んでみた。こちらは乾いたバイオレンスだね。暴力小説。ドライな暴力描写は花村萬月を思わせるけど、それより『鉄コン筋クリート』みたいなマンガに近い乾きぐあいだ。主人公のバックに婆さんが統べる闇の組織があるって構造は『男一匹ガキ大将』のようで、こうゆうバックボーンはズルイと思う。これでハードボイルドとしては失格だ。『日本のセックス』も『さらば雑司ヶ谷』も、主人公が人間不信なとこが共通かな。『日本のセックス』の中に「十人十色というけど、ほんとは一人十色なんだよ」みたいなセリフが出てくる。一人十色と人間不信が結びつき暴走するニッポン物語なのか?。
John Smith『Map or Direction』
 
iTunesからDLしたアルバムなので音盤とは言えないけど(HDはディスクだからいいのか?w)、CDが手に入らないのに話題沸騰なもんだからDLしてMacで聴いている。これからは(今でも)こうした聴き方が一般的になるのかな。俺はCDやLPなどジャケットも含めた音盤という形態に愛着があるから、DLした音楽を聴くってことには馴染まないだろうな。それはともかくジョン・スミスだ。ツイッターで知ったイギリスの新鋭シンガー・ソングライター&ギタリスト。今来日中で小さなライブを各所で行ってるらしく、それもツイッターで話題となっている。感想はもうちょっと聴いてからということで。つづく


 7月13-14日 雨 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 樋口毅宏『日本のセックス』読了。たしかに淫乱三昧な小説ではある、本の中程までは。そこからどんどん転落する。物語が陰湿にならないのはヒロインが自分の悲惨な状況をどこか醒めた第三者の眼で見ているからか。面白い小説だったけど、読み終えた時は妙に醒めていた。
JAKOB DYLAN『Women + Country』
 
ジェイコブ・ディランの新作はTボーン・バーネット組にサポートされた安定感のある作品だ。ボブ・ディランの息子ジェイコブもすでに40歳だという。曲調も歌声も穏やかなんだよな。それが悪いわけじゃないんだけど、、、。曲によってはジョー・ヘンリーに似た感じもあるけど、ジョーほどはディープじゃないし。父ディランのエッヂの効いたロックンロールを聴いたばかりの俺としては、息子ディランにもまだまだバンド感を押し出したエモーショナルなロックをやって欲しいところだが。


 7月10-12日 雨/曇り/雨 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 W杯ファイナルを制したのはスペインだった。スペインのパス・サッカーは、ドイツ戦程の精緻さと華麗さはなかったが、強敵オランダに対しても自分達のスタイルで相手を押さえ込んでの勝利だった。スペインのGKは今や世界屈指と言われるカシージャス。流石の安定感だった。センター・バックの二人はバルセロナのコンビでお馴染みのプジョルと新鋭ピケ。プジョルの強かさとピケの高さでここも強かった。サイド・バック、セルヒオ・ラモスの再三の攻撃参加も印象的だった。ボランチのシャビ・アロンソはかつての名手グアルディオラを思わせる姿勢の良さとかっこよさで二重丸。タフに相手を潰しそして攻撃の絡んでいた。そしてパス・サッカーの要、シャビとイニエスタ。バルサでもチームの心臓となる二人だ。とにかく巧い。密集でのパス交換そしてドリブル、ワンタッチ・パスを小気味よく回すその中心に彼等がいた。ワン・トップにいたビジャはとにかくシュートが巧い。相手バックラインからの飛び出しも鋭く、頼もしいFWだった。終わってみれば成る程といえる布陣でタレント揃いのスペイン、今大会の優勝にふさわしい素晴らしいチームだった。
 オランダも好きなチームだったが、スペインにしてやられたって感じで、自分達のペースを掴みきれなかったようだ。目立ったのはロッベンだけ、スナイデルはミッドフィールドで忙殺され攻撃の中心として機能しなかった。
 スペイン・サッカーは強かっただけでなくとにかく楽しかった。それがこの大会への印象を深いものにしてくれるはずだ。あの日本vsデンマーク戦の歓喜とともに。
V.A.『Rumba Blues』
 
How Latin Music Changed R&B vol.11940-1953 がサブ・タイトル。曲目解説はあのジャパニーズ・マンボ・ブルースの名曲「誰がマンボにウッを付けた」の作者兼バンド・マスター吾妻光良氏である。味わいのある解説が笑える。俺がブルースとラテンの結び付きを意識した最初はニューオリンズのプロフェッサー・ロングヘアのルンバだった。ニューオリンズR&Bのもつアメリカ離れしたノリはカリブ音楽と関係があると感じたのもその頃からだった。アーリー・ジャズも聴くようになって、そのジャズにもラテン系な演奏がけっこうあり、カリブ・ラテンとアメリカン・ミュージックの近さにはずっと興味を持っていた。このCDには、ジョニー・オーティス、ロウエル・フルスン、BB.キング、レイ・チャールズ、ジミー・リード、マディ・ウォーターズ、そしてN.O.のロングヘア、ファッツ・ドミノ他大物多数でお買い得なんだけど、えっこれがラテンかなと思えるような曲も多く、解説の吾妻先生も首を傾げるような選曲だけど、まあこれはこれで楽しいから良しとしよう(笑)


 7月〜9日 曇り/雨 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 W杯決勝は念願のスペインvsオランダとなった。ラテン・スタイルのスペインとストロング・スタイルのオランダ。ショート・パスのスペイン対ミドル・パスのオランダ。どちらが自分達の距離・間合いでゲームの主導権を取るか、などなどとにかく楽しみな一戦だ。
 船戸与一『新・雨月 戊申戦役朧夜話』上下巻読了。船戸与一は民衆側に立って骨太な活劇物語を書いてきた作家だ。だから船戸にとって、支配階級である武士とその支配下で生きる民衆を対峙させるのが彼本来の作風だと思っていた。本作でも河井継之助及び長岡藩士や会津藩士が戊辰戦争において、農民を初めとする領民のことを思い諮ったとは思えない。彼等武士にとっては藩と藩主こそが大事で、領民は当たり前にそこに暮らし働き年貢を納める下層階級の人達なのだ。戦となれば田畑を荒らし村を焼き、村人を徴用し女性に乱暴する。これは当たり前に戊辰戦争でも行われたことなのだ。本作でもそのような場面は多く出てくる、でもなんだか物語の歯切れが悪く、登場人物の造形も船戸にしてはイマイチだ。何故だろうと読み進む。船戸は戊辰戦争を調べ書き進めるうちに、武士の滅びる姿に美しいものを感じてしまったのではないか?武士道とは手前勝手ではあるが美しくもあると感じたのではないか。民衆からみたら悪そのものの武士の戦、なれど武士にも...そんな思いが、この物語の詰めを甘くしたように感じた。
テレ・マスター特集
 THE HELLECASTERS『THE Return OF THE HELLECASTERS』
 JERRY DONAHUE『NECK OF THE WOOD』
 WILL RAY『INVISIBLE BIRDS』
 ARLEN ROTH『Toolin' Around』
 DANNY GATTON『Hot Rod Guitar』
 REDD VOLKAERT『TELEWACKER』
 JIM WEIDER『BIG FOOT』
 PETE ANDERSON『WORKING CLASS』
 
フェンダー・ジャパン'62テレキャスターを改造して遊んでたら、久しぶりにテレキャスターの名手達のプレイが聴きたくなって、ざっとこんな人達のプレイを楽しんだ。アンソロジーだったダニー・ガットンを除けばほとんどが'80年代以降の作品で、'60年代'70年代のテレ・マスターのような、いかにもテレキャスターというサウンドは少なく、俺的には物足りなかった。それでも、カントリー・リックを駆使したヘルキャスターズ関係や豪華なゲスト・ギタリストを招いたアーレン・ロスのアルバム、そして以外にクールでジャズっぽいダニー・ガットンのプレイは、そのギター・プレイだけでも興奮させられた。他のギターに比べ、テレキャスターは個性が強いと思ってるんだけど、だからテレを弾くプレイヤーにはテレしか弾かないという芯の強いプレイヤーが多い。テレに苦労している俺だから、そのテレを縦横無尽に弾きまくる彼等には脱帽し拍手喝采なのだ。


 7月1-3日 雨/曇り 体調・普通  アマゾン.com 自粛中!

 ブラジルも負けちゃったね。ま、相手がオランダだからそれもありだ。ヨーロッパではオランダのサッカーが一番好きだったから、もうこのへんで優勝してもいいんじゃないかな。スペインにも優勝して欲しいけど...、まあどっちかが優勝したらいいな。今回のW杯を見ていてつくづく思うのは、サッカーがタテに速くてしかも全体が窮屈になった感がある。中盤はゲームを組み立てる場ではなく、ボールを奪取するスペースとなった。もうファンタジスタじゃなくて猟犬がうようよいる場所となったようだ。かつてジーコ、プラティニ、バルデラマ、シーフォ、ルイ・コスタなど素晴らしいファンタジスタ達が華やかに活躍したミッドフィールド。あの頃サッカーはエレガントだったよ。
V.A.『南アフリカ音楽入門』
 
オーディブックとして'94年にリリースされたもの。ミュージックマガジン社の関連会社(かな?)の制作で、監修はもちろん中村とうよう。'80〜'90年代にワールドミュージック・ブームを先導したミュージックマガジン、その中村とうようがリリースしたオーディブック・シリーズは、様々な国の大衆音楽を丁寧な解説付で紹介してくれた大変にありがたいものだった。この南アフリカ篇では、ジャズの受容のされかたが興味深かかったり、ヨーロッパ移民が持ち込んだコンサティーナ(手風琴)やティン・ホイッスルの定着した様子などとても面白い。そしてなんといっても'60年代以降の都市音楽。マハラティーニ&マホテラクイーンズは単独盤で親しむ程好きなんだけど、ここではその元ろなったダーク・シティ・シスターズが3曲も収録されている。所謂ズールー・ジャイヴ=ンパクァーンガを完成させたと言われるグループ。これが素晴らしい。地から湧き上がるようなクロス・ハーモニー・コーラスにケイレンするエレキ・ギター、グイグイ煽るベース、この躍動感はほんと凄い。W杯のおかげで久しぶりに聴いてみました。


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月下の遊群CONTENTS
 
ロスタイムにご用心  酔んぐしなくちゃ意味ないね While My Guitar Gently Weeps